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大台ガ原山
大台ガ原山

基本情報
1 山名 大台ガ原山
標高 1,695 m (日出ガ岳)
山域 台高山脈
都道府県 三重県・奈良県
位置 N34.11.06/ E136.06.33
地図 昭文社 山と高原地図51「大台ケ原」
2万5千分の1地図「大台ケ原山」
20万分の1地勢図「伊勢」
7 山岳区分 日本百名山、関西百名山
登山記録
山歩No 1900-11009
登山日 2011年6月4日(土)
歩程 3時間15分
天候 晴れ
形態 日帰り(登山後温泉泊)
アプローチ 名阪国道針IC国道169号大台ケ原駐車場
パーティー 20人

大台ケ原山でいよいよ。百名山完全登頂達成である。 2011年の年始から、25年来の山仲間のK.Mさんが友人たちに召集をかけてくれた。
私が日本百名山の最後に関西の山を残したことから、大阪・兵庫・奈良・和歌山の4県に在住の友人たちに一緒に登ることを声をかけてくれたのである。単独で行く百名山が多かった私にとって、百名山最後のこの山はなんと20人パーティー、6歳から72歳まで文字通り老若男女がそろっての山行となった。

出発

6月3日(金曜日)前の日から荷物を会社に持ってきていたので、残業して21:30に仕事場を辞して、そのまま、となりのビルにある夜行バスの発着センターでチェック・イン。 バスの出発まで時間があるのでビルの1Fのコンビにで夕食を買う。 ビルの前のガーデンでビールを飲んで22:40にバスに乗車。 ビジネスクラスというだけあって、前の座席との間隔が広く快適だった。 
6月4日(土曜日)朝5:45にアナウンスで起こされる。 もうすぐ大阪駅に到着するとのこと。 予定より早く6:05に大阪駅の桜橋口に 着した。ホテルの横で、着替えをして、 新しくなった大阪駅を見学して西九条へ移動。 一緒にのぼる仲間と合流。 車に乗せても らい7:30に出発。 阪神高速を松原から西名阪道に入る。この道を走るのはずいぶんと久しぶりである。 十年ほどまえには山に行くと きに何度か通った道である。  途中、針のコンビニ前で休憩。針ICから南に国道369号を走る。大宇陀を通り、北海道の山にも一緒 に行ったM.Uさんのご自宅の近くを走る。 169号線に入り、大滝ダムの近くを通って、途中で今夜の宿泊の入之波温泉に予約の確認の 電話を入れる。 

大台ケ原駐車場から登山開始

伯母峰峠を越えて、大台ケ原ドライブウエーを車は進む。細い道ながら、散策にこられた方が停めている車もちらほら 見える。 天気は朝の曇り空が回復して晴れとなっている。 新緑がきれいだ。 バスが通るとは思えない細い道を走っておよそ40分 で 大台ケ原駐車場に10:30に到着。 今日の登山は総勢20名だ。 和歌山の4人組みはもちろん、斑鳩町からのご夫妻も昔同じ職場で 働いていた奈良のK.Nさんも到着していた。11:00前に登山開始。 若いころ一緒に八ヶ岳や北アルプスを縦走したK.Nさんは今では同じ山 仲間の奥さんで子育てにも多忙なはずだが、20年ぶりの同行してくれた。。 会社の山岳部の部長H.Hさんは小学1年生のお嬢さんをつ れてきていたのでにぎやかに登る。 ビジターセンターの裏手から樹林の中を登る。 比較的傾斜はゆるくたくさんの登山者が歩いてい る。 

日出ガ岳山頂

稜線に出たところで休憩。 今回同行の中で最高齢72歳のK.Mさんが、ここから富士山を見たことがあるといっていた。さらにそこから稜線ずたいに石段をあがっていくと、山頂の展望台が見えてきた。 2008年に百名山を達成された際に尾瀬の烽ヶ岳にご一緒さ せていただいたY.Iさんが、私に20人パーティーの最後に上がってこいよといわれて、列の最後尾を歩く。 みなの拍手に迎えられて 11:32三角点を踏む。M.Hさんが今日のために用意してくれた百名山完登の横断幕を広げて記念写真のオンパレード。 他の登山者が写真 を撮るのに迷惑なくらいだった。 休憩所の下にベンチがあるので昼食の弁当。大阪駅で買ったにしん弁当を食べる。 山岳部マネージ ャーのM.Hさんの夫人がこしらえたおかずのおすそわけにもありついた。 弁当を食べて、まだ結構ビールがあまっていたので、飲みなが ら上の展望台へあがる。 しゃくなげを見るため大杉谷への道を10分ほどおりようといっておりかけたが、前から来たカメラマンがもう 時期がおそいですねといっていたので、あきらめる。 

正木ヶ原へ

 引き換えして、12:25稜線を南にハイキングコースをたどる。 山頂から下る途中、正木嶺ではベンチが置いてある。伊勢湾・熊野灘をじっくり眺めるには絶好の休憩場だ。大台ケ原特有のトウヒの立ち枯れが一層この 山の味わいを深いものにしている。大台ケ原は雨の多いところである。 大台ヶ原は 1年間に平均 4,800㎜ くらいの降水量があり特に台風シーズンに雨が多く、1997年7月には 1,218㎜ という豪雨が観測されたらしい。やがてシロヤシオのトンネルにつけられた木道を歩く。シロヤシオは花の時期としては一週間ほど早いだろうか。 きれいはきれいであ るが、花は小ぶりだ。  正木峠は広大な丘陵に倒木、立ち枯れの樹木、倒木広がる峠である。遠く熊野灘を望むことができると、解説に はある。 稜線上によく整備された階段をおりて正木ヶ原へ。 

牛石ヶ原

正木ヶ原に12:50に到着。 そこで休憩してあめを食べた後また横断幕を出して写真を撮る。正木ヶ原には、S43年ごろの同じ場所 の様子を示した写真があった。 見るととても樹木が多い。 立ち枯れが進行している様がよくわかる。 野生シカの食害から守る為に 、一部の木に金属ネットが巻いてある。尾鷲辻を経て牛石ヶ原には、神武天の銅像があった。 三重県は確かに神話の多いところだ。  天孫降臨伝説の柱が祀られた社は伊勢神宮であるが、そこから南西に70kmの、日本でもっとも雨の多いこの山に、その伝説にまつわる像があるのはふさわしい。 


 大蛇嵓へ

 やがて道は大蛇嵓との分岐になる。 ここから5分くだった大蛇嵓は大台ケ原のもっとも有名な展望台で 、800mの断崖の上に大峰山系のパノラマが広がるところだ。 そこへいく途中、アカヤシオがきれいに咲いていた。 狭い道を通って展望台へ。 はるか北に東ノ川の上流にかかる西の滝がきれいに見えた。狭い展望台なのでそんなにたくさんの人数が一度に入ることはできないが岩場で滑らぬように気をつけながら、またそこで写真を撮る。昔、近鉄電車の沿線に住んでいたときに、ここからの景色のポスターが貼ってあったのを思い出した。 
 

シオカラ谷

分岐まで戻って、それから、シオカラ谷への急なくだり。 石楠花の トンネルがあった。途中何箇所か、シロヤシオがきれいにさいていた。  谷へ降りて15:08顔を洗って休憩。 すこしスリルのあるつり 橋をわたり、そこからは急な上り。 一気に上って途中からは平坦になる。首から西大台の散策路の入山許可証明をぶらさげた人たちと すれ違う。西大台地区は、利用調整地区で地区内に入るには事前に申請手続きが必要だとのこと。 やがて平坦になってきたのぼりを10分ほど歩いて最後は閉鎖されている大台山の家を通って駐車場へ。 

下山 大台ケ原駐車場へ

駐車場にはたくさんの車が停まっていた。 夏場などは、ここに停めきれなくなった車が、路肩にずっと並ぶという。土産屋で物色してから大台教会を見物に行く。 遅れていた後続の人たちの到着を待って車で入之波温泉山鳩湯へ移動。今夜の宿はここで ある。 褐色のお湯はぬるぬるして、とてもひなびたいいお湯だった。 露天風呂で山の話に花がさく。 夕食はかもなべの大宴会。 
20時からは場所を移して部屋で飲みなおし。 これまで登った百名山の記録をパンフレットにしていたので、今回参加してくれた皆さ んに配って紹介をする。24時就寝。 翌朝、またお風呂につかり、それから車で大阪に連れて帰ってもらい皆と大阪駅でわかれた。 



大台ガ原は三重県の最高峰で唯一の日本百名山である。私は、この山の名前を12才のときに担任に中学教師から聞かされた。 以来、自 分にとっていつか登らねばならない山として刻まれてきた。 2005年ごろに日本百名山の登頂が現実の目標となってからは、心の中で、 百名山の最後の山として意識するようになった。 年男の2011年に、念願のこの山に元気で登れたこと、そして19名の山の仲間に支えら れて頂上を踏むことができたことは忘れえぬ思い出となった。 

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています。