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朝日岳(大朝日岳)
朝日岳(大朝日岳)

基本情報
1 山名 大朝日岳(おおあさひだけ)
標高 1871m
山域 朝日山地
都道府県 山形県
位置 N38.15.38/ E139.55.20
地図 昭文社 山と高原地図9「朝日連峰」
2万5千分の1地図「朝日岳」
20万分の1地勢図「村上」
7 山岳区分 日本百名山、東北百名山
登山記録
山歩No 1170-11012
登山日 2010年10月23日(日)
歩程 第一日 4時間30分(日暮沢から竜門小屋)
第二日 7時間25分(竜門小屋から大朝日岳・日暮沢)
天候 晴れ後曇り
形態 小屋泊1泊2日
アプローチ 山形道月山ICよりj県道27号日暮沢
パーティー 1人

朝日岳は2009年11月11日に山名変更を行った。 一般名を「朝日岳」から「大朝日岳」に変更した。 これまでは、「日本百名山」での検索が多かったので、「朝日岳」にしていたが、「朝日」の名の山は全国にあり、これらとの区別のために「大朝日岳」としたことによる 。
さらに翌年2010年10月2日に2010/10/01 国土地理院発表の「東北地方の三角点標高成果の改定に伴う標高変更」により標高が変更され旧標高:1870mは新標高:1871mにかわった。
実際、そのような事実はあとからわかったことなのだが、私はどうしても、この大朝日岳に2010年に登る必要があった。 それは2011年春に予定される日本百名山全山登頂に向け、過去百名山には登ったことになっているものの、最高峰を踏んでいないという山がいくつか判明したのだ。 この朝日岳も1987年に以東岳から縦走して竜門山まで登ったが悪天のためそこから下山。 最高峰の大朝日岳を残してしまった。 百名山完全登頂のための登り直し。 これが大事な宿題となった。 

前夜発 東北道安達太良PA宿泊

10月22日(金)会社では夕方18時から海外と電話会議が入った。19時に終わったので急いで帰る。簡単に夕食をすませて、風呂に入らずに車に荷物を運びこんで、20:30に家を出る。首都高は空いており川口ジャンクションまで1時間かからずに行くことができた。12:20安達太良PAで車を停めて寝ることにする。 後ろの車のエンジンがうるさかったので前につめる。 本を読んでいたので結局寝たのは午前1時をまわってしまう。

出発 日暮沢小屋

10/23(土)晴れ。 朝6:15に目覚ましを掛けていたのでおきる。、水をくんで出発。 山形道に入ってからは蔵王の紅葉がきれいだった。 7:50に寒河江PAで休憩。 コーヒーを飲んで名物の玉こんにゃくを朝食として食べる。たくさんの登山靴をはいたおじさんたちがいたので、山は混みそうな予感がする。 月山ICでおりて県道を南にすすむ。 日暮沢林道は思っていたよりも起伏のない道だった。 10時少し前に避難小屋に着いたが小屋の前はもう停めるスペースがないので、管理施設の隣にとめる。 係りの人が来て、車上荒らしに注意してくださいといっていた。 10:30歩き出し。 日暮沢の小屋を覗いてみる。 三階建てのコンクリートつくりの立派な小屋だった。 中にはだれもいない。 1Fだけ覗いてみたがとてもきれいな小屋だった。 豪雪の場所だからだろうが2Fに昇るはしごがついていた。

清水岩山

小屋の前か林道と別れて竜門山への登路が続いている。すぐに尾根伝いにあがる登山道となった。 11:13標高725mの地点で休憩。 ここから隣のハナヌキ峰から伸びる稜線が見える。 紅葉していて見事だ。水を飲んで 11:21出発。 ずいぶんと標高もあがって来たところで12:15に1020mの地点で休憩。2人組の下山者とすれちがう。 きのう朝日小屋に泊まった人だろうか? 12:22出発。少しあがったところに水場があるが、特に寄る必要もないので、そのまま清水岩山までの登りに取り掛かる。 北東に西川町の方が見えているようだ。結構なのぼりで最後南にまききると清水岩山の山頂が見えた。 13:55清水岩山(標高1465m)到着。ここから目指す大朝日岳がきれいに見える。もってきたメンチカツパンと牛乳で遅めの昼食。 きのうの焼酎が残っていたのか途中登っているときあまり食欲がなかった。ひととおり展望写真を撮って14:15出発。 

ユーフン山

いったん稜線沿いに下って 10分ほどの坂を登り返すと14:55ユーフン山(標高1567m)に到着、ケルンが詰まれただけの山頂だがここからはもう竜門小屋が手に取るように見える。 写真を撮るが日が短くなったせいか、もう夕方のような光だ。15:00出発。あとは標高200mをのんびりと竜門山まで登るだけだ。 

竜門山

山形のラジオ番組を聴きながら 15:50竜門山(1688m)到着。 道標は、分岐を示すもののみで、竜門山の山頂がどこなのかはいまひとつわからない。とりあえず、標高の一番高いところで写真を撮る。 前回、1987年に大朝日岳をあきらめて撤退したのはたぶんここだったのだろう。 15:55出発。たおやかな雲の湧いた稜線を下っていく。 小屋のまわりに人がでていないところをみると小屋はそんなに混雑していないのだろう。2Fの窓をあけてこちらをみている人の顔が見えた。 

竜門小屋

16:15竜門山避難小屋到着。1Fにいたご夫婦にあいさつをして、2Fにあがる。 2Fには6人がいた。 今夜の宿泊は合計8人。 60すぎの新潟のおじさんとめがねの30代男性の間に入って場所はゆうゆう4人分くらいのスペースを使う。 1Fにおいてあった宿帳に記帳して1500円の宿泊代を入れる。 管理人さんはやはり体育の日の連休を最後に下山したようだ。水は小屋のすぐ前のホースからこんこんと出ている。きわめて便利。 16時40分ごろに日没を見るために外に出る。皆、写真を撮ったり思い思いに景色を見る。日没17時。 小屋に上がって食事をつくり、かにかまとポテトサラダでウイスキーを飲む。となりのカップルは、豪勢に鍋をやっている。 ごぼうやもちもはいっているようで重たいであろうが持ってってあがったのだから大したものだ。 大吟醸のお酒も持ってきている。 うらやましいかぎり。 こちらはインスタントのピラフで仕上げ。 あとは、鮭とばをつまみにほおばりながらちびちび飲んで、19:30就寝。

西朝日岳

10/24(日)夜中10:30くらいに一回おきてしまう。 11時半くらいまで、またひびちびウイスキーを飲んで寝てしまう。 小屋は他人のいびきを聞くことになるので、それも熟睡を妨げる原因になるか。 4時半に隣のカップルが起き始めて食事の支度を始めた。 となりの30代男性もおきている。 30代男性は、今日は、大朝日を越えて祝瓶山まで行ってそこを下りて停めてある自転車に乗って日暮沢の車に戻るそうだ。 歩く距離は自分の1.5倍。 驚きだ。 天気は高曇り。インスタントの山菜おこわを食べて紅茶を飲んで朝6:00出発。入り口で、写真のシャッターをご夫婦に押してもらった。 竜門山へののぼりで月山のモルゲンロートがきれいに見える。 6:22竜門山の分岐。
 山頂を越えて西朝日岳の方向を見ると、きのうとはうってかわって景色が一望できる。 6:40風が強い暗部で休憩。1660m地点。 後ろから、昨日小屋に泊まっていたカップルがこちらに向かって歩いてくるのが見えた。 彼らも今日、東京まで帰るということで急いでいる様子。 6:44出発。 7:23西朝日岳到着。ここから大朝日岳の眺めはいい。 7:30出発。

大朝日岳山頂

8:23中岳通過。遭難碑があった。 カップルもここで追いついた。 ゆったりとした尾根を下って、金玉水の分岐を通って、8:50大朝日岳避難小屋到着。小屋は定員100人と書いてあったがそこまで大きくはない感じがした。2Fに荷物を置いてナップザックに、水と防寒具、GPSとカメラを入れて出発の準備。 トイレは水洗の3つは使用禁止になって、バイオトイレだけがOKになっていた。 100円の協力金をボックスに入れて9:02出発。 9:12山頂到着。山頂まで行く途中でカップルとすれちがった。 彼らはほとんど、山頂に5分といなかったのではないだろうか。山頂は南北に細長かったが、360度の展望を楽しむことができた。千葉から来たという古寺鉱泉から日帰りで上がってきた登山者の方と話す。 帰りの東北道は渋滞するだろうから、常磐道で帰ったほうがいいですよというアドバイス。きのう小屋で隣で寝ていた新潟のおじさんも到着した。風はまだ強い。写真だけ摂って9:30出発。

大朝日小屋

9:40避難小屋到着。2Fにあがって、床にステンレスの板を敷いて、EPIをつけてラーメンをつくる。風が強くて寒かったので暖かいラーメンはうまい。この小屋はシーズン中(7月中旬〜10月中旬)は、管理人が常 駐するが食事とかはでない。トイレは、水洗トイレもあり避難小屋とは思えない仕様だ。WEBを見ると「小屋は、1階と2階、屋根裏部屋のような3階となっています。 小屋泊の方が多くならない場合には、基本的に2階で泊まっていただくことになります。  3階は構造上、窓を開けることができないので小屋が満員の場合には熱がこもって寝苦しい場合があります。」と書いてある。これでも夏場は収容100人を超えて宿泊者が来るらしいので、3Fに泊まるケースも多いのだろう。 小屋の管理人の大場さんは大正生まれとのこと。 ご苦労様です。

小朝日岳

ひとごこちついて10:20避難小屋出発。そこからは眺めのいい稜線づたいに1769mのピークを目指して北北東に進む。 ピークをすぎるとすぐに銀玉水があり、昨夜小屋の一番手前で寝ていた男性が水場はすぐですよと教えてくれた。 たしかにこの水のおいしさは定評があるらしい。比較的、ゆるいくだりを抜けると、熊越。そこから小朝日岳に昇るルートがあったが、標高差140m以上あるようでパスする。
トラバース道を通っているはずながら比較的のぼりが続いて11:31小朝日到着。ここから小朝日岳に昇っている人がひとり見えた。 
11:36発。 11:59古寺山(1501m)到着。ここは、大朝日の姿を眺めることのできる最後のポイントだ。写真を撮って12:03古寺山出発。

ハナヌキ峰

ここからは少し急坂で、標高を落としていく。 4人組の若者が追い越していった後、1人の60代男性を追い越して進む。 古寺鉱泉からは日帰りができるとあって、ルートとしては一番登山者・下山者が多い感じがした。12:25鞍部で古寺鉱泉への道と別れると、ゆるやかなのぼりとなり 12:52ハナヌキ峰(1196m)到着。 このあたりの標高まで来ると、紅葉が残っていてとてもきれい。 水を飲み干して13:00出発。あとは根子の三沢の東の尾根をひたすら沢に向かって高度を下げていく。 沢の出会いで、きのことりにきていた男性とばったりあった。 熊が心配だけど、熊はみんな人里に下りてるから山にはいないかもね、なんて冗談を言っていた。 そういえば、この週末に、何件も熊が人里に出没してで農作物をとるようなニュースをやっていた。 14:04竜門の滝 下草のしげった道を踏み分けていくとやがて14:17林道入り口。 さきほどのきのことりの人が車で帰るところだった。

太井沢温泉

14:40駐車場到着。ほとんどの車はもういなくなっていた。 新潟の人が片付けをしていたので少し話しをする。大朝日小屋の管理人さんは2代目に代替わりしたらしい、とか。 14:59駐車場出発。 15:20に太井沢温泉湯ったり館(http://www.gassan.co.jp/onsen/onsen02)に立ち寄る。浴槽が2つあり、月山と朝日と書いてある。 男湯はどっちだろうと思ったら、ラッキー!本日は男湯が朝日だった。 ほっと一安心。 何しろ、月山では道にまよった経験があるもので。風呂は内湯のみなるもシャンプーがそなえつけてある。 これで300円は安い。 ゆっくり疲れを癒して、サイダーとコーラを買って16時に出発。 帰りは、月山ICから山形道を暗くなりかけた道を進んで、村田JCTあたりからもう雨が降り出した。 東北道が合計70kmも渋滞しているようなので、郡山JCTから磐越道に入り、19:11阿武隈高原SAで休憩。 スパゲティーパンを買って食べながら運転。 雨で、路面が見えないので慎重に運転するしかない。21時半にやっと首都高6号に入ったが、結構そこからが渋滞していた。 
23:04自宅に到着た。とりあえず、荷物だけを家に運び込み、そのまま着替えてすぐに寝てしまった。長い一日は朝焼けに始まった大雨で終わった。 

百名山の完全登頂のために最高峰を踏み残した山のリベンジ=再履修をしている中の一環でこの山に登った。 奇しくも山名が大朝日岳に変わって直後だったが、そんなこととは知らず、本当に山好きの単独行きの人たちと前になり後ろになり、マイペースで登ることがで きた。 竜門山は24年前に登ったときの記憶をふつふつとよみがえらせてくれた。 秋の一人の山行だったが、景色にも恵まれ、いい山旅ができた。 
 (2011年9月記)
    

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています。