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箱根山(神山)

箱根山(神山)

基本情報
1 山名 箱根山/神山(はこねやま・かみやま)
標高 1,438m
山域 箱根山
都道府県 神奈川県
位置 N35.14.00/ E139.01.15 
地図 昭文社 山と高原地図29「箱根・金時山・駒ケ岳」
2万5千分の1地図「箱根」
20万分の1地勢図「横須賀」
7 山岳区分 日本三百名山・関東百名山
登山記録
山歩No 3280-10027
登山日 2010年11月6 日(土)
歩程 2時間40分
天候 快晴
形態 日帰り
アプローチ 東名高速道御殿場ICより
パーティー 2人

箱根は、自分の住む神奈川県内に位置する。古来東海道の要衝であり、「天下の険」と謳われた難所箱根峠のふもとには宿場や関所が置かれた。近代以降は保養地・観光地として発展し、各所に湧く温泉や、芦ノ湖、大涌谷、仙石原などがとりわけ有名である。1936年に「富士箱根国立公園」(現・富士箱根伊豆国立公園)に指定されている。学生時代に金時山に登ったことはあったが、なぜか明神ヶ岳や明星ヶ岳といった近くて素晴らしい山に登らずにきていた。 最高峰の神山もひそかに残雪期の登山を計画していたが、事情があって御殿場に来るついでのあった今回、登山することになった。。

大涌谷駐車場

11/06(土)朝6:00に起床。天気快晴。 8:35に家を出発。ナビでは9:57到着になっていたが、天気がいいせいだろう。 横浜町田で13km40分という渋滞。 青葉で入ったとたんのろのろ運転だった。 10:35に御殿場ICでおりて、それから138号線を南東へ。 乙女峠も越えて仙石原から姥子まですっときたのだが、最後に、大涌谷の駐車場から1kmの地点で駐車場待ちの渋滞。 結局11:00から45分並んで、やっと車を入れることができた。 茶店でトイレをして、腹ごしらえにフランクフルトといそべだんご(1本230円)を買って食べて、水掛地蔵の横から12:08出発。 

登山開始

すぐに噴煙を横に見る登山道となる。 冠ヶ岳がきれいに紅葉しているのが見える。ペースは快調。 このハイキングコースは箱根全山お勧めハイキングコースにも出ているルートだが、火山ガスのため2001年から通行止めとなっていた大涌谷⇔大涌谷分岐間で警報装置などの安全装備が整ったため、2007年4月より再開したものである。大涌谷から最短コースで神山にいけるのでありがたいルートである。

冠ヶ岳を目指す

 早い時間から歩いている登山客はもう下山する時刻なのだろう。たくさんの人とすれちがう。 15分歩いたところで、早雲山にいくルートとの分岐。 そこからゆったりとした木々の間を登って高度を上げる。 年配のハイカーも多いので、珍しく、人を追い越す場面もあった。。 

冠ヶ岳山頂

 小さい祠の裏を巻いて、13:06冠ヶ岳1409mの山頂に到着。 4人くらいのグループが狭い山頂で飯を食べていたので、まともに休憩するところがなかった。 展望のない林の中でお茶を飲んで休憩。 そうこうする2人、また3人と登山者が上がってきて休憩スペースもなくなってきたので13:11出発。鞍部まで32mおりてそこから最後ののぼり。  

神山山頂

13:28、神山の山頂に到着。 展望はほとんどない。 ところどころベンチがあるので、三角点を踏んだ後、それに一番近いベンチに腰をおろして、昼食休憩。 お湯を沸かして、カップそばとカレーラーメンをつくる。 あまったお湯でお茶をわかすと、となりには、背負子にあかちゃんをのせたご夫婦が来て、赤ちゃんにミルクを飲ませはじめた。 そこまではよかったが、そのあと赤ちゃんのオムツを替えはじめた。カレーラーメンを食べている自分にとっては少しいただけない光景だった。しばらくすると首都圏から近いハイキングコースの定番である10人の中高年グループが山頂で騒いでいたが、彼らも歩くことを生業とする団体なのか、少し休憩するといなくなって、それからは静かな山頂がふたたび訪れた。

防沢の分岐へ

 14:12に南東の駒ケ岳方面にくだりはじめるが、同行者は引き返したいといいだす。いったんまた頂上を越えてくだりはじめたが、それではあまりにもコースに面白みがないし。時間的にもまだ早いので14:20、駒ケ岳方向へ進む。 駒ケ岳まで行くと下山時刻が18時近くなるのでさすがにそこまでいくのは断念となるも、周遊コースを行こうとなる。 ごつごつした石の道を下り、14:46、駒ケ岳・防沢の分岐。 

お中道

 そこから北東に向きを変えて、お中道と呼ばれる水平道を早雲山方向に進む。 水平道といいながら、実際は最初はゆるやかなくだりである。 このルートも、土砂崩れによりお中道の一部が崩れて閉鎖になっていたらしい。 確かに神山ー駒ケ岳間のメインのルートに比べて歩く人も少なそうなルートの状態であり、かつて登山道であった場所が、水流に流されて川のようになり、仕方なく、その上手の土手を登山道に改造したと思われるような場所も発見した。自然道を維持するというのは大変である。 、標高1150m付近の笹の茂った地帯まで下ると、秋の日差しをあびた神山の南東面がきれいに見える。そこからは植林された杉林を抜けて早雲山との分岐の手前で15:26休憩。 のりあられを食べる。 15:34出発。 。 

早雲山分岐

紅葉の中を抜けると次第に傾斜が急になってくる。 じぐざぐを切るルートの中に鉄柵を使った舗道などがあらわれるとやがて早雲山との分岐。あまり景色はないが、ポイントではあるので15:43に休憩をする。 早雲山まで45分、神山までも45分という道標がでている。 ここまでくれば大涌谷はもう目と鼻の先である。 下りの道から見ると夕日に映えるススキがとても見事であった。 16:07下山。

玉子茶屋

トイレをすませて、少し時間にも余裕があったので玉子茶屋まで散策してみる。一旦、遊歩道に沿って、火山礫の中を縫う道を進んでいく。 もう夕方になろうというのにたくさんの観光客でごったがえしていた。 特にアジア系の外国人観光客がやたらと多かった。 ほどなく大涌谷名物「黒たまご」の売店玉子茶屋。玉子茶屋の横にある温泉池では、毎日「蒸し方」と呼ばれる人が、黒たまごをつくり続けているとのこと。玉子茶屋の前の「玉子スタンド」で絶景を眺めながら黒たまごをいただくのが乙な食べ方。よく見ると、生卵を籠にいれてウインチで玉子スタンドに運び上げ、できあがった黒玉子の製品をかわりにおろしている。話のたねに卵5個500円を買って、写真撮影をする。

富士遠望

 ここから見る富士山の姿は雄大である。ちょうど仙石原のススキの原の向こう側に長尾峠があるが富士山がその向こう側に手をのばせば届くほどに近くそびえている。 来るときにも富士山は見たが、そのときは残念ながら山頂が曇っていた。 今は静かに日没の太陽を受けてシルエットを見せてくれている。  

日没の大涌谷駐車場

駐車場は17時で閉鎖になるようだが、まだたくさんの車が停まっている。 もっともハイキングで来ている人はさほど多くはないだろう。 強羅を見物し、仙石原を見物してそれからよっている人はまだ遅い時間に到着して、夕日の富士山を楽しんでいるようである。 玉子茶屋が16:30で閉店なのでそろそろ皆帰宅モードに見える。今回は駒ヶ岳に上がらなかったがおそらくそこから見る芦ノ湖が絶景なのではないかと思われる。 ちょうど、この駐車場からは隠れてしまっている。
16:40に車に戻り着替えて出発。そろそろ暗くなりかけて温泉宿はお客様の到着を迎えて忙しくなる時間。 少し渋滞し始めた箱根裏街道・乙女トンネルを越えて山をおりて御殿場から高速で帰る。  




箱根は手軽にハイキングを楽しむところである。 旧街道や外輪山周辺道などおよそ30のコースが箱根町観光協会のホームページに掲載されている。 よくみるとこのホームページ、日本語・英語のほかに簡体中文・繁体中文・ハングルと合計5ヶ国語で構成されている。さすがである。 今回、神山は日本300名山・関東百名山ということでピークハントを試みたが、山頂はとりたてて特徴ある山だとは言えぬだろう。 むしろ、周囲のハイキングコースを数多く踏むことで、箱根の山の良さがわかるのではないかという気がした。
(2012年2月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています