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恵山
恵山

基本情報
1 山名 恵山(えさん)
標高 618m (三等三角点)
山域 渡島半島
都道府県 北海道
位置 N41.48.17/ E141.09.57 
地図 2万5千分の1地図「恵山」
20万分の1地勢図「尻屋崎」
7 山岳区分 北海道百名山
登山記録
山歩No 9630-13030
登山日 2013年6月16 日(日)
歩程 0時間45分
天候 快晴
形態 日帰り
アプローチ 国道278号から道道655号
パーティー 1人

旅行で函館にやってきた。 往路は特急カシオペアでの夜行列車の旅である。 朝市をはじめ函館の街を見物し、函館山にも登った。 翌日も函館見物であるが、足をのばして郊外の自然の美しい地域に出かけることにした。 

函館のホテルを出発

 6月16日(日)朝6:30凾館のビジネスホテルで起床。天気晴れ。 前日の夜行の疲れもあってよく寝られた。 8時に朝食のバイキングを食べに行く。イカソーメンや、生卵など北海道の新鮮な味覚を楽しんで、9時20分にホテルをチェックアウトする。 レンタカー会社は函館駅から3分ほどの距離ので徒歩で行って、車を借り出す。 いざ、9:45 出発。昨晩、函館山の夜景を見る前に食事をした宇賀浦の回転寿司の店の前を通って湯の川温泉も経由する。 今晩泊まるホテルの場所も確認できた。 空港を過ぎてからは海沿いの国道をひたすら走る道だったが、かなり霧が濃くて海岸はあまり見えなかった。 途中、セブンイレブンでトイレ休憩をしてコーラやあめ・ガムを買う。 

道の駅「なとわ・えさん」

 それから道の駅なとわ・えさんで休憩をとる。「なとわ」とは、道南地方の方言で「あなたとわたし」の意味だという。 広域的観光ルートの拠点づくりとして国道278号沿いの海浜公園に建設された道の駅は、100台ほど停められる駐車場が整備されており、休憩している人がたくさんいた。 特徴的だったのは、旅の途中で立ち寄ったというよりも、ここを目的に訪れている人も多いようだということだ。 道の駅の南側はすぐ海岸線になっており、スイムスーツでサーフィンをやっている人や、特に海水浴をするでもないがビーチにテントを張って休んでいる家族づれなども見受けられた。  

恵山温泉をすぎて---海向山を見る

 道の駅の情報コーナーで恵山へのルートを確認する。今年のつつじ祭りの期間は5月18日から6月2日までであったので、もうシーズンは過ぎてしまったようである。 11:28、2Fに上がって海をバックに写真を撮る。相変わらず回りには低い霧が立ち込めているが標高600mを越える恵山の上の方はガスが晴れかけているように見えた。道の駅を出てから、再び国道278号線を進む。 そこから国道を外れ道道695号を海沿いに進み郵便局の横から恵山温泉への狭い道をあがって行く。。 

恵山山頂駐車場

 なんどか大きなカーブを繰り返したのち11:49に恵山山頂駐車場到着。 遊歩道をハイキングする。 恵山の山頂はきれいに見えていた。恵山は活火山で、低標高にもかかわらず、多様な高山植物が生育し特に南東側斜面のエゾヤマツヅジ、サラサドウダン、ムラサキヤシオ等のツツジ類は有名で、5月下旬から6月上旬にかけて開花し、山肌が赤く見えるほどだと道立自然公園の解説には記載されている。残念ながら我々がいったこの時期は少しツツジには遅かったのだろう。 山肌の色を変えるほどには咲いていない。

タニウツギをバックに

  恵山では、低標高にもかかわらず数多くの高山植物が見らるようだ。その原因としては、 火山としては比較的新しく、土壌が未発達なことや 噴火湾に突出した形で位置していることから、海霧の影響が強いことなどが考えられるらしい。この時期はハイキング道のわきに咲くタニウツギのピンク色の花が可憐できれいであった。もう少し早ければ白いイソツツジの花も見事だという。もっともツツジ祭りのピークの時期に来ていたら、この駐車場も満車になるのだろう。公共交通機関がないのが残念だ。 

お休みの丘

  11:53に釈迦堂の入り口を右手に見て舗装された道路をあがる。 お休みの丘という展望台がある。ここからは、向かいの海向山がよく見える。 やがて恵山展望台コースとの分岐を経て、噴気口コースとの分岐にもたどり着いた。溶岩ドームにより地下に閉じ込められたガスが、火口原に小火口をいくつか開け、その際に飛ばされた火山岩が「賽の河原」とも呼ばれる火口原の景観を作り出した。この「賽の河原」の景観などから、恵山は古くから霊場として信仰の対象になってきたという。 

砂礫の中の登山道と賽の河原

 ハイキングコースもここまでは普通の靴で差し支えないが、この賽の河原の中に入っていくコースは砂礫が登山道にはみ出していたりして、運動靴以上でないと危険である。 同行者はここで退却。 自分一人でとりあえず恵山展望台まで行くことにする。 展望コースは、噴気孔のすぐ近くを通る。 いったん、そこから離れて、駐車場から展望台へ直行するコースに合流し、ピンク色のテープの表示に従って登山道を進む。

恵山展望台

 12:18に展望台に到着。 展望台からははるか先に、津軽半島が見えた。 来るときにコンビニで会った5人組が休んでいたのでカメラのシャッターを押してもらう。 西のほうには通ってきた汐首岬が見えた。 ここが北海道と本州間の最短地点にある岬で青森県の大間崎までとの距離がわずか17.5kmだという。 霧もこの標高だとあまりかかっていないので、亀田半島の他の山の姿を見ることができた。 

大沼公園の藤棚

展望台をあとにして、下山開始。 帰りの道は忠実に往路をたどる。 12:30に駐車場に到着。暑かったせいでのどがかわいた。 お茶をがぶがぶ飲んで、車を出発させる。国道278号線に出るあたりからナビがうまく機能していないことに気が付く。なんとか携帯のナビで調べたことに基づいて大沼公園を目指す。 14:28にボートに乗ってソフトクリームを食べてのんびりと過ごす。 15:45にナビなしで函館まで戻るべく車を出発させる。 七飯藤城からの函館有料道路は実質無料になっていたので、30分くらいで函館市内に到着した。湯の川温泉のホテルでレンタカー会社にナビの故障を報告して対応を合意。 そのあとは津軽海峡を眺める展望風呂につかって1日の疲れを癒した。


 恵山は標高600m強で決して高山とは言えないが、しかしながら群生するお花畑と火山らしいその姿はまるで立山室堂から弥陀ヶ原のミニチュア版とも言えないことはないようだ。 時間をとってハイキングをするのに楽しいところである。 北海道南部の火山性地形を存分に味わう素晴らしい道立自然公園である。
(2013年7月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています