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天城山
天城山

基本情報
1 山名 天城山(あまぎさん)
標高 1,409m (一等三角点本点)
山域 伊豆半島
都道府県 静岡
位置 N34.51.46/ E139.00.07 
地図 昭文社 山と高原地図30「伊豆・天城山」
2万5千分の1地図「天城山」
20万分の1地勢図「横須賀」
7 山岳区分 日本百名山・花の百名山・一等三角点百名山
登山記録
山歩No 1730-08021
登山日 2008年7月28 日(月)
歩程 5時間30分
天候
形態 前日発幕営日帰り縦走
アプローチ 東名道沼津IC国道414号伊豆自動車道修善寺IC
パーティー 2人

 2008年7月28日、伊豆の天城山に登った。この山は日本百名山制覇のためには避けて通れない関門ではあったが、 実はリベンジの山である。 今から26年前の1984年5月に大学時代のメンバーで一度登ることをトライした。 天気の良い春の日だったので登れないはずもなかったのだが、なんとルートミスをしてしまい、その時間ロスが致命的となり登頂を断念した経緯がある。 前日にキャンプをして天城高原ゴルフ場から八丁池経由で万三郎岳・万次郎岳を縦走する予定だった。 残念ながら、八丁池で撤退を決意、天城峠へと降りた。 暗い墜道を通りながら「天城越え」という言葉をつぶやいていた記憶がある。 この時は、石川さゆりの歌う名曲はまだ発売されていなかった。川端康成の小説に思いをはせていたはずだ。

大瀬海水浴場

 7月27日(日)朝8:00におきてゆっくり用意をして11時前にでかける。やはり夏休みに入ってすぐの休日ということもあり、高速道路は渋滞しているようだ。 横浜から東名に乗り、、沼津ICで降りた後、コンビにによってトイレをすると同時にやきそばパンとおにぎり、氷を買う。沼津から伊豆への道は夏のこの時期には渋滞は避けられない。 下田への道標をもとに国道414号を2時間走って、大瀬の海水浴場に着いた。 2時なので、もう帰りはじめる車も多かった。駐車場は幸い、帰る人が多いということもあり、余裕で車を停めることができた。 一回500円。 この海岸の近くにもキャンプ場があるはずで、徒歩で山道に沿って キャンプ場を探したが、がけ下で車をとめにくそうなところだたのでやめて、海水浴だけ楽しむことにする。 

出会岬

 浮き輪をもってこなかったので、水際で足をつけてちゃぱちゃぱするだけだった。14:30に海水浴を切り上げて車で今夜の宿泊するキャンプ場を探す。 だるま山キャンプ場はいっぱいだったので、開いているといわれた戸田町営はかま滝オートキャンプ場へ向かう。 15:40途中の出会い岬という戸田湾が見渡せる展望台で写真を撮って、それから港の入り口で休憩。 コンビ二でビールとところてんなどを買う。

はかま滝オートキャンプ場

観光協会で場所をきいた壱の湯へ向かう。 400円の料金を払って中へ入る。 風呂は込んでいたので洗い場で待ってそれから洗い始める。 16時半にあがって、それから車でキャンプ場をめざす。 ついてみたら管理人さんは、風呂にいっているのか不在だった。 30分の時間をつぶさなくてはいけないので、吉野滝の遊歩道を歩いて買ってあったファンタオレンジを飲む。 。 キャンプ場について受付をして、12番という一番奥まった場所をあてがわれる。 AC電源もあるし、デッキもある、りっぱなテント場だった。 水をくんで早速食事を作り始める。 ビールを飲みながらつまみを食べる。 カレーをつくって、20時に片付けて消灯。トイレは夜中でも電気がついている。 
 

天城高原GC登山者用駐車場

 7月28日(月)晴れ。 会社は有休み。 6時からおきだして、飯のしたくをはじめる。 7時になってもなかなか本調子にならず、ゆっくりと過ごしてしまった。 朝食は、五目ごはんをあたためたものだけを食べた。 8:30にテントも撤収して出発。 一路、天城高原をめざす。 途中、修善寺の道の細いところを通り、こんな細いところを走ってよいのだろうかというような道も過ぎてコンビ二でトイレをして、おにぎりを買って、天城高原のゴルフ場奥の登山者用駐車場へ。月曜日だということもあって車は少なかった。ゴルフ場は奥にあるが登山者用の駐車場はその手前にあり、トイレも完備されている。 若者の3人連れがさきに出発した。10時われわれも出発。 

四つ辻

 横断歩道を渡って登山口に入る。 驚いたことに歩きだしの最初はいきなりくだりだった。砂防堰堤の右側を通過して登山道を進む。 道はきれいに整備されているが、土のやわらかいところはえぐれていたりする。10:10に四つ辻といわれる天城山の縦走道の分岐に到着。ここを中心に周回コースをとることになる。  

万二郎岳山頂

 木の根が張った道をゆっくりと登っていく。 驚いたことに途中、登山道のど真ん中にマムシがとぐろを巻いていた。 こちらを威嚇するような尻尾からの音を発していた。 最初は思わずガラガラヘビかとおもったくらいだ。後で調べたところ、やはりマムシは的に遭遇すると尻尾を細かく振って音を出し威嚇するとの記載があった。 小さな沢を2-3回わたると、万二郎岳山頂まであと0.8kmという道標があらわれた。 ここから次第に頭上が開けてくる。1320mの万二郎岳の山頂に到着。 保安林の標識のある山頂は決して開けている山頂ではなく、なにかルートの上のような場所だ。 樹林に囲まれていて展望もない。

馬の背と万三郎岳を見る

 万二郎岳山頂から急なガレバを下る。しばらく降りると正面に富士山展望の馬の背と万三郎山が見えてくる。 ここが縦走路のメインといえよう。 こんもりともりあがった万三郎岳はひときわきりりと立っているようでなかなか見事な眺めである。万三郎岳まであと1.7kmの標識が現れた。 木道を登ると木でできた階段があり岩場の上に出る。  

馬の背で万二郎岳を振り返る

 振り返って万二郎岳も見てみた。なかなか見事である。 しばらく登り続けると馬の背のピークに到着した。 ここからは眼下に天城高原のゴルフ場が見える。アセビのトンネルと書かれた灌木の中を抜けて木の根っこにおおわれた上り坂を進む。 やがて石楠立と書かれた看板があらわれた。 一瞬シャクナゲ(石楠花)かと思ったが違った。 ここからはひとしきり急登となる。 

万三郎岳山頂

登りきったところが万三郎岳の山頂であった。 標高1409m。 伊豆半島の最高峰に到着。 静岡東部の山としては標高が高いほうであろう。 1955年(昭和30年)3月15日、富士箱根国立公園に、天城山を含む伊豆半島地域が編入され、現在の富士箱根伊豆国立公園に名称が変更された。山頂は少し平らになっていて休憩するのにうってつけである。 われわれもここで昼食とした。

下山ルート

 下山は、万三郎岳からくるっと北側の稜線を回るコースとなる。 途中涸沢分岐を過ぎて、延々と続く木の階段を降りる。 天城高原ゴルフ場まであと2.9kmの看板が出るとここから1時間半の道のりである。 四つ辻からは万二郎岳までは比較的急に登るのだが、このコースは下りが長いコースとなる。 


熱海峠から見る富士山

 駐車場に降りてきたら15時だった。 それから、荷物をたたんで出発。 ナビのとおりに伊豆スカイラインを熱海峠まで行って、富士山と箱根の山の写真を撮って、十国峠から箱根ターンパイクを1区間だけ走って箱根新道へ降りる。 そこから小田原西ICまで言って、小田原厚木道路を通って厚木まで。 東名に入ってからもまあ順調に流れていた。 家に帰ったら18時半。 風呂に入って23時半就寝。   

 石川さゆりの「天城越え」という名作の歌は2008年シーズンの大リーグ選手・イチローの打席曲にもなった。これはシーズンオフに帰国して紅白歌合戦を見ていたイチローが、石川さゆりの歌う「天城越え」を聴いて、「記録など、いろいろな物を越えたい」と思ったからだという。山登りの自分にとっては関係ないのかもしれないが、26年のときを経て、この山に登るリベンジを果たしたことは感慨深かった。
(2015年6月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています