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扇山・百蔵山
扇山・百蔵山

基本情報
1 山名 扇山・百蔵山(おうぎやま・ももくらやま)
標高 1138m(二等三角点) 扇山
山域 大菩薩連嶺
都道府県 山梨
位置 N345.38.14/ E139.00.48 
地図 昭文社 山と高原地図52「高尾・陣馬」
2万5千分の1地図「上野原」
20万分の1地勢図「東京」
 (扇山)

2万5千分の1地図「大月」
20万分の1地勢図「甲府」
 (百蔵山)
7 山岳区分 ハイキング百選、山梨百山
登山記録
山歩No 9840-22001
登山日 2022年1月9日(日)
歩程 6時間40分
天候 快晴
形態 日帰り
アプローチ JR中央東線四方津駅 富士急行バス犬目
パーティー 1人

 2022年が始まった。 昨年2021年の登り納めは、栃木県の太平山・晃石山という低山で関東ふれあいのみちの縦走だった。 さて、登り初めはどこにしようかと考えたが、 1月6日(水)に都内で10cm積る降雪があったことで、トレランシューズで行ける山にするか、思い切ってスパッツ・アイゼンをもっての雪山登山にするか思案に暮れた。 茨城県の関東ふれあいのみちに行くことも考えたが折角なので白い富士山を見るのも悪くないと思い、中央線沿いの山梨の秀麗富嶽十二景の山に行くのもよいかな、と思い始めた。 1月8日(金)に扇山を登山した方の記録がYAMAPに掲載されていたが意外にも残雪がない。 思い切って、登り納めの栃木の山と同じスタイル、16L の軽量ザックにトレランシューズ、12月下旬にスポーツショップで買い求めた裏起毛のランニングパンツで出かけることにした。 もちろん、アイゼンは持っていない。

2022年1月9日 四方津駅

 2022年1月9日(日)朝5:30起床。 最近、朝この時間に起きることが多くなった。5:50に家を出て最寄り駅から電車に乗る。 横浜線で八王子駅まで行く。 八王子から高尾由紀7:14の電車の乗れたので実際には高尾から一本早い電車に乗ることができた。 四方津駅到着が7:44。 駅前から出る富士急バス犬目行きは一日に1本である。 バスは8:27発なので時間は十分あるのだが、どこかの自治会か同好会かの集団がバス停にすでに10人くらい列をなしていた。 8:03に到着する列車でもその同好会の集団がバスに乗車するので結構な混雑となった。 バス停から中央線の線路をはさんで南西方向に倉岳山(990m)の秀麗な姿が見えていた。

安達野バス停

 バスは20分ほど乗車。 安達野のバス停で下車したのは3人だけ、みなソロの男性のハイカーだった。 自治会か同好会の30人の集団は終点の犬目まで乗っていくようだった。安達野のバス停からは道路を挟んで民家の中を進む。 数件の家をの中には地主と思われるでかい家もある。 自治会長のプレートのかかった家もある。集落を進むとやがて道は未舗装の道になり森林の中へ入っていくルートとなった。 木の幹に「登山道入り口 犬目観光協会」というプレートがつけられている。 観光協会があるのは大したものだ。

樹林の中の道

 森の中の道をしばしあがり9:16祠の横を通過する。 これが金毘羅社だろうか。 さらに進むと9:32ルートが平になった。 これが最初のピークの荻野丸のようであるが山頂標識はどこかわからなかった。 ルート上の日の当たらない場所には残雪が少しある。 さらに10分ほど歩いて展望のよい犬目丸の到着した。 ここからは富士山が一望できる。


扇山山頂

 さらに10分ほど進み、鳥沢駅からのルートと合流する。 ここで初めて2人組の登山者と会った。扇山の登りで道を譲ってもらう。 10:21扇山の山頂(標高1137.8m)に到着。 本日の最も標高の高い場所である。山頂は広く木の丸太でできたベンチも整備されており思い思いに休んでいる人たちが10人ほどいる。 鳥沢駅から大久保のコルを経てやってくる人もいるようである。 セルフタイマーで写真をとる。 富士山をバックに登山者の方にシャッターを押してもらったがさすがはIphoneであるちゃんと逆光は補正してくれている。 


大久保山から見る南アルプス

 10:38出発。 扇山山頂から、今度は百蔵山までの縦走路となる。 今回のトレランの練習のメインコースである。 いったん大久保のコルまでおりる。 鳥沢駅への下山ルートを左手に見つつ、大久保山への登り。 10:42大久保山には道標も特になく、三角点があるだけだが、樹林の陰から南アルプスの真っ白な峰々を眺めることができた。 荒川岳と赤石岳の方角だと思われる。
 

コタラ山からの急登

11:01ガンバの頭に到着。 ここはいったん登山道から離れて30mほど上がったピークとなるが、そこで行き止まりであった。 引き返して登山道を下る。 長尾峰という小さなピークを越えて11:17宮谷分岐である。 ここから百蔵山への登りがコースタイムで40分となる。 コタラ山までは 小さな登り。 本当の急登が始まるのはここからである。 百蔵山山頂への標識を過ぎてからは、木の根につかまり登っていくような斜度になった。


百蔵山山頂

標高差150mほどを登り切り猿橋からくるルートと合流したところから稜線を南西へ進んだところが百蔵山の山頂であった。 11:56、百蔵山山頂(標高1003.4m)に到着。 明治維新百年祭記念、百蔵大明神遺跡と書いた石の札がある。  秀麗富岳十二景の七番山頂である。 大月市観光協会のホームページには「山頂には桜が植えられていて4月中旬には見ごろとなる。南方は広範囲にわたって展望がよく、道志山系の山々、杓子山、三ツ峠などの峰々の中に富士山がひときわ高い。扇山との縦走も人気。」と記載がある。確かに富士山の景色は見事である。 樹林の陰にならないところに腰をおろしてカロリーメイトと豆乳の昼食タイムとする。 


トトロのオブジェ

 10:28下山開始。 大同山907mまで稜線伝いに歩き、本格的な下りはここからである。 12:50、水場がある。 暑い時期に猿橋から登る人にとってこの水場は一休みできる場所であろう。 しばらくして車道と合流。 東ルートと西ルートのどちらでも結果合流することになるのだが、東ルートはトイレ経由、西ルートには駅まで近道と書いてある。西ルートを進む。 12:54山の神到着。ここから車道である。 名物の「トトロ」のオブジェで撮影をする。 きれいな有料トイレはこの裏手の民家で利用させてもらうことになる。 


岩殿山遠望

すぐに東西ルートの合流地点となる。 どちらを行ってもトイレは経由するようである。 13:10百蔵山登山口のバス停に到着。 ここには駐車スペースもある。 この先のカーブから岩殿山がきれいに見える。 こちらの山も秀麗富岳十二景のひとつである。 さらに下ると滝子山・雁が腹摺山も見えた。

猿橋

 15:30の電車では帰宅の途につきたいと考えていたが、まだ13:30前で十分時間もあることから、名勝猿橋に寄ってみることにする。 猿橋は安藤広重の浮世絵にも描かれたもので、「錦帯橋」「木曽の桟」とともに日本三奇橋のひとつとされたものである。 珍しい橋の構造もしかりだが、岩と水の渓谷美も見事であった。 帰りは猿橋近隣公園(通称 あじさい遊歩道)を歩いてみる。 もちろんこの時期にはあじさいは咲いていない。 渓谷で写真を撮る。 

下山ー猿橋駅

 鉄橋の向こうに鶴ヶ鳥屋山の姿が見えたがどっしりとしていて見事であった。あじさい遊歩道の終点に、大月市郷土資料館がある。 そのまま行けば14時過ぎの電車に乗れる時間であったがせっかくなので電車を1本遅らせて資料館の見学をする。山と高原地図の2011年版「高尾・陣馬」を持っていたが、その中に大月市郷土資料館 「白旗史朗氏写真も展示」と注記がされているので興味があった。 展示は農工具・織物といった産業の発展と遺跡、大月市で活躍した方の歴史や古い町並みの写真などがあった。 最後に退館するときに入口に飾られている白旗史朗氏が撮影した富士山の写真を見入った。15分歩いて猿橋の駅に到着。 コンビニでビールと串を買って本日の自分へのご褒美とし、2時間強電車に揺られて途中2回乗換をして横浜の自宅へと帰った。


 自分はこれまで山梨百名山に何座登ったか、秀麗富岳十二景の山にいくつ登ったか、数えたこともなかった。 思えば、四方津も猿橋も、甲府や松本に行くときに通過する駅でしかなかったのだが、それら中央線の駅をべーズにこのように素晴らしい山があるということを改めて知った。 関東百名山の低山を登る楽しみの他にも1-2月の夏山に向けた楽しみながらトレーニングをできる場所を見つけたようでうれしかった。 早速、山と渓谷社の分県ガイドの「14 山梨県の山」を買い求めることにしよう。またもうひとつ電車で行く登山の魅力を追加したような一日であった。

(2022年1月)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています