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函館山
函館山

基本情報
1 山名 函館山(はこだてやま)
標高 334m (三等三角点)
山域 渡島半島
都道府県 北海道
位置 N41.45.32/ E140.42.15 
地図 2万5千分の1地図「函館」
20万分の1地勢図「函館」
7 山岳区分 北海道百名山
登山記録
山歩No 9620-13029
登山日 2013年6月15 日(土)
歩程 1時間45分
天候 曇りのち晴れ
形態 日帰り
アプローチ JR北海道函館駅から市電十字街下車
パーティー 1人

函館山は、いわずとしれた夜景で有名な名山である。 6月の金曜の午後に会社を早退して、念願のカシオペアに乗車して北海道に渡るという旅の目的地に函館を選んだわけであるが、夜景を見るのはもちろん今回のコースに入っているが、ロープウエイであがってしまうだけでは山のよさがわからない。 一日に二回の訪問になるが、博物館を見学する昼間の空き時間を利用して少しハイキングをしてみることにした。

上野駅で寝台特急カシオペアに乗車

 6月14日(金)13時に退社。昼食のあとデパートで用事を済ませて14:30に山手線に乗って、上野へ向かう。 それから駅の構内にある弁当屋で夕食を調達。 たくさんの店がありお惣菜が豊富に扱われている。酒は紀伊國屋で調達。 1Fの特急乗り場に下りる。 15時半、 カシオペアは既に入線していたので、ホームの先頭まで行って気動車の写真も撮影する。 ディーゼルのせいか、かなり先頭車両のそばでは煙たかった。車両は定刻の16:20に発車。乗務員がウエルカムドリンクといってオレンジジュースとウーロン茶をサービスで持ってきてくれた。

カシオペア展望車両

  17時半から、夕食。食後テレビの映りが悪いので退屈で、展望ラウンジカーに行ってみることにした。 ビールとおつまみに柿の種を買って日没後の景色を見る。 もうだいぶ暗くなっているので、それほど景色がきれいだということはない。 福島到着19:58.展望ラウンジカーの中から福島駅を見た。 部屋に戻る。 仙台20:59、 23時に青森でずいぶん長いこと停まっていた。 ここで気動車を取り換えるという。 進行方向が逆になった。歯を磨いて寝ることにする。

早朝の函館駅

 6月15日(土)朝の3:35に青函トンネルに入る。4:10にトンネルを出てからはうつらうつらしていた。 車掌は4:40に起こしに来た。 5:02に定刻通り函館駅に到着。 函館駅では20人ほどの乗客が降りた。 朝早いので、駅前にも人は少なかった。 いきなり激しい雨が降っていたので傘を開いて荷物を押しながら交差点を渡る。本日の宿泊場所のホテルは市電の函館駅前のすぐ前だった。早朝ながらホテルで荷物を預かってもらい、5:40に傘をさして朝市に出かける。 

函館朝市で朝食

 どんぶり横丁にまず入ってみたが、まだ開店していない店もあるようだった。 渡島農業協同組合のコーナーでは野菜や海産物をひやかして見る。 駅ニ市場に入っていかつりの様子を見る。そうこうしているうちに6:30になったので朝市食堂の弐番館によって名物の500円のどんぶりを食べることにする。自分は一番値段の高い本日限定の活イカ刺し定食1275円にする。 イカはまるで生きているかのようにうごいていて不気味だった。 7時すぎに食べ終わって雨の中を路面電車に乗って五稜郭に行くことにする。 

五稜郭タワー

 五稜郭公園で下車して徒歩7分。 結構、五稜郭公園の近辺はオフィス街で北海道新聞の支社やオフィス、居酒屋などがたくさんあった。歩いて五稜郭タワーに到着。 団体が到着して混雑する時間が来る前に朝早くてすいているタワーに上がることにする。 エレベータで最上階に到着して、土方歳三の銅像とともに写真を撮る。雨なので景色は今一つ眺望が聞かず残念であった。函館戦争の展示は、最後まで戦った幕府軍の壮絶さを示す印象深い展示だった。 雨も小降りなので五稜郭の庭園の中をぐるっと一周してくる。想像していたよりは、敷地は小さかった。

函館港クルーズ

  市電の駅までもどり、函館ドック行電車に乗り、十字街で10:20下車する。十字街の駅の前には坂本竜馬の記念館があったのでその前で写真を撮影した。 歩いて金森倉庫へ行く。予定では13時のブルームーン社のクルーズに乗るはずだったが、雨も降っていたので繰り上げて11:30のクルーズにする。早めに待合の場所に行って待合室でうとうと寝ていた。 11:20に15名くらいの客と乗船。2階席のテーブルに座ってコーラと生ビールを買ってくる。 アナウンスに合わせて離岸。 凾館港の歴史と沿革がわかる解説を景色の解説と織り交ぜて焼く30分の航海をする。 12時に接岸。 

金森倉庫

  船を降りてその足で昼食を食べに行くことになった。 昼食はえん楽という西波止場の中の店。 塩ラーメンが有名な店のようだ。 食後に西波止場の中でショッピング。新島襄の渡米の地で写真を撮る。 そのあと再び金森倉庫の南のエリアを回る。  金森倉庫を出てから、 函館市立博物館に寄るということで十字街の駅のホームへ。 谷地頭行きの電車に乗って青柳町で降りる。 そこから山側にあるいて6分ほどで函館公園。 時間的にぎりぎりであるが天気も回復してきたので函館山に登ることにする。 

函館山登山口

 登山口へは函館公園から民家の間を通っていく。 行く手にロープウエイが行き来しているのが見える。 青函連絡船の殉職者の碑を通ると道路は函館山へのドライブウエイとなる。 ゲートがあり、夜間は通行禁止になるようだ。14:28に散策コースの地図を頼りに旧山道に入る。 入口にいこいの広場とトイレがある。道はエゾタテヤマコースを分けるとすぐに、汐見山コース、旧山道コースへの登りとなる。 旧山道コースはいわゆる林道のようでよく整備されていたのでそちらを通ることにする。

函館山五合目

  この道は「よろこびの森」と書かれた道標の説明によれば、大人も子供も気楽に登れ、植物や野鳥の観察にもっとも適したコースだという。 途中には函館山の動植物について説明している学習パネルもある。前をジョギングのスタイルでまったくリュックも何もかついでいない人が歩いていく。 道はすぐに再び車道と交叉する。 ここが1合目だ。 14:32.道路を横切ってさらに進む。 道はさほど傾斜も急ではなくて楽しんで杉林の中の散策ができる。 14:39に三合目。さらに進むと函館山の溶岩について解説しているパネルが現れた。 そこを過ぎると4合目。 ここは野鳥観察の小屋がある。 薬師山へのコースを右手に分けると5合目。 14:48 ここは山頂へ直登りするコースと千畳敷を経由するコースの分岐になっている。 

函館山山頂

 つつじ山駐車場を目指して進む。 6合目まで来ると正面に、函館山の山頂の姿がよく見えるようになった。 14:55に7合目到着。 ここは、つつじ山駐車場のすぐ下だった。 駐車場には、バイクの人が数名いた。 軽自動車も2台ほど停まっていた。 駐車場から先は階段のついた道、向こう側に海が広がっている。 つつじの咲いている階段を上りきると御殿山の山頂に到着。 15:08.標高334mの山頂から眺めを楽しむ。 雨はすっかりあがって天気も回復している。 ロープウエイの山頂駅に入って休憩する。 駅を越えると函館山の看板のある展望台があった。 さすがに眺めがよかった。 

下山---汐見山コース

 15:15に下山開始。帰り道に気を付けてみると至る所に仏像がある。 よく見ると西国三十三カ所の寺の名前がついている。ここにきて関西の寺の名前を見るのは何か新鮮な感じであった。5合目から少し牛の背方面にいって帰りは道は少し急傾斜であるが最短コースとなる汐見山コースをとることにする。 途中、ロープにつかまって降りる箇所があったりと旧山道に比べると少し登山の要素が入るコースだった。 ただし、アップダウンはさほどなく、途中までは尾根伝い。 そこから急に高度を下げていくコースとなる。15:36、2004年の台風16号で倒れたミズナラの切り株のある場所に来る。 15:40にいこいの広場まで降りてくる。 

函館公園

 15:45に函館公園に戻り、そこで市立博物館に入る。 1日前から始まった「新島襄と幕末の函館」の展示を見る。新島襄だけではなく、彼とかかわりの深かった人々の記録もある。 今NHKの大河ドラマで有名な「八重の桜」の主人公、新島八重が湯の川温泉に泊まったという事実も発見できて興味深かった。 16:10に博物館を出る。 函館公園はもう輝くばかりの太陽が差しで春もみじがきれいに色づいていた。 噴水では近隣の子供が足をつけて休日を楽しんでいた。 再び青柳町の市電の駅に戻り、そこから函館駅前まで1日乗車券を使っていく。

函館山の夜景

 ホテルに帰って少し休憩したあと、宇賀浦で回転ずしを食べて再び市電に乗って、十字街へ。 19:15に十字街から、市電の監視塔の横を通って坂を歩いてロープウエイの乗り場へ。 ロープウエイは約10分待ち。  その間にも、観光バスが到着してどんどん東洋系外国人が降りてきた。 ロープウエイで山頂駅まで上がって、展望台は芋を洗うような状態。 順番に前へ出て写真を撮るが、外国人のパワーには負けそうになる。  函館山の観光写真の撮影場所の看板を借りて写真を撮る。 21時のロープウエイで山を下りる。 再び十字街から混雑した市電に乗って函館駅前まで帰り、ホテルでゆっくり風呂に入って早めに就寝した。


 函館市は北海道で札幌と旭川についで3番目の人口を誇る。昭和10年の国勢調査までは札幌市を押さえて道内一の人口だったという。 やはり蝦夷地開拓のフロンティアとして江戸時代から北方の拠点として発展してきたこと、港を中心とする市街地のエリアが開港後、西洋との文化・商業の交流で栄えたことなどが理由であろう。 山から眺めた景色もそうであるが、五稜郭をはじめとする戦乱の幕末を見つめた歴史舞台を今回の訪問でこの目にすることができたのが大きい。 古い伝統と美しい自然が共存する函館は観光地としても誇るべき都市であろう。
(2013年7月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています