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基本情報
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山名 |
礼文岳(れぶんだけ) |
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標高 |
250m (桃岩) |
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山域 |
単独離島 |
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都道府県 |
北海道 |
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位置 |
N45.26.00/ E141.02.00 |
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地図 |
昭文社 山と高原地図1「利尻・羅臼・斜里・阿寒」
2万5千分の1地図「礼文岳」
20万分の1地勢図「稚内」 |
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山岳区分 |
ハイキング百選 |
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登山記録
山歩No |
9160-09017
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登山日 |
2009年6月20 日(土) |
歩程 |
2時間30分 |
天候 |
雨 |
形態 |
日帰り |
アプローチ |
ハートランド・フェリー香深港よりバス |
パーティー |
1人 |
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2009年6月、単身で北海道の最北端の島にやってきた。 目指すは、利尻山である。 6月18日の飛行機で羽田から稚内まで飛んでハートランドフェリーで鴛泊港まで来た。 夕暮れの道を一人歩いて北麓キャンプ場にテントを張り、翌日、利尻山にアタックした。島が山なのかそれとも山が島になったのかという利尻山はさすがに名峰と呼ぶにふさわしい。 山頂から海に湧いた雲を眼下に素晴らしい景色を堪能できた。 翌日礼文島に渡って観光をすることにしたが、どうしても寄っておきたいところがあった。 それが、礼文岳である。 百名山登頂の先輩であるK.M氏が2年前に登ったが、とても心に残る山だったと教えてくれた。 ここまで来た以上、やはり寄らずに帰るというわけにはいかない。 |
利尻山とエゾカンゾウ群落
6月20日(土)5:33起床。利尻島のキャンプ場のテントで目が覚めた。 昨日利尻山に登った時とは変わって空は曇っている。 予報では9時から雨だということになっている。 朝食は湯を沸かして豚汁うどんを食べる。 テントサイトの炊事場で食器をあらって片づけを済ませて、荷物を担いで7時8分に出発。ここから利尻島の中の行動は交通手段も無いので富士野園地へ続くサイクリングロードをてくてくと歩く。 途中で雨がふりはじめてきたのでポンチョを着る。 |
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富士野園地から見るポンモシリ島
富士野園地まで意外に遠く感じたが、7:51に到着。自然の作った海沿いの公園というところである。 遊歩道が整備されており、岬の高台から ポンモシリ島のかもめを見ながら写真を撮る。 観光客はまだひとりも出てきていない。 セルフタイマーで礼文島をバックに写真を撮って8:00出発。 そこから国道沿いに歩いて途中北海道のコンビニセイコマートでおにぎりと卵スープのもとを買って、8:42、鴛泊に到着。 |
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ペシ岬
フェリーの時間までもう少しあるので、すぐ近くのペン岬にあがる。 きのう甘露水のところですれ違った親子が頂上にいたので写真を撮ってあげる。聞くと東京から来たということだ。岬の山頂まで15分ほどかかったが、 ながめはすばらしくよかった。 10時の礼文島行きのフェリーに乗船。 前と同じように一番後ろの席に座ったが、となりの人の連れが立席だったのでかわってあげた。 甲板デッキのシートに荷物をおいて船内を散策。 売店で稚内牛乳を150円で買う。さすがは本場だ。 この牛乳コクがあっておいしい。 |
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ハートランドフェリーで鴛泊港より香深港へ
利尻島から礼文島まではフェリーで約40分。 天気が悪いのであまり景色を楽しむことはできなかった。フェリーの到着に接続して礼文島内を循環するバスが発車するので 急いで船をおりて10:50のバスに乗る。 運転手さんにあらかじめキャンプ場で降りるといっておいたので下車はスムーズにできた。 片道930円。やっぱり距離があるので、バス代もそこそこのお値段である。キャンプ場の受付に行って、宿泊申し込みに記入をする。 600円の入場料を払って久種湖の看板のそばでテントを張る。 寝袋や炊事道具など本日のハイキングに不要な荷物をテントの中においたまま再びバス停へ移動。
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礼文岳登山口
バス停がキャンプ場の目の前なので助かる。 12:08に南行バスの乗る。 内路という停留所に到着して、バス停に前の雑貨屋さんに立ち寄る。 記念のバッジを売っていたので、バッジを買って食料にポテチとあめを買っておばちゃんとしばらく話しこむ。 このあたりでは夏でもクーラーを使わないとかアツモリソウは少し前まで咲いていたがもう終わってしまったとか、京丹後市に息子がいるとか。この時期は観光客も多いはずだが、今日は天気が悪くて内路に立ち寄る人も少ないからかいろいろ世間話をしてしまう。
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見下ろす内路の集落
帰りのバスの時間も気になるのでおばちゃんに下山したらまた声をかけますといって別れて 13:05に裏山からレインスーツを着て出発。登り口には10台ほど車を停めるスペースがあるが、今日は2台しか停まっていない。 当然のことであるが、こんな時間から登りだす物好きもいない。 雨の中、たった一人の出発である。 登りからすぐは坊砂堤に沿ってゆっくり上がっていく。 集落の様子が眼下に見えた。 13:39に1Km経過地点のベンチで遅い昼食のおにぎりを食べる。 13:53発。
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礼文岳山頂
最後の登りは山頂が見えている状態で一歩一歩ハイマツの中を登っていく。 すれ違いで下山してきた団体のリーダーが、上は風が強いから帽子を飛ばされないようにと注意してくれる。 15:07礼文岳山頂到着。 風が強いが雲は飛んでしまって、島中の景色を見ることができる。 遠くにスコトン岬も見える。 風が強くてセルフタイマーで写真を撮るのに何度も失敗。 苦労させられる。
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起登臼との分岐
15:30山頂出発。くだりは慎重に、何度もすばらしい山容を振り返り見る。 16:18に廃道となっている起登臼との分岐。 以前はここからも道もあったらしいが、今は廃道で通行禁止だ。 写真を撮って休憩。ここまで来ると低木ではあるが林になっているので、風がしのげる。 16:25発。さすがに最北端の島で夏至の時期だからだろう。 16時半という時間をまったく感じさせない明るさである。よく踏まれた道を鼻歌混じりで下山。 |
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雨の久種湖キャンプ場
17:15登山口の到着。 おばちゃんに教えてもらったとおり、ぬかるみで汚れた靴を公衆便所の前に取り付けられている水道で洗う。 おばちゃんに無事下山したことを報告の挨拶をして17:37のバスに乗る。 帰りはバスを一つ手前の停留所である船泊本町で降りて商店街を歩く。今晩寄るつもりの銭湯「船泊湯」はすぐに見つかった。最初は誰も入っていなかったが、途中から近所のおじさんみたいな人も来た。 石鹸を忘れたのが失敗。 でも雨の中を登山したあとの風呂なので気持ちよかった。 20時にテントに帰り、それからライスをあたためて夕食のボンカレーと一緒に食べる。 酒を飲んでいい気分になって、明日の4時間コースのハイキングの道を地図で確認して22時前に就寝。
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スコトン岬 -4時間コースハイキング
翌6月21日(日)も天気は良くなかったが、日本最北端の岬といわれるスコトン岬までバスで行き、そこから4時間コースのハイキングをした。 ここが本当に海抜30mなのかと思うほど、たくさんの高山植物が咲き乱れていた。 途中ゴロタ山から海岸沿いは吹き飛ばされてしまうのではないかと思うほどに強風だったが、何とか全コース歩き通すことができた。 海の色は本州では考えられないほど澄んでいた。元地でうに丼を食べて翌日空路稚内から東京へ帰った。
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礼文岳、先輩のお薦めに従って登ってよかった。 北海道百名山に入っているが北海道にお住まいの人でもそんなにしょっちゅう来るということはないだろう。後日、勤務先の友人が「島のてっぺんから島を見る」という本をくれたがもちろん、この礼文岳はその筆頭に掲載されている山である。片道約4.5km。往路約2時間、復路約1時間半で登頂できることから気軽な登山コースとして親しまれているが、この標高で森林限界が見られるというのも魅力である。
(2013年4月 記) |
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