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安達太良山
安達太良山

基本情報
1 山名 安達太良山(あだたらやま)
標高 1,709m<鉄山  四等三角点>
山域 奥羽山脈南部
都道府県 福島県
位置 N37.37.59/ E140.16.59 
地図 昭文社 山と高原地図11「磐梯・吾妻・安達太良」
2万5千分の1地図「安達太良山」
20万分の1地勢図「福島」
7 山岳区分 日本百名山、花の百名山、東北百名山
登山記録
山歩No 1210-07009
登山日 2007年4月6 日(金)
歩程 2時間50分
天候 晴れ
形態 前夜発日帰り
アプローチ 東北自動車道二本松より国道459号岳温泉経由奥岳
パーティー 1人

 安達太良山は高村光太郎の智恵子抄に中に出てくる山である。本当の空は安達太良山のある故郷にしかないと歌われたこの山には4月に登った。但し、2年越しである。 最初のトライは2005年の4月であった。 このときは、ゴンドラの山麓駅まで来たが、強風のためゴンドラの運転が止まっていたために、あきらめて土湯経由でグランデコスキー場まで入り、吾妻連峰の西大巓に登った。 1年後、再度、安達太良山のチャレンジである。 

東北自動車道 鏡石PAで仮眠

4 月5日(木)夕食に冷やし中華を食べてからInternetで高速や天気の情報を見て21時半に家を出る。 目黒通りを走って目黒ICから首都高に入り、飯田橋・早稲田経由で川口JCTへ。 途中、矢板北SAで休憩をして、24時50分まで走って鏡石PAで寝る。このPAは24時からのコンビにがあるので便利である。 まわりのトラックのエンジン音が少し気になるが、時間も遅かったので、やがて寝入ってしまった。

奥岳・安達太良エクスプレス山麓駅

4月6日(金)朝6:07起床。 くもり。夜中に寒くて、ザックからポンチョを出してシュラフの上にかけて寝た。 おきてから、ラジオを聴きながら、24時間営業のmini stopへ入って、朝食に焼きそばと牛乳。 昼食におにぎりを4つと野菜ジュースを買う。 まわりはトラックが多い。 結構朝も早いがPAには多くの車が停まっている。 7:07に車を出発させる。 8:20に安達太良高原スキー場へ着いた。駐車場は、富士急レストハウス看板のあるゴンドラリフトのすぐ横にある。軽く200台くらいは停められそうな広さであるが平日だということもあり、十数台しか停まっていない。  

ゴンドラ山頂駅から歩き出し

 準備をして8:42にあだたらエクスプレスという名のゴンドラリフトに乗車。 切符は入り口で買う。 900円。 およそ10分で山頂駅に到着。 1年前の4月にも安達太良山を山スキーアタックしようとしたが、このゴンドラが強風で運休だったために急遽、行く先を吾妻連峰の西大嶺に変えた経緯があるだけにこうしてゴンドラに乗って景色を眺めていると思いもひとしおである。 登山届けを提出して、9;02山頂駅から歩き出し。五葉松平まで直登ルートを通り、およそ40分。 ペースは悪くない。ガイドブックによれば「五葉松あたりで風が吹いたら潔くあきらめようと」書いてあった。 確かに、ここからは傾斜は緩やかだが樹林が無いので風が吹いたら厳しいかもしれない。 薬師岳の眺めがよい。

五葉松平

 10時04分そろそろ歩き出して1時間になる。 潅木を巻いて、山頂が見えるところまで来て、休憩を取る。 手袋をとり、ストックを組んで山頂をバックに写真を撮影した。ルートは雪に覆われているのではっきりわからないが夏道であれば、このあたりで安達太良温泉から来る表登山口と合流しているところのはずである。稜線はやがて北西に向きを変えて、行く手には安達太良山の山頂の象徴である乳首が見える。 

安達太良山頂

10:47安達太良山頂到着。1699.6mの乳首にあがる。 ここは少し溶岩の固まった岩場になっていて、アイゼンをつけたままあがるのには少し苦労する。両手両足を使ってはいあがる感じであった。 山頂には山名盤がある。セルフタイマーで写真を撮る。すぐ下に若い男性3人がスノーボードを持ってやってきたが、さすがに、乳首にあがるには足元不如意と思ったのか、それ以上はあがってこなかった。 行動食にチョコクッキーを食べて、それから、11:08縦走路を北へ向けて出発。天候は晴れで、進む方向はよく見えている。

牛の背

 安達太良山からの下りは「牛の背」といわれる夏道であれば15分ほどの下りであるが、結構雪がついていた。 ここは雪渓をトラバースするような感覚で少し神経を使った。 ピッケルをぐっとさして、滑落しないようにしながらゆっくり下りていく。鞍部は雪がたまっていた。 ここで一息いれてさあ登ろうというときに気がついたのであるが、右足のビブラムがはがれかけている。最初はだましだまし歩いていたが、鉄山への最後の登りの途中で、右足の靴のビブラムは完全にが外れてしまう。コフラック・アルボナという兼用靴。 確かに、買ってから15年くらい経過している。 もう寿命ということなのだろう。 仕方がなくアイゼンをはいて山頂を目指す。 

鉄山山頂

  山頂の直前で、安達太良の登りで下山ルートをアドバイスくれた人にあった。 避難小屋で飯を食べていたらしい。鉄山への登りは稜線上を矢筈森のほうへ行きすぎて少し南に戻るようにして登っていく。 北斜面だということもあり、まだ結構雪がついていた。 12:22鉄山登頂。山頂は強風のせいか、雪は飛ばされており、茶色の土がむき出しになっていた。吾妻山の方面がきれいに見えている。 やきとりの缶詰を開けて、ノンアルコール麦酒で一人で乾杯。セルフタイマーで磐梯山をバックに写真をとる。 おにぎりを食べて、12:53に山頂を後にする。 鞍部でえびのしっぽを撮影して、再び安達太良山へ。  

山頂より下山ルート、乳首を振り返る

14:02、安達太良山の山頂の前では写真を撮ったが、アイゼンをつけたままなので、乳首にはもう上らずに、下山開始。 傾斜も緩やかになってすべるのに適した斜度になってきたので、途中からスキーをはいて、軽快に潅木の脇をすり抜けていく。 15:08ゴンドラ山頂駅到着。 左足のビブラムもはげかけていたのでスキー場へは下らず、下りのゴンドラ券を買って、ゴンドラで降りる。 

下山・阿武隈高地遠望

 15:34山麓駅到着。 トイレを済ませて、係員が掃除をしている駐車場で荷物を片付けて、鉄山で座っていたからか尻まで濡れていたのでパンツまで履き替えて、16:00奥岳の駐車場を出発。二本松ICから東北道に乗るが、17:11にあまりに眠いので、那須高原SAで休憩。少し眠る。15分くらい仮眠するつもりだったが、起きたら50分たっていた。 18時に眠い目をこすりながら出発。 途中、蓮田でトイレをすませ、、首都高は千住大橋の渋滞を抜けて湾岸線経由で羽田まで。地道を走り21:07に家に到着。  

途中で兼用靴のビブラムが剥がれるというハプニングがあったが、無事に鉄山まで行くことができてよかった。 流石にこの時期、稜線まで出ると、風で雪が飛んでいて、山スキーという領域ではなくなるが、稜線から見た安達太良連峰の残雪を被った姿は、おだやかで、智恵子が見た山の上の空とはこのような早春の淡い青だったのではないかと思わせるスキー登山だった。

(2008年01月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています