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仙千代ヶ峰
仙千代ヶ峰

基本情報
1 山名 仙千代ヶ峰(せんちよがみね)
標高 1,100m (一等三角点本点)
山域 台高山脈北部
都道府県 三重
位置 N34.14.46/ E136.13.03 
地図 昭文社 山と高原地図51「 大台ヶ原 高見・倶留尊山 」
2万5千分の1地図「宮川貯水池」
20万分の1地勢図「伊勢」
7 山岳区分 近畿百名山
登山記録
山歩No 9700-15027
登山日 2015年11月22 日(日)
歩程 3時間20分
天候 曇り
形態 日帰り
アプローチ 国道422号線県道52号線大杉
パーティー 2人

 2015.11.21に山岳部の記念すべき第400回目山行に三重県の迷岳へ登った。 名前のとおりの鬱蒼とした森の山で赤いテープを巻きながら登った。 下山後に宿泊した宿が奥伊勢フォレストピアである。 おじさん3人だけでの宿泊ながらワインを開けて宴会をした。 翌日、黒幕のK.Mさんは家に帰ってしまったが、残ったA.Dさんともうひと山近所の山に登ろうということになった。たまにしか、この台高の山域には来るチャンスもないので、どこがいいかなと思案したが近畿百名山に入っていて奥伊勢フォレストピアでも日帰りツアーが企画されている仙千代ヶ峰に行ってみようということになる。 

奥伊勢フォレストぴあ

 納山会の恒例行事である宴会も人数が3人というこじんまりとした集会だったこともあり、深夜まで続くことなく宴会はお開きとなる。A.D氏は朝ぶろに行ったようだが私は朝食ぎりぎりまで寝ていた。 奥伊勢フォレストぴあの朝食は名物のおかゆである。コテージに宿泊している人もいるようだ。今日も山に登るということでいつものようにあわただしい出発となるが、できればこんな山の中のリゾート宿泊施設でゆっくりと時を過ごしてみるのもいいかもしれない。 自分のホームページの文章も、どこかに宿泊して作業をしたらもっと名文が書けるのであろうか、などと考えた。 ホテルの前でK.Mさんと再会を約束しつつ分かれる。 A.Dさんの新車に乗り込み出発である。   

倉元橋

 登山口は宮川貯水池の脇にある倉元橋である。 国道422号を進むと宮川貯水池の大杉バス停である。 大杉谷から日出ヶ岳登山を目指すコースはここがスタート地点となる。大杉谷は一度訪れてみたいところだがはてさてチャンスはあるのだろうか? バスは大杉までしか入らないがわれわれはマイカーなのでさらに湖の東岸を南に進む。 新大杉橋の手前でゲートがあったが問題なく通行で来たので進む。 やがて倉元橋に到着。橋のたもとには停めるところがなかったので、少し戻って道路わきの広場に駐車。 そこから歩いて倉元橋まで行ったあと、沢に降りてペットボトルに水を汲む。 9:50出発。 車道をさらに南に進む。
 

尾根とりつき

 尾根への取り付き口はいきなり険しい場所だった。見るからにがけ崩れをした岩のことがったところに赤いテープの目印があった。 脇には2013年の4月に入山したきり行方が分からなくなっている方の捜索の看板が取り付けられている。尾根にとりついてからは傾斜は通常コースのレベルになった。 造成林の中を進んでいく。 天気はあいにく上空が曇っている。昨日迷岳に登った時は快晴であったが、今日はあまり展望は期待できないかもしれない。
 

樹林の登り

 登りの尾根はひたすら我慢の登山である。10:13標高420mのところで暑くなってきたので上着を脱ぐ。。10:33伐採林が少し平らになったところで休憩。気晴らしにミュージックプレーヤーを取り出して、昔のヒット曲を聴きながら歩く。 ルートは比較的林業用の作業通路と交差していたりしてわかりにくい。山頂の標高が1099.7mで、登りだしの地点が294mなので標高差約800mである。 2時間半で登るというのは少しきついのかもしれない。ちなみにヤマレコの記録などを見ると野叉橋から野叉峠を越えて仙千代ヶ峰に登っている人もいる。 これも登り口は標高244mだからさほど差はない。 


倉元谷左岸尾根の頭

 標高850mを越えると上空が見えるようになってきた。 11:59倉元谷左岸尾根の頭に出る。ここから稜線である。 鹿よけのネットが張り巡らされた尾根沿いの道を進路を南にとる。 さきほど登山口に張ってあった行方不明者の捜索の看板がここにも張ってある。ここからは稜線の上に倒れた木を踏み越えながら登ったり、あるいはいばらが垂れ下がってきているのをかき分けながら登ったりと結構苦労だった。 樹木が風のせいで登山道側に倒れてきているところも多く、 木々の水滴がズボンを濡らしたりした。 雨は降っていないのだが濡れるのをさけるために途中で雨具を着て進む。  

仙千代ヶ峰山頂

 13:00ピークと思われたところを通るが、そこは頂上手前の1040mのピークであった。ピーク上にの石標の上には韓国のコインが置いてあった。 韓国人登山客が訪れたのであろうか? 韓国から登山者がツアーで来て中央アルプスで低体温症で4名が遭難死した2013年7月の事件は記憶に新しいが、海外からの登山者は特に道標などが読めずに道迷いになるリスクは高い。 ぜひ、しっかりしたガイドをつけて安全登山に心掛けてほしいものである。 いくつかの馬の背の稜線を越えて13:20仙千代ヶ峰の山頂に到着。 
 

野叉峠・水呑峠分岐

 山頂には2005年の4月に山岳部黒幕のK.Mさんが登った時にとりつけた標識がしっかり残っていた。 山頂で遅い昼食を食べる。 メニューは、手作りおにぎり(梅干しは入れたがのりはない)とソーセージである。さすがにそれだけでは寒いので、カップうどんを1人前沸かして、A.D氏と半分ずつにして食べた。 昼食がすんで、恒例の記念写真である。 山頂には2等三角点があったのでそのうえに三脚をセットする。 山頂より少し南に入ったところには水呑峠と野坂峠と両方の登山道との分岐があった。 なぜか仙千代ヶ峰の山頂標識が1022mという記載があったが何かの間違いだろうか? 山頂はシャクナゲの群生地があった。5月はきっとこのあたりはきれいなのであろう。
 

下山の不明瞭な道

 下山は注意しながら来た道を進む。 林道が入り組んでいるので気をつけないといけない。 2013年4月に遭難した方も単独行ではなかったようだ。 すぐ合流するだろうと踏んで同行者と分かれたところで、結局2人は出会うことがないまま、はぐれてしまったという。 赤いテープとピンク色の林業用テープとが混在しているのでわかりにくいルートではある。遭難された方はGPSを持っていなかったようだ。 確かにこのクラスの日帰り登山ではGPSやツエルトはもちあるかないかもしれない。15:50下山。

宮川貯水池

 帰りに、宮川貯水池の展望台に車を停めて写真を撮影する。 あいにくと仙千代ヶ峰の方面は雲に覆われていた。 天気は次第に下り坂だという。 三重県の一部では午後から雨が降るという降水確率30%の予想である。 雨に当たらずに下山で来たのは幸いだと言えよう。 大杉谷を歩くルートは崩壊により2014年4月まで通行止めになっていたという。再開した今となってはぜひとも船で第三発電所まで行き滝に沿った道を遡行してみたいものである。果たして体力がもつであろうか? などと考えながらA.D氏に久居駅まで送ってもらう。
 

名古屋駅ホーム上きしめんコーナー

 久居は昔自分が三重県の地理を習ったときにはまぎれもなく、市だった。 しかしながら、2006年の市町村合併で津市の一部となり、久居市はなくなった。 県庁所在地の津市は現在人口が27万9千人いるという。 自分が小学生だったときには確か13万人と習ったはずである。 アテネ五輪でレスリング金メダルを受賞した吉田沙保理選手は三重県立久居高校の出身である。 津市の名誉市民にもなっている。 津市まで近鉄電車の各駅で4つ乗って、そこから名古屋行きの近鉄特急の乗り換える。 名古屋駅で乗り換え3分で上りのこだま号があったので接続よく帰れるかと思いきや。 やっぱり名古屋駅の前で行き違いをしたので到着が遅れこだま号を一本乗り過ごしてしまった。仕方がないので東海道線のホームできしめんを食べる。静岡の家に帰りついたら20時半だった。



 仙千代ヶ峰の記録を書いており、いつものようにカシミール3Dを使って展望図を描いているときに気がついたのであるが、このあたりは位置的には紀伊長島に近く、熊野灘からさほど離れていないということが分かった。 本当に冬場の見通しのいい時期なら海が見えるのかもしれない。 懐かしいふるさと三重県の山はまだまだ自分の行ったことのない名山が数多くあることを改めて知った山旅であった。。
(2015年12月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています