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吾妻山
吾妻山

基本情報
1 山名 吾妻山
標高 2,035 m
山域 吾妻連峰
都道府県 山形県・福島県
位置 N37.44.17/ E140.08.26
地図 昭文社 山と高原地図11「磐梯・吾妻」
2万5千分の1地図「吾妻山」
20万分の1地勢図「福島」
7 山岳区分 日本百名山、東北百名山
登山記録
山歩No 1200-11008
登山日 2011年4月30日(土)
歩程 4時間30分
天候 晴れのち曇り一時小雨
形態 日帰り
アプローチ 東北自動車道福島飯坂IC米沢天元台スキー場
パーティー 1人

2011年を迎えて、いよいよ日本百名山完全登頂が秒読みとなった。 25年来の友人のK.M.さんが年明けそうそうに、最後の100番目の山「 大台ケ原」を昔の山仲間で一緒に登って祝ってくれるということで動いて動員をかけてくれた。さて、そうなると、何がなんでも、6月4日の大台ケ原を百番目にすべく、その前に、名実ともに、これまで最高峰まで行っていない山をやはり登りなおしておかねばならない。
 前回、竜門山で撤退した朝日連峰は2010年10月に小屋泊で出かけて大朝日岳の登頂を果たすことができた。 99番目は、前回2004年に西大嶺まで登頂したものの、最高峰の西吾妻山までは足を伸ばせなかった。 西吾妻は、山形県側の天元台スキー場から行くと白布温泉に降りるいい初級者向けの山スキーのコースとなっている。移動性高気圧が近づいてきた3月中旬。 この山へのアタックを計画した。
ところが、なんと3月11日(金)に東日本大震災が、岩手県・福島県を中心に壊滅的な打撃を与え、スキー登山どころではなくなって しまった。 その後、電力の不足、原発の放射能汚染の問題、余震等があり東北自動車道も閉鎖、天元台スキー場が再開したのは4月の 22日になってからだった。

出発

ゴールデンウイーク前半は予報によればまずまずの天気のようだ。 満を持して、4月29日(金)祝日、山スキーの道具一式と、車の中 で寝るためのセットをもって自宅を出発。 首都高速に乗って、比較的順調に東北道に乗る。16:30佐野SAで休憩。雨が降っている。 そ こから先の都賀西方PAから、矢板ICまで、50km渋滞していて通過に180分と出ていたのでめげる。て1時間ほど時間をつぶす。 それから 17:45出発して那須塩原で18:30に15kmの渋滞につかまる。20;00鏡石PAに到着。 コンビニで、つまみや夕食のおにぎりを買う。 トイレ が震災で崩壊したのか、仮設トイレを利用するしかなかった。 さらに出発して、本宮から福島までが少し渋滞したが、福島飯坂で21:26 に降りて、 13号線をかけて途中、水窪ダムから関根を経由して、白布温泉に到着。 温泉の地図で天元台の位置を確認して22:40、スキ ー場の駐車場に到着。 トイレを確認。満天の星。  手をあらって、一人宴会をして24:30に就寝。

北望台から登山開始

04/30(土)まわりに車を停める音で目が覚める。 目覚ましは6:45にセットしていたが二日酔いで、起きたら7:30. 天気はよい。 臨 時のロープウエイも7時30分から運行開始。 自分は9:05に乗車。 片道750円のロープウエイとリフト券450円を3枚で結局2100円をはら った。 スキー場は各地から来たとおもわれる人で混雑していた。 滑っている人はさすがにうまい人が多かった。 一番上のつがもり ゲレンデを1回すべりおりて肩慣らしをしたあと、リフト最上部から歩きだし。 シールをつけて10:21出発。ご夫婦づれの登山者が横を 追い越していった。中大嶺を超えるのをあきらめて、赤いテープに沿って進むことにする。 樹林の中をひとしきり登ると大凹に到着。 11:00休憩。 水を飲む。 11:05出発。 

梵天岩

そこからは、シールのきく斜面をじぐざぐに登ってゆくと、南東に広くなった岩場を発見。  そこが、梵天岩だった。11:28、休憩し、道標が立っていたので三脚を出して撮影。 あいにく、写真はピンボケとなった。梵天岩のあたりは風が強いので、雪が部分的に飛んでいる状態だった。 道標についた積雪は、えびの尻尾を形成していた。 梵天岩からは、西吾妻の山頂を眺めることができた。 もう少しの距離だ。11:35出発。 

西吾妻山へののぼり

天狗岩と吾妻神社を右手に見ながら、稜線を標高の最も少ないルー トを選びながら山頂の北東側に回り込む。 やがて、正面に大きな頂が見えてきた。 これが、西大嶺だった。 西吾妻の山頂はこれ以 上高いところがないということを確認しつつ、北西側から、回り込んであがる。 途中、山頂の西側は風がぬけてハイ松が顔を出していたので登りにくかった。 

西吾妻山山頂

12:00山頂到着。山頂はだだっぴろい平原で、しらびそが顔をだしていた。 樹氷は少し時期が遅いのでモンス ターというかんじではなかったが、それでもあたり一面の雪はやはり迫力を出してくれた。 夏には展望のないこと山も、残雪期は、ま わりの展望を楽しむことができるメリットがある。 東側の望めるところで東大嶺や一切経山の写真を撮る。 もどって、今度は、わすかばかりの人の背丈よりも高いところにつけたと思われる山頂標識のあるところでセルフタイマーで写真を撮る。 朝はきれいに晴れていたが、そろそろ天気は下り坂なのか、どんよりした雲が近づいてきてる。 誰も人のいない山頂なので、きがねなく景色をみたあと、 12:15には、荷物をかついで下山。 とりあえず、避難小屋までいって食事とする。 


西吾妻小屋で昼食

12:26小屋に到着。 裏からまわって小屋の中には 入らずに、玄関で昼食。 なかなかきれいな小屋だ。 なんとカップラーメンは持ってきたいたが、鍋とEPIを車に忘れてきていた。 うかつだ。 でも、きのうコンビニで買ったマカロニサラダと、歌舞伎あげがあったので、ビールを飲んで、粗末ながら昼食を食べること にした。 うーん、ビールがうまい。ここからはくだりなのでシールをはずして慎重にたたむ。 12:56出発。それにしてもまったく人にあわない。GWだというのにこれほど登山者が少ないというのは想像できなかった。 

スキーツアー開始

 若女平へのくだりの方角 を確認して、道標を確認して、滑り始める。 尾根上の登山道よりも、沢を下ったほうがいいというガイドブックに従い、きままに滑り 込む。 樹林はそんなにうるさくなくまあ許容範囲。 標高1520mくらいまで順調に滑り降りた。 標高450mをおよそ45分ですべり おりた。 まあ、いいペースだ。 13:42 ここで一度、GPSを出して位置を確認してみる。 ほぼ計画どおりだ。さらに沢にそって滑っ ていく。 14:12、そろそろ、融雪で、沢が現れて渡渉が必要になってきている。 ここでもう一度、GPSを出す。 すると、本来降りる べきルートよりも少し西に外れていることに気がついた。 14:16さらにくだった標高1250mくらいの地点で、ついにあと下には滝しかな いというところまでいたって、道が違っていることに気がつく。見ると、本来のルートの西には赤滝に向かう沢があるが、自分はさらにそれより西の黒滝の上までおりてきてしまったことに気がついた。 古いシュプールあとがあるからと安心してついてきたがとんでもな くルートをはずれてしまったことになる。 

もとのルートへ登り返し

これ以上下るのは危険と判断し、そこからスキーをリュックにくくりつけて沢を北方向に渡、そこから尾根筋に登り返すことにする。 14:45、ここが赤滝の沢をわたりきって若女平かとおもって、荷物をおおろして水を飲む。  若女平はまだまだ、北だとわかり愕然とする。幸い、傾斜は急だったものの、斜度はさほど登り返すことなく、水平に北東にトラバースして 15:25、ようやく、稜線上の道標のあるところまで出てきた。 1時間以上ロスしたことになる。標高は1250mなのでほぼ横に平 行移動したことになる。 若女平はもはや通り過ぎてしまっている。 水を飲んでまあ、日没までまだ時間があると自分にいいきかせて、休憩。 


無事に下山。 白布温泉へ

15:32、出発。ここからは夏道に沿った下山だ。 最初スキーをはいてみたが、稜線の雪が飛んでいるリッジのところはとても板をはいてはおりれないので、板をはずして下山。 5分ほどでふたたび樹林の中に入り、そこからは傾斜もゆるやかで雪もついていたので板をはいてすべる。 16:05、ここから藤衛門沢に向かって下りおりることになる。 もはや雪もとけているので、慎重に夏道を降り が、兼用靴が泥道ですべってかなわない。 何度かころびつつ、16:28、なんとか、白布温泉の入り口に到着。 車道を300mの札を信じ 重い靴を引きずりつつ、天元台の駐車場に16:52に到着。17時に、森の自然館によって風呂にはいる。 きれいな温泉だったが、他に客 がいなかった。 思いっきり汗を流して、買ったコカコーラを飲み、18時に出発。 渋滞していない東北道をころがして、途中、阿武隈 と蓮田で休んで、23:35に帰宅。



西吾妻の山頂に立つまでに計画から5年の月日を費やした。 吾妻連峰の最高峰でありながら、この山は、夏場は展望がないという。 積 雪期に来たもののみに許される展望を楽しむことができた。 途中雨が降ったものの大きな崩れではなく。 山としては申し分なかった 。今回もGPSのおかげで道を間違えることなく下山できたので何よりだった。 やはり、一人でのスキーツアーにこれは必携だろう。 さあ、あと日本百名山は6月の大台ケ原山を残すのみである。 

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています