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雨引山
雨引山

基本情報
1 山名 雨引山(あまびきやま)
標高 409m 
山域 筑波山地
都道府県 茨城県
位置 N36.20.10/ E140.07.20 
地図 昭文社 山と高原地図20「赤城・皇海・筑波」
2万5千分の1地図「加波山」
20万分の1地勢図「水戸」
7 山岳区分 関東ふれあいの道 茨城県7「御嶽山から坂東24番札所へのみち 」
登山記録
山歩No 7I07-14003
登山日 2014年1月25日(土)
歩程 3時間30分
天候 くもり
形態 日帰り
アプローチ 常磐自動車道千代田石岡IC県道64号岩瀬へ
パーティー 2人

 だいたい1-2月は積雪のため標高の高い山には行くことができず、低山逍遥を楽しむことにしている。 その一環で楽しみにしているのが、「関東ふれあいの道」を歩くことである。 昨年(2013年)の秋に地元神奈川県のコースに行ったので、今回は千葉県か茨城県まで足を伸ばしたいと思っていた。 そして選んだのがこのコース「御嶽山から坂東24番札所へのみち 」である。交通の便を考えて、ガイドマップの逆コースを行くことにした。

石岡から加波山目指して

 1月25日(土)、天気予報は翌日から雨となるが、土曜日は暖かく3月上旬並みの気温で最高15度まで上がるという。 そこで、陽だまりの山歩きを楽しむべく、いつものようにリュックにEPIコンロと鍋とラーメンを入れて出かけることにした。 朝いつものように6:20に起きてゆっくりとした出発。 首都高で警察による検問を実施していたので少しロスタイムがあったが、さほど渋滞にあうこともなく、車は常磐自動車道に入り、途中守谷SAで休憩したあと一気に千代田石岡ICまで行く。そこから常陸風土記の丘の横を抜けて加波山方面を目指す。

岩瀬運動公園 ラスカ

 今回のコースはガイドブックでは水戸線の岩瀬駅スタートで旧雨引駅ゴールとなっているが、土曜・日曜は岩瀬駅から旧雨引駅へ行くバスがなくタクシーを利用することになるという。 であれば、往路でタクシーを使うのがよかろうと逆コースをたどることにした。 岩瀬総合運動公園ラスカの駐車場に車を停めて、岡田タクシーに電話する。

旧雨引駅

 タクシーは10分ほどで到着して、旧雨引駅まで行ってもらうことにした。 6-7㎞走って2780円の料金を払って目的地で下してもらう。 ここは1987年に廃止された筑波鉄道の駅の跡地である。 両側を桜並木の走る筑波鉄道の廃線跡には、ほぼ全線にわたって県道 501号(桜川土浦自転車道線)としてサイクリングロードが整備されており、実際、自転車でのツーリングを楽しんでいる人もいた。 サイクリングロードの両側は石造りのプラットフォームあとが残っている。 GPSの電源を入れて、11:19に出発。 

祥光寺

 関東ふれあいの道はこまめに道標が整備されており、また各都道府県がインターネットでコースマップを提供してくれているので助かる。 雨引小学校の横を通り、小川沿いに東に進む。 行く手には目指す雨引観音が見えている。 結構、標高の高いところにありそうだ。 まあ、あそこまでタクシーで行ってもよかったのだが。。。田んぼの中からは南側の方向に筑波山がきれいに見えている。 川は祥光寺まで行ってそこから坂道となる。 この寺も立派な門構えだった。 

雨引千勝神社

 坂道を少し上がると民家のわきを通って道は元来た西のほうへ大きく曲がる。 さらに東に曲がり戻すところにあるのが雨引千勝神社である。御多分にもれず、鬱蒼とした木の間を本殿まで進みお参りをする。807年に作られた神社で、常陸の国に来た楠氏が戦勝祈願のために菊水の紋を木に彫って奉納したという。 11:54ここで少し給水休憩。関東ふれあいの道はここからいよいよ登山道になる。 神社の裏手の落ち葉に埋もれた道を進んでいく。 雨引観音まで0.9㎞。 気を引き締めていこう。

雨引観音の山門

 途中、傾斜の急なところは丸太の階段が備え付けられている。どうも何日もこのルートには人が歩いていないだろうというくらい落ち葉がたまっている。 勿論、すれ違う人とてない。12:21に大きな車道に突き当たる。ここが、雨引観音の山門前の駐車場だった。 雨引観音は雨引山楽法寺といい587年の開山である。 延命観世音菩薩(国指定重要文化財)が本尊佛で坂東観音霊場第二十四番 札所の名刹である。 というわけでそれまでのほとんど誰にも会わない静かなハイキングがうそのように、ここにはたくさんの参拝者がいた。 みな、マイカーで来ているようである。 

雨引観音納経所と孔雀

 小さな山門をくぐると急な石段が続き、その先に朱塗りの仁王門があった。仁王門を進むと樹齢400年くらいだろうか、見事な宿檜がある。 本殿で参拝を済ませて無料休憩所でおやつを食べる。 本堂の裏手には拝観料を払って特別参拝をするところもあった。この寺は桜とアジサイが有名である。 季節によっては驚くほどの参拝客が来るのであろう。池にはコイが泳いでおり、カモも水辺で戯れている。 しっかりとりのエサを100円で販売していた。 境内にはクジャクが放し飼いされている。 赤い納経所と青いクジャクの羽のコントラストが絵になる光景だった。納経所の裏手から雨引山山頂へのハイキングコースが続いている。  

筑波連峰縦走路

 下山をしてくる3パーティーくらいとすれ違った。 彼らは、雨引観音に駐車して山頂を往復しているのだろうか? ルートは最初は狭い山道だったが、すぐに観音の下からくる関東ふれあいの道の本コースに合流した。 タクシーの運転手には結構ハードなコースだと脅かされていたが傾斜はさほどではない。 それでも標高差で100m以上は登るが道はしっかり整備されている。 13:10に稜線に出る。 ここから加波山への縦走ルートがつながっている。 13:25雨引山の山頂に到着。

雨引山山頂

 山頂からは南側の展望が開けており、筑波山と加波山の眺めが見事だった。 東屋がありベンチも充実しているので昼食には絶好の場所である。ちょっと時間が遅いのか山頂にはご夫婦連れが一組いるだけだった。 天気予報が外れて、ちっとも日が差さず終始どんよりとした曇り空でラーメンを作ろうとして沸かした湯がいつまでたっても沸騰しなかった。 とりあえず買ってきたスパゲティーサラダとから揚げを食べていたが14時に時間切れでなまゆでのラーメンを食べて、筑波山をバックに写真を撮り、14:20出発。 

御嶽山

 パラボラアンテナを見ながら急な階段を下っていく。 パラボラアンテナの裏手に今回初めて石でできた関東ふれあいの道の道標を発見することができた。 ここから緩やかな稜線を進む。 途中で雨引山の全貌が見えるところがないかと探したが、残念ながら樹林に隠れてしまっていた。 14:50、砕石事業場の横を通過。 危険だからか鉄の柵がめぐらせてあった。 なだらかな尾根伝いに進んで15:05に御嶽山に到着。 山頂に社があって、避難小屋のようなプレハブづくりの建物もあった。 東屋からは北側の富谷山が見事な眺めだった。

下山---岩瀬

 下り道には修験者が水行をしたという不動の滝がある。もみじの葉が枯れずに赤い色を出していたのが不思議だった。15:29に関東ふれあいの道の入り口である車道終点に到着。 てくてくと車道歩きをしながら、岩瀬駅を経由せずにまっすぐ車を停めてある総合運動公園を目指す。 15:54に総合運動公園の駐車場に到着。 帰りは北関東自動車道を友部JCTまで走り、常磐自動車道で帰った。 いつものように首都高が渋滞したがそれでも18:50には家に帰り着くことができた。

 好天・暖かという天気予報にだまされて、出かけるときにEPIのガスタンクを寒冷地用をもっていかなかったのは失敗だった。鍋も鉄製の熱いものだったのがいけなかかったようだ。 10度以上の気温があって1Lの湯がわかないという事実は登山の道具を油断してはいけないことを思い知らされた。 標高409mの人里近いハイキングだったので大事には至らなかったが。茨城県の低山はなかなか面白味がある。 ドライブがてらに尋ねるのも冬の楽しい一日になるかもしれない。 
 (2014年1月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています