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足和田山
足和田山

基本情報
1 山名 足和田山(あしわだやま)
標高 1355m(二等三角点)
山域 御坂山地
都道府県 山梨
位置 N35.29.39/ E138.42.28 
地図 昭文社 山と高原地図58「富士・富士五湖」
2万5千分の1地図「鳴沢」
20万分の1地勢図「甲府」
7 山岳区分 ハイキング百選
登山記録
山歩No 9800-19034
登山日 2019年10月27日(日)
歩程 6時間10分
天候 曇りのち晴
形態 日帰り
アプローチ 富士急河口湖駅 富士急バス精進湖赤池
パーティー 1人

 なぜ、足和田山を目指したのか?それは、そこがUTMF(富士山麓ウルトラマラソン)のコースの一部だったからである。自分にはできるか? 何度か自問自答してそしてだめもとでやってみようと、山の縦走コースの一部を軽く走ってみる試みを、今年5月につつじ山に行ったときにやってみた。 そして9月に友人に相談をしたうえで初めてトレランシューズを買ったのだった。トレイルランニングの人口は急速に増加している。 年齢的にも体力的にも自分では本格的にやることは到底できないだろうが、それでも自然に親しむ営みの中で何か新しいことにチャレンジしたいと考えた。

高速バス河口湖行き

 10月27日(日)曇りのち晴れ。 朝6:00に家を出て横浜駅へ。昨夜コンビニで横浜駅の西口バス乗り場から相鉄バスの高速バス横浜ー河口湖を天気が悪くないことを確認して前日にチケットを買った。7:00の出発時刻に遅れないように10分前にバス停に行く。 横浜駅の東口のY-CAT横がバスターミナルになっていて高速バスの出発が多いが、西口も2か所に分かれてバス停があり結構大きい。 自分の乗るバスは22番停留所ということで、駅の改札口からはかなり離れているので時間がかかった。 実際遅刻をしてきた人がいたせいで、出発は10分ほど遅れた。 横浜を出たバスは横横道路を走り、国道16号バイパスから東名高速道路に入る。 東名を走ったあと、厚木から圏央道に入る。 早起きした疲れで寝てしまった。 
 

河口湖駅から路線バスに乗り換え

 バスは途中、圏央道から中央道に入るところが渋滞する。 渋滞の影響もあったので8:50到着の予定が到着に遅れる。河口湖駅終点で停車する前に富士急ハイランドの前に停車する。 この段階で9:0ハロウィーンの時期だということもあり、遊園地に入るマイカーでごった返している。 実際自分の乗ったバスも半分くらいの乗客はここ富士急ハイランドの停留所で降りた。バスは河口湖町に入り、なんとか駅に9:18に到着し、9:35発の本栖湖行きのバスには間に合うことができた。駅前にバスのチケット販売所がある。 一日周遊券で買うと、見どころスポットで乗降自由なのでお得だと宣伝している。 河口湖と精進湖の往復だけでも得だということで販売員の方からはこの周遊券を薦められたが、往復はいらない、精進湖まで片道バスで行って帰りは走って河口湖に戻ってくる、といったらびっくりされてしまった。

赤池で下車、精進湖を眺める

 10人くらいの乗客を乗せて路線バスのコースを進む。 途中で日本語のわからない乗客が2組ほど乗ってきて整理券をとらずに乗車して、注意した運転手と日本語で会話ができずに運転手をイラつかせていた。ラグビーのワールドカップの影響もあって外国人の観光客が多いのだろうか。今年この様子であれば、来年オリンピックが行われる夏はいったいどういうことになるのだろうか?道の駅かつやまを過ぎたバスは、鳴沢氷穴を越えていく。 精進湖から先、本栖湖まで行くバスなので今年のゴールデンウイークにシバザクラを見に行った会場まですぐ近くに来ていることになる。 当初、目的地である精進湖民宿村までのろうかと思っていたが精進湖を一周するのも時間の無駄なので、3停留所手前の赤池で下車する。 バス代は940円だった。
 

精進湖民宿村

 赤池の停留所は船で湖に釣りに出ると思しき人々が数名いた。 停留所横の食堂はまだ営業を開始していないようだった。 開店は11時からなのだろうか。10分ほど歩いて、精進湖民宿村の道路標識が見えてくる。 ここが今回のトレイルランニングコースのスタート地点になるので、バス停の前で写真を撮影する。 NHKの番組で富士ウルトラトレイルマラソンの放送をしていたが、そのUTMFの時走っている後ろに写っていた民宿が見えた。今から35年以上も前のことだが、大学生の時にクラブ活動の合宿で春合宿というのがあった。 4月の初めだったと思うが、この精進湖民宿村のどこかの民宿に泊まった。 湖の回りを散歩したことは少しだけ記憶にある。このバス停からバスに乗って帰ったはずである。始めてくる場所ではないという記憶は、NHKのテレビで見た以外に自分の目で見た記憶も潜在意識の中にあるからだろうか。 精進湖小学校へ入るとドッグショーをやっていた。 トイレを借りて水を汲んで朝食のごみをすてて10:54出発。 StravaとYAMAPと2つのアプリをセットする。

東海自然歩道を富岳風穴へ

 東に道をとり走り出してすぐに東海自然歩道の入り口。舗装道路はここで終了。 いよいよ初トレランのスタートである。 ここで自分のおニューの靴を入れて写真を撮る。スタート直後は平たんな道。 ここからひたすら、富岳風穴まで走る。タイムを競うトレランのレースではないので、自分のペースでゆっくり走る。 途中でGPSがうまくきかなくなったのは青木ヶ原樹海の神秘か。11:52に富岳風穴に到着。富岳風穴自身の入り口はここからまだ分岐を道路側に100mほど行ったところのようだったが、あえてそちらに近づく必要もないので分岐のベンチで少し休憩。 水を飲んで持ってきた柿の種をほおばる。 親子連れのハイカーが森林浴に通っただけであった。12:00富岳風穴を出発。ほどなくさきほどの親子を追い抜く。最近では山を歩いていても自分より年の若い人に道を先に譲ることはあっても追い抜くのに道を譲ってもらうことはほとんどなくなってしまったので何かとても新鮮な気分であった。 
 

鳴沢氷穴を越える

 12:15鳴沢氷穴。 こちらは本当に鳴沢氷穴の小屋の裏に東海自然歩道のルートがやってきていた。 まわりにハイカーが弁当を広げたりしておりここまで走ってきた道とにぎわいが違うのを感じる。 今から1150年以上前の貞観6年(864)富士山の側火山長尾山の噴火の際、古い寄生火山の間を灼熱に焼けた溶岩流(青木ヶ原丸尾)が流れ下ってできたのが、この二つのトンネル式になった洞窟である。 2016年の夏、仕事の同僚で海外に勤務する者たちと一緒にこの氷穴に入った。 東南アジアから来たものもいて、常夏の国に暮らす人がよく調達したなと思われるようなウルトラライトダウンを持っていたのを覚えている。


紅陽台記念碑

 鳴沢氷穴の売店の脇を通り、道はすぐに車道を横切る。 とはいうものの、道路を横切る必要はなく、自然歩道は道路の下のトンネルをくぐっていくことになる。 そしてここから上り坂となる。 傾斜はさほど急ではない。 10分ほど行くと、竜宮・西湖風穴方面に降りる道との分岐がある。 12:34紅陽台の記念碑に到着。 ここから富士山の写真を撮る。 自分も入れて三脚で撮るが逆光なのでうまく撮影できない。 とはいうもののまわりに登山者もいないのであきらめる。写真だけとって出発。
 

紅陽台展望台

、さらに坂をのぼって登り切ったところに茶店が見えた。 実際の紅陽台の展望台はここだった。西側から近づいていったが、ベンチに誰も座っている気配がないので建物の東側にまわる。 東側には駐車場があって15台ほど車が停まっていた。 茶店の入り口もここだった。 ビールを買って、2階の展望台にあがってよいかと聞くと、展望台は別料金だといわれる。 300円の展望台料金を払って、ビールをもって上がる。そこには富士山の絶景が広がっていた。12:54展望台で休憩。1Fで買ってきたビールと柿の種で富士山の姿を眺めながらしばし一人乾杯。紅葉にはちょっと早いか。柿の種も食べつくしたので、昼食に飲むおにぎりを食べる。この飲むおにぎりは、和歌山で買ったものである。紀伊勝浦のスーパーで買って、嶽ノ森にもって上がったが食べなかったものである。 ということで買ってから半年以上たっている計算になるが常温では痛まないから保存食としても有効である。

三湖台

 13:09紅陽台を出て、少し登る。 標高1203mの三湖台に13:14に到着。  休憩している人は一人しかいなかった。広場になっているので遠足などで来る子供たちも多いとのこと。3つの湖を見ることができるのでこの名前があるが西湖と精進湖は見えるが本栖湖はどこかよくわからなかった。ここからは南アルプスの山を見ることができるのでそれが感動的である。北岳や畑薙方面も逆光にはなっているが距離は思ったより近く見える。  しょいこに幼児を載せた子連れの人があがってきていた。ここから少し下り。 1238mのピークを越えるとしばらく比較的平坦な樹林の中の道となる。午後の日差しを楽しむかのように幾組かのハイカーのパーティーとすれ違う。足和田山1365mが今日の最高地点なのでそこまでの登りは我慢だ。 もはや、走るという気力はないので、自分の登りよりは早いペースで登っていく。

足和田山山頂

 14:07足和田山山頂到着。足和田山は富士山の三本足の一つと言われており(足柄山、足和田山、足高山で「富士の三足」)、樹海の中に足和田山は島のように浮かんで存在している。足和田山を中心に、富士山の反対側には御坂山塊が控えており周辺の把握をするにももってこいの山で富士五湖周辺の小学校や幼稚園では遠足になると足和田山に必ず登るという。 展望台にあがってみる。回りの樹木がそこそこ背が高いのであまり富士山の展望がよいという感じはしない。 三湖台のほうが富士山を見るにはよいかもしれない。ただ、この展望台からは東の河口湖はきれいに見える。 自分を入れて写真を撮ろうと思ったが 百円均一ショップで買った三脚をどうも落としてしまったようである。あめをかじる。14:10足和田山を出発。 ここから下りになるので富士山の写真も見ることができないかもしれない。最後に富士山のドアップの写真を撮る。  足和田山は地元では五湖台と呼んでおり、昔は湖が5つ見えたようである。今は樹林が覆い隠してしまっておりすべての湖が見えるのではなくなったという落ちがある。14:52東海自然歩道分岐。正規の東海自然歩道は東に大田和へと進路をとり勝山村から富士吉田を抜けて山中湖へと至るコースである。 自分は河口湖に下山するので段和山へとルートをとる。 ここからはかなり急傾斜の下り。 少し北側に切れ落ちているところもあったりするので走るのではなく慎重に足元を見ながらおりる。 

羽根子山から見る河口湖

 15:01機織り窪、ここを越えていくと正面に神社が見えた。15:08大嵐天神社。この神社と羽根子山がつながっているようである。15:18羽根子山。 山頂というよりは広場という感じだった。 本当はここから北東にまっすぐ河口湖に降りたかったのであるが、地図にある一湖台経由の道は閉鎖されているようであった。 標識に従い登山道のある北西へと進む。下山は結構急な道だった。 少し遠回りになるが仕方がない。15:25羽根子登山口に下山。もともと調べていた予定では、16時に河口湖駅を出る特急があり、それに乗ると横浜に18:30に帰りつくようである。ここから河口湖駅まで35分で走れるだろうか? 

道の駅かつやま

 本当はUTMFのゴール地点である大池公園に立ち寄りたかったが、どうも時間がなさそうである。 自分にとってのゴールのテープは大池公園ではなく、最後河口湖駅の改札口としよう。 15:26道の駅「かつやま」の横を通過。 このあたりはもう観光客でごった返した場所となっている、最初は川沿いを走るが時間との闘いで途中から民家の中を走る。15:45、あと2.5㎞を15分で入れるだろうか、16時の電車に間に合うように必死で河口湖駅へと向かって走る。ゴール。 ちょうど16時。 電車は行ってしまっただろうか?改札で駅員に聞くと、台風19号の影響で特急は運休。 次は16:20の各駅停車、大月行きです、と言われた。 やれやれ。  

富士急河口湖駅

 台風19号の影響で中央線も間引き運転していることから横浜までバスで帰ることも考えたが、このような状況なので河口湖駅で16時―19時のバスはすべて売り切れていた。16:17富士急の電車が河口湖駅を出発。やはり中央線が間引き運転をしている影響か、電車はすいていた。 単線電車なので電車の中でじゃがりこを食べながらビールと日本酒を飲んだ。  17:55まで、大月を出る中央線がなかった。 台風19号の爪痕は、この中央線の線路まで及んでいた。 「(高尾~相模湖間)   下り線のみを使用した単線運転を行います。当面の間、7時頃から19時頃まで、1時間から2時間半の間隔での折り返し運転となります。 通常より運転本数が少なくなり、また所要時間がかかります。 (相模湖~小淵沢間)   通常の半数程度の運転を見込んでいます。」このJR東日本のアナウンスを事前に把握せず、Yahoo路線の情報をうのみにしたのを後悔した。 結局、15:35から16:00まで全速力で走ったが、乗り換えに多くの時間を使って20時半に横浜の自宅に帰り着いた。 

 学生時代に山を始めたときには、山はゆっくりと登るのが鉄則だった。 大きな荷物をかついで縦走する。 熱中症や高山病を避ける工夫と努力、そのような中で山を走るなどということは許されないことだった。 どうして山岳レースというものが生まれたのかはわからない。しかし、単にピークを登り詰めることや、長い縦走路を歩くことでけではない楽しみ方が生まれているのは事実である。自分にとっては歩くのが遅くなってきた中での打開として体力づくりに走ることを取り入れた。 無理をしない程度で少し頑張ってみようと思う。

(2019年11月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています