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基本情報
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山名 |
安倍峠・大谷崩(あべとうげ・おおやくずれ) |
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標高 |
1,998m(大谷嶺) |
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山域 |
身延山地 |
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都道府県 |
静岡県 |
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位置 |
N35.18.31/ E138.18.55 |
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地図 |
昭文社 山と高原地図42「塩見・赤石・聖岳」
2万5千分の1地図「梅ヶ島」
20万分の1地勢図「静岡」 |
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山岳区分 |
大谷崩=日本三大崩壊地
(ハイキング百選) |
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登山記録
山歩No |
6530-12020 |
登山日 |
2012年5月26日(土)-5月26日(日) |
歩程 |
1時間30分 |
天候 |
第一日 晴れ
第二日 快晴
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形態 |
テント泊1泊2日 |
アプローチ |
新東名高速新静岡IC車 |
パーティー |
3人 |
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5月の最後の週に1ヶ月前に開通した新東名を走って静岡の安倍奥まででかけることにした。 今回は、山ではなくあくまでハイキングである。 キャンプに行くのが主目的である。東京に隣接する山梨や埼玉・千葉ではキャンプ場というと夏中心のオートキャンプ場が主である。 値段もそこそこ高い。 ところが、穴場は静岡の公立のキャンプ場である。 二年前に「
静岡市立黒川キャンプ場」に宿泊したがなんと、利用料はゼロ。 設備も整っており、近くに日帰り温泉もある。今回もそれにならい、静岡市立の梅ケ島キャンプ場を目指した。
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新東名高速道路
05/26(土)朝6:38起床。 車はまだすいていると思いきや、高速に乗った途端港北PAの前で事故渋滞していた。。ただし、渋滞はそこだけであとはすいすいと流れた。御殿場JCTをすぎていよいよ新東名高速である。 新東名に入ってからは、路肩も広くて走りやすく、うっかりしているとつい120kmくらいのスピードが出てしまった。南側を走る東名高速はどうしても富士川から由比にかけて海のそばを走るので、台風のときなどは真っ先に通行止めとなる。 その点、少し内陸に作られたこの新東名はリスクが少ないということであろう。どうしてもトンネルが多くなっているが、それだけ、東名高速ができた45年前と比較して、トンネルを掘るコストも安くなっているということだ。 カーブが少ないことや路肩が広くて緊急車両が通りやすいことなどが売り物とされている。 |
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駿河湾沼津SA
駿河湾沼津のSAで10:00休憩。 入り口の表示では満車となっていたが、一般道からはいった車が停める駐車場に誘導されて、停めることができた。 このSAは、地元の人が余暇を過ごすのにもこれるようにと、一般道からのアクセスもできる。 SAの中の商業施設は、なかなか意匠がこったデザインで、展望広場か
ら沼津の海が見えるようになっている。 その広場をかこむように半円にレストハウスの客席がつくられていて座って展望を楽しむことができる。早速、伊豆半島と駿河湾が見えるレストランで上島珈琲で買ったコーヒーとソフトクリームを食べる。少し早いが、昼食にしようということになり、 桜海老天のそばを食べる。味もなかなかである。 |
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安倍峠入り口
10:45に出発。 新静岡ICで降りてそこから県道29号を北上するが、途中酒屋によって、チューハイとビールとを買う。 この近くに食料品を売っているスーパーがあるかと聞くが、橋をすぎたところに魚屋があるというだけの答え。 ナビの表示するスーパーを目指したが、店舗はあるもののまったく営業していなかった。やはり前夜のうちに食糧を買っておかなかったのは失敗だった。 ここまでICを下りてからが不便だとは思わなかった。 途中で見たコンビニのサークルKまで戻り、翌日の朝食の春雨やところ天、うずらたまごなどを買って11:50出発、12:30梅ヶ島に到着。 その足で安部峠を目指すが、ゲートがしまったおりあがれない。安倍峠は標高約1400m。富士山と南アルプスの両方を見ることができると聞いていたので楽しみにしていたんが、残念である。 ゲートの近くに車を停めているのは登山者のものでおそらく車道を歩いて上がったのであろう。 |
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三段の滝
12:45しかたなくユーターンして、梅ヶ島温泉の駐車場に車を停めて三段の滝を見物。 駐車場の先に「三段の滝まであと5分」と書いてあったが、車で5分か歩いて5分か悩むがとにかく林道を歩いていってみる。 滝は確かに三段にはなっているが、さほど落差がなく、また、沢がさほど大きくないので水量が多いという感はなかった。 これといってみるほどのものでもなかった。ここでは本当は、「安倍の大滝」を見物する必要がある。 こちらは日本の滝100選にもあがっている名瀑であるが、ただ、登山道を30分ほど歩かなければならない。我々は今回、その労苦を忌避して、安倍の大滝を見ないで終わった。
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梅ヶ島温泉
三段の滝を見た後は、梅ヶ島温泉を見物。この温泉は1700年前に発見されたと伝えられ、武田信玄の隠し湯として使われたこともあった。近くに金山があった時代もあり、その頃は「黄金の湯」と呼ばれていた。この温泉は古文書による湯治記録で徳川家康、徳川秀忠の名が見られることから、江戸時代にはかなり有名な温泉地であったことがうかがわれる。当時は立地上、身延に近いことから甲州との峠越えの交易が盛んで、湯治客も甲州経由が多かったようだ。江戸時代中期には良純親王が湯治し、その霊験ぶりに感激し、神社を開いている。(俗にいう三蛇権現、三匹の蛇に導かれて梅ヶ島温泉に到達したという言い伝え)三種の神器も、老舗旅館、梅薫楼のほか地元の民家に保存されている。現在は、源泉跡地に湯之神社として現存している。1955年に梅薫楼から静岡市に源泉の権利が返され、以降13軒に配分されるようになり、現在に至っている。源泉跡地は、神社のすぐ裏にあった。 |
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黄金の湯
13:20 車で黄金の湯へ行く。ナトリウム炭酸水素塩温泉で内湯のほかに露天風呂もある。 料金は1日800円だが、3時間なら500円。確かに、一日ここで過ごす人もいるのか、休憩所では、まぐろのようにひっくり返って寝ている人が何人もいた。 また、焼酎のビンを広げて宴会しているグループもある。 ひげそりを忘れたのが失敗だったがゆっくり外湯につかる。土曜日の午後ということもあり、露天風呂はかなり混雑していた。 休憩場でマウンテンデューを飲んで野球の交流戦の試合を見て、それからみやげ物をみる。地元の野菜を中心に売っているが、アルコール類はおいていないようだ。
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梅ヶ島キャンプ場
荷物を片付けて車につみこみ、キャンプ場へ向かう。 道路はキャンプ場まで舗装がしっかりしているが、途中、工事がおこなわれていて道幅が狭くなっているところもあった。 キャンプ場に15:30に到着。 まわりには民宿が一軒あるだけである。 受付で名前を書いて、指定された場所に車を停めに行く。 荷物はいったん車から降ろしてリアカーで運んでテントを張る。今日は、キャンプ場にそこそこゆとりがあるので、入り口からもトイレからもそこそこ近い場所を選らんでテントを張る。 今日、持ってきたテントは普段山に行くときに持っていくコンパクトなものでない、いわゆるオートキャンプ用なので、それ自体、大きくて重い。 張るのにも結構時間がかかってしまった。 テントを張ったあと、車で新田に戻って雑貨やでカップラーメンとバナナを買う。小さな雑貨やさんだったが、品数は豊富においてあり、いわゆるコンビニとしての機能あり。 手洗い石鹸も買った。黄金の湯までもどってみたが、もう風呂の横のみやげ物は営業時間終了となっていたので、キャンプ場にもどり、とにかくテントの横で火をおこして夕食の支度。ソーセージとおにぎりをあみの上に乗せて焼く。 もちろん、調理しながら、缶チューハイをあけて、ちびちびやりながらである。 キャンプの楽しみはこれであろう。 仕上げに、カップうどんを食べたらそこそこ腹いっぱいになった。テントの中で、持ってきたポータブルDVDでアクション映画を見て、23時に寝る。
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大谷崩
05/27(日)6:30起床。 朝食の支度をしてゆっくりバナナと春雨を食べる。明るくなって周りを見ると、テントを張っている人は家族連れが数組と、あとはバイクでツーリングに来ている単独の人が何人かだった。 季節がいいので遠出をしてきたのだろう。バーベキューコンロを洗って、テントをたたみ、 9:15に出発。大谷崩までのハイキング。 最初に、きのういった新田までもどってそこから農道を進む。大谷崩を示す道標などなにもないので道がわかりにくく、途中で一度Uターンしてもどったが畑のあぜ道だったことがわかり、再び沢への道を進む。 狭いながらも車道を進むと、やがて別荘地の中に入ったいく。 最後はかなり急な登りで大谷崩れに到着。 崩壊地をバックに写真を撮り、幸田文の記念碑を見る。幸田露伴の娘の幸田文は72歳のときに出会った大谷崩の迫力に圧倒されたことから、全国の崩壊地を訪ね歩いたことをエッセイに綴った「崩れ」を出版。 群馬ナンバーや練馬ナンバーの車がゲートの前に7台駐車してあった。、ここには、大谷崩・大谷嶺ハイキングコースという立て札があり、山伏・八紘嶺方面への登山口にもなっているので駐車してある車はハイキングしている人たちのものだろう。登山届を提出するポストも設置されている。 エアリアの地図にはトイレもあるように記載されていたが、実際には見当たらなかった。。 |
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帰路の富士山
人工の堰堤で修復している沢は 安倍川の水源のひとつだが、この崩壊のときに、崩落した土砂が安倍川を堰き止めて下流に滝を作った。この滝は土砂のために真っ赤な水を流し続けたことから、「赤水の滝」と呼ばれているそうだ。大谷崩の最初の崩壊は1707年10月だそうだから300年以上経っていることになる。 天気がいいので日焼け止めを顔に塗って、ひとしきりそのまわりを散策。 あとから7-8人くらいの男性の観光客もやってきた。 10:30に出発。 そこから、南アルプスの景色を見るために、山伏峠を目指したが、 同行者が車よい気味になり、口坂本で断念し、引き返す。井川へ行く道は湯の島を経由する県道60号が、バスルートになっているが、今は昨年の台風の影響で通行止めになっているようだ。 今年の夏、南アルプスに入る人はどうすればよいのだろうか? 復旧には時間がかかるようで、数日前、静鉄ジャストラインは2012年の夏季南アルプス登山バスの運休を決定した。 玉機橋までもどり、そこから安倍川沿いに新静岡に入る。
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新東名帰路-伊豆半島遠望
清水JCTの前では富士山がきれいだった。12:51すいすい進んだが、また駿河湾沼津のSAは満車だった。昼食を食べる時間だったので、フードコートをのぞいてみるが、座るスペースなどまったくない。 レストラン「ソラノテラス」の順番待ちボードに名前を書いて14:13にやっと案内される。 まぐろのほほ肉のステーキ、食べ終わってからは展望台にいってみて鐘をならす。今日も天気がいいので、たくさんの観光客が、SAに立ち寄っている。 いれかわりたちかわり車が入ってくるのを20人ほどのガードマンが交通整理をしているのが見えた。帰り道は案の定、厚木ICから渋滞したが、17時に自宅に到着することができた。 |
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今回の目玉は初めて車で走行してみた新東名と梅ヶ島キャンプ場であろう。 新東名は走りやすいとは聞いていたが確かに従来の東名高速と比べてトンネルは多いものの直線が多く、運転に疲れが少ないという印象を持った。 キャンプ場では想像どおり人の少ない静かなキャンプを楽しむことができた。 静岡の北部というのは、政令指定都市でありながら、秘境の空気を吸うことのできるところである。今回、星を見ようと望遠鏡を持っていったが活躍の場がなかった。 次回のお楽しみである。
(2012年6月 記) |
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