日本山歩日記 本文へジャンプ
太平山・晃石山
太平山・晃石山

基本情報
1 山名 太平山・晃石山(おおひらさん・てるいしさん)
標高 419m(一等三角点) 晃石山
山域 足尾山地
都道府県 栃木
位置 N36.21.37/ E139.40.31 
地図 2万5千分の1地図「栃木」
20万分の1地勢図「宇都宮」
7 山岳区分 関東百名山、関東ふれあいのみち 栃木県コース25「稜線をたどるみち」
登山記録
山歩No 7H25-21031
登山日 2021年12月29日(水)
歩程 6時間00分
天候
形態 日帰り
アプローチ 東武日光線栃木駅
パーティー 1人

 高校時代の友人が12月の中旬に晃石山に登り山頂で写真を撮影してFacebookにアップしていた。自分がまだ行っていない関東百名山だったので刺激を受けて早速自分も行ってみることにする。 関東ふれあいのみちの栃木県コース25「稜線をたどるみち」がJR・東武鉄道の栃木駅からJR岩船駅までの15.2kmのコースでちょうどこの2つの山を通る行程になっている。しかし岩舟駅におりてそこから両毛線で栃木に出てるJRの時刻表が1時間に1本の運転であることがわかり、どうせ東武鉄道で帰るなら、静和駅までランニングで行くことを考える。 Stravaの月間チャレンジの中の12月のハーフマラソンがまだ未達成だったので走る距離が21.2㎞に到達することを期待しつつお気に入りのトレイルランニングシューズ Caldorado3を履いて出かける。


半蔵門線に乗車 東武動物公園乗換 南栗橋

 横浜を始発電車に乗って半蔵門線で東武動物公園まで行く。 そこから東武日光線に乗り換えて南栗橋まで。 この駅は以前、やはり関東ふれあいのみちの栃木県コースを歩いたときに来たところである。南栗橋から、宇都宮行きの電車に乗車する。 

栃木駅

 栃木駅到着7:56。 今日のスタート地点はここである。ハンディGPSをONにし、スマートフォンのアプリはTATTAとYAMAPとStravaと3つを起動させる。 今日は結構スマホバッテリーを消費するのではないだろうか? 音楽も聴くつもりで先日購入したSPITZのアルバムもスマートフォンに入れてきた。予備のバッテリーチャージャーを2つリュックに忍ばせている。


関東ふれあいのみちの標識

 駅の北口を出て関東ふれあいのみちの看板を確認して8:20スタート。 駅から北に進む。最初の立ち寄りポイントは錦着山公園。慰霊塔が遠くから見えるので見間違うことはなかった。 栃木女子高のグラウンドの裏手を通り、最初は小さい用水沿いに走っていくが、途中で栃木バイパスに出てそのまま北に進。 ワークマンの駐車場を横切るときに、段差に躓いて思い切り転んでしまった。 駐車場にいた女性が思わず駆け寄って「大丈夫ですか?」と聞くほどの転び方であったので、瞬間、今日はもう完走はできないかと思ったが、両手をついたところもしっかり手袋をしており、しこたま打ったと思ったひざもさほど外傷があるようにも思えなかった。駐車場にいた50代くらいの女性はご友人とこの場所で車で待ち合わせしていたようでご友人も心配してのぞき込んでくれたが、丁重にお礼を言って起き上がる。 しこたまぶつけたひざに痛みはあるが走れないほどではない。

錦着山公園

 準備運動の不足なのであろう。 以前も走り出しで転んだことがあった。 そのときはひどくすりむいた。 無理をせず様子を見ながら進むしかない。 錦着山までは駐車場の裏手からすぐ遊歩道が続いている。 思ったよりも標高を上げていくようだ。途中で慰霊塔をまわるように進む道の北側が開けた展望台に来た時には息をのんだ。 男体山や日光白根山といった連峰の山々が雪をかぶった山が見事に見えた。 さすがは栃木だ。 あの名山がこんなに近く見えるのだ。


目指す太平山

 セルフタイマーで山の写真を撮影したあと、慰霊塔の周りをまわる。三等三角点錦着山、80.45mがある。  神社の社を過ぎて、小根澤翁之像の向こうに目指す太平山が見える。 決して高くて厳しい山という印象は持たないがこれから登る山が見えるというのはやはり緊張感を引き起こすものである。 錦着山からゆるやかな下りで下山。 上人橋を渡って永野川を超える。 分譲住宅の横を通って、YAMAPの地図を頼りに関東ふれあいのみちの起点へと向かう。 

筑波山の景色

 9:09 栃木県立農業高校のグラウンドの裏手から、登山道に入る。 駐車場と記載のある敷地の横を過ぎて林道を進んでいくとやがて登山道の入り口となる。 響きの森コンサート会場入り口と記載があるところから車道に合流。車道を横断して再び登山道へ。 高慶大師像を回り込んでいったところに太平山神社があった。 9:46到着。 東の方角には筑波山が良く見える。


太平山神社

 太平山神社は827年創建。瓊瓊杵命(ににぎのみこと)、天照皇大御神(あまてらすおおみかみ)、豊受姫大神(とようけひめのおおかみ)をはじめ、多くの神様をお祀りするという。 中腹には太平山神社の本殿があり、なかなか見事なつくりである。早速お参りをする、年末年始には初詣客で賑わい、商売の神様が祭られているので商売の人は良く訪れる。また、女の神様なのでカップルでいくと別れるという噂がある。 今回ひとりで来ているのでなんの心配もなく健康と商売繁盛のお参りをする。 年始には相当混雑が予想されるが、年末なのでほぼ参拝客はおらず2-3名が境内にいるだけの静かな様子である。


太平山神社奥宮

 神社の裏手から奥宮入口へ通じている石段がある。徒歩5分と記載がある。 浅間山・晃石山方面もこの石段を上がっていくようである。 少し険しい石段だったが登りきると普通の登山道となりちょうど5分後の9:56に太平山神社奥宮に到着した。 小さな石の祠があり、お参りする。 太平山の山頂はさらに少し先である。 10:02結構急な石段を登りきると富士浅間神社と書かれた札がありこちらは木造のお堂があった。 裏に舞わって一番小高くなっているところが太平山山頂であった。 

太平山山頂

 太平山(おおひらさん)は、標高341メートル。太平山は「太」と書くのに対し旧大平町(現在の栃木市大平地域)は「大」と書く。これは、旧大平村が合併発足した際に、画数が4である「太」の字を忌避したためと言われている。太平山城跡でもあるらしい。 山頂標識は大きな杉の木にうつつけてあった。 まわりの展望はない。 セルフタイマーを使って写真を撮影する。

 

ぐみの木峠を過ぎて

 給水休憩をしてさらに先の晃石山を目指す。ぐみの木峠の手前で林道と合流するがパラボラ鉄塔のある作業道は通行止めとなっていて併行する登山道を進まなければいけない。 30分ほど歩いたところで、展望の良い稜線に出た。 ここから筑波山が雲海に浮かんでいる様子を見ることができた。 まるで海に浮かぶ島のようである。 昔、利尻島に行ったときに、船が島に近づくにつれて利尻岳が大きく見えていく光景があったがなぜかその時のことを思い出させるような筑波山の眺めであった。 南東の方角には栃木の市内を一望することができた。

駒形石

10:35、 駒形石という岩の横を通過する。 駒の爪と解説がある道標があるが、確かに石に馬の爪あとが残されているようにも見える。 10:41に登山道が二股に分かれて右に行けば晃石山、左に行けば晃石神社とある。 今回は晃石神社で関東ふれあいのみちの踏破証明写真を撮影する必要があるので、山頂へ直接行かずに晃石神社へ行く左手のコースをとる。ほぼフラットなルートを進んでいくが、何人かのハイカーの方にすれ違う。やはり町に近い低山ということで本日は平日であるが山に入っている人も結構いるようである。


晃石神社

10:46、晃石神社に到着。 木造の本殿があるが、太平山神社と比べると小さなつくりである。 確かにここは車道が来ているわけでもないので大きな構造物などを造作することができない場所なのであろう。 鏡石という平らな石があったので、すこしばちあたりであるがそこに三脚をセットさせてもらい、セルフタイマーで人物入りの証拠写真を撮影する。


晃石山山頂

 お参りをして、晃石山の山頂を目指す。 10:55に山頂到着。 山頂には一等三角点がある。 木にくくりつけられた晃石山の山頂標識には、そこからの北方向に開けた展望の山座同定が記載されていた。右手から那須連邦、 女峰山・子真名子山・男体山そして日光白根山と日光連山の山々、さらに山脈を少し隔てて皇海山・錫ヶ岳・袈裟丸山と自分がこの20年ほどで登った山がたくさん見えた。 さらに左手には赤城山の黒檜山、そしてその裏に真っ白な雪をかぶった谷川連峰も眺めることができた。 今日は雪雲がかかっていないせいでこれらの関東・東北・甲信越を境とする東日本の数多い山が一望できた。 南西に目を向けると奥秩父のなだらかな峰の向こうにうっすらと富士山が見えた。

山頂の祠

 360度のパノラマ動画を撮影し、山頂にいたハイカーの方にシャッターを押してもらって、男体山方面をバックに自分の登頂写真を撮る。 高校の同級生2人がここで写真を撮っていたその同じ場所である。撮影タイムが一巡するとベンチに腰をかけてカロリーメイトを食べて補給する。 ここまで約3時間走ってきたので結構なエネルギーを消費した。 カロリーメイトはまるまる一本分を食べてしまう。

青入山から見る浅間山

11:10、縦走路をさらに西へ進む。先ほどの晃石神社まで降りてそこから馬不入山方面へと道をとる。 いったん鞍部まで降りて登り返したところが青入山であった。 今度、こちらのピークは西に開けていて、さきほどの晃石山山頂では木の陰になっていた浅間山がきれいに見えた。標高が高いので目立つ山である。 南アルプスのほうは雲に隠れているようで見ることはできなかった。


桜峠

 急な階段を下り11:32に桜峠に到着。 小荷田集落の清水寺から40分ほどで上がってこれるルートなので、この峠には、数名の登山者の方がいた。 トレイルランニングの姿の人もいた。 短パンなので寒そうではあったが頑張っている様子。 颯爽と階段を青入山方面にあがっていった。 桜峠から先はアップダウンを繰り返す道となる。 若いカップルのトレイルランニング練習中の2人が、すさまじい勢いで私のことを追い抜いていって、見る見るうちに姿が見えなくなった。 どうすればあんなスピードで山道を行けるのであろうか?


馬不入山

 11:55、本日最後のピークである馬不入山へ到着。 うまいらずさんと呼ぶようである。 標高345m。 馬も入れぬほどの急傾斜ということである。 確かにここからの下りはこれまでの縦走コースとは違い、足元をとられないようにしながらしっかりと下るコースとなった。 標高差300mほどを一気に下り、一度車道を横切る。 12:23関東ふれあいのみちの石の標識がある登山口に到着。 岩舟駅へはここから2.1㎞とある。トレランカップルはさらに西の大明神山へ進んでいった。 私にはそんな余裕は到底ない。


岩船山

 途中で鷺神社があるが立ち寄らずに素通りする。 さらに車道を進むとため池があり、たくさんの人が釣りを楽しんでいた。 西の方角には岩船山(標高172m)が見えている。 奇岩がなかなかの景観である。 群馬の荒船山と少し山容が似ているかななどと思う。 岩舟駅まで2㎞ほどのロードを走り駅に到着。 トイレを使う。 両毛線は1時間に1本しか本数がないので、ここで終点にせずに東武鉄道の静和駅まで残り3㎞ほどを走ることにする。


途中のコンビニ

 岩舟駅から静和駅までは県道57号岩舟小山線を走ることになる。ある意味で今回コース最大の難所といえる。 その意味は、大きな車道を走って車にはねられないように注意ということである。 岩舟駅もそうだが、終点の静和駅も駅前にコンビニが存在するわけではない。 そこで、Googleを使って静和駅に一番近いルート上のコンビニを調べるとセブンイレブンの岩舟泉店が出てきた。 ここに立ち寄り、サンドイッチと明太子バスタサラダ、それからビールと缶チューハイを1本ずつ買う。 しっかりと補給食料をゲットして、レジ袋を手に持ったまま残り1.4㎞駅までの道を走る。


終点 静和駅

 13:24、静和駅到着。 13:41に上りの南栗橋行きの電車が来るのでちょうどよいな、などと思いながらスマートフォンのStravaアプリを開いてみた。なんと当初の計算ではここまで走って21㎞を超えているはずだったが、まだ記録が20.3㎞にしか届いていなかった。 12月のハーフマラソンチャレンジというのにStravaアプリ上でエントリーしているので、なんとか今回のトレーニングでその記録をクリアしたい。そこで、電車の時刻まであと10分ほどあるので、駅のまわりを少し追加で走ることにした。 缶ビールを開けてしまったので、飲みながらのウイニングラン。 約0.9kを無理やり詰め込んで今月の目標をクリアした。 南栗橋から都心へ向かう半蔵門線直通電車で爆睡して帰ったことはいうまでもない。


 2021年が終わった。 激動の年だっといえるかもしれない。 前半コロナ感染症による緊急事態宣言発令でやはり山に行けない状態が続いた。 しかし、終わってみれば大峰山の縦走をし、中国山地の遠征をし、そして年末はこの関東ふれあいのみちハイキングでしめくくることができた。 これといった病気をせず無事に年を越せることに感謝をしたい。おそらく初詣にはいかないが、2022年も太平山神社の御利益が続いてくれるとよいなと思った。
(2021年12月記)

 日本山歩日記WEBトップ
地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています