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鋸山
鋸山

基本情報
1 山名 鋸山(のこぎりやま)
標高 329m (一等三角点補点)
山域 房総半島
都道府県 千葉
位置 N35.09.37/ E139.50.27 
地図 2万5千分の1地図「保田」
20万分の1地勢図「横須賀」
7 山岳区分 関東百名山
関東ふれあいの道千葉県コース26「東京湾を望むみち」
登山記録
山歩No 7C26-15029
登山日 2015年12月30 日(水)
歩程 4時間20分
天候
形態 日帰り
アプローチ JR内房線浜金谷駅
パーティー 2人

年末最後に、恒例行事の関東ふれあいの道を歩くということを今年もやってみた。 本当は昨年のように大晦日に出かけることをたくらんだのだが、買い物のサポート隊に借り出されることになり、残念ながら大晦日に行くことはかなわなかった。 30日は当然帰省ラッシュで関越自動車道も東北自動車道も渋滞が激しくなる。 そこで比較的渋滞を回避して行くことができる千葉を目的地にした。

出発--浜金谷駅

 朝ゆっくりと寝坊して8:10に家を出る。 首都高速を飛ばして浮島JCTから東京湾アクアラインに入ったのは8:45ごろだった。 アクアラインはさほど渋滞もしておらず結構すいすいと木更津に到着する。 今日のコースは出発点がJR浜金谷の駅であり、終点が一つ南の保田の駅だったので、車はまず保田の駅前駐車場に停める。9:30。「駐車場内のトラブルは一切責任を負いません」とは書いてあるが、長時間駐車してはいけないというような注意書きがないことを確認して、靴を履き替え、JRの内房線上り千葉行きの電車に乗り、9:35出発。 結構電車の時間ぎりぎりになったが、この電車を逃すと10:47まで電車がないので間に合って一安心である。 9:45に浜金谷の駅に到着。ちょうど下りホームには、館山行き特急のさざなみが停車していた。何しろ単線なので、列車の行き違いの都度停車するようである。 

鋸山登山口

 浜金谷の駅を出て、誰もいない観光案内所の前で関東ふれあいの道のコースマップを確認する。 今回の千葉県コース26「東京湾を望む道」は距離は8.4kmと短めであるが標高差があるので、所要時間は4時間20分とそこそこのコースである。 鋸山に登るにはロープウエイで行くコースもあるようである。 今回は駅を出発し駅に戻るコースなので、気を引き締めて出発である。 しかしながら、駅前で手袋を落としてしまった。 幸い歩きだして、10分ほどで手袋がないことに気がついて引き返したので発見することができた。 いやはや老化が進行しているようである。
 

観月台から見る金谷港

 浜金谷の駅を出て郵便局の前を通り、肉屋と薬屋の間の路地を入ると道や鋸山へと進むコースとなる。 民家の中を抜け、神社で安全祈願をしたあとは、JRの架線の下をくぐる。 さらに進むとやがて正面に長い石段が現れた。 さあ、ここからが登山コースである。 15分ほど歩くと、観月台と呼ばれる休憩地に到着した。 ここには昭和27年に京浜急行のグラウンドができた記念の碑がある。 高度成長時代には、湘南地区から船で人々が当時の金谷村にやってきて遊んだという記録がある。 観月台からは浜金谷の街が一望で来てとても良い眺めである。 遠くに横須賀・久里浜が見えている。
 

あじさい広場から山頂を見あげる

 観月台からは少し下りの道となる。 下りきったところが、「あじさい広場」と名付けられていて近所の小学生の憩いの場になっているところのようだ。 おそらく、金谷小学校のみなさんはここまで来てラジオ体操をやるのだろうか? 結構あの坂を登ってここまで来るのはいい運動になるだろう。 広場にはトイレも備え付けられている。 広場を出ると少し両側が切り立ったところを通過。 いよいよ核心部の登りに入る。
  

石切場跡

 10:30いよいよ山頂の展望台が見える地点まで来た。 鋸山というのはなるほど東西にごつごつした岩場の稜線が続いておりこれが鋸の歯のようだということであろう。 10:51、山頂下にある「石切場跡」に到着。 江戸時代から1986年まで実際に岩を掘り、石を切り出していたところだそうだ。全盛期には金谷の人口の80%がこの石切場で働いていたという。高さ80mの石切り場の壁には安全第一と掘られた跡がある。 ここで切り出された石は神奈川県庁や横浜の港の見える丘公園で使われているという。11:10石切場からいったんさきほど登山者とすれ違った分岐まで戻って、山頂に向けて関東ふれあいの道を進む。


急傾斜の登り道

 分岐から少しやせた稜線を通り、急に道がなくなったので動揺した。 すると石切場ののぞきのような柵の先に下におりる階段が付けられているように見えたのでそちらに進んでいくと案の定、通路があった。 石切場の裏手にまわったようである。ここから少し急な道が始まり、両側に手すりが現れる。 「この場所はすばやく通過してください」と記載の看板があったが、これは、登山者と下山者がすれ違うには狭いということであろう。 ちょうど上から4人の登山者が降りてきたので道を譲った。 確かに、気を使うところである。 最後は、長い階段があり、これを登りきると、鋸山の稜線に出た。
 

地球が丸く見える展望台

 稜線に出て道標に従い、10mほどの坂を上がりきったところが、新展望台といわれる名所である。 ロープウエイの山頂駅の屋上も展望台と呼ばれているがこちらのほうが少し標高が高い。 ただしロープウエイを登った人がここへ来るためには一度、標高50mほどおりて結構急な道を歩いてこなければいけないということもあり、 あまり訪れる人が少ないのか、4つほどあるベンチは2つしか人が座っていなかった。 さほど混雑が予想されないということでここで昼食を摂ることにする。 EPIに火をつけ湯を沸かし、うどんをつくる。 展望台からは浦賀水道が一望でき、その先には箱根山と富士山が見えている。 11:30昼食休憩。
 

稜線を進む

 ゆっくりとうどんと大展望を楽しんで、12:15に展望台を出発。 鋸山の山頂を目指す。 自分の記憶ではこの展望台が山頂だと思い込んで、 1982年の7月に鋸山に登ったという気になっていたが、実際は違ったようだ。 山頂は、この展望台からさらに400m東に稜線を進まなければならない。 稜線の道は踏み跡はしっかりしてはいるが、あまりそこまで来る登山客は少ないといった感じだった。関東ふれあいの道のこの「東京湾を望む道」のチェックポイントはこの鋸山の一般標識である。 そこまではなんとしても行かねばならない。 道のりの上では、まだ新展望台は全体コースの3分の1くらいである。

鋸山山頂

 12:39、標高329.5mの鋸山の山頂に到着。 ここでは「房州低名山」と書かれている札がおいてある。 なかなか洒落たことをする人がいる。 山頂は北東の展望が開けていた。県立愛宕山自然公園が見えるので、2013年の1月に登った展望の山、高宕山がそびえている一番高いところであろう。 あとから、親子連れの登山者が来たので、ベンチを譲ることにする。 娘さんはまだ20歳くらいだろうか? お母さんは家でお正月の料理をして、父さんと一緒にハイキングに来てるのだろうか、などと勝手な想像をする。 三角点にタッチをし、しばし、三脚を使って写真を撮ったあと、12:48に出発する。    
 

下り道で採石場を見る

 ここから林道口まで1.4kmである。 ルートは険しくはないが、 標高300m以上のところから50mのところまで降りるわけなので、そこそこ急な下りもある。13:16、行く手に採石場のような景色が広がる。 この林道口から大きく道が南西に方向を変えて、最後は保田の駅まで出るので、あの採石場の横を通って行くのだなと考えて進む。 さらに10分ほど進むと、さすがに道が平らになってきて落ち葉を踏んできもちのよい道となった。 林道口まであと200m。


林道口

 13:32、林道口に到着。 ここは林道南房総金谷元名線というらしい。 峠である。林道口のところは舗装があったが、100mも下ると荒れた未舗装の道になった。途中ですれちがった一台の軽自動車の運転手に、ここからさきもこんなに悪路が続くんですか、と聞かれた。 確かに4輪駆動の車高の高いSUVならいざ知らず、 一般の車では底をすりそうなところもある。 13:56、さきほど下りで見た採石場の前を通る。 


汐止橋の橋梁

 ここからは水仙の群落の横を通ったり、湖のほとりで野生の猿が餌をとりあっているのを見たりとなかなか楽しい光景を見ながら単調な林道を歩くことができた。 14:20、人里に出て、ここから田んぼ越に、鋸山の全貌を写真に撮ることができた。 14:30元名川にかかる橋梁を越えて保田駅に到着。 車に乗り込み、帰りは金谷港で干物を買って帰った。  

記録をひも解くと、2015年は千葉県の伊予ヶ岳からスタートした。そして同じ千葉の関東ふれあいの道コース「東京湾を望むみち」で幕を閉じた。 日本山歩日記のホームページを開くと今年は16の記録しかなかった。 去年の2014年が26であるのでいかに2015年が低調であったかを示すものである。仕事が多忙であったせいもあるが、健康状態もありできることが少なくなってきたというのは本音である。 しかしながら、私がホームページを更新するのを楽しみにしてくれている人もいる。 その皆さんのためにも、これからも元気で手記をつづっていきたいものである。
(2015年12月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています