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丹沢山
丹沢山

基本情報
1 山名 丹沢山(たんざわさん)
標高 1567m
山域 丹沢山地
都道府県 神奈川県
位置 N35.28.27/ E139.09.46
地図 昭文社 山と高原地図28「丹沢」
2万5千分の1地図「大山」
20万分の1地勢図「東京」
7 山岳区分 日本百名山
登山記録
山歩No 1710-09008
登山日 2009年4月18日(土)
4月19日(日)
歩程 第一日 7時間30分
第二日 5時間30分
天候 曇りのち晴れ
形態 小屋泊まり1泊
アプローチ 東名高速秦野中井ICより県道705号大倉へ
パーティー 9人

  丹沢山は大学生の時に初めて登った山である。 東京から近いということもあり、クラブ活動ではトレーニングのような意味で毎年やってきた。 10月に登って山頂のみやま山荘に宿泊したときの星空のきれいだったことがとても懐かしい。今回、その時から25年の歳月を経てこの山に登ることになったのは、長年の山仲間である関西のK.M氏が日本百名山の最後にこの山を残してくれたからである。 大阪勤務時代の友人らも同行するという。総勢8名+別ルートから2名も宿泊する蛭ヶ岳山荘には駆けつけてくれることになっている。 大変賑やかな登山になりそうだ。 

2009年4月 満開の桜(首都高代々木ランプ)

 4月17日(金)17時半に会社を出る。 友人と待ち合わせして渋谷の喫茶店でコーヒーを飲む。少し話をして山があるので早めに失礼し、帰宅。 夕食を食べて21時にベッドに入る。 いつもよりかなり早い就寝だ。
4月18日(土)朝2時半起床。3時に家を出る。 途中、ガソリンスタンドで給油し、コンビニでサンドイッチと弁当を買って、東名高速に乗る。 秦野中井ICでおりて最初間違えてキャンプ場の尾根筋にはいったが、もどって大倉のバス停についたのがちょうど午前4時。 奈良ナンバーの車が見えたので声をかけたらやっぱり今日同行するN.Uさんだった。 上に駐車場がないか調べにいってみた。 Y.Iさんたちは西丹沢に車を回してしまった。 残ったメンバーで上に車を停められるか見に行ったが、路肩のようなスペースはもう先客に駐車されておりだめだった。 仕方なくもどって24時間の有料駐車場に1400円払って停める。

大倉高原山の家(水場)

 着替えて装備を整えて 5:54歩き出し。昨夜は雨が降っていたが、もう止んでいる。 ただ、雲はまだ低く垂れこめている。 天気予報では決して悪くない予報なのでそのまま予定のコースを行くべく進む。 最初は林道のような道を登っていく。40分ほどで、  6:38大倉高原山の家。ここは週末と祝日に営業している小屋で素泊まり。夜景がきれいなことで有名だ。  ここで8分休憩、小屋の前からこんこんと出ている水を飲む。隣にはテント場もあって30張ほどは可能なようだ。 6:46に出発。 先を急ごう。6:55見晴茶屋を通過。 見晴茶屋は長いことトタン張りの小屋であったが、有志がボランティアで建て替えを希望し、 2009年よりボランティアで営業開始したらしい。 この小屋は、水源に近く、また沢の水を引いているので、水に不自由がなく、また、江の島方面の展望が素晴らしく、元旦には、大勢の人が泊まって初日の出を拝むらしい。 秦野市には素泊まりの小屋となっているが、予約をすれば食事も出してもらえるという。 

天神尾根分岐

7:11一本松で休憩。寒くも暑くもないので関西組は夜通し交代で運転してきた疲れも見せずに元気に歩いてくれている。 7:18出発。しばし登ると小草平という平地に出て二俣からの道と合流。 7:55堀山の家で休憩。ここは小屋の前にベンチがあるので休むのにはもってこいだ。 ここで標高が950mである。見晴茶屋から標高で310m高いことになっている。堀山の家は営業小屋で二食付きで5000円だということだ。 水はどこか近くの沢から引いているのだろうか? 8:08出発。ここから大倉尾根の本領だ。急傾斜の石がゴロゴロした道を進んでいく。天神尾根の分岐というところで右手に天神尾根から上がってくるコースと合流する。 

花立山荘

 そこから30分ほどで花立山荘だ。このルートは夏場は日をよけるところが少なく塔の岳の大倉尾根を歩いていると、この小屋の「氷」の旗が待ち遠しいという。。鹿の被害を防ぐネットが張られ、登山道を崩れるの防ぐ階段が、不規則にえぐられている。 8:57花立山荘着。 有料トイレが50円だという。 丹沢のいいところは、このように営業小屋がたくさんあるのでトイレには困らない。 ただし、標高が高くなると有料トイレの値段も上がっていくようだ。 後で、花立山荘のホームページを見たが、他の小屋のような手作りのものとは違って、どう見てもプロが、旅館のページ用に作ったという感じのものだった。 アクセスというところがあるのだが「お車で(東名高速) 秦野中井ICから約25分 電車で小田急線 渋沢駅より バス15分」と記載されている。 しかしこれは、大倉の登山口までの話であってそこから3時間徒歩で登山道を歩かなければならないことを書かなければ、間違う人が出るのではないかと勝手に心配になった。 

塔ノ岳

 9:05出発。稜線上の道をたどる。 途中で鹿の親子に会う。やがて景色が良くなってきて左手に雲から顔を出している富士山を見ることができる。 ほどなくして、 9:48塔の岳山頂に到着。 ここは丹沢山の入り口のようなところで、丹沢の中で最も訪問者が多いところではないだろうか。展望台もベンチもしっかり整備されている。。 三等三角点もある。 尊仏山荘のトイレを借りる。このトイレは神奈川県が建てたもので、バクテリアを利用した環境配慮型の施設だそうだ。 尊仏山荘はやはり大学生の時に宿泊した記憶がある。 山荘から往復20分のところに「不動の清水」と名づけられた水場があるのだが、そこに水を汲みに行ったところ、冬場でほとんど水滴程度しか水がなくて、寒い中を1時間ほどかけてポリタンクに汲んだのを思い出した。またチャンスがあればこの山小屋にも宿泊してみたいものである。 

丹沢山山頂

 10:18縦走路を竜が馬場に向けて出発。ここからがいわゆる丹沢主脈縦走である。塔ノ岳山頂の尊仏山荘の横を通って急坂を下る。 下りきって少し登り、緩やかな道を行くと日高で、不動ノ峰と竜ヶ馬場が見える。。 竜ヶ馬場まで見晴のよい稜線歩きである。日高から少し下り、植生保護の為の木道などを登っていくと斜面に開かれた竜ヶ馬場に着く。。 塔ノ岳や大山、江ノ島などの展望があり、いくつかベンチもあって休憩もできるところだ。そこから丹沢山へは登り。 20分ほどの登りで11:38に丹沢山の山頂に到着。山頂は広々としており、みやま山荘が北側に立っている。K.M氏の百名山完全登頂を祝って、横断幕を広げてつぎつぎに記念写真を撮る。K.M氏が百名山を登った軌跡を追いかけていくと同行回数のトップの自分であった。 わずか1山差で山岳部長のH.H.氏が2位だということでこの二人がK.M氏の両隣にたって写真を撮る。 弁当を食べながら焼酎で少し乾杯をする。朝は雲がかかっていたが、このころにはもう完全に晴れ渡っていて気持ちの良い春空になっていた。 

不動の峰

 昼食を終えて12:30出発。丹沢山を出るとこれから通る不動ノ峰と富士山が見え、しばらくは急坂を下る。。 下りきると、不動ノ峰への草原状の登りが続く。 長い登りで、途中左側に屋根のある休憩所があります そこから蛭が岳までは見えているけれども結構暑くて長い稜線。 一度下って登り返して13:22に不動の峰で休憩。 13:30出発。 棚沢ノ頭を出ると鬼ヶ岩までは緩やかな道 石ころののぼりを経て14:30蛭ヶ岳山荘到着。 西丹沢から登ってきたY.IさんとY.Tさんはもうすでに1時間前に登頂していて蛭ヶ岳山荘の前のベンチに腰をかけて梅酒を飲んで相当にできあがっていた。 そのままK.Mさんが持ってきた響をあけて宴会に突入。 16時にいったん小屋に入って寝る場所を確保。 17時に夕食に呼ばれる。 ひとりずつならんでご飯とおでんとつけものとをよそう。 Y.Iさんのおごりでビールがふるまわれた。主役のK.Mさんは昼過ぎからずっと飲みっぱなしで、相当飲みすぎたといっておでんも残していたのでもらってしまった。  

蛭ヶ岳山荘

 食事が終わってから、外に出て景色をみる。 下戸のN.UさんとM.Uさんは早めに食事を終って外に出ていたのですでに日没を見たそうだったがわれわれは飲むのに夢中で山影に太陽が消える瞬間に立ち会うことは間に合わなかった。薄明りの中、残照の山に雲がたれこめているのがきれいだった。 小屋に戻って、若手を中心に引き続き宴会。 途中で一回外に出て厚木の夜景と星を見る。この蛭ヶ岳山荘から厚木方面の景色はとてもきれいに見える。 しかしながらさすがは標高1600mを越えているだけあって気温は一桁であろう、上着を着てこなかったH.H氏は、寒さに震えて、おまけに酔っぱらっているはずみで飲んでいたビールをこぼしてしまった。夜景を見ていたのはせいぜい15分ほど、小屋の中に入って暖をとろうと寝床に行ってみると。 Y.Iさんが座ったまま寝ていたのでころがしてふとんに入れるよう促した。 大宴会も終了し、前夜の夜行軍の疲れもあって20:30就寝。
<写真はK.I氏提供>

檜洞丸山頂

翌日4月19日(日)朝5:00起床。 晴れ。 K.Mさんは二日酔いだといって朝食も食べなかった。 朝食はごはんとみそしる。 のり、ふりかけ。 400円の昼食をわけあたえられて、パッキングをしてトイレに行列して、5:45写真を撮って出発。 西行きの縦走に加わったのは、6人だけ。 あとの面々はもとの道をおりた。 6:20、急な傾斜を下りきってから休憩。 6:28出発。 7:00臼ヶ岳山頂に到着。 みなで余っていたビールを飲んで休憩。 7:10出発。 7:58金山谷乗越で休憩。 8:10出発。 そこからは青が岳山荘までゆったりとしたのぼり、8:50檜洞丸の山頂到着。 富士山の写真をとったり、9:05まで休憩。 途中、歩くのが早いひとたちとはなれて、H.H氏と二人だけに。 テンの死骸を踏み越えて10:15に展望台到着。 そこで、お弁当の赤飯にのりたまをかけて食べる。 10:30出発。 11:50に西丹沢自然教室に到着。 トイレをすませて、11人乗り大型車で一人で来ていたK.Iさんも同乗させて大倉へ。 渋沢の駅前が混雑していたので都内に帰るK.Iさんは大倉までつれていって自分の車に乗せる。 13:00に大阪に帰る仲間と再会を約束して別れる。 コンビ二によってジュースとお菓子を買い、東名をまっすぐすすむ。途中横浜市内の駅前でK.Iさんをおろして家路をたどる。 

 現在、自分は神奈川県に住んでいる。 その意味では、丹沢山は地元の山である。 と同時に、学生時代に何度も登った懐かしい山でもある。 会社に就職してからずっと関西勤務が長かったがその時代から山で世話になっているK.Mさんが自身の日本百名山最後の山にこの山を選んでくれたのは決して偶然ではないだろう。 駆けつけて昔の仲間と祝杯をあげることができたのは本当に良かった。 久しぶりに登ってそしてまた新しいこの山の姿を知ることができた。 2-3年に1度は歩いてみたい、そんな思いを湧きおこさせてくる丹沢山である。
(2013年4月 記)

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