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二重滝
二重滝

基本情報
1 山名 二重滝(にじゅうのたき)
標高 760m
山域 丹沢山地
都道府県 神奈川
位置 N35.43.42/ E139.23.81 
地図 昭文社 山と高原地図28「丹沢」
2万5千分の1地図「大山」
20万分の1地勢図「東京」
7 山岳区分 関東ふれあいののみち 神奈川県コース16「大山参り蓑毛のみち」
登山記録
山歩No 7K16-20013
登山日 2020年5月24 日(日)
歩程 3時間30分
天候
形態 日帰り
アプローチ 小田急本線秦野駅から神奈川中央交通バス蓑毛
パーティー 1人

二重滝というパッとしないタイトルであるが、正真正銘関東ふれあいのみち 神奈川県コース16「大山参りと蓑毛のみち」の撮影スポットに指定されている場所である。 山域は丹沢で山としては大山になるのだが、今回大山山頂(1252m)へはたどり着いていない。 ここからさすがに標高500mほど低い場所では山頂に行ったことになるまい。 むしろ今回は山頂へ行かない散歩なのである。 新型コロナウイルス感染危機による緊急事態宣言が出されて47日間が経過した。県外に出られない日々が続いている。 神奈川県のホームページには「新型コロナウイルスをめぐる社会情勢を踏まえ、当面の間、登山自粛をお願いいたします。」を記載されているので、登山を伴わない「関東ふれあいのみち」を散歩することくらいが自分に許される最大限のことであろう。  


秦野駅から神奈川中央交通バス乗車

 前日23日土曜日には雨こそ降らなかったが、曇天であった。 夕方は晴れてきたので、翌日日曜日は晴天が期待された。 朝6:15起床。 家族を起こさないようにこっそりと家を出て6:50に最寄り駅から電車に乗る。 途中コンビニでおにぎりを2つ買って7:47に町田駅から急行に乗車して8:24に秦野駅に到着した。この1月にも秦野駅にやってきた。 このときは駅から歩いて弘法山のハイキングをした。 今回も関東ふれあいの道であるが、スタートでバスを利用する。 バスに乗るのはそれこそ1月に弘法山の帰りに坪ノ内から鶴巻温泉まで神奈川中央交通のバスに乗って以来ではないだろうか?
 

蓑毛バス停

 15分ほどの乗車で終点の蓑毛に到着した。 蓑毛までのバス道路で、トレイルランニングの恰好で走っている人を抜いていった。 この道路は結構の斜度があるがここを走って登るのは大変だろうななどと思った。 トイレをすませて準備運動。 そうこうしている間に先ほどのトレランの人があっさりとバス停を通過してヤビツ峠のほうへ走っていった。 


みのげマス釣りセンター

 蓑毛橋のたもとに、ヤビツ峠・日向薬師への方面の道標があるが、そこに「登山の自粛をお願いします。」という貼り紙があった。さらにクマ出没注意の貼り紙もある。  すぐあがった釣り堀に見おぼえたある。 そうだこれは2005年に家族で来た場所である。釣ったますは隣の蓑毛茶屋で調理してくれるのである。 時期が時期だけに、閑散とした様子だったがそれでも営業しているようで、小学生の子供を連れた親子が来ていた。
 

蓑毛越え

登り出しは植林されたスギ林の中の緩やかな道を進む。 9:11。 普通なら登山者の姿がちらほら見えそうな時間帯であるがやはり自粛のためかひっそりとしている。 5分ほど歩くと、黄色い看板があり「大山コース No13」とあった。 緊急時は現在地を知らせるためにこの番号を連絡するということであろう。 道標はしっかりと関東ふれあいの道のしるしがつけられている。 下社まで2.2㎞、日向薬師まで7.7㎞という標識あある。 道はいったん車道と交差して秦野無線中継所に入る車両の通行ルートを横切って進む。 9:35蓑毛越えに到着。 地元のソロの女性が休憩していた。 普段よくこのコースは歩くという。 今日は高取山を越えて降りるという。 せっかくなので三脚を出してセルフタイマーで写真を撮影した。


下社までの登山道ラン

下社までは傾斜の緩いのぼり降りが続き、ランを楽しむにはもってこいな道である。 とはいうものの、右側は結構切れていたりする箇所があるので要注意である。ロープが張ってあるところもある。10:00大山山頂へ行くかごや道との分岐。 下社まではあと0.1㎞と出ている。 

 

大山阿夫利神社下社

10:08大山阿夫利神社に到着。 大山は別名「あふり」山と言われていて常に雲や霧を生じて雨を降らすのでこの名前がついたという。 大山ケーブルが通じているので結構たくさんの人が上がってくるようである。神社の参拝をしたあと大山に登山する人もいるようである。 合格祈願天満宮と書いてある小さな社の前で記念写真を撮影する。 景色のよい石段のところでジェルで補給をする。 大山は江戸時代から大山詣りといって江戸から2-3日かけて参拝に来て帰りに江の島を行楽して帰るのが人気のコースだったらしい。


江の島方面の展望

 5月下旬には酒祭があるという。 阿夫利神社の御祭神の大山祇大神は別名を酒解(さけどけ)神といわれており、酒造の神として醸造の安全と酒類業界の隆盛発展を祈るらしい。 残念ながら今年はコロナ感染防止のため中止となってしまった。 石段を下りて関東ふれあいの道のランの再スタートである。 茶店の横から「二重社・二重滝・見晴らし台ハイキングコース」と書いた看板がある。少し奥まっているので、石段の上から降りてくるときは注意が必要である。 2人組のハイカーがそちらのほうへ行く準備をしていたが追い越してその登山道に入る。

二重滝

 10:26二重滝に到着。祠があって二重滝の縁起が記載されている。 「万物の生命の起源である水をつかさどる神」を祀っているという。 江戸時代には大工や左官がこのが滝で修行をしたとのことである。 YAMAPの記録ではこの滝を遡行して大山の山頂まで行った人がいたが、ちゃんとしたルートがあるようには見えなかった。 滝の入り口には竜の形をした銅製の細工があった。ここは関東ふれあいのみちのコース踏破証明撮影スポットであるが、三脚を置くような場所がなかったのでスマホで自撮りをした。 自分の顔をアップで撮影した写真を見るのはどうも気分がよくない。


見晴台

 見晴らし台までは少し登り道となる。見晴らし台の標高は750m。10:50にたどり着いた見晴らし台にはベンチがたくさんあり、多くの家族連れが弁当を食べていた。 まあ、コロナ感染防止のための自粛とはいえ、地元の秦野・伊勢原の方にとってはちょっとしたハイキングに手頃の場所だからやってくるのだろう。 小学生の子供たちに気20度で晴れの天気の下、家にいて本を読んだりゲームをしたりというだけではかわいそうである。自分も休憩して水を飲む。 ここから日向薬師までは4.2㎞である。 12:35のバスで帰ろうと思っていたが、まあ時間は十分ありそうである。 
。 

九十九曲を経て日向ふれあい学習センター

ここから道は道は九十九曲と呼ばれる下り道となる。 日向薬師のバス停までのコースタイムは1時間25分。 下り来たった登山口のところにやはり「登山の自粛をお願いします。」というポスターがあった。 見晴らし台に行くのもやはり登山になるのだろうか?車道のわきに日向ふれあい学習センターがあった。もともとは子供会などで宿泊にも使っていたようだが3年前から日帰り利用しかできなくなって、1年前についに閉館してしまったようである。1963年に建てられた施設という。 高度成長時代の歴史あるものがまたひとつ消えてしまったことが寂しい。

伝)大友皇子の墓

11:28、日向の文化財めぐりの看板がある。 「伝)大友皇子の墓」には寄ってみたいと思った。 雨降山石雲寺の境内には庭石がきれいに配置されていた。 もともとここにあった五層塔が 「伝)大友皇子の墓」なのである。 もともと、 五層塔は南北朝時代の初め(14世紀前半)のものなので壬申の乱(672年)で敗れた大友皇子の墓であることはないらしい。 ちなみに壬申の乱をWikepediaで調べたが、関東に大友皇子が落ちのびたという俗説はあるものの、それは千葉であってこの神奈川の丹沢のふもとという説はないようである。 浄発願寺を経て11:55に、日向薬師のバス停に到着する。 ここまで出発からちょうど3時間。 バスに乗って伊勢原まで出て電車で帰った。 帰りの電車に乗る前にコンビニでビールを買ったのは言うまでもない。

この手記を書いている5月25日(月)に安倍晋三総理大臣が緊急事態宣言の解除を発表した。 神奈川県の黒岩知事は「コロナウイルス感染症との闘いは、緊急事態宣言解除後も続きます。」とホームページに記載をしており感染症が流行する前と全く同じ生活には戻れないと考えられる。関東ふれあいの道を歩くと神奈川の隠れた自然や名刹と触れ合うことができる。 地元の山を知るよい機会なのかもしれない。

(2020年5月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています