日本山歩日記 本文へジャンプ
蒜山
大峰山

基本情報
1 山名 蒜山(ひるぜん)
標高 1,202m(二等三角点1,199.7m) 
山域 中国山地(成層火山)
都道府県 鳥取・岡山
位置 N35.19.30/ E133.39.49 
地図 昭文社 山と高原地図55「大山・蒜山高原」
2万5千分の1地図「蒜山」
20万分の1地勢図「高梁」
7 山岳区分 日本二百名山、中国百名山
登山記録
山歩No 2880-21028
登山日 2021年11月23日(火)
歩程 5時間00分
天候 曇り
形態 日帰り
アプローチ 米子自動車道蒜山ICから国道482号上蒜山登山口
パーティー 1人

 蒜山は、岡山県の真庭市北部、鳥取県の倉吉市南部および日野郡江府町北東部に跨って位置する火山である。三座を縦走するコースがよくガイドブックには記載されているが、そのためにはマイカーならば2台で行くか、宿泊した宿の送迎を使わなければいけない。 上蒜山側は上蒜山スキー場駐車場、下蒜山側は犬挟峠から登るのが一般的である。今回はレンタカーでの行程であり、かつ前夜の宿泊場所が那岐山山頂直下の避難小屋なので那岐山の麓から蒜山高原まで85㎞を車で移動することも考えると、一日がかりの蒜山縦走はできそうにない。 そこで、今回最高峰のある上蒜山だけを登ることにした。 蒜山縦走はまた来年でも機会があればトライすることにしようと考えた。

上蒜山登山口駐車場

 2021年11月23日(火)今日は勤労感謝の日である。 祝日ではあるが天気は冬型で決して登山に最適な陽気とはならなかった。 岡山県北部の最高気温は10℃、最低気温は2℃、風速は5mであった。 風の強い1200mの稜線では氷点下の気温である。 朝、那岐山から下山したときはまだ天気は晴れであったが、その後米子道を北上するに従いやはり日本海側の冬の天気に似つかわしい雪雲が現れた。 10:05駐車場到着。 スキー場の駐車場らしく広い草原に自由に駐車する場所で軽く100台くらいは停めることができそうである。 スキーシーズン以外は登山者用の駐車場になっているようで隣にトイレもある。 今回は、山頂までのピストンなので大きなリュックは車のトランクに積んだまま、サブザックに水と食料・防寒具と雨具類をつめて10:12に出発する。

登山口の案内図

 まずは駐車場から上蒜山の登山口まで行く。 案内標識に従い林道から牧場の敷地の中を通り10:26登山道案内の大きな標識のある登山口に到着する。 今日も自分の他に登山者はいないような雰囲気である。 駐車場には自分の車以外に1台駐車車両があったが蒜山高原に用事のある方が停めているだけかもしれないので、まさしく厳冬期の単独登山のような気持ちで登山道に入る。


稜線の登り6合目を過ぎる

 10:57 標高810mの三合目を通過。11:12標高920mの五合目。 この辺りまで来ると樹林は薄くなり、下界が良く見えるようになってくる。 ただ、やはり風が強く吹くので実際の気温よりも体感温度は低いように思う。 11:18標高955mの六合目通過。  正面に小高く突き出たピークが見えてきた。あれが展望が良いとされている槍ヶ峰だろうか。 あそこまで行ったら休憩しようと決めて寒いので少し速足で進む。


槍ヶ峰

 11:41標高1100mの槍が峰に到着。 ここが八合目となる。 下からはピークのように見えていたが実際は2つの尾根の合流地点の平地であった。 下山時にもう一つの尾根に間違って迷い込まないように、標識にはそちらの方角に「下山禁止」という札が示してある。 行動食に持ってきたカロリーメイトをかじる。 ここでひとりの下山者の方とすれ違う。聞くと今朝下蒜山から上がってきて、本当は上蒜山の山頂から来た道を引き返して中蒜山・下蒜山経由で車を停めてある犬挟峠まで行くつもりだったが風が強いので上蒜山の登山口に降りるという。 結局、この日山であった登山者はこの人だけであった。


上蒜山山頂

 ほおっておくと帽子が風で飛ばされそうになるので手で押さえながら最後の樹林の登りをあがると上蒜山の山頂標識が見えた。12:08に日本二百名山蒜山山頂に到着。 標高1202mである。よく考えたら今回の中国山地遠征では合計5つの山に登頂したが標高は1126mから1271mまでと非常に狭いレンジに入っている。 山頂は樹林とクマザサに覆われていてあまり展望はない。 とはいえ北側の林の中から除くと琴浦町の海岸線と日本海が見えた。 冬場だからこそ見ることができる蒜山山頂からの眺めであろう。 持ってきたアルファ米のエビピラフを食べる。 テルモスの湯でコーヒーを入れた。最初一口目はうまかったが、コップがすぐに冷めてしまい二口目からは少しぬるいコーヒーになってしまった。 やはり相当気温は低そうである。 

三角点

 セルフタイマーで山頂記念写真を撮るために三脚をセットしたが風で倒れてしまい、何度かやり直してやっと1枚取れた。 ここから、三角点を目指す。 三角点は1199.7mのニ等三角点である。三角点まで行くルートは笹に覆われていてわかりにくいとヤマレコには記録があったが実際今回は冬場に近かったせいもあり、結構踏み跡がはっきりしており進む方向で迷うことはなかった。 往復30分くらいかかるとあったが実際はそこまではかからない、片道7-8分だろうか。 ただ、一度少し下ってまた登ることにはなる。 小高くなったピークの上に三角点はありそこだけ広くなっていたので、360度パノラマ動画を一応ここでも撮影する。 (槍ヶ峰で一応撮影は終了していたが。。))


下山中に見る蒜山高原

 12:49山頂を出発。 今日のスケジュールはレンタカーを19:00前に米子空港で返却するということにすべてが制約されている。 当初の予定では下山開始が14:00くらいを想定していたので、比較的早い計画で進んでいる。那岐山の避難小屋を暗いうちから出発したのが良かったのであろう。
上蒜山からの下りの道もきれいに整備されており丸太で組まれた段は歩きやすかった。 風が強いのは相変わらずだが帽子が飛ばされないように樹林の切れたところでは注意して進むしかない。 槍ヶ峰を過ぎて、六合目あたりまで来ると少し雪雲が薄くなって下山する方向の蒜山高原の牧場が見えるようになってきた。 春夏の晴れた日には素晴らしい緑が広がっているのだろうと想像した。 次に来るときには花の季節でも楽しいのだろうなと感じた。

牧場を抜けて駐車場へ向かう

 13:45、ふたたび二合目に降りてきた。 ここは広場になっているので休みやすい。 給水休憩10分。 
 13:55登山口到着。 牧場の中を歩いて駐車場へ向かう。 この季節なので牧場に牛はいない。 鉄柵に電気が通してあると書いてあるのだが、本当に通電しているかどうかはわからない。 駐車場まで降りてきたら停まっている車がさらに2台増えていたが、どうも登山者のものではなく、近くのレストランに寄った客のもののような感じであった。 


皆生温泉日帰り入浴立ち寄り

 中国山地遠征の全ての行程を消化し、目的の山頂も踏破し終えたので帰路につく。 蒜山高原から米子空港までは高速を使って66㎞、1時間半くらいのドライブである。 途中皆生温泉に立ち寄り、久しぶりに湯につかる。 心も体もリフレッシュして、夕食にカツどんを食べて18:30レンタカーのトヨタカローラアクセラにも給油して満腹にしてあげて米子空港のレンタカー事務所に返却。 旅行客の多くが20:45発の羽田行きANA390便に乗る様子で、レンタカーの返却場所に戻ってきた車の列ができていた。 本来この営業所は20時までの営業なのだが、コロナ対策もあり営業時間を19時までとしているので皆が19時前に集中することになるのであろう。

米子鬼太郎空港

 米子鬼太郎空港で結構待ち時間があったが、さらに悪いことに乗るはずの便が羽田からの到着が1時間半も遅れたということで20:45の出発予定が1時間近く搭乗が遅れた。 米子空港にはレストランもないので、保安検査場に入る前の待合場所にあるセブンイレブンが飲み物をゲットできるほぼ唯一の場所で、結局2回買い物をした。 レンタカーを返してしまってから飛行機に搭乗する前の缶チューハイというのはなんとも気分のよいものである。とはいえ、離陸が遅れたこともあり、羽田に着陸して荷物をピックアップしてから家に帰る電車はほぼ終電になってしまった。

 11月20日から23日までのべ4日間の中国山地遠征が終わったが、振り返ってみると3日目に雨天で厳しい山行とはなったものの全体を通じて自分らしい登り方ができたと思う。 最終日の上蒜山はピークハントだけで終わってしまったが本当は縦走してこそ楽しさを味わえる山なのであろう。景色を楽しむことができなかった点でも再訪を心に誓う山のひとつとなった。
(2021年12月 記)
 

 日本山歩日記WEBトップ
地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています