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天城山
天城山

基本情報
1 山名 天城山(あまぎさん)
標高 1,406m(一等三角点) 万三郎岳
山域 天城山脈
都道府県 静岡
位置 N34.51.46/ E139.00.06 
地図 昭文社 山と高原地図31「伊豆・天城山」
2万5千分の1地図「天城山」
20万分の1地勢図「相模」
7 山岳区分 日本百名山、一等三角点百名山
花の百名山
登山記録
山歩No 1732-21029
登山日 2021年12月5日(日)
歩程 7時間20分
天候
形態 日帰り
アプローチ JR伊東駅より天城東急リゾートシャトルバス天城縦走登山口バス停
パーティー 1人

 伊豆の天城山は2008年7月に登っている。 このときはマイカーだったので万二郎岳、万三郎岳の周回コースだった。 それから13年後の2021年12月、自分の山の記録を整理しているなかで、コロナ騒動もあり、2021年には日本百名山に一つも登っていないことを発見した。 あわてて日帰りできそうなところを探したが、結論として天城山なら行けそうだということになった。 ならば、思い切って1984年のトライして途中で引き返すことになった縦走コースを行ってみようかと思い、バスで天城高原ゴルフ場に入り、天城山縦走路を東から西に天城峠まで進むを歩こうと決めた。 

相模川ご来光

 朝4:30起床。 5時に家を出て、途中コンビニでサンドイッチを買う。5:26の電車で横浜へ。 横浜から東海道線に乗車。5:48の東海道本線沼津行きの大磯の手前で相模川からご来光の写真を撮ることができた。 7:07に熱海に到着。 横浜駅のトイレで切符を失くしてしまったのでもう一度乗車料金を払う。 痛い出費である。 7:22、ここからJR伊東線の伊東まで乗車するのだが、この伊東線はすごい電車だった。 本当に海岸線に近いところを走りき海が真ん前に見える。 また、早朝ということもあり釣の道具を担いだ人も乗車している。 

大室山

 伊東駅に到着したのが7:49。 バス出発までの時間が5分しかないのであわててバス乗り場に向かう。 天城リゾート行きのバスには登山の恰好をした人が多かった。 それでも20名くらいか、全員バスに着席することができた。 バスは定刻7:55に出発。 途中で大室山の隣を走っていった。そういえば伊豆のグランパルも行こうと思いつつまだ一度も行っていない。


天城縦走登山口バス停

 バスは途中の東急ハーベスト倶楽部で乗客を5人ほど載せる。 東京の人は日帰りでは苦しいのでやはり前泊してこの天城山に登る人もいるようだ。 バスは終点の天城高原ゴルフ場バス停のひとつ手前が「天城縦走登山口」である。 ほぼ全員がここで降りた。 自分もここで下車し、駐車場のトイレに立ち寄る。 8:56歩き出し。伊豆市観光協会のウェブサイト「天城山を歩く2021」には11月から2月の冬場は午前8時より遅い時間の入山は避けてください、との記載があるが、そもそも始発バスが登山口に到着するのが9時前だから無理である。


四辻

 8:56登山口からスタート。前を2人の山ガールが歩いている。 単独の男性が自分を含めて3人ほどいたが、スタートして20分ほどでバスを下車して登りだした集団の先頭に立つことになる。 自分を追い越していった若い男性はとてつもなく早かったのでトレランの練習で来ているのだろう。9:23四辻に到着。 周回コースで歩く人の中には万三郎岳を先に目指す人たちもいるが(反時計回り)、自分の場合は縦走コースなので万二郎岳に登るためにも時計回りで行くしかない。


万二郎岳山頂からの景色 熱川・稲取方面

 万二郎岳までの登りは比較的歩きやすい斜度の登山道が続く。 以前来た時は、登山道の上にマムシが音をだして威嚇して通過するのに苦労した記憶があるが、今回は真冬なので虫の一匹もいない登山である。 寒い季節に山に登るのは日没の時間の心配や防寒具や植物を楽しむこともできないというマイナス面はありつつも害虫や害獣をあまり気にしなくていいのはメリットかな、などと考えつつ歩く。 9:47万二郎岳山頂(標高1299m)に到着。 決して見晴らしがよいわけではないが、それでも山頂から南に少し進んだところからは熱川・稲取方面の海岸線がきれいに見えた。伊豆大島・利島・新島もきれいに見えている。

 

石楠立

 9:54万二郎岳を出発。 すぐに馬の背というところを通過。そのあとアセビのトンネルである。 しゃがんで通らないと頭を木の枝に擦ってしまう。 10:16石楠立というところで休憩している人たちに遭う。アルファベットの表記を見ると「HANADATE」との記載があった。  きっとここはシャクナゲがきれいなのであろう。 5月から6月の花のシーズンはすごい数の登山者が訪れるらしい。 天城高原ゴルフ場の横の登山者用無料駐車場は50台くらいは駐車可能であるが、満車になってさらに路肩に駐車するようでゴルフ場が注意警告を看板に貼っているくらいなのですごい様子なのであろう。 天城高原縦走路は別名をシャクナゲコースというらしい。


万三郎岳山頂

 10:42本日の登山の最高地点である万三郎岳の山頂に到着した。 標高1406m。 山頂の直下で振り返って伊東方面の海がきれいな箇所があったのだが、そこではすでに親子連れの方が撮影中だったので立ち止まることができなかった。 あとで思うと山頂からは景色がないので、そこで撮影しておけばよかったと後悔するばかりである。万三郎岳の山頂で登山者の方にお願いしてシャッターを押してもらう。 あとで気が付いたのだが、アウターの下に来ていたオレンジ色のライナーシャツが外に出ていて腹巻のように写真に写っていた。 山頂には三角点がある。 ここは一等三角点である。 一等三角点百名山を数えたらまだ18個行っていない山があることを後で知った。日本はやはり広い。

小岳で休憩

 万三郎岳を過ぎて200mほどで万三郎岳下降点。 ゴルフ場へと戻る道との分岐となっている。 マイカーで来た登山者の方たちは周遊コースとなるので通常こちらに道をとる。 自分が前回2008年の7月にはこのコースだった。 今回は縦走コースなので左手、西の方角に進路をとる。 八丁池までまだ6.0㎞という表示が出ている。下降点を出て11時に片瀬峠を通過。 少し下ったあと緩やかな登りを経て、11:09小岳1360mに到着。ベンチがあるので座って水を補給。 スマートフォンが圏外になっておりバッテリーが消耗していたのであわててバッテリーチャージャーをつなぐ。 今回I-phoneで登山用アプリのYAMAPと一緒にランニングアプリのStravaも起動させているのでバッテリーの消耗が早いのであろうか? 


戸塚峠

 11:33戸塚峠到着。 ここからは戸塚歩道という林道を経由して皮子平の登山口に降りることができるようである。 ただ、記録を調べたがあまりこの道を歩いている人はいないようである。 12:30八丁池到着。 池の近くでは3組くらいのカップルが昼食をとっていた。 万三郎岳を出てから2人の登山客と5人パーティーの登山グループとはすれ違ったが、あまり先を誰かが歩いていた気配がなかったので、この池に結構な数の登山者がいたのには驚きだった。あとで調べたら、天城峠からでなく、修善寺駅から八丁池口までバスが出ているらしい。 そこから2時間のハイキングとなる。 

 

展望台から八丁池を見る

 八丁池は標高1,125mにある池で、以前は天城火口の火口湖とされていたが、最近の調査で湖と断層の切れ目に水がたまって出来た池であることがわかったと伊豆市のホームページには記載されている。。昼食にα米を食べて、12:50出発。 展望台に上がると池の全体を見ることができた。 ここから見た万三郎岳の景色がよかった。 富士山は残念ながら見えない。 八丁池のバイオトイレはきれいだった。 電気はどうやって取得しているのだろうか。 太陽光パネルだという記事もあるが、常時通電している音が聞こえるので、太陽光ではないような気がする。 

上り御幸歩道

 上り御幸歩道入り口で寒天駐車場との道を分ける。 上り御幸歩道とあるのでてっきり登りになるのかと思ったら、結構な傾斜を下っていくことになった。途中天城峠まであと2.4㎞のところで登り返しとなるがピークをひとつ超えてからはほぼ平坦な道となった。 軽快に走っていたが不覚にも木の根につまずいて派手にころんでしまった。ズボンが泥だらけになったが幸い足はちょっとしたかすり傷で済んだ。 気を取り直して出発。

天城峠

 向峠には静岡県が整備したきれいな道標は勿論あるのだが、よく見るとその下に石の古い標識もあった。 右寒天経路、左御幸経路とある。 天城山は昭和天皇が行幸された縦走路で御幸歩道と呼ばれているのであろう。道は整備されている。 14:21天城峠到着。 天城峠には登山用パンフレットを入れたポストがあったが、残念ながらパンフレットは一枚も残っていなかった。 14:19に天城峠を出るバスがあったがそれには乗車できないので、次の14:54のバスに乗る覚悟を決めてここからはゆっくり歩く。

天城隧道

 天城隧道まで降りてくると観光客が数名写真を撮影していた。 マイカーで来ている人もいた。映画「伊豆の踊子」でもロケーションで使われたところである。 天城湯ヶ島町と河津町を結ぶ446mの延長のトンネルで1905年に開通したという。 このトンネルのおかげで北伊豆と南伊豆の距離が一気に縮まったという。ここからバス停までまだ15分ほどある。 急な歩道を下り、バス停まで降りて着替えていると、14:54のバスが少し早めに到着した。 数名の登山者とともに乗り込み、居眠りをしながら修善寺まで乗っていった。

伊豆箱根鉄道駿豆線

 15:50修善寺駅から伊豆箱根鉄道駿豆線に乗る。 35分で三島駅に到着した。 反射鏡のある韮山ではアナウンスで韮山と言っているのは認識していたが、修善寺駅で飲んだイエローショットの影響で夢見ごこちだった。 三島駅では、駅前広場が静岡に住んでいたときの景色と同じで懐かしかった。 そういえば富士山に登った時もこの駅前からバスに乗ったのだということを思い出した。 ファミリーマートでハッシュドポテトとビールを買って16:54発のこだま732号に乗車。 自由席に乗ったが、結構満席に近かった。 17:29新横浜で下車。豪勢に新幹線での帰宅となった。

1984年、大学時代の活動で天城山をアタックして時間切れで登頂を断念した。 八丁池を見たときに当時のことを思い出した。 37年の月日を経て、やっとこの縦走コースを歩くことができた。富士山の写真を撮影するつもりで天城山に行って結局富士山の写真を撮ることはかなわなかったが満足の山行となった。  

(2021年12月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています