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マウナケア山
マウナケア山

基本情報
1 山名 マウナケア山(マウナケアやま)
標高 4205m 
山域 ハワイ諸島楯状島山地
都道府県 ハワイ州
位置 N19.49.16/ W155.28.06 
地図
7 山岳区分 アメリカ合衆国
登山記録
山歩No US54-17021
登山日 2017年10月5日(木)
歩程 45分
天候 快晴
形態 日帰り
アプローチ ケアウホウから送迎バス
パーティー 2人
地図はハワイ123ドットコムより引用

2017年10月05年、ハワイ島のマウナケアに登った。 標高4205m。 これは自分の長い登山人生の中でスイスのKlein Matterhornの3883mを越えて最も高い標高の場所に行くことになる。登ったといってももちろん自分の足で登ったというわけではない。 ハワイ島でのオプショナルツアーに参加して四輪駆動の車で連れて行ってもらったものである。 マウナケア山頂から夕日を見てそのあとに星空の観察をするツアーである。

ハワイ島コナ

 10月4日(水)の夕方の飛行機で成田を飛び立つ。 日本航空の直行便がこの2017年からハワイ島のKONA空港まで就航するようになったことで、日本の旅行客にとってハワイ島は身近になった。 直行便で約7時間。 時差があるので、到着は昼になる。 ハワイ旅行と言えばオアフ島が有名であるが、ハワイ島は自然が豊かでコーヒーの栽培の盛んなところである。 KONA空港は小さくて入国の時に荷物も持って手続きをするが、預けた荷物が出てくるターンテーブルすらなかった。空港でJTBのカウンターによりホテルのクーポンを受け取り、送迎バスでホテルまで約30分のドライブ。 右手に海が見えて海岸線は美しい。

ケアウホウのホテル

 ケアウホウというカイルア・コナから少し南にある海岸線の街のリゾート・ホテルについて、レンタカーの申し込みをする。 日本にいるときにHertzの予約を入れておいたので受け取るだけである。 ホテルの1Fに受付カウンターがいて女性の係員に説明を聞く。 レンタカーはホテルのバレーパーキングに駐車しているらしい。 このあと、JTBの無人ラウンジの専用電話からオプショナルツアーの空き枠がないか聞いてもらう。 日本からインターネットで何度も申し込んだのだが人気のツアーのようですべて完売となっていた。 なぜか、この日電話したときは空きがありわれわれ2人の申し込みが受諾された。 翌日5日の12:35にホテルにお迎えが来るという。日本出発時には半分あきらめていただけに心底うれしかった。 

行く手にマウナケア山が見える

 朝食はホテルのバイキングを遅めの時間に食べる。 支度をして12:25にホテルの前に出ていると迎えの車から背の高いガイドのJさんが降りてきた。 ひととおり注意事項を聞いて同意書にサインをして車に乗り込む。 うちのホテルがスタートで途中でKona地区の2つのホテルに立ち寄る。 そして一路、ママラホア・バイパス・ロードといわれる19号線を北に走る。北にはマウイ島があり、アレヌイハラ海峡を挟んでハレアカラ山も見えた。 ガイドのJさんの説明によるとハワイ島は面積10,430 km²で四国の半分ほどの広さ。 それでもハワイ諸島の中では最大の島だという。 ガイドのJさんは日本の大学で火山の研究をしていたということもあり、ハワイ島の火山のことは詳しい。 島中央部にはマウナ・ケア(海抜4,205 m)とマウナ・ロア(海抜4,169 m)の2つの4000 m級火山がありギネス・ワールド・レコーズの認定によると、海洋底の基部から測った高さでは、マウナ・ケアが10,203 mで世界で最も高い山だと教えてくれた。

マウナロア山をバックに

 車は、ワイコロアという町で停車し、ここから8人のお客さんが乗り込んできた。車の定員は14人なので総勢そろって出発である。 ワイコロア・ロードを通り190号線からサドルロードといわれる200号線に入ると次第に標高を挙げる緩斜面を道路は進んでいくことになる。 この道はハワイ島西海岸のコナやワイコロア地区から東海岸のヒロへと抜ける道である。 途中のカオヘ・レストレーション・エリアという休憩場所に車は立ち寄る。もうひとつの火山であるマウナロアをバックに写真を撮影する。 このあたりで標高はすでに1400mを越えているという。ブラッドショー・アーミー基地の前をとおり、そこから左折して北に進む。 いよいよ、マウナケアの領域である。


オニヅカ・ビジター・センター

 マウナ・ケアとは「白い山」の意であり、冬になると山頂が雪に覆われることから名づけられた。ルートの途中は雲に覆われて果たして上は晴れているのだろうかと心配になる。時刻は15時である。 天気予報では今日は晴れといっているので展望が期待できるが、こう登っていく最中の景色がどんよりとした雲に包まれていては不安になる。 標高2000mを越えたあたりから次第に青空が見え始める。うねくねとしばらく車道を曲がったあとにひとしきり登り坂を登りきったところがオニヅカ・ビジター・センターだった。

銀剣草

オニヅカ・ビジター・センターは標高2800mの高地にある。 ここでバンを降りてゆったりと高地順応である。 出発は16:45ということで約、1時間30分の休憩となる。 車につんであったお弁当が支給される。 日本食のレストランと提携しているのだろう。 鶏肉の照り焼きをベースにしたおいしい弁当だった。 あたたかい味噌汁の支給も受ける。 さすがに北アルプスなみの標高のここでは風が肌寒いので暖かい味噌汁がありがたい。 少し早い夕食を終えるとビジターセンターの裏のトレッキングコースを散歩する。 ここにはシルバーソード(銀剣草)という高山植物の植生地である。辞書で調べるとハワイの火山のクレーターだけに見られる丈の低い植物で、細長くとがった灰緑色の葉がロゼットをつくり、1本の高い茎につくたくさんの赤紫の花の房を持つ、と記載されている。下界はしっかり晴れて景色もよい。何組かのやはりツアーとみられる車が何台か駐車場に入ってきた。 ビジターセンター自体は広くはないがお土産を売っている。 星空観察の聖地でもありそれがらみの土産が多い。トイレをすませて16:45出発。


マウナケア山頂

車はさらに進んで、山頂直下の休憩所の前に到着した。 仮説トイレがあり、そのまえのコンクリートに腰をかけて日没を眺める。 マウナ・ケアは、約4,500年前に最後に噴火していて、現在休火山である。 本当の山頂はそこから数十メートル先にあったが、先住民が神聖な場所として敬愛している場所なので、観光客は立ち入れないようにしているらしい。 気温はほぼ5度ということで寒さもあり、オレンジ色のダウンの防寒具を借りてそれで外に出る。帽子と手袋もつけるとまるで宇宙飛行士のようである。ガイドのJさんが写真をとってくれる。


天体観測

日没を見た後は山をおりる。 さきほどのオニヅカビジターセンターまであと標高差で100mほどのところで車を停めて天体観測である。 この日は十六夜ということで月の光が強く、天体観測にはあまり向かない時期ではあるそうだが、そうはいってもハワイ島の低い人口密度は人工の光汚染が少ない世界中の天文台が集まっている場所である。 月が昇ってくるまでの約1時間にガイドさんが説明してくれた星座はとても面白かった。 北半球とはいえ、北極星がこんなに低い位置で見えるのは初めての経験だった。さそり座・いて座・やぎ座・みずがめ座・うお座までは南の空にきれいに見えた。 天の川も日本で見るのとは比べものにならないほどはっきりと見ることができた。
(写真の女性はオアフ島にお住まいで同じツアーに参加されていた方です。)

ダック・ツアー

天体観測が終わると車で山を降りる。さきほど休憩したカオヘ・レストレーション・エリアまで来るころには車の中で防寒具を着ていると暑くなり、皆、回収となった。 行きは最初のピックアップだったわれわれは当然、帰りは最終の送り届ける客となりホテルについたときには22:30だった。翌日は8:00に部屋で朝食をとって、ダックのツアーに参加。 英語の説明だけであったが、ダックはコナの市内の歴史的な建造物を案内してくれてそのあとはお決まりの海に入るということになる。イルカの泳ぐ姿をすぐ目の前で見ることができた。マジックサンドビーチという浜辺を見物してホテルに帰る。 


キラウエア火山公園

最終日の前日の10月7日は、キラウエア火山公園まで出かけた。 ここはハワイ島の南東に位置しているのでわれわれの宿泊しているホテルからは車で2時間半を要した。 ちょっとしたドライブだった。 昔、アメリカに住んでいたこともあり左ハンドルの車も運転はすぐに慣れた。国立公園はハワイ・ボルケーノ・ナショナル・パークというところだ。 ビジターセンターに寄ったあとにまずは昼食にする。 タイ料理の屋台が結構口コミで評判になっており、そこで腹ごしらえをしたあとに国立公園内を散策。 噴煙をあげる火口を見た後は洞窟の探検、そして溶岩台地から海を眺めてハワイ島の旅行を満喫した。


自然の美しいハワイ島は2年前にオアフ島に旅行したときに絶対に行きたいと思っていた場所であった。 滞在中天候にも恵まれてマウナケア山やキラウエア火山公園を見ることができたことは一生の思い出になると思う。土産にトラレンで使うようなハイドレーションシステムを具備した14mのリュックを買った。 そのうちこのホームページの中でもお披露目したい。 とはいってもそのような短距離の山に行く予定があるかどうかは分からないが。 いずれにせよハワイ島のこの美しい自然はいつまでも人類の宝として後世に残してゆきたい。

(2017年11月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています