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高麗山・浅間山
高麗山・浅間山

基本情報
1 山名 高麗山・浅間山(関東ふれあいの道―神奈川県「大磯・高麗山のみち」)
標高 181m (浅間山)
山域 相模丘陵
都道府県 神奈川県
位置 N35.19.22/ E139.19.15 (高麗山)
地図 昭文社 山と高原地図「-」
2万5千分の1地図「平塚」
20万分の1地勢図「横須賀」
7 山岳区分 関東ふれあいの道
登山記録
山歩No 7K07-11036
登山日 2011年12月31 日(土)
歩程 2時間30分
天候 晴れ
形態 日帰り
アプローチ JR東海道線平塚駅南口より湘南神奈バス「西海岸」下車
パーティー 2人

2011年12月31日(土)暮れも押し迫った本当の本年最後という日に、歩き納めの「関東ふれあいの道(神奈川県)」をひとつやろうという気になった。過去には、これはどちらかというと新年の行事で、明日から仕事という3ヶ日の最終日に出かけることが多かったのだが、どうしても鎌倉方面には初詣の人、おまけに箱根駅伝の観戦ファンというように、人々が湘南方面にでかけがちである。 また、年末年始の天気予報では大晦日は穏やかであるものの、元日には天気が崩れ2日と3日は冬型が強まって寒いとのこと。 で、あればと、いつ始まっていつ終わるかわからない大掃除をやめて、思い切って出かけることにした。

JR平塚駅ーバス「西海岸」

10:12横浜から東海道線に乗って、平塚まで行く。 平塚駅に着いたとき、ちょうど48分の湘南神奈中央バスの西海岸行きが行ってしまったので、いったん駅ビルのスーパーで食料の買い物をして、11:12のバスに乗って西海岸まで行った。 バス停は「西海岸」という名前であったが、決して海岸沿いではない。前のバスに乗って下花水橋でおりても大して影響はなかった。 バスを降りて橋を渡り、その橋の下をくぐるようにして回って花水川を上手に向かって進む。 目指す高麗山が北西に見えている。うかつなことにバスの中に帽子を忘れたことに気づくがもうどうしようもないので、あきらめて歩くことにする。 11:39にJRの線路の地下歩道を越える。 そこからはJRの線の北側を西に向かって少し歩く。

高来神社

国道1号線を横断したあと民家の中を通って高来神社に入る。このあたりは豪邸が多い。 大晦日だということもあり、家主は念入りに掃除をしていらっしゃる。 道沿いに高来第二公園に入ってしまったが、、よく見ると公演の裏手の樹林から山に上がる遊歩道である高麗山県民の森がつながっている。 すぐに分岐があって、高来神社から登ったときに男坂を通ったルートだとこちらを登ることになるのだとわかった。 関東ふれあいの道を忠実に進むべく、男坂ルートは通らずに、いったん、東側の高来神社まで下る。 氏子の中高年男性が数名、飾りつけと今夜の初詣対応の段取りの打ち合わせをしていた。 神社の本殿をバックに一枚シャッターを押してもらう。 その人は息子さんにデジカメをもらったといって見せてくれた。 Cyber-Shotのまだきれいなものだった。 数枚撮影すると、メモリーがいっぱいですという表示が出るので困っているということだったので、メモリスティックを買うことをお勧めしておいた。

県民の森

12:07に分岐を分かれて関東ふれあいも道の正規コースである女坂方面の斜面を上がっていく。 やがて、道は二つに別れ、右手に行くと東天照と書いてあった。 道標によればそこまでわずか250mということだったので、こちらを上がってみることにした。 メインのルートよりも少し整備がされていない道であったが、急登を一気にあがり、12:23に東天照にたどりついて休憩をする。 ここが高麗山の最も東の展望台だということだった。とりたてて展望がすごいわけではないが、ベンチがあって自然観察路の中のひとつの休憩の場所という感じだ。 

高麗山(168m)

12:26出発。 そこからは稜線をたどって、大堂を目指す。 大堂には男坂からやってきた道と合流し、石段を10段ほどあがったところにひっそりとあった。 あまり最高峰というイメージはなく。 ベンチと祠がある以外はとりたてて特徴もなかった。 ここはまだ最高峰ではないので、浅間山方面まで昼食はとらずに歩くことにした。険しい岩稜をわたって下ると12:50八俵山に到着。 そこはこれから進む西方面の見晴らしがよくなっている。 やがて道は、ゆるやかな稜線の起伏となり前方に浅間山が見えてくる。 頂上に目立つものはないが、その先の湘南平に大きなテレビ塔がたっているので、その手前の最高峰はいやでもわかる。  

浅間山(181m)

登りの途中には広場があってベンチがいくつもおいてあった。 おそらく、近隣の小学生が遠足できたときなど、ここで集合・弁当にするのだろうなと勝手に想像した。 登りの途中に水仙の群落が ある。 立て札には、彼岸花の群生地と書いてある。なるほど、彼岸花の咲く時季は限られているので、この冬場は水仙の花で目を楽しませてくれるのだ。 12:56に浅間山に到着。北側に平塚市の北部、小田原厚木道路の方向の町が見えた。 ここは一等三角点もありこのコースの最高地点でもある。山頂の看板によると、江戸時代に、富士山が信仰登山の憧れであったが、日数もお金もかかる富士登山には庶民は簡単には行けなかったので、近所の高みを富士登山の代わりの山頂として社を作って祭ったということだ。  13:10まで、三角点をバックに写真を撮ったりして、それから湘南平に向けて出発する。

湘南平(千畳敷)テレビ塔

 13:15前の登山者の方のあとをついて、湘南平への登り道を上がる。 上がりきるとテレビ塔に係員が何人かカメラリハをやっていうのを見ることができた。 大きな車が数台停車しており自家発電機をまわす音がしていた。 車の横のロゴを見ると日本テレビだった。 海の見えるベンチまでいって、 そこで昼食。 発泡酒をひとつ飲んで、気分がよくなる。 電車で来るハイキングはこれも楽しみの一つでもある。 お湯が沸いてからはカップ焼きそばUFOを食べる。 
昼食でひとしきり心地ついてから、テレビ塔に上がってみる。ここは2階部分までは一般人も上がることができる。 回廊になったところでは大山をバックに写真を撮った。日テレのカメラマンが数人、一般人が入れな4階部分に大きな望遠レンズをつけたカメラをまわして、2日後の箱根駅伝の中継のリハーサルをしていた。なるほど、眼下はちょうど3区と4区の平塚中継所になるのでたすきをわたすところだ。テレビ局のかたがたも年末年始は返上である。 ご苦労様。展望台の上からテレビ塔をバックに写真を撮る。 丹沢の大山がきれいに見えた。 

小淘綾の浜

 湘南平を後にして、下山する。 結構切り立った谷あい筋まで住宅が通じているので人里はなれてれているという感じはなかった。 やがて15分ほど下ると道は大磯の町までつながっている。最後JRの鉄道線路を地下道でわたり、15時ちょうどに大磯駅の南側に近いところに出る。 近隣地図を見ると島崎藤村の暮らした家あるようなので行ってみることにする。 公園のようになっていてどれが家屋なのかあまり判然としなかった。 大磯中学の前をとおり、それから西湘バイパスにぶちあたる。ここは自動車専用道路なので、人は立ち入り禁止である。 道路の下をくぐるトンネルを通ると。、もうそこは「小淘綾(こゆるぎ)の浜」になっていた。 しばらく海岸沿いを歩くことにする。石が波でうちあげられている部分が自然の舗道のようになっていたので、そこを選んで歩く。犬の散歩をしている人もいる。 きっと近所の人なのだろう。西側が正面になるが、箱根の山がドーンと大きく見える。 標高1400mあるのだから、山頂まであがるわけではないものの駅伝の選手も大変である。

旧 吉田茂邸宅

 2kmほど海岸を歩いた後、自転車道路に戻る。眼下には西湘バイパスをビュンビュン飛ばしている車が見える。 やがて道標に、「吉田邸まで1.0km」と表示が出る。 この自転車遊歩道は車が入ってくる恐れがなくて安全だし、今日みたいな普通に寒くて皆が忙しい日には自転車をこぐ人もなく、ゆったりと歩くことができたが、 犬の散歩をしている人どうしがすれ違うときは犬 同士が吼えあって大変だった。 自転車道路は、やがて川の前でぐるっと右に曲がっていく。 終点には小さな駐車場があり、海岸に遊びに来ている人たちもののと思われる車が何台か停まっていた。 右手に吉田茂の邸宅がある。解説によると、「政治家・吉田茂(1878~1967年)が、晩年まで住んだ邸宅で明治時代に養父が神奈川県大磯町に建てた別荘を、戦後、和風住宅に建てかえたもの。没後、西武鉄道に買いとられ、大磯プリンスホテル別館として利用されていた。近年、西武は経営難から売却先を探していたが、地元住民から保存運動が広がり、2012年からは神奈川県の管理下、県立公園として一般公開されることが決まっていた。その矢先の09年3月22日、漏電が原因とみられる火災によって、総ひのき造りの本邸が全焼。数多くの歴史的調度品や家財道具も灰となった。」とある。   2009年の3月に火事で消失してしまったので、塀の外から覗いた限りでは、工事現場のような状態になっていた。 。 

県立大磯城山公園

道はやがて1号線と合流。 少し東へ行くと、三叉路になっており、その間に、県立大磯城山公園がある。ここが関東ふれあいの道の「大磯・高麗山のみち」の終点である。 やれやれ、コースガイドとおりの出発点から、無事7.6kmを歩くことができた。 (ちなみにコースガイドは2時間30分の所要時間となっているが、まあ、休憩と昼食を入れて4時間弱である。 駐車場は5時で閉鎖となっていたが、まだ時間は4時前
。 ただ大晦日ということもあり、駐車料金が無料となっていたにもかかわらず、さほど車は停まっていなかった。 トイレの横の階段を上がり公園の中に入ってみる。旧三井財閥別邸 跡を利用した日本情緒あふれる公園である。茶室「城山庵」まで行ってみたかったが、すこし遠かったので途中で引き返す。 展望台まであがって、箱根の山と、海を見ながら写真を撮る。

JR大磯駅

公園の中はそこそこ広く、季節のいい時期があればここだけに散歩に来ても十分に自然を楽しむことができる。 16:15にバスに乗車。バスはいわゆる旧東海道の1号線を通って、大磯駅へと向かう。 1号線のバイパスとして西湘バイパスのほうが交通量が多くなってしまったが、こちらの片側二車線の道が歴史的にも由緒ある道だ。 バス停に今も統監道前とあり、これは大磯に住んでいた伊藤博文が朝鮮統監をしたことからつけられた道路の名らしい。 バスは10分ほどの乗車で大磯駅に到着した。そこから一両あたり10名程度しか乗客のいない東海道線に乗って横浜へ帰った


去年、大楠山と佐島のみちを歩いたが、こちらも丘陵歩きと海岸歩きとの両方を楽しむことができた。 今回のコースも同じように山に登って、海を見て、そして実際に海岸沿いを歩くという風流な景色を見ることができた。 自分の住む神奈川県、日本の中でも面積は43位と、ちいさいほうから5番目であるが、それでもこんな豊かな自然をもっているのだとあらためて感心した。 海岸から正面に見えた箱根の山も、暖かくなったらまたハイキングに出かけてみようと思った。 関東ふれあいの道は、この続きは箱根方面に伸びるのではなく、ここから「鷹取山・里のみち」となって北に向かって秦野方面へいく。 後日談であるが、この記録をつけているのが年もあけた1月3日で、本日も駅伝の模様をラジオで聴いた。 東洋大学の総合優勝。 おめでとうございます。
(2012年1月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています