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鶴ヶ鳥屋山
鶴ヶ鳥屋山

基本情報
1 山名 鶴ヶ鳥屋山(つるがとやさん)
標高 1,374m (三等三角点)
山域 御坂山塊
都道府県 山梨
位置 N35.35.00/ E138.50.30 
地図 昭文社 山と高原地図27「j陣馬・高尾」
2万5千分の1地図「大月」
20万分の1地勢図「甲府」
7 山岳区分 ハイキング百選
登山記録
山歩No 9650-13044
登山日 2013年11月23 日(土)
歩程 5時間30分
天候 快晴
形態 日帰り
アプローチ JR中央東線初狩駅
パーティー 7人

この山は本来タイトルが「高川山」となるはずだったのだが、当日の計画変更で隣の「鶴ヶ鳥屋山」ということになった。 地図 の上で見たことはある山だったがどんなところか未知の山である。 山梨県は富士山の景色が楽しめる山がたくさんあるというが、 この山もそのひとつである。 11月23日の土曜日で祭日に7人で登ることになった。

40周年記念パーティー

2013年11月、大学時代に所属していた山のサークルが創立40周年を迎えた。 11月9日に渋谷の東武ホテルで現役生が尽力してくれて40周年記念バーティーが盛大に開催された。 その席上で発表されたのがこの企画40周年記念山行「高川山」である。 A.O氏が中心に呼びかけてくれた。 およそ一ヶ月振りのハイキング。 登山靴を履くのは2ヶ月ぶりとブランクができてしまったが参加することにする。

初狩駅

 前日から横浜に移動しておき、当日は高尾駅に集合。 全員が合流したのは甲府行きの各駅停車の中。 9:14に定刻通り初狩の駅に到着。 最初の予定では、高川山に登るという歩程3時間のコースであったのだが、K.H氏の発案で急遽、高川山ではなく、さらに標高が400mほど高い隣の鶴ヶ鳥屋山に行先を変更。 標高差900mで歩程も5時間半という結構な山登りになりそうだ。

車道を進む

 初狩駅を出発して道標に従い県道712号線を進む。 JRの中央線の線路の高架をくぐりすぐに見えてきたのはリニアモーターカーの実験線である。 線路はむき出しではなくカバーがされているので、どのような実験線なのか外部から見ることはかなわない。 車道の脇にはキウイフルーツの実がたわわになった木があった。 農家の方が栽培しているのか自生しているのかよくわからないが、買ってに取って警察に通報されてもいけないので、残念ながら実に手をつけず通過する。 秋晴れ、クライミングの練習に適した岩場の脇を通る。 

近ヶ坂橋の登山口

 道はまるたの森クリーンセンターというごみ処理場へ向かう道を左手に分けると、近ヶ坂橋という東西に流れる小川にかかる小橋を渡る。 ここからが鶴ヶ鳥屋山への登山道である。10:14出発。 細い林道を少し進むと本格的な登山道となってきた。 ところがここで、赤いテープの目印を目指して進んでいたのだがルートが判然としなくなってしまった。 一般登山道としてはあまりにも藪漕ぎが多すぎるような状況となり道を間違えたことに気付く。 サブリーダーがもとの道がはっきりしているところまで引き返して正規の登山道を見つける。 ロスタイムはほぼ20分ほどだったろうか。 大事に至らなくてよかった。 

唐沢橋コースとの分岐

 気をとりなおして進むが、ここからは急な登りである。 ジグザグを切って少しずつ高度を上げていく。 11:08に高度850mくらいのところでいったん休憩をして給水する。ここからでもまだ標高500mほどあるので2時間ほどかかるか。さらに登ると道はアカマツの雑木林となってきた。 11:40右手に唐沢橋からのルートと合流するところで休憩する。 この時期は、木々の葉が薄くなっているので視界は聞く。 自分たちの進む山頂方面は比較的よく見えている。 

富士山遠望

 左手南方の方角には三ツ峠山の峰々が見えるがその奥に富士山が顔を出した。 山頂付近は雪をかぶり神々しい姿である。 毎日通勤途上で見ている富士山は静岡側なので、こちら吉田口登山道のある山梨側の富士山の姿というのはすこぶる新鮮である。標高は1000mを越えたがいったん舗装された道路に出てそこから再び山肌の登山道に取り付く。  

山頂直下の急な登り

 結構、急登である。ここから山頂までは、たぶんあそこが山頂だろうと見えているだけに疲れの出るところだ。 あと20分ほどのところで、E氏が「いてて足がつった。」と声を上げた。 幸い大事なく、2-3分その場に立ち止っていたらよくなった。 先頭を行くK.H氏は快調なペースで進んでいるがやはり時々登っているという強みだろうか。 林が疎になり上から話し声が聞こえてくるようになった。 もうすぐ山頂である。 

鶴ヶ鳥屋山山頂

 12:57に山頂到着。 すでに2パーティー合計8人くらいの人が山頂で休んでいた。 聞くと笹子から登って初狩に降りるという我々とは逆コースの人が多いようである。 山頂から南側は開けており、富士山の眺めがくっきりと見えた。 東に目を移すと、結局登らなかった高川山が雄大な姿を隣に見せており、その鞍部から御正体山や石割山が見えていた。集合写真を撮った後に持ち寄った梅酒やワインで宴会が始まる。 

宴会-山頂出発

  弁当に梅酒のお湯割りでほっと一息。 休憩時間が思わず長くなってしまったが、日の短いこの時期なので、やはり悠長に構えてもいられない。 14:23に重い腰を上げて出発することになった。 三角点にタッチをして出発。 ここから西に宝越えの峠を目指す。 歌でも歌いながら歩きましょうと、A.O氏が作ってくれた歌集をポケットに入れて進む。 

西峰から南アルプスの展望

 いったん下った後、5分ほどでまた大きなピークが現れた。 どうも、この鶴ヶ鳥屋山は双耳峰のようである。 この西側のピークに上がったところがすごかった。 西への大展望が開けており、真っ白に雪をかぶった南アルプスが眼中に飛び込んできた。 北岳のどっしりとした山容はすぐにわかった。 甲斐駒もあまり雪はついていなかったがその形を見ることができた。 北に見える八ヶ岳はまだ雪がほとんどついていなかった。 八ヶ岳と南アルプスの間には遠く離れていたが真っ白になった穂高連峰を見ることができた。

宝越えからの下山路

 宝越えからは本社ヶ丸への主稜線と別れ、急な下山路をたどる。 道は最初は急であったが次第にゆるやかになっていった。 いったん林道を横切り、そこからまた植林の中をひたすら降りていく。 正面に中央自動車道が見えているので、だいたいどのくらいの高度まで下りているか状況が把握できるので苦にならないルートだった。途中2度ほど沢を渡った。 

下山ー笹子駅

 16:10に林道の終点の浄水場に到着。 ここからは舗装道路も現れて犬をつれた人の散歩などもすれ違う。 16:30に笹子駅に到着。 この駅は無人駅だったので、売店もなくビールで乾杯というわけにもいかなかった。 16:48の高尾行き普通列車に乗り込み、途中5分停車時間のあった大月駅でビールを買う。 八王子まで行って稲荷湯で一風呂あびて居酒屋で反省会という名目の懇親会でたらふく飲んで食べてしめくくった。

 久しぶりににぎやかなパーティー登山に参加して秋の山を楽しむことができた。 メンバーと天気の両方に恵まれて楽しい一日となった。 都内からさほど時間をかけず訪れることのできるこのような隠れた名山があることを知った。
(2013年11月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています