宝満山
基本情報
1
山名
宝満山(ほうまんざん)
2
標高
830m
3
山域
筑紫山地
4
都道府県
福岡
5
位置
N33.32.23/ E130.34.08
6
地図
昭文社 山と高原地図57「福岡の山々 宝満山・英彦山」
2万5千分の1地図「大宰府」
20万分の1地勢図「福岡」
7
山岳区分
ハイキング百選・九州百名山
登山記録
山歩No
9860-22039
登山日
2022年10月30日(日)
歩程
4時間
天候
晴
形態
日帰り
アプローチ
西鉄大宰府駅からコミュニティバス内山バス停
パーティー
3人
動画URL
https://youtu.be/-3QqbAudUQU
2022年秋の九州遠征は日本三百名山の多良岳が狙いとなった。 土曜日の晩に嬉野温泉で一泊することだけは決めたが直前の天気で土曜日に登るか日曜日に登るか決めようということにしていた。結果的は幸い土曜日も日曜日も快晴だったので、我々は主目的である多良岳・経ヶ岳の登山を土曜日に済ますことができた。 そこで嬉野温泉に泊って翌日どうするかということになったがせっかくなので帰路3人とも福岡によるので、筑紫山地の名山である宝満山に登ろうということになった。
竈門神社参拝
2022年10月30日(日)嬉野温泉で6:00に起床。 早速朝風呂に入り、7:00過ぎに出発。 途中のコンビニで朝食を買って車中で食べて、金立SAで休憩し、筑紫野ICで下りる。 今回運転してくれたM.Aさんは筑紫野市に住んでいるので宝満山は地元の山ですでに登っている。 我々を登山口で下ろしてくれたあとご自宅に帰るということになっていた。 登山口の竈門神社のある内山バス停で分かれる。まずは竈門神社に参拝である。
登山口
登山道は竈門神社の脇の坂を下って汐井川沿いに式部稲荷がありここが一合目。 蕎麦屋の前に犬が5匹つながれており、登山者に向かってしきりに吠えていた。 9:18宝満山登山口へ。 いよいよここから登山道が始まる。 と思いきや、このあと2度車道を横切る。 マイカーで来ている登山者が停めているのだろう難題もの車があった。 ため池の横を通っていよいよ登山開始である。 我々3人は高齢者で歩くのが遅いので、若者にどんどん抜かされていく。堀切の道をたどる 自然石の石段を登ると一の鳥居がある。 ここが二合目である。しばらくゆるやかな尾根道となるが急なジグザグ(羊腸の道と呼ばれる)を過ぎる。
徳井の水場
10:15三合目の水場、徳井の水場に到着。ここが宝満山の給水ポイントになっている。 ひしゃくもおいてある。 上に登山客も多いようだったので少し飲むのには抵抗があったが顔を洗うとひんやりして気持ちいい。 すこし休憩する。 ここからは急な階段が連続する。 両側を覆う杉の大木に目をやる。 歩いていて気づいたことは、誰も熊鈴をつけていない。 200人くらいの登山者にすれ違ったり追い抜かれたりしたと思うが熊鈴を鳴らしながら歩いているのは自分ひとりだけであった。 確かに本州の山でなければクマと遭遇する心配などないから当たり前である。
四合目
10:28 四合目のベンチには救急箱が備え付けられている。 ここで標高が510m。 YAMAPの公式動画の「山旅日記」では女優の藤田可菜さんがこの箱を開けている様子があり、中には傷テープや消毒薬が入っているように見えた。
五合目殺生禁断の石
10:32 丸太の階段が現れる。腕試しにこの階段を登ってもよいが階段を迂回したルートとすぐに合流する。 動画では藤田さんもこの階段を上っていたが、同行のA.DさんもH.Hさんも登らず、私のことを物好きだなあという顔をしてみていた。 10:40 五合目の殺生禁断の石の標識 六合目の吉田屋敷跡、そのあとに続く百段ガンギは規則的は石段でまさに胸突き八丁。本当に百段あるらしい。 これを登りきると広場がある。
七合目 阿伽の井
10:57 阿伽の井。 ここが7合目と呼ばれる石垣と石碑のある広場である。 福岡市の松坂屋百貨店が紀元2600年を記念して建設した「岩窟ホテル跡」がある。石垣の中に入ってみたら草ぼうぼうの荒れ放題だったのでいったいいつだろうかと調べてみたら紀元2600年というのは西暦の1940年だった。 さすがに太平洋戦争のさなかの遺跡であれば草も生い茂るであろう。 いくらかゆるくなった石段を登ると松尾芭蕉の句碑がある。
中宮寺跡
11:07 中宮寺跡。宝満山の修験が盛んだった頃には、この付近が中宮と言われ、山伏の修法の中心地だったが、明治初年の廃仏毀釈の際、大講堂などの施設が取り壊されたそうだ。広場になっているのでたくさんの人が休んでいる。 11:10 羅漢道との分岐、羅漢巡りの道は少し遠回りにはなるが伝教大師窟などを通る名跡の多い道のようである。 我々は時間がないので最短ルートをとったのでこの道はパスした。
南東の眺望
11:15 一枚岩がある。 この岩に沿って少しルートから外れると展望の良い場所に至ることができた。 宝満山の南東側の山が見えた。一番高いところは九州の屋根である九重山地である。
11:22 益影の井 この水を飲むと若く健康に見えるという。 お爺さんは青年になったが、お婆さんは飲みすぎて赤ん坊になったという笑い話がある。
八合目
11:19 八合目 ここからキャンプ場を経由して山頂に至る女道と分かれるようであるが、我々は直登するコースを選ぶ。馬蹄石を通りすぎて、コンクリートの土台の上に神社の社が見えた。 コンクリートに据えられた階段と鉄の手すりを注意して上がると宝満山の竈門神社上宮があった。 その先い山頂標識と大岩が見えた。
宝満山山頂
11:27 宝満山山頂到着。 頂上には、宝満宮 竈門神社の上宮の社が鎮座し、周囲は巨大な岩盤となっている。我々が休憩した場所の横の岩にはロープが縛られていて、懸垂下降の練習をしているパーティーがいた。 山頂からほぼ360度を見渡すことができる
宝満山は毎年5月に大量のヒキガエルの幼体が一斉に頂上に向かって移動する、とっても珍しい現象が見られることも知られている。さすがパワースポットである。山頂の大岩に登っている人も写真では見たことがあるが、我々が登ったときにはそんなことをしている人は誰もいなかった。 きっと危ないので禁止ということになっているのだろう。
下山 太宰府天満宮
12:14宝満山出発。 来るときと同じ道をたどる。 13:40来るときに犬が吠えていた蕎麦屋の前を通過。下山後、帰りは太宰府市コミュニティバス内山線で内山バス停から太宰府駅までバスに乗る。 うまく13:50のバスに乗ることができた。 14:08太宰府駅に到着。 ここから太宰府天満宮を参拝することにしていたが、さすがにのどが渇いていたのでコンビニでビールを1本ずつ買って店の前で飲む。 表参拝道に並んだ店舗はどこも混雑していた。H.H氏もA.D氏も名菓の梅が枝餅を買って食べていた。 政府が全国旅行割をスタートさせてこともあり観光客が一斉に外出してきた感じであった。 太宰府天満宮も本殿で参拝するのに少し行列ができるような状態であった。
西鉄太宰府駅
参拝を終えて駅まで戻ってきてコインロッカーに預けていた荷物をとり、路地裏で着替えをして、15:35西鉄大宰府線の電車の乗車。 二日市から特急に乗り換えて西鉄福岡で下車。 歩いてすぐの繁華街の一階にあった立ち飲みの角屋に入る。 生ビールとハイボールを1杯ずつと串盛で乾杯した。 自分は19時のJAP便で福岡空港から帰るのだが、その前で空港で古い友人のH.Mさんと会うので16:50に店を出た。 関西から来たA.Dさん、H.Hさんもそれぞれ予約してあった新幹線で家路についた。
宝満山は九州百名山の山であるとともに福岡県でも1-2位を争う人気の山である。 今回自分たちは時間がなかったこともあり仏頂山(869m)に立ち寄らなかった。 九州自然歩道や仏頂山を越えて三郡まで縦走するルートがあり本当はそこも歩いてみたいという気持ちがあった。 ただ、今回登って単独峰としても標高800mを越えてこれだけ手軽に登れるこの山が福岡県の人たちに愛されていることを知ることができた。 九州遠征の2日目に良き山に登ることができて満足であった。
(2022年11月 記)
地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号 平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています