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美瑛岳
美瑛岳

基本情報
1 山名 美瑛岳(びえいだけ)
標高 2052m (二等三角点) 
山域 飛騨山地
都道府県 富山・岐阜・長野
位置 N43.26.24/ E142.42.23 
地図 昭文社 山と高原地図3「大雪山・トムラウシ山・十勝岳・幌尻岳」
2万5千分の1地図「白金温泉」
20万分の1地勢図「旭川」
7 山岳区分 北海道百名山・ハイキング百選
登山記録
山歩No 9890-23040
登山日 2023年7月11日(火)
歩程 5時間20分(美瑛富士避難小屋ー美瑛岳ー美瑛富士登山口)
天候 曇り後雨
形態 小屋泊1泊2日
アプローチ 道央自動車道旭川鷹栖ICから白金温泉経由美瑛富士登山口
パーティー 1人
動画URL https://youtu.be/KXlq9VmfI0U

 美瑛岳は標高2052mの山である。 結果論であるが、2023年7月の北海道登山遠征で登った中で最高峰の山となった。 最初に計画していた山は日本二百名山・日本三百名山の山が中心であったので、純粋に、その双峰に入っていない山で北海道百名山に入ったいる山で登山計画に入れたのは、イワオヌプリ山(1116m)とこの美瑛岳であった。 北海道遠征8日目、そして8座目のこの山が、全15座の真ん中を飾るにふさわしい最高峰であった。 十勝連峰縦走をする人たちが必ず通るこの山は自分の今回の遠征ではオプタテシケ山(2013m)登頂の翌日のアタックと決めて臨んだ。

美瑛富士岳避難小屋での朝食

 2023年7月10日(月)オプタテシケ山を無事に登場して美瑛富士避難小屋で一泊する。 もともと美瑛富士避難小屋はオプタテシケ山を登り、翌日美瑛岳に登るという計画で、その後麓に下山する予定だったので、十勝連峰の大規模縦走を計画したというわけではない。 朝6:50、美瑛富士登山口を出発し午前11時過ぎに避難小屋に到着し、そこからオプタテシケ山をピストンしたのだが、オプタテシケ山までの道はアップダウンもあり、 オプタテシケ山の山頂に到着したのは午後3時になっていた。 避難小屋へもらって戻ってきたのは午後5時過ぎと、やはり日の長い時期にしか実行できないような計画であった。 この日美瑛富士避難小屋には宿泊者が4人、トムラウシ方面への縦走をしようとしている人が自分以外は全てだったが、 予報によると天候が思わしくないということで3人とも翌日は下山することを決めていた。 自分も11日(火)はもとの美瑛富士登山口へと下山する予定なのだが、まずは美瑛岳に登っておきたい。 朝4時に起床朝食にいつものようにカップめんを作り、沸かした湯を昼食のアルファ米に注いでしっかりと準備をする。

お花畑の登山道と雪渓

 5:14 美瑛富士避難小屋を出発する。登り始めは稜線まで5分の道である。 幸い朝起きた段階での天気は悪くない。 周りの山もよく見えている。 稜線に出てからは朝のすがすがしい空気を吸いながら縦走路を南へと進んでいく。 途中雪渓を渡るところがある。 水がこんこんと湧いていたので、昨日十勝岳方面から美瑛富士避難小屋へやってきた人たちは、みんなここで水を汲んだのであろう。 とは言え美瑛富士避難小屋からはこの雪渓まで登りだと30分ぐらいの距離である。 とてもついでに水を汲みに行くというような距離ではない。 雪渓をトラバースするときき、朝で雪は結構しまっていたので、ちょっとアイス状になってるところに足を踏み入れてしまい、するりと滑りかける。 いやいや危ない。油断は禁物である。 今回非常用にピッケルを持って歩いているのでこの雪渓歩きで初めてピッケルが本来の意味をもって活躍しそうである。

美瑛富士分岐

 しばらくはクマザサの生えた台地状のゆるやかなのぼりを歩く。 6:01 美瑛富士分岐に到着。 標高は1716m。 やはりここまでヒグマが気になるのでホイッスルを噴きながらの登りとなる。 コースタイムでは、避難小屋からここまで35分となっているが45分かかってしまった。 結構時間がかかったのに驚く。 少し休憩をして6:07 出発

振り返ってオプタテシケ山

 美瑛富士分岐を過ぎてからはひたすら、溶岩でできた岩の間を越えていくコースとなる。 幸い天気が悪くなるので登るコースはよく見えている。 樹林はもはやないので、いわゆる大雪山の縦走路らしい登りの景観であるが、この表濃さ270mの登りが本日のハイライトである。 塘路から振り返ると、美瑛富士の向こうに昨日登ったオプタテシケ山の姿が見えた。 やはりピラミダルで恰好がよい。 

 

美瑛岳分岐

 7:06 美瑛岳分岐 標高1990m。 稜線上十勝岳からのルートと合流するところである。 一瞬どちらに行くのか迷ったが、 美瑛岳と思われる山頂が右手(西側)だったのでそちらへ進む。 美瑛岳の山頂はそういう意味縦走路から離れて500mほど西に入ったところにあるのである。 ピンク目印に山頂に向かって進んでいく。 決して険しいということはないが一般コースと比べると岩が多く少し難易度が高いのかもしれない


美瑛岳山頂

 7:30 美瑛岳到着 麻まだ早いということもあり、他に登山客は全くおらず、山頂を独占した。 美瑛岳の山頂ではガスが上がってきてしまいあまり景色を見ることができなかった。 さきほどまで見えていたオプタテシケ山も正面の美瑛富士ももはや雲の中に隠れてしまっていた。 それでも山頂で、リュックにGoproのハンドルを差し込んで立てて、万歳三唱動画を撮影した。 行動食を食べて7:34山頂後にする。 8:03 美瑛岳分岐を通過、 ここからまた岩場の傾斜が急になるのでゆっくりと気をつけながら降りていく。

再び美瑛富士分岐

 8:54 再び美瑛富士分岐に到着。 本来であればここから美瑛富士を往復したいところである。 片道35分下り30分で行ってくることができるコースで、計画にも織り込んでいた。 しかしながら山と高原地図を見るとルートは踏み跡程度で決してはっきりしたルートではないようである。 濃霧の時は注意と書いてある。 折からのガスが上がってきてしまい、美瑛富士の山頂も展望がなくなってしまった。 これで行っても景色が見えないだけでなく、さらに帰り道を見失う危険もある。 慎重に考えて登るのは断念することにした。 もと来た道を美瑛富士避難小屋に向かって下りていく。 結果的にはそれが正解だった。 

 

美瑛富士避難小屋

 天気予報では雨は13時ぐらいからぐらいになっていたが、実際には9時20分ごろからもう強い雨が降り始めた。 美瑛富士避難小屋にあと十分程でこのつくということでレインスーツも着なかったが、かなり雨が強く逃げ込むように避難小屋に入った。9:32 美瑛富士避難小屋 避難小屋でわ女性が一人休憩していた。 昨日自分が登り始めた時にゲートを開けてくれた旭川の方である。 昨夜は小屋の隣にテントを張ったようである。 少し話をしたがやはりヒグマ遭遇したことがあるらしく石狩岳に登った時に、シュナイダー登山口まで行くその林道でヒグマを見たということであった。 彼女は10時過ぎに下残をして行った。 私は朝アルファ前に湯を入れたものを食べて昼食にする。 昼食をとっている間に雨は少し小ぶりになった。 午後の方が降水確率が高いので早めに行動する方が得策と考え10:26下山開始、避難小屋をあとにする。

下山中の展望

11:52 4km地点 この頃には雨がすっかり上がり天気は晴れてきていた。 美瑛富士の方向を振り返ると先ほどあれほど山頂に垂れこめていた雲が今はなくなって、綺麗に山頂が見えていた。 空もところどころ晴れたりしている。 何か早く下山したのがちょっと損をしたかのような気持ちになった。 しかし天気予報は午後の方が降水確率が高いので、歩ける時に早く歩いてしまおうと思い、先を急いで下山をする。下山する北北西の方向に目指す白金温泉が見えた。 北の方向には旭岳の左手に2012年の秋に登った天塩岳と思われる山も見えた。 12:09 天然庭園到着。この頃からまた再び雨が降り始める。 雨が降ると下山のルートは結構ぬかるんで大変になる。一度、大いにしりもちをついてしまった。 天然庭園から先少し平坦になるので気分的にも楽だが足元に注意しながら進んで行く。 13:07 2km地点。再び雨が強くなる。レンスーツを出して着る。 Goproで撮影しているのだが、画面に水滴がついてしまい、あとで家で確認したらひどい画像になっていた。

下山・白金温泉

14:01 美瑛富士登山口到着。 登山届ボックスに備え付けられている下山記録を見ると縦走を断念したチェコ人の親子連れと思われる名前も記憶がしてあった。 無事に降りたようで安心した。 駐車場に戻り荷物を整え駐車場に停めてあったレンタカーの乗り、涸沢林道を下って行く。 さすがに天気が下り坂だということもあり、 今日登ってくる人はあまりいないようである。 白金温泉でどこかで日帰り入浴をしようと思い、ネットで調べてみたところ温泉ホテルよりも美瑛町保養センターが格安だったので、そこでひと風呂浴びることにする。料金は300円である。 その代わりシャンプーもタオルも何もないのですべて持参である。内湯のお湯が結構暑くて我慢大会のような感じであった。風呂から上がってみるとなぜか保養センターの前に美瑛岳の山の標識があった。

美瑛町でユースホステル泊

 無事に下山し道の駅びえい、白金ビルケへ行ってみる。 1年間の夏、ここは家族旅行で来たところである。 車を停めてここで今日宿泊する。もともとの計画ではここから幌加温泉まで入り翌日石狩岳を目指すつもりでいたが翌日の天候は一日雨予報なので、石狩岳を登るというわけにはいかない。 計画を変更し12日の晩に予約していた幌加温泉の宿はキャンセル、そして雨だと今晩11日のキャンプ場でのテント泊も厳しいので、美瑛町の中心部へ降りて美馬牛のリバティユースホテルを予約して泊ることにする。 16時にユースホステルにチェックイン。 部屋を案内してもらい、荷物を置いて、 車で8kmほど北に車で走りJR美瑛駅にほど近いコンビニに買いに夕食を行った。 ユースホステルでは1Fの電子レンジなどの設備を使わせてもらい部屋でゆっくりとくつろぐ。 しっかりとGoproやスマホに充電でき、たまっていた洗濯ものも片づけられたのがよかった。 翌日は予備日を使って観光することにした。

 美瑛岳は見事な山容であった。 噂通りの山である。 山頂で展望がなかったのがちょっと残念であるが、それでも北海道百名山に登れたということ、今回の最高峰の山をほとんど人に会わない静かな山旅で楽しむことができたことで大変満足であった。 午前中天気が良かったので避難小屋からの登り道を中心にそこそこ展望の良い写真も撮れた。昨日登ったオプタテシケ山の勇壮な姿が見えたのが何よりも印象的であった。
(2023年11月記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています