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つつじ山
つつじ山

基本情報
1 山名 つつじ山(つつじやま)
標高 879m(三等三角点)
山域 奥武蔵山地
都道府県 埼玉
位置 N35.58.01/ E139.11.10 
地図 昭文社 山と高原地図22「奥武蔵・秩父・武甲山岳」
2万5千分の1地図「正丸峠」
20万分の1地勢図「東京」
7 山岳区分 関東ふれあいの道 埼玉県12「グリーンラインに沿ったみち」
登山記録
山歩No 7S12-19014
登山日 2019年4月29日(月)
歩程  6時間20分
天候 晴れ時々曇り
形態 日帰り
アプローチ 西武鉄道秩父線吾野駅
パーティー 1人

2019年は改元の行事が行われるということになり、政府が通常祝日だった4月29日だけでなく、 5月1日を新天皇即位のための祝日にしてしまった。 そのために、間に挟まれた4月30(火)日と5月2日(木)も国民の祝日となり、ついに10連休というのが出来上がってしまった。 こんなに政府機関や金融機関の機能を停めてしまったよいのだろうかと個人的には不安になったが、遠出をする経済的にも精神的にも余裕がなかったので、とりあえず、近場で足慣らしだけはしようといつものフィールドの奥秩父に出かけることにした。

平成の終わり(4月28日の二重橋)

4月29日(月) 今日は昭和の日という祝日である。 昭和生まれの自分にとって、これは昔「天皇誕生日」と教わったが、平成になり、最初は「緑の日」と呼ばれ、そして「昭和の日」と名前が変わって祝日が残っている。 平成最後の山になる今回のハイキングを仕事や家の用事との関係で、この昭和の日にした。 この数週間前にNHKのドキュメンタリーで「トランス・アルパイン・ジャパン」を見た。 日本アルプスを富山から静岡まで8日間で走破する超人たち30人のレースを見て、歩くのが遅い自分は衝撃を受けた。 40年前に登山を始めたときに、山岳部の先輩たちからは、「山はゆっくり歩くのが鉄則だ。 決してオーバーペースになってはいけない」と教わってきた。 

西武線に乗って

 ところが時代は変わり、今では、トレランというのが大流行である。 足首を痛めないように深いキャラバンシューズや重い皮製の登山靴で歩いていた時代はもはや昭和の記録となり、奥多摩やこの奥秩父を走ることが一般的に行われるようになってきた。 友人で「ハセツネ」CUP(日本山岳耐久レース)に出場している人もいる。 昭和の終わりに会社の駅伝に出たこともあった自分だが、平成の30年間で、体重を8kmも増やしてしまい、もはや5㎞すら継続して走ることができなくなったしまった。 ただ、季節もよいので、登山靴ではなくジョギングシューズで関東ふれあいの道のこの最長コースを歩くことを決めた。


西武線吾野駅

朝7:00に最寄り駅から電車に乗って、飯能に8:33に到着。 そこから各駅停車の西武秩父行きに乗り換えて9:07に吾野駅に到着。 副都心線ができて以前は遠いと感じていた奥秩父の山が比較的身近になった気がする。 吾野駅前では写真を撮影して9:20に出発。 御岳山から伊豆ヶ岳方面に向かう人と顔振峠に向かう人と方向が真逆であるが、前者に行く人の方が少し人数が多いであろうか? トレランのスタイルのご夫婦に写真を撮るのにシャッターを押してあげる。 駅前には1軒茶店があり、登山届もポストに投函するところがあった。吾野の古い宿場町を抜けてそのまま東に川まで突き当たる。 ここから299号線を北に行くのだが、自分の持っている2009年のエアリアマップには吾野トンネルの記載がなかったので危うく道がわからなくなるところだった。地元の方に教えてもらい299号線を渡って北へ。 借宿神社に参拝をして長沢の集落を車道に沿って進む。 

顔振峠平九郎茶屋

 車道の脇にはきれいな水仙の群落がある。 登山道に入り、直進して10分も歩くと再び車道を横切る。 風影の集落に数件の家をあるのを横に見て階段を上るとそこが顔振峠の平九郎茶屋だった。 コースタイム65分のところを45分で来たのでまずまずというペースだろうか。前に顔振峠に来たときはマイカー登山だったので、そのときにビールを飲めなかったのだが今回は電車登山なので、まだ1時間目ではあるが、休憩して缶ビールを注文することにした。 茶屋のおかみさんが、ここで飲んでいくかと聞かれたのでYesと答えたら、つまみに大根ときゅうりの浅漬けを出してくれた。 天気は晴れ。 顔振峠の茶屋からの南の奥多摩山塊の眺めがよい。 三脚とセルフタイマーを使って峠の看板の前で写真を撮ろうとしたがサイクリングの人に阻まれて撮影できなかった。 10:20休憩を終えて出発。

傘杉峠

 出発してすぐまた、お墓の入り口に入って道を間違えた。 前回2012年の秋に来たときもここで間違えた。 引き返して、峠から車道を進む。 ここから花立松の峠までは以前歩いたことのあるコースである。車道に沿って傘杉峠を目指す。傘杉峠へ行く途中で気になるのが「ベラヴィスタ」というカフェである。どなたかがブログにチキンカレーがおいしいと記載している。眺めもよさそうである。 11時から営業開始なので今回も、パスすることにしたが、今度は昼食に寄ってみたいものである。ロードはゆっくり走ってみようということで軽くジョギング。一山超えてまた車道と合流したところが傘杉峠であった。 10:46. コースタイム40分のところを26分で来ている。 セルフタイマーを使って自分写真を撮影する。
 

花立松の峠を越えて痛恨のルートミス

 傘杉峠を出てから花立松の峠まで進む。 車道沿いのロードはそうでもないのだろうが、少し急な登りがある。 下りきったところが花立松の峠である。 実はここは黒山三滝からの林道と高山不動尊へ行く車道とが交差しているのだが、目指す関八州見晴台へのルートは稜線をたどる山道となる。 入口のところに関八州見晴台という札があったのだが、そこがあまりにルートの入り口っぽくなかったので見過ごしてしまった。 今回、自分の登山記録をYAMAPでログをとっていたので、しばらく歩いて、自分が関八州見晴台ではなく、高山不動尊の方へ歩いていることに気づき引き返す。 ロスタイム8分。 道標のところから山道に入る。 薄い踏みあとをたどり10分ほど進むと上から声が聞こえてきた。

関八州見晴台

 11:41関八州見晴台到着。 持ってきたおにぎりをひとつかじる。 山頂の標識の前でコース踏破の記録写真を撮る。 あとは山座同定。 ごつごつして山容の両神山はここからもわかりやすかった。 甲武信と雲取の方面も見えた。 来月行く予定にしている川苔山と御前山もきれいに見えた。 10分ほどの休憩で出発。 11:59再び先を急ぐ。  関八州見晴台から飯森峠までがコースタイム35分であるがまた走ったので21分で到着した。飯森峠からは大平尾根に沿って下る林道がある。 これは旧秩父往還だという記載がある。飯森山に至る道には5月11日に行われるトレランの大会(トレニックワールド)のためのマーキングが施してある。 ちなみにホームページでこの100㎞コースを見ると、ウェルサンピア越生を起点にときがわトレッキングコースから堂平山・白石峠・飯森峠まで一周するコースのようである。
 

つつじ山山頂

12:36ぶな峠通過。 ここからツツジ山までは標高差100mほどの登りとなる。 コースタイム35分のところをおよそ半分の18分でツツジ山までくる。 13:03、計画とほぼ同時刻に三角点のあるツツジ山登頂。 山頂で記念写真を撮影する。 このツツジ山はひっそりしていて登山者は誰もいなかった。 水を飲んで。持ってきた梅の実をかじる。 13:23ツツジ山出発。 下り切るとそこが刈場坂峠であった。 マイカーのひとやバイクのツーリング客が思い思いに景色を楽しんでいた。 地図にはりんどう茶屋というのがあることになっているが茶店のようなものはなかった。 りんどう茶屋は名物はこんにゃくといのししカレー、地場産の野菜も売っていたようであるが残念ながら2009年に取り壊されてしまったらしい。 今は、軽自動車でコーラやアイスクリームを売りに来ている車が停まっていた。

刈場坂峠で休憩

刈場坂峠を出てそこから稜線を進む。牛立久保を過ぎて、そこからは上り坂を進む。 今回のコースは後半のカバ岳(896m)が最高地点となる。 ゆっくりと登ってゆくコースである。 カバ岳まではあまり展望のない尾根筋を登るがそれもまた車道に沿って進むことになるので、確かにトレランなどのコースとしては非常時の対応なども安心といえるだろう。13:40カバ岳到着。 そこからほぼ平坦に樹林の中を進んで14:09に大野峠到着。 

大野峠で休憩

丸山方面から降りてくる登山客が何人かいる。 あずまやで休憩して、行動食のゼリーを食べる。 大野峠から白石峠までは車道沿いに進むコースと稜線伝いに進むコースとがあるようであるが、地図で見ると明らかに車道沿いに進むほうが距離の短縮になるように見えたので、関東ふれあいの道としては稜線のコースが正規のようではあったが、帰路のバスの時刻を考えると15時には白石峠を出たかったので安全に行くことにした。コースタイムよりは早く歩いているのでなんとか、間に合いそうである。

白石峠

大野峠からは車道に沿って歩く。 途中高篠峠では林道高篠線でときがわ町に行くルートとの分岐がある。 ここを北に歩く。地図の上では川木沢の頭というピークを経由することになり、少々登り返しを覚悟していたのだが、さほど急な登坂ではなかった。 最後に大きく東にカーブをして14:50白石峠に到着。車道が4方向交差している峠であり、ハイカーよりも、バイクのツーリストや自転車のヒルクライマーに人気の場所といえるだろう。 自分にとっては2012年1月の正月の登山が堂平山だった。 このときに下山に使ったのが、この白石峠から白石車庫までのルートである。 峠にはトイレとあずまやがある。 あずまやで水を飲んで行動食を食べる。 15時ちょうどに出発。 ここから白石車庫までのコースタイム1時間、バスの出発時刻は15:56なので決して余裕があるわけではないのだが。
 

イーグルバスで小川町へ

関東ふれあいの道の石の標識がほぼ最後のほうになっている中をつづら折りの坂道を下山する。 白石キャンプ場の前を通ってバス停へと向かう。 前回、堂平山に来たときにはこの白石キャンプ場の駐車場を使わせてもらった。 今回も3台ほど駐車中の車があった。民家のツツジがきれいに咲き誇っていた。 15:40に白石車庫のバス停に到着。 川向の観光トイレを使い、 バスに乗車。 バスの乗車率は50%くらいでほとんどが日帰りハイカーだった。 小川町までおよそ30分。小川町の駅前のコンビニで祝杯の缶チューハイを買って駅のホームへ行く。 小川町16:44発の急行池袋行きに乗り、途中森林公園で乗り換えて終点の池袋まで行き、 東武の改札から副都心線に乗り換えて、18:50に自宅へ帰った。

埼玉県の山は自分が少年時代に歩いた思い出の場所でもある。 学生時代は都内に住んでおり、今よりも東京と埼玉の西にそびえる奥多摩・奥秩父の山々へのアクセスはよかったので、年に数回これらの山を訪れるのを楽しみにしていた。 今や東武東上線が東京メトロ副都心線に乗り入れて神奈川県と一本でつながったので、遠い存在だった埼玉の山がまた自分にとって手の届くところになった。 山を走るという自分にとってのこれまでの常識を覆す行為はある意味一人で登る自分にとってはリスクを抱えるものになるし、はたしてこの先追及していけることなのかどうかまだ未知数であるがこの年で少し新たなチャレンジをしてみるのも悪くないかもしれない、と落ち葉でいっぱい入ってしまったジョギングシューズを見ながら思った。 、
(2019年5月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています