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横手山
横手山

基本情報
1 山名 横手山(よこてやま)
標高 2307m (二等三角点) 
山域 志賀高原
都道府県 群馬・長野
位置 N36.40.08/ E138.31.33 
地図 昭文社 山と高原地図17「志賀高原・草津白根山・四阿山」
2万5千分の1地図「上野草津」
20万分の1地勢図「長野」
7 山岳区分 日本三百名山・信州百名山
登山記録
山歩No 3380-24007
登山日 2024年3月16日(土)
歩程 3時間40分(横手山第二リフト終点ー横手山ー池ノ塔山ー横手山スキー場)
天候 快晴
形態 日帰り
アプローチ 上信越道信州中野ICから国道292号志賀高原
パーティー 1人
動画URL https://youtu.be/nv6uNSqLPYo

 横手山は志賀高原スキー場からリフトを使って到達することのできる三百名山の山頂である。 2020年ごろから残雪期にバックカントリースキーでこの山の頂に立つことを考えていた。 当初は横山から渋峠を経由して草津方面に下山することも考えた。 ただ、これはワンウエイとなってしまい。 車で荷物を運ぶということが不可能である。 そこで志賀高原をベースに出発地から周回してもどってこれるコースを考えることにした。 なかなか天気の周期や仕事の都合で、行くタイミングが定まらないまま時が過ぎていった。
2024年3月、中旬の土曜日の午後出発して、日曜日に登山というのを当初考えていた。 しかしながら3月16日土曜日は快晴であるが3月17日日曜日は午後から天気が崩れる、というのが週間予報で分かった。 そこで急遽予定を早めて3月15日金曜日の就業後に車で移動して道の駅で前泊し、翌16日土曜日に横手山アタックする計画を立てた。 仕事終わりからすぐに出かけるのは事前の準備が大変であるが、ただ山から帰ってきて一日片付けに時間が使えるのはありがたい。


道の駅北信州やまのうち 車中泊

 2020年3月15日金曜日、17時に仕事を終えてすぐに出発する。 今日はひたすら車で練馬ICから信州中野インターを目指して進むだけである。 15日の週末と言うこともあり、都内の道はかなり混んでいた。関越自動車道に乗るときはもうすっかり日没になっており、そこからは空腹に見舞われて横川サービスエリアでパンを買い、かじりながらまた上信越道ひたすら運転して行った。 22時に信州中野インターチェンジを降りて、そこから国道292号オリンピック道路を東へ進んでいく。 幸い雪は道路に積もっていないようである。 22時41分、道の駅北信州やまのうちで車を停めて、本日はここで車中泊することにする。 結構20台ほどの車が道の駅に駐車しており車中泊がにぎわっているように思った。途中セブンイレブンで買ったビールと日本酒で軽く一人晩酌をして寝る。

陽坂駐車場

 2024年3月16日土曜日、朝5時30分起床。 前日にインターネットで調べた時には、 3月16日土曜日は好天が予想されることから志賀高原の横手山第二リフトは早朝営業をするという話であった。 早朝営業は朝の6時から8時半まででである。 リフト券が安いのでできればこの早朝営業のリフト券で1から2本ゲレンデを滑ってから横手山へ上がろうなどと考えていた。 ここから292号除雪が終了している陽坂山駐車場まで登って行く。道路ところどころ雪が吹き込んでいるところはあったが基本チェーンなしに夏用タイヤで進んでいくことができた9時58分に陽坂駐車場に到着する。 ここでオープニング動画を撮って荷物をまとめて出発する。

横手山スキー場から見る笠ヶ岳

 隣に停めていた車の持ち主の方は三重ナンバーだったので、少し三重県の山の話などする。 今日は草津白根までピストンするという計画だそうである。自分はリフトが動き出してから行動するつもりでゲレンデの中にあるラフォーレ志賀でしばらく休憩をする。 宿泊者ではないのでレストランなどで時間をつぶすわけにはいかず、結局建物の外に居る時間が多かった。この場所は第1リフトの終着点で第2リフトの乗り場の位置である。 そういう意味ではスキー場の中腹だといえる。 ゲレンデから見ると2013年に登った笠ヶ岳が尖った山容を見せていた。


第二リフト終点から登山開始

 8時25分リフトに乗車する。 第2リストは距離が1103mある。風がそこそこあるということで結局横手山スキー場の早朝営業は実施されなかっただけでなく、さらに朝一番から山頂に近い第3リフトも動かないということがわかった。距離の長い第2リフトに乗ったのはラッキーであるか第3リストが動かないのであれば結局第二リフトの終点から林道登山して上がるしかない。標高差で200メーターほどである。 ラフォーレ志賀からスノーシューをつけて上がっていってる人もいたので、まあこのぐらいの登りは大したことないと考えるべきであろう。 9時0分リフトの終点。 ここから横手山に向かって歩いて行く。 この道は本当に林道なのでスキーの最短コースではない。 ショートスキーの裏にシールを貼って歩き始める。 シールを使って登るのは本当に10年ぶりのことではないだろうか? 接着剤が外れやすくなっていたりしないかと心配したが幸いそういうことはなかった。 踏み固めた林道の脇をゆっくりとのぼっていく。


横手山頂ヒュッテ

 標高2200mを超えると割と気温も低いので、崖から風に飛ばされた雪はパウダーのごとくキラキラと雪煙を上げている。 雪煙の向こうに岩菅山が見えた。 この岩菅山もかつてバックカントリーで登った山である。 志賀高原から見ると結構険しいように見えた。 岩菅山の写真を撮った後、また林道をゆっくりと上がっていく。 やがて左手に横手山頂ヒュッテの建物が見えてきた。 9時52分横手山頂ヒュッテ到着。 ここは日本一標高の高いパン屋さんがある場所である。 前からここに立ち寄ってパンを食べたいと思っていた。 昼食メニューは未だ提供していなかったが、10時からパンの販売はするようである。 玄関にお店の方が出てきていて良かったら休んでいてくれと誘ってくれた。 先ほど第2リフトの終点nところで自分よりも先にあがっていたスノウシューの男性が一人くつろいでいた。 自分は窓際に席を取ってアップルカスタードのパンを食べる。 コーヒーもすすりながらちょっとした贅沢な朝食である。 何よりもテラス席の窓から北アルプスの大展望が見えるのが嬉しい。 パンをしっかりと味わいながらゆっくり休憩させてもらった。 

横手山山頂

10時30分横手山頂ヒュッテを出て、そこから横手山山頂を目指す。横手山山頂はそこから南東に第3リフトの乗り場をへて高台へ上がっていく。第3リフトも渋峠リフトも運休しているということもあり、横手山山頂はほとんど人がいなかった。 とりあえず緩やかな斜面をシールをつけたまま山頂へ向かう。 横手山神社の鳥居は半分ぐらいは雪に漏れていた。横手山の山頂と思われるところで360度の展望動画を撮影する。笠ヶ岳・妙高山の横に白馬が見えた。 さらに南に目を向けると浅間山の真っ白な姿も見えた。 10時37分横手山山頂登頂。 そこで恒例の日本300名山登頂のバンザイ動画を撮影する。 山頂標識も半分ほど埋まっていたし二等三角点の標識は完全に雪の中に埋もれてているようで、発見することができなかった。


志賀・万座クラシックコース
 
少し休憩した後ここから渋峠スキー場を下って行く。山頂で写真を撮った後10時57分に渋峠スキー場を下り始める。 途中でシールを入れていた袋が風に飛ばされてしまい、それを追いかけるというハプニングもあった。 渋峠スキー場ではリフトが動いていないのでゲレンデが貸切状態であった。 3 4回ターンをすると目指す渋峠ホテル到着した。 11時22分渋峠到着。 この山頂を眺めたら絶好のスキー日和スノーボード日和であるが、リフトが止まっているためにスキー場が閑散としておりなぜか寂しい。 支部峠ホテルはまだ営業してないようなので帰りに寄るつもりになって、ここから池ノ塔山を目指す。 登りだしてすぐに私を好きに連れていっての映画のコースとなる渋峠・万座温泉のツアーコースの標識がある。 少し稜線上に道を取りながら、池ノ塔山へと上がっていく。 
 

池ノ塔山山頂から浅間山方面展望

 道は決して分かりにくいということはないが、ただツボ足で歩くと確実にはまるのでやはりスキー板を使って登って行かなければならない。 渋峠から25分ほど登りで池の塔山の山頂に到着した。 青い空と白雪のコントラストが美しいい。 12時25分池の登山の山頂に到着。 標高は2217mである。 山頂標識は何もないがここが一番高いところなので山頂なっていることがわかる。 ここから見る横手山の山容はどっしりとしており素晴らしかった。 北アルプスの景色が見えるのは横手山と同じであるがこの池ノ塔山の特徴は、南側の展望が開けてあることである。 さらに浅間山や八ヶ岳も見える。リュックからカロリーメイトとジェルを取り出して昼食を摂った。

日本国道最高地点

 13時20分池の塔山の山頂を出発して下山を開始する。 来た道をまっすぐ戻らずに、途中から南東に傾斜を下っていく。 車道にぶつかり日本国道最高点を目指す。日本国土を最高地点の標高は2172メーター。ここからは芳ヶ原を見下ろすことができる。 国道最高地点の景色の撮影が終わってからはほぼ平坦な車道を戻っていく。 途中で若山牧水の歌の碑があった。 ここすぎると渋峠ホテルが見えてきた。

渋峠ホテル

13:38渋峠到着。先ほど営業していなかった渋峠ホテルはこの時間は営業を開始していた。 見ると渋峠スキー場もリフトは無事に動いている。 渋峠ホテルの特徴は群馬県と長野県の県境に建てられていて喫茶店は群馬県であり食堂は長野県となっている。 中に入ってみると食堂に近いところにはツキノワグマの剥製が置いてあった。 喫茶は営業しているようだったが食堂は今日は営業は休止しているようである。 喫茶の方に行ってみると「私を好きに連れてって」の撮影隊が1987年に撮ったと思われる写真が飾ってあった。主演の俳優たちが若々しかったのが印象に残った。

国道292号

 渋峠ホテルを出て下山を開始する。帰りは国道292号をそのまま降りていく。 ここは除雪してないのでほぼスキー場の林道のような感覚である。さすがに午後になって雪が少し緩んでいるのであまりスピードが出ないので、平坦なところは漕ぐ必要がある。横手山ドライブインの横を通過する。 国道が除雪されておらず車が入ってないので、ドライブインもシャッターを閉めた状態であった。ここからゲレンデに合流する。 最後スキー場の感覚でゲレンデを気持ちよく降りていく。 途中ですれ違ったスノーシューのハイカー達がゲレンデの横を歩いて下山しているのが見えた。 その子を颯爽と自分は滑って言った。やがて下にホテルラフォレ志賀が見えた。 ゴールはここである。


横手山スキー場 ゴール

14:20 横手山スキー場到着。 板を外して車を停めてある陽坂駐車場まで歩いた。 駐車場の手前のスノーモービルが停めてあるところで動画のエンディングの撮影をした。 車に戻ったときにちょうど隣の三重ナンバーの車の人たちも帰ってきたところであった。 草津白根山の手前まで入ったそうだがやはり相当に風が強かったそうである。まあ自分も池の塔山であれだけ風が吹いていたんだからまあ当然といえば当然だろう。荷物を積み込んで国道を下って行く。 道の駅北信州やまのうちで一旦休憩し、お土産物を覗いてみる。自販機でコーラを買ってそこから300キロ長い道のりを運転して帰った。

念願だった横手山についに登ることができた。バックカントリースキーでこの山に登ると決めて実際に実行できたことが何より嬉しかった。 しばらく使っていないスキーがちゃんと機能するかどうか不安ではあったがスキー板も兼用靴もまあまあ思った通りに働いてくれたのが良かった。 体力の衰えはいかんともしがたいが年に一度ぐらいはバックカントリーに行ってみたいなと思った一日であった。


(2024年4月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています