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焼岳
焼岳

基本情報
1 山名 焼岳(やけだけ)
標高 2,455m
山域 飛騨山脈
都道府県 長野県・岐阜県
位置 N36.13.37/ E137.35.13 
地図 昭文社 山と高原地図37「槍ケ岳・穂高岳・北アルプス」
2万5千分の1地図「焼岳」
20万分の1地勢図「高山」
7 山岳区分 日本百名山・甲信越百名山・信州百名山
登山記録
山歩No 1580-10013
登山日 2010年6月12 日(土)
歩程 7時間10分
天候 晴れ
形態 前夜発日帰り
アプローチ 上信越自動車道松本ICから
パーティー 1人

焼岳は北アルプスを代表する象徴的な山だ。隆起山脈である飛騨山脈の中にあって活火山として今も噴煙を上げている。 XXXX年までは山頂に行けない山として自分の学生時代には百名山に指定されていながら登れない山であったが、今ではメジャーな山の一つとなっている。 同じく、百名山を目指すH.H氏と一緒に行くつもりであったが都合があわなかったのひとりで行くことになった。

前泊-道の駅「風穴の里」

 6/11(金)朝6:25起床。 くもり。 山の荷物を車に詰め込む。 18時に会社を出る。 帰りにコンビニで酒や焼きそばをかいこんで、家に帰って風呂に入り夕食を食べて20時半に家を出る。 21:25に調布ICから中央自動車道に乗って、途中、双葉で一回休憩をしてそれからみどり湖PAに23時40分につく。 寝る準備をしていたが、PAは車の出入りが多く騒音がうるさくて眠れそうもないので、そのまま運転して24:10に松本ICから降りる。途中森口駅前のDailyヤマザキによってビールと翌朝の朝食のランチバックとおにぎりを買う。  24時40分に道の駅「風穴の里」に到着。 ひとり宴会をやって翌日のバスの時刻をインターネットで調べて、26時すぎに就寝。 途中、3時すぎにトイレにいくときに見たら満天の星が輝いていた。

新中ノ湯の駐車場

 06/12(土)朝6:15に目覚ましで起床。 少し寝不足。 見ると、まわりの車はすでにだいぶ出発してしまったあとだった。 となりの車の老夫婦は、木の上にのぼっているサルの写真を撮っていた。 おにぎりの朝食とトイレをすませて7:10に出発。 新中ノ湯ルートの駐車場まで行ってみる。

中ノ湯ルート登山口

 10号カーブのところの駐車場はもうほぼいっぱいだったが、11号カーブまで上がると、まだ停める余地はあった。 ただ、ここに駐車してしまった場合に、上高地に下山してから車を取りにくるすべがない。駐車するのをやめて、中の湯までおりたが、今度は車を停める場所がない。 仕方なく、坂巻温泉をすぎて茶嵐までもどり、そこで車を停める。 タクシーの運転手さんが、中の湯まで600円でいってあげるよというので上高地に行く2人連れのお客さんと相乗りして中の湯のバス停まで、あわててタクシーに乗らないといけなかったので、ストックとお茶とを車の中に忘れてきてしまった。 おまけにあとで気がついたが、車の施錠も忘れていた。 中の湯からは、交通整理の係りの人に聞いて、登山口には小さな道標があるとのこと。  

第一ベンチ

 8:19歩き出し。 登山口の道標は確かにあったが、ちょうどその横で道路工事をしていた関係で、見落としやすい状況になっていた。 小さな沢のところから入る登山道を登り始める。 徐々に標高を稼いで9:10に第一ベンチ到着。 休憩。 実際にはここにはベンチなどない。樹林の中なので、さほど広くも無くて決して休憩に適した場所だとは言えない。 しかしながら、展望のない尾根道を進む以上ここもほっと一息をつく場所である。 お茶を飲んで、半そでのTシャツになって、9:19出発。道は暫くは樹林の中であるが、標高は確実にあがっていく。 

りんどう平

 10:09りんどう平。 ここからやっと焼岳の山頂を見ることができる。 後頭部に日差しがあたり少し日射病が気になった.梅雨の真っ最中のはずだが、十分に夏のモードである。さらに10分ほど歩くとやがて雪渓が現れた。 日射病が気になるほどの暑さにこれこそ天の奇跡とばかりに雪を丸めて頭を冷やす。 ここまでまったく他の登山客に会わない。 正直、新中の湯コースができてから、クラシックな登山道であるこのルートはあまり人が通っていないのではないかと思われるような登山道の状態だった。 倒木なども手が入らずにそのままの状態だった。 

山頂直下を登る-火山性噴煙

 10:45に、下堀沢出合。新中ノ湯からの登山者がこのルートを通るので、ここから登山客の姿がちらほら見えるようになる。 11:08に2209mの地点で休憩。ここは、雪渓のあとの草付きである。 眺めもよい。 もってきたフルーツゼリーを食べる。 山頂まであとひとがんばり。 11:18出発して、雪渓をキックステップであがり、そろそろ早くから登っている人の下山とすれ違う。山頂の真下には、火山ガスを噴出されているところがあった。岩場になっているので足元を注意して進まなければならない。  

焼岳山頂-北峰(2444.3m)

  12:02北峰の山頂到着。 山頂の標識では2369mとなっていた。エアリアの地図の上では2444.3mの標高である。南峰はそこより11m標高が高いことになっているが、残念ながら立ち入り禁止になっていた。 北の方向には槍・穂高、西に笠が岳、東に霞沢岳、南の乗鞍がきれいにみえた。 思ったよりも雪が多かった。 新穂高温泉が箱庭のように見えた。 お湯をわかして焼きそばをつくる。 ノンアルコール・ビールでひとり乾杯。 山頂にはベトナムから来た5人組もいた。 上高地からピストンの人も多かった。 写真を撮って13:15に下山開始。 WEBでお勧めとあった上高地へ降りるルートを取る。 

中尾峠までの下り-ニホンカモシカに遭遇

 焼岳小屋まで展望がひらけていて迷わないのがいい。 山頂からのくだりは急峻で浮石が多いルートである、正直ガスがかかったときなどは通過するのは怖いと思った。 14時下山中の急峻なルート上でニホンカモシカを見つけて写真を撮る。急峻な崖の上を傾斜をものともせずにすっくと立っている。 自分以外に1人登山者がいたが、おびえる様子もなく一定の距離を保って崖の上にいる。 ニホンカモシカを見送って、また急な下りの道をおりる。

焼岳小屋

 やがて傾斜はゆるやかになり 展望台・新中尾峠への分岐をすごして14:20焼岳小屋に到着。 小屋は登山情報センターの看板を出していた。 静かなたたづまいの小屋である。 チップ制のトイレを使って、14:25出発。 上高地へのながめのよい峠沢に沿った下山コースをたどる。 途中、2箇所に鉄はしごをおりるスリルのある場所がある。 やがて傾斜がゆるくなると、林道に出た。 ここが焼岳登山口。 15:50. 自分でセルフタイマーで写真を撮って、上高地を目指す。 上高地への道は林道となっており、梓川のせせらぎを見ながら木々の声を聞くような素敵なコースである。ずいぶんとすれ違う登山客の姿も増えた。 

上高地-河童橋より穂高をバックに

  途中、穂高橋で写真をとり、ウエストン碑を見て、梓川沿いに散策して河童橋へ行く。上高地に来るのは20年ぶりだろうか?建物が増えたように思うが、メインのところは変わっていない。  バスターミナルから16:45のバスに乗り、17:10に茶嵐の駐車場に到着。 着替えて、白骨温泉によって汗を流してから帰りたかったが、残念ながら1年前の集中豪雨で道が通行止めでいけないことを知り、入浴して帰るのは断念。 まっすぐ帰ることにする。 17:30に車を出発させる。 19:32に境川PAで、先の小仏峠が17km渋滞していることを知り、それ以上進むのはおいて先に夕食をとる。 お土産を買って仮眠したあと20:30出発。まあ明日は会社だがあせることもあるまい。 時間をずらしたことが奏功して小仏トンネルは2kmくらいの渋滞ですんだ。 22:25家に到着。



焼岳は、3つの魅力がある。 まず下から眺める山、上高地から最も目だって見える山である。2つめに登って良しの山。 自分が登った中ノ湯からのコースも上高地からのコースも山頂が次第に近づいていくのを楽しみながら登ることができる。 3つめに北アルプスの展望台としての山。 今回、初めてこの山の山頂から景色を眺めたが、西穂高から奥穂高までの稜線を南から見ることができた。また、上高地を上から見る景色というのは、前穂高・霞沢岳そして、この焼岳のみがもっている特権ではないだろうか? 夏のはじめの思いで深い山になった。
(2012年6月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています