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高隈山
高隈山

基本情報
1 山名 高隈山(たかくまやま)
標高 1236m (大箆柄岳) 
山域 高隈山地
都道府県 鹿児島
位置 N31.29.10/ E130.49.07 
地図 2万5千分の1地図「上祓川」
20万分の1地勢図「鹿児島」
7 山岳区分 日本三百名山・九州百名山
登山記録
山歩No 3999-23066
登山日 2023年10月9日(月)
歩程 4時間15分(垂桜登山口ー大箆柄岳ー垂桜登山口)
天候 曇り
形態 日帰り
アプローチ 垂水市役所の交差点から県道71号線を通り大野原林道
パーティー 1人
動画URL https://youtu.be/ToH10_bmOv4

 桜島や屋久島の宮之浦岳を除いて、ピュア日本三百名山で最も南にあるのが、鹿児島県の高隈山である。 とはいっても高隈山は高隈山地の総称なので、山として最高峰は大箆柄岳である。 レンタカーを使わないといけない山であるというのは認識していたが、ここまでチャンスがなかった。 今回、鹿児島への遠征を計画したことで、これが自分にとって登頂の機会となった。 この山に登れば九州での三百名山はすべて終了となる。


鹿屋市を出発 大野原林道

2023年10月9日(月)鹿屋市内の宿に泊まって朝6時30分に出発する。 ナビが示すとおりに国道504号線を北に走り大隅湖を巻くようにして南岸から県道71号に入る。 そこから西に進み垂桜の集落を目指す。ナビには垂桜の公民館を入れて進んでいった。 垂桜公民館の近くにバス停があり垂水のホームページでわここから徒歩で登山口まで歩いて山頂往復するコースが案内されている。最初は垂桜公民館を目指して進んでいくと、大野原林道への標識が現れた。

垂桜登山口

 車は農地の横を通りしばらくは舗装道路であったが、登山口までの4キロは未舗装のルートとなった。 途中道路の整備のための工事車両が入っているところが何か所かあった。 午前7時47分、垂桜登山口に到着する。 駐車場は路肩の広くなった部分で、5-6台は停められそうな広さがあった。 ただし今日は誰も入山してない。不要な荷物は車において8時7分登山開始。歩き出しは少し登った後に、下り道があるようなコースであった。 道を間違えてないかと心配したほどであった。

三合目

  比較的歩きやすい樹林の中の道を過ぎて、8:33、九州自然歩道の七岳との分岐に到着。この七岳に通じるルートは踏み跡も薄く、現在は廃道になってるような感じだった。 そこからしばらく行くと、8:54三合目の立派な標識があった。 さらに進むと徐々に傾斜を増す。 やがてがれ地の上に出てきた。 崖の切り立ったところでは、結構登山道が落ちていて危ないようなところもあった。標識こそなかったが標高970mの五合目の展望台を通過する。 そこからは木の根に覆われた登山道で、あいにくの雨でぬかるんでいるので結構歩きにくい。 


七合目 杖捨祠

なかなか標高が上がらないことをイライラしながら七合目を通過。 10:13、杖捨祠というものがあった。このあたりにはなぜか、ルート上にたくさんサクランボが落ちていた。ここから先は次第に灌木に交じってササの原を通過する場面も現れた。九合目までくると登山道は少し緩やかになった。 あと15分という記載がある。山頂が近いことを教えてくれる。 山頂直下にはオレンジ色のマムシソウが実をつけていた。

大箆柄岳山頂

 10:37山頂に到着。当然ながら山頂には誰もいなかったので独り占めである。 結局雨具はずっと着たままであった。山頂では雨が降っているという感じはないが、まだ霧雨のような湿った空気の感じである。したがって残念ながら周りの展望はない。 山頂には三角点と思われる石があった。 一等三角点の位置は高隈山の場合この大箆柄岳でなく御岳なのである。  山頂で恒例のバンザイ山頂の写真を動画を撮る。昼食に持って来たアルファ米を食べ、さらにおやつのドライフルーツもかじる。 山頂から見ると隣にあるピークの方がちょっと高いように思えたのでそこまでは行ってみることにした。 歩いていくと隣のピークには大隅湖に降りるコースと、スマン峠に縦走するコースの分岐の標識があった。
 

五合目展望台から桜島

 もともとは時間に余裕があればスマン峠に縦走する予定だったがこの天気であれば縦走をスタートしてもあまりいい景色が期待できない。そこで縦走を諦め今夜泊まる宿の門限にも遅刻しないように余裕を持って降りるべく元来た道をピストンで降りることにした。 11時15分出発。 下りも木の根で躓かないように気をつけながら慎重に降りていく。 ちょうど五合目の展望台に来たときに少し雲が切れて小箆柄岳が見えた。さらに西方面に遠くに見えると雲の合間から桜島が見えた。 ここで桜島が見えたのは嬉しい限りである。

あま

帰路 林道で轍につかまる

あまり休憩を取らずに下山を続け、結局13時26分に駐車場に下りてきた。 荷物を片付けていざ出発、林道を戻る。 帰りは慎重にエンジンブレーキを効かせて運転して進むが、途中、実は工事車両が大きなパワーシャベルで道路を圧迫したために、ぬかるんだ道路に轍ができて、タイヤが空回りをしまった。 工事の方たちがそれに気が付いて、わざわざ道路を均してくれたのでことなきを得たが、 誰もいない状況でタイヤが空回りしたら結構恐ろしいことになるなと思った。 


横川の民泊にチェックイン

 20分程で林道は抜け県道71号東に進む。国道504号に出てからは標識に従い牧之原を目指す。 県道10号と合流したところでコンビニに入ってサイダーを買う。 国分インターから高速に乗って溝辺鹿児島空港を過ぎて、横川ICで下りる。 霧島市内の横川という街に辿り着いたちょうど16時だったので、横川健康温泉センターでお風呂に入って行くことにする。 このときにまた激しい雨が降り始めた。 この温泉センターは料金も見た目も銭湯だったが、中に入ってみると泡風呂やサウナがあったりしてなかなか立派だった。その日は横川から隣町の粟野まで車で走りスーパータイヨー粟野店で夕食の総菜を買ったあと、横川町に戻り、横川Kitoに宿泊、宿に備え付けてある焼酎を少しいただき2階に上がって、22時に就寝した。

鹿児島空港

 翌日の10月10日(火)は前日までの雨がうそのように天気が回復していた。 出かける前に大隅横川駅の駅舎を見物する。 駅員の代わりに改札にかかしが座っていたのが面白かった。 車で九州自動車道に乗って溝部鹿児島空港ICまで20分ほど、給油を済ませてレンタカーを返却する。 8時前に返却を受け付けてくれた。 送迎車で空港ゲートまで送ってくれたので、すぐに帰りの登場する便のチェックインを済ませることができた。

 

展望デッキから霧島山を見る

展望デッキに上がってみると、高千穂峰の姿がきれいに見えた。 定刻に搭乗して窓際の席だったので機内から空からの景色を見ることができた。 高隅山の向こうに開聞岳の姿が見えた。10:40に羽田空港に到着し、空港バスと電車を乗りついで家に帰った。

高隈山は日本三百名山の九州の部の最後にふさわしい旅になったと思う。鹿児島県にはたくさんの名山があるが、この山もひっそりと静かながら大隅半島を一望することができる素晴らしい山なのだと思う。 今回、自分は高隈山地の縦走をすることはできなかったが、他の方の写真や動画で景色を楽しませてもらいたいと思う。

(2024年2月記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています