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富谷山
富谷山

基本情報
1 山名 富谷山(とみやさん)
標高 365m (三等三角点)
山域 筑波山地
都道府県 茨城
位置 N36.23.18/ E140.06.17 
地図 2万5千分の1地図「岩瀬」
20万分の1地勢図「水戸」
7 山岳区分 関東ふれあいの道 茨城県6「観音様を訪れるみち」
登山記録
山歩No 7I06-18003
登山日 2018年1月21(日)
歩程 3時間50分
天候 快晴
形態 日帰り
アプローチ 北関東自動車道桜川筑西ICより国道50号
パーティー 2人

2018年の歩き初めは関東ふれあいの道の茨城県コースにした。 4年前のほぼ同じ時期に、雨引山を歩いた。 今回はその続きのコースとなる。 場所は茨城県の桜川市で関東ふれあいの道の「観音様を訪ねる道」となる。 旧飯田局バス停スタートで富谷観音・富谷山展望台を経て旧虎丸バス停に至る6.4Kmのコースである。富谷山の好天時には富士山も見ることができ、国土交通省関東地方整備局の選定による「関東の富士見100景」に選ばれている。

桜川市総合運動公園

 1月21日(日)朝8:30に家を出発。 首都高を走り常磐道を北に向かう。途中美野里PAで朝食代わりに肉まんを買って食べる。 友部ジャンクションから北関東自動車道に入り、約15分走って桜川筑西ICで降りる。 車を停めるのは前回と同じ岩瀬総合体育館ラスカである。 ここは本当に整った設備である。準備をして11:06歩き出し。 天気は快晴。 気温も決して低くない。 最高気温の予想は12度なのでこの時期としては暖かいほうである。

雨引山遠景

 今回のコースは旧飯田局バス停スタートで旧虎丸バス停ゴールとなっているが、この通り歩けば6.4㎞の2時間であるが、残念ながらどちらのバス停に着く路線バスも廃線となっておりアプローチも歩くしかない。 総合運動公園からしばらく東に車道を歩く。 田畑の向こう側には4年前に登った雨引山がきれいに見えている。 湾曲した車道を進んでいた時に後ろから自転車の女子中学生が「こんにちはー」と大きな声であいさつをしてくれた。 のどかないい景色の町である。

飯田小学校前忠魂碑

地図に従うと、香取神社を過ぎて介護老人施設「さざんか荘」の前から飯田南へ出るルートがあるように見える。 さざんか荘の前を北上して進むと道がずいぶんぬかるんできた。 桜川ファームという牧場の敷地の中に入る。 作業をしていた人からどこへ進もうとしているのかと聞かれて、この先の飯田まで行こうと思っていると伝えたところ、倒木で歩きにくいからよしたほうがよいといわれる。少し遠回りになるが、迂回して車道を行くことにする。

旧飯田局前---コーススタート地点

 片倉コープアグリの工場の前を通り県道257号を北に。 北東に剣道289号を進み、飯田小学校の前までくる。 ここにはスクールバスのバス停があった。 路線バスは廃止になってしまっているがさすがにスクールバスは運行しないと子供たちは学校には通えない。小学校の前には大きな忠魂碑がある。 ここから県道は少し下り坂となる。 真岡方面に行く県道257号線を分けて交番の先に、今回の「観音様を訪ねるみち」の起点となる旧飯田局のバス停あとがある。 バス停はもちろん形もない。 おそらくガソリンスタンドになっているところが以前は郵便局だったのだろうか? 民家の前に「関東ふれあいの道」のスタート地点のサインがある。


富谷林道へ仏頂山をバックに

 旧飯田局は少し西に移り、今は北那珂局として郵便局が存在している。 この郵便局の横を抜けて田の中を歩いて川ぞいを進む。バックにはこのコースの次の「自然を歩くみち」で縦走することになる高峰や仏頂山が見える。 橋を渡って動物病院の前から丘陵地帯に取り付く。 上り坂を少し上がると道は左に折れて西に進む。岩瀬桜川CCはまっすぐの方向であるが途中で舗装してある林道に入る。 関東ふれあいの道はこの林道に沿って富谷山の南面を巻いていくコースとなる。時刻はもう12:26である。 昼食はどこでとろうか迷う。 

関東ふれあいの道林道中間地点

 途中、「ゴミ捨て見てるぞ」という立て札がある。 心無い不法投棄が行われることが多いのであろう。 まわりに監視カメラでも取り付けてあるのかと思い、見渡してみるがそれらしきものはない。12:56、西に進む林道の木々の間から富谷山の山頂と思しき山が見える。 12:58に関東ふれあいの道の道標がある場所に到着した。 南飯田から2.3㎞で富谷観音まで3.3㎞なのでまだ半分来ていないということになる。道路は南面の日の当たる林を過ぎてやがてゆっくりと下り坂になってきた。 道は人家のほうに降りることになる。 


保育園裏手に下山

 道路が開けると保育園の裏庭にあたる場所に出た。 緑色の屋根のきれいな建物である。 また少し標高の高い場所になるので眺めは悪くない。 こんな保育園に通ったこどもは心済んだ人に育つのではないだろうかと勝手に考えた。13:22保育園の前の道を南に5分ほど歩くと東西の道路が現れた。 富谷牛乳の会社の前から県道富谷稲田線を西に進んで関東ふれあいの道は続く。途中の大雲禅寺の山門は建て替えられたものであろうが朱塗りで立派なものであった。 境内を少し歩いてそれからいよいよ富谷観音のある小山寺を目指す。 


富谷観音参道

 富谷観音への北へ向かう道のつきあたりが階段になっていた。 そこよりも西に車道があるようであるが、階段を上って、いにしえの参拝客と同じ気持ちで山を登る。 かなり長い階段であるが息を切らして登り切ると山門があった。 富谷観音は天平7年(735年)に聖武天皇の勅願により、行基を開基として創立されたと伝えられている。開運・安産・子育てに御利益がある三重の塔は国の重要文化財に指定されているという。ただし三重の塔の横には「国指定重要文化財」という札が貼ってあるが、隣の看板には「茨城県指定重要文化財」と記載されている。 

富谷観音三重塔

 本堂は朱塗りの立派なつくりで本尊は木造の十一量観音座像である。 あとその他に彫刻では木造の釈迦涅槃像がある。どちらも見ることはできなかったがこれはそれぞれ茨城県・桜川市の重要文化財に指定されているようだ。 本堂の東に弁財天が祀られているが、池には水はなかった。 冬場だからないのか夏場でもないのかはよくわからない。 裏手から踏みあとをたどって富谷山の山頂まで行ってみようとしたが、その位置の高度が270m、富谷山の山頂までまだ標高差で100mほどあるようだったので時間の制約から行くのはやめた。 分県登山ガイド茨城県の山によれば「側面の採石が進み、本当に山がなくなるのでは・・・・・・と心配されるからである。」とされている。

展望台

 再び寺まで降りてきて今度は三重塔の横から寺の通用門を通って車道に出る。 車道の先には駐車場があるようでマイカーでもこの寺に参拝できるようになっているようだ。 駐車場に至る手前の車道を上に上がると展望台へ行きつく。 「富谷ふれあいの森」という名前で自然公園になっている。 展望台は高さ20mほどの鉄製のもの。 らせん階段を上がってみるとなるほど良い眺めである。 筑波山や加波山が南にきれいに見える。 14:30遅くなったが他に展望台に上がってくる人もいないのをよいことに店を広げて遅い昼食とした。 湯をわかしてアルファ米に入れてラーメンも作る。 冬場ということもありそろそろ西日になっているが、常総の山の眺めを楽しんだ。


虎丸橋---ゴール

帰りは再び富谷観音の参道の階段を下りてゆく。 ゴム工場の前の坂道をゆっくり下り能福寺の前の道を東に折れながら進むと県道41号線に合流。 川にかかる橋が旧虎丸バス停のあった関東ふれあいの道「観音様を訪ねる道」の終着点であった。 関東ふれあいの道の案内標識の前でゴールの写真を撮影。 田んぼから見る富谷山は登った展望台からはずっと東に稜線が続いており山頂部分までは結構距離があるように見えた。 10分ほど歩いて16:05に出発点の桜川総合運動公園に到着。 帰りはさほど渋滞していない常磐道を1時間半、少し渋滞している首都高を1時間運転して19時前に自宅に帰りついた。  


 ハイキングブームであるとはいうものの、この時期はやはりシーズンオフということもあるだろう。 また、往路・復路ともにアプローチのバスがなくなってしまっていることもあり、関東ふれあいの道としてのコースの人気が減少せざるをえないのではないだろうか。 結局、今回はマイカー利用の周遊にしたが、本来7㎞くらい2時間のコースがほぼ倍の時間を消費することになってしまう。 行政のPRも期待したいところである。 
(2018年2月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています