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高塚山
高塚山

基本情報
1 山名 高塚山(たかつかやま)
標高 1621m (二等三角点) 
山域 赤石山脈
都道府県 静岡県
位置 N35.06.55/ E138.00.13
地図 2万5千分の1地図「家山」
20万分の1地勢図「静岡」
7 山岳区分 日本三百名山、静岡百山
登山記録
山歩No 3560-25051
登山日 2025年11月3日(月)
歩程 8時間11分
天候 曇りのち霰のち晴れ
形態 小屋泊1泊2日
アプローチ 新東名高速道路・島田金谷ICより国道473号線を北へ約60分
パーティー 1人
動画URL https://youtu.be/IhUcs2hMxPM

 日本三百名山のひとつである高塚山は静岡県浜松市天竜区水窪町にある標高1,621mの山である。 いわゆる南アルプス深南部と言われている山深いところに位置をしている。 日帰りではいけない場所なので、山犬段の避難小屋に宿泊する1泊2日コースで行くことを計画した。折から2025年秋はクマの人身被害が多く発生したので秋の東北遠征を中止したこともあり、静岡といえどもクマとの遭遇には気を付けて入山することにした。


山犬段休憩舎

 11月2日(日) 朝横浜の家を出発して、東名・新東名を通り静岡の島田・金谷ICから登山口を目指す。 ウッドハウスおろくぼのある三ツ星天文台駐車場に車を停めて、初日は大札山・蕎麦粒山経由で山犬段の避難小屋に入った。 避難小屋に入ったのは夕方5時、すでに9人の宿泊者がいた。20時前に就寝して翌朝は4:40起床。 日の出の6時前に歩き始める予定である。
11月3日(月)、小屋で同宿の若い男性が、本日テントでバラ谷に幕営する予定だが食糧が足りないので余分があったらもらえないか、と声をかけてきた。 予備食に持っていた玄米クラッカーとドライフルーツを提供した。 小屋の外はかなり風が強かったが、夜明けとともに山行を開始した。
 

登山開始

 午前6時15分、山小屋を出発する。空は東から白み始め、ちょうど日の出の時刻だ。この日は風が非常に強く、秋を通り越してまるで冬の山のような厳しい冷気に包まれていたが、風に負けないよう気合を入れて出発した。昨日は暗かったので下山途中で林道を歩いたが、今朝はそのまま登山道を蕎麦粒山へと登る。 避難小屋の周りには夜の間に張りつめた冷気が残り、身が引き締まる。小屋を出てすぐ、雲海の上から昇る見事なご来光を拝むことができた。オレンジ色に輝く光が雲を突き破り、あたりを照らし出す光景は、登山の疲れを吹き飛ばす感動的なものだ。そして、ご来光の背後には、雄大で神々しい富士山の姿がくっきりと見えていた 。雲が多かったものの、その姿は遠くからも圧倒的な存在感を放っている。樹林の間を縫って、踏み跡をたどって登る。


蕎麦粒山山頂

 まず最初に経由するのは蕎麦粒山山頂だ。昨日は夕方で少しガスに覆われていたが今朝は東側に富士山や毛無山を眺めることができた。静岡県百山の一つでありここが今回の登山の最高地点である。 ここから高塚山まで2時間である。高塚山へと続く縦走路を辿っていく。整備された川根トレイルを進む道は比較的歩きやすく、足取りは軽快だ。しかし、標高が上がるにつれて天候が少しずつ崩れ始め、からはポツポツと小雨が降り出す。



五樽沢のコル

 蕎麦粒山を越えてから最初の休憩地点、五樽沢のコルに7:43到着ここには高塚山まで85分と書かれた標識がある。 5分休んだあと ゆるやかな登りで進んでいく。 途中、今朝初めてソロの登山者とすれちがう。昨日は高塚山とこの蕎麦粒山の間でテントを張ったそうである


三合山

さらに足を進め、三合山を通過「三合文岐」にどなたかがザックをデポしている。 バラ谷・黒法師岳方面は、ここから東に行くことになるので高塚山をピストンする計画なのであろう。 あられのような雨が降り始めたので、木の切り株に腰をかけてレインスーツを着用する。。標高は1602メートルだ。ここから山頂までは残り40分。標高1600メートルを超え、山頂への期待が高まる一方、雨脚が少し強くなったため、慎重に歩を進める。

 

山頂直下

三合山から先は少し険しい下りとなる。 慎重に下りて痩せた尾根を進んでいく。 後ろから健脚・軽装の男性ソロの方が近づいてきてあっという間に自分を抜き去っていった。 ガスが濃くなってきてあまり視界はよくない。鞍部から登ると、高塚山山頂まであと1分という表記があった。 前に山頂は見えていないので絶対嘘だろうと思いつつ進む。最後の急登を登り切り、平坦になったところから50mほど進む。 ついに高塚山の山頂に到着した。。

山頂で万歳三唱

午前9時17分、高塚山(標高1621m)の山頂に登頂!山頂に立つ日本三百名山の標識を見て、達成感で胸がいっぱいになる。三角点に触れ、記念撮影。標識には「日本三百名山 高塚山 標高1621m」と誇らしげに書かれており、山頂に他に誰も登山者がいないのをよいことに、大きな声て万歳三唱を叫んだ。 低温のせいかGoProがうまく作動しなかったので取り直しをした。


樹林の下り

山頂に着いた頃には、残念ながらガス(霧)が濃くなり、視界は真っ白になってしまった 。出発時の見事な富士山の景色は望めなかったが、二日間の行程で目標を達成できたことは何よりの喜びだ。短い滞在を終え、下山を開始する。午前9時28分、高塚山の山頂に別れを告げ、再び山犬の段へと戻る縦走路を歩き出す。


南アルプス深南部の山

下山ルートは、登りよりも景色を楽しみながら進むことができた。歩き始めてしばらくすると、ガスが晴れ、三合山の先では遠くに雄大な山並みを展望することができた。南アルプスの山々の景色が広がり、特に大無間岳(おおむげんだけ)の姿は圧巻だ。さらに、南部の山の尾根越しに、遠く太平洋の海原を望むことができた。海が近い場所まで来たと改めて実感する。標高1400mくらいの高さまで降りると紅葉がきれいだった。


 

蕎麦粒山山頂からの富士山

10:46五樽沢のコルに戻ってきた。 この下には山犬段の避難小屋からの林道がルートとしてあるようであるが、現在は土砂崩れのため通行できないようである。 ここから蕎麦粒山山頂まではおよそ標高差150mの登りとなる。午前11時44分、蕎麦粒山の山頂に到着。この山は今回で三度目の登頂となった。山頂からは、雲の合間から顔を出す富士山や南アルプスの山々(朝日岳、大無間岳など)がはっきりと見え、素晴らしい眺望を楽しむことができた。

山犬段出発

 11:52蕎麦粒山山頂出発。 来た道を引き返し、山犬の段へ向かう。山犬の段避難小屋に戻り、ここで昼食をとることにした。小屋の中は私一人で、EPIをつけて湯をわかし、静かな中でゆっくりとジャンボラーメンの食事を堪能する。 しばらくして、大札山から来たというソロの男性が小屋に入ってきた。昼食後、13:19に山犬段を出発。 ここからは林道線(林道)をひたすら歩いて下る。林道を降りていく途中、道の脇には「仮設トイレ お気軽にご利用ください」という工事中の表示がある。 

大札山を臨む

 林道を下っていると大札山の姿が見えた。 北側から見ると、結構ピラミダルで恰好のいい山である。 14時に蕎麦粒山南尾根登山口を通過、前日この急斜面を登ったのをえらく前のことのように思い出した。 水場を通過するが水量は少なかった。 林道を歩いていると、山から日常へと戻っていく道程を実感する。14:32大札山森林公園横でトイレ休憩、そこからも長い林道を歩き続け、樅の木平登山口をすぎてついにゲートが見えてきた。二日間にわたる山行の全工程が終了した瞬間だ。

おろくぼ林道ゲート

  午後4時10分、出発地点でもあった三ツ星天文台の駐車場まで無事に戻ってきた。今回の二日間で、大札山、蕎麦粒山、そして目的であった日本三百名山の高塚山を登りきることができた。タフな工程ではあったが、富士山をはじめとする静岡の懐かしい山々の景色を堪能でき、非常に充実した山行となった。駐車場で車に乗り込み、帰路につく。島田・金谷ICから高速道路に入り、無事に静岡パーキングエリア(PA)に到着。ここでドライバーズコーナーでおでんを買う。安全運転で再び高速道路へ。連休最終日ということもあり、すでに高速道路は渋滞が始まっていたが、二日間の充実感を噛み締めながら、無事に帰宅の途についた。


静岡の山は山梨の山と対照的に登山者が少なく静かだという印象である。 2024年深南部の丸盆岳と黒法師岳に登ったが、今回この山犬段・蕎麦粒山・高塚山にきて改めてバラ谷への縦走をしてみたいという気持ちになった。 三百名山が終わって体力が残っていたら挑戦してみることにしよう。

(2025年12月記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています