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基本情報
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山名 |
悪沢岳(わるさわだけ) |
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標高 |
3,141m |
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山域 |
赤石山脈中部 |
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都道府県 |
静岡 |
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位置 |
N35.30.03/ E138.10.57 |
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地図 |
昭文社 山と高原地図42「塩見・赤石・聖岳白馬岳」
2万5千分の1地図「赤石岳」
20万分の1地勢図「甲府」 |
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山岳区分 |
日本百名山 |
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登山記録
山歩No |
1830-91010
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登山日 |
1991年8月14 日(水) |
歩程 |
第一日 5時間20分
第二日 7時間
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天候 |
快晴 |
形態 |
小屋3泊4泊縦走 |
アプローチ |
JR東海道線静岡からしずてつバス畑薙ダム |
パーティー |
6人 |
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1991年夏、この年の夏山合宿は久しぶりに南アルプスの首稜を歩くことになった。 入社3年目のH.H君もカメラ係としてとして参加することになった。 男性4名、女性2名の計6名の登山隊である。 平均年齢がちょうど31歳パーティーで合宿である。
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畑薙ダム出発
荒川岳(あらかわだけ)は南アルプス国立公園内の赤石山脈(南アルプス)中央部にある前岳、中岳、悪沢岳(東岳)の3つの山の総称である荒川岳は別名荒川三山とも呼ばれる、いくつかのピークの集合体である。「三山」と呼ぶ場合は以下の3つを指す(以下、西から東への位置順に記す)。前岳(荒川前岳)
標高3,068 m、中岳(荒川中岳) 標高3,084 m、悪沢岳(別名東岳または荒川東岳)標高3,141 m 日本第6位の高さである。さらに、その東側に位置する以下の2つの小ピークも荒川岳の一部分である。丸山
標高3,032 m+千枚岳 標高2,880 m今回これらの山を目指す。 |
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椹島への林道歩き
1991年8月12日(月)今日から夏山合宿である。 今回の夏山は久しぶりに南アルプスである。 昔からこの山域には行きたかったのだがチャンスがなかった。 新幹線で朝大阪を出発。 静岡まで行く。 そこからしずてつバスの乗り延々と畑薙第一ダムまで3時間以上ゆられていく。畑薙第一ダムからは、大井川基幹林道東股線を歩いて4時間40分。 目指す椹島まで行く。夏の炎天下、この道を歩くのがつらい。 途中で東海フォレストの車が荷物だけを運んでくれたのでそれからは散歩気分で歩くことができた。
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滝見橋から尾根へ
8月13日(火)今日から本気の山登りである。 今日は標高差1500m以上登って千枚小屋まで到着しなければならない。小屋を出て裏手の鳥居の横を進む。滝見橋の横から鉄製の橋を渡り、そこから尾根にとりつく。 2時間ほど歩いたところで中電ロボット雨量計がある。その少し上が小石下である。小石下にばベンチと指導標識が置かれている。
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駒鳥池
林道を横切って伐採林を越えると初めて荒川岳が展望できる。しばらく大井川を眺める稜線伝いに進むが、やがて樹林の中の登りとなる。 標高1870mの清水平はテントが数張のスペースがあるところだ。 水場があるので少し給水していく。 急登になるが作業道を横断して尾根道をたどるほうが効果的である。 ひとしきり登ると、 針葉樹林帯の広い尾根に出る。 シダ類の群生を見る蕨段である。 ここで標高は2073mである。南アルプスでは段というと平らに開けたところを言うらしい。さらに進むと登山道から1分ほどのところに苔むした原生林の中にひっそりと水をたたえて駒鳥池がある。 水は飲料用としては使えないらしい。
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千枚小屋
駒鳥池を過ぎるとひと登りで針葉樹林の限界に出る。 ここからは上のほうが眺められるようになってくる。 千枚岳直登分岐を見送って、樹林の中を歩くと、小高いところに出た。 この下に今日の宿泊地である二階建ての千枚小屋が見えた。 東海フォレストが静岡県から委託されて管理しているらしい。10名以上の場合は予約が必要だという。水場は小屋から数分登ったところにある。 さっそく夕食の支度である。
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早朝に千枚小屋を出る
8月14日(水)今日はいよいよ主稜線の山山を歩く日である。3時に起床して、朝食の準備を始める。さすがに標高2700mもあるので、きわめて肌寒い。 真夏だというのに手が化時間でしまった。 朝食を済ませて、4:20. まだ暗い中をヘッドランプをつけて出発する。ダケカンバの林の中をゆっくり登っていく。
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ご来光と富士山のシルエット
登ること40分。マンノ一沢頭方面を右に見送り、ハイマツ帯の中を進むと一気に展望が広がった。 まだ暗いのだが次第に東の空が明るくなってきた。 5:00千枚岳の山頂に到着である。 ここで御来光を見る。 今日も素晴らしい天気である。 東の雲海の中に奥秩父の山々が顔をだしている。 その先には富士山の姿もある。 一気に太陽が雲の上から上がる。 千枚岳山頂2880mでのご来光だ。千枚岳の山頂部は岩陵帯になっている。
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千枚岳山頂
千枚岳で少し写真をとって展望を楽しんだのちはいよいよ荒川三山の縦走である。 ここから丸山経由東岳(悪沢岳)までは1時間30分の道のりである。やせた稜線を左に巻きつつ岩を越える。 左から巻き終えると、悪沢岳と千枚岳との間にある最大の核心部です。下った所から5mほどの垂直の壁がある。壁を降りると、右手側林の中をトラバースし赤いペンキを目印にやせた尾根を登っていく。2つほど岩を越えると草つきの斜面が広がり、丸山までゆっくり登っていく。
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悪沢岳を目指す
標高3032メートルの丸山の周辺にはタカネツメクサ、ミヤママンネングサ、ハクサンイチゲ、オヤマノエンドウなど各種高山植物が花を咲かせている。 丸山から小ピークを左から巻いて、悪沢岳の山頂に上がっていく。 岩稜を通過して登っていきいくつかのにせピークを越えると赤色チャート層の岩が現れる。 これらの岩が赤石の山の由来だという。
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悪沢岳山頂
標高3141メートルの悪沢岳(東岳)の山頂到着。南アルプス南部の最高峰である。日本百名山に指定され、赤石岳はもちろん360度の眺望が広がっている。 全体写真を撮影。 今日は本当に眺めがよい。この山は、日本代位6位の峰であるがついに南アルプスの最深部までやってきたという感慨が深かった。 正面にそびえるこれから登る赤石岳がなぜかとても荘厳に見えた。
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初めての南アルプス中部縦走で絶好の晴天に恵まれたのはラッキーであった。 赤石岳を目指す気持ちも軽くなる。日本の山を見渡す天井に居ることを実感する稜線歩きである。
(2015年12月 記) |
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