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横尾山
横尾山

基本情報
1 山名 横尾山(よこおやま)
標高 312m (二等三角点)
山域 六甲山地
都道府県 兵庫
位置 N34.39.56/ E135.06.30 
地図 昭文社 山と高原地図49「六甲・摩耶・須磨アルプス」
2万5千分の1地図「須磨」
20万分の1地勢図「和歌山」
7 山岳区分 関西百名山
登山記録
山歩No 5530-18017
登山日 2018年5月12日(土)
歩程 6時間40分
天候 快晴
形態 日帰り縦走
アプローチ 山陽電鉄須磨浦公園駅
パーティー 2人

横尾山という山は関西百名山の中のひとつに入っていることは知っていたがどんな山かと聞かれるとほとんど印象がなかった。
この山に登る機会を得たのは六甲山の全山縦走にトライするという山岳部の行事の中でのことである。 2017年4月と5月に2回に分けて西コースと東コースで数名の参加者が縦走に参加した。 自分はそのときに参加できなかったのであるが、今年、山岳部長のH.H氏がリーダ―を引き受けてくれて同じように4月に東コースと5月に西コースを企画してくれたので、西コースに縦走に参加することにした。

姫路行き夜行バス

5月11日(金)いつもより早く仕事を切り上げると、いったん家に帰り、さっと風呂に入って夜行バスの集合場所である横浜駅東口のバスターミナルに向かう。受付をしたあとに、屋外のピロティ―で寝酒の焼酎を飲む。 10分前に誘導員に連れられて、SKYビルの隣へ。  22:30出発のバスはプログラムの上では東京からくるバスであったが実際には2号車が仕立てられたのか、すべての乗客が横浜駅からの乗車だった。乗車率は40%くらいだったので結構余裕であった。 出発するとすぐに消灯。 そして海老名で11:00すぎに一度休憩。 二度目は1:30に浜松PAで休憩をした。 その後、眠りは浅かったのだが翌朝の5時に三ノ宮到着の前にアナウンスで起こされる。 大阪行きの便は満車のケースが多いが、今回の神戸・明石・姫路行きの便は少し乗車率に余裕があってよかった。 

明石城跡

 明石の駅に到着したのは6:15だった。 ほぼ定刻の到着。 今回、H.H氏と待ち合わせをしている場所は山陽電鉄の須磨浦公園駅のホームに8:00だったので時間には余裕がある。 明石の駅前に着いたのも何年振りかなので、少し歩いてみることにした。 昔市場を見た記憶があるが今回は反対の駅の北側をあるく。 明石城は駅のすぐ北である。現在中堀の内側は兵庫県立明石公園として整備され、日本さくら名所100選に指定されている。櫓や石垣は1995年の阪神・淡路大震災で被害を受けたが全面修復された。散歩のあとは、駅前のすき家で朝食を食べる。 24時間営業で、ぽつぽつと客がいる。 塩サバ卵かけごはんの朝食セットを食べる。
 

山陽電鉄明石駅

 7:21に山陽電鉄に乗り須磨浦公園を目指す。 途中、垂水・舞子というゾーンを通るので明石海峡大橋を目の前に見ることができる。 昔、車で明石海峡大橋を渡ったことがある。鉄道の駅から歩いて淡路島に行くバスの乗れる。 淡路島に観光に行ったのも、もはや20年以上前のことになる。
 

須磨浦公園駅から林須磨浦山上遊園へ

 8:15駅前から歩き出す。 早速須磨浦山上遊園の看板の前で1枚写真を撮影。  東部展望台から回転展望閣を目指す。 山上公園へは須磨浦ロープウエイを使うと5分くらいで鉢伏山の山頂に着くようであるが、標高200メートルくらいの山であるが早速足腰のトレーニングになる。回転展望閣は時間が早いので中に入ることはできなかったが、ここからの須磨浦の眺めは絶大のようである。 展望閣の前に、 平清盛と二位の尼の顔ハメ看板がある。 平清盛が大河ドラマで取り上げられていたのは2012年のことなので、もう6年も経ってしまって観光客は減っているのだろうか? 鉢伏山の山頂は小高くなっているが山頂らしい展望があるわけではない。 それでも山頂標識とベンチがあるので記念撮影をする。   
 

旗振茶屋

 そのまま縦走路を進むと旗振山へと向かう。旗振山は標高253mで、旗振茶屋があり、休憩できる旗振茶屋は、 与謝蕪村が「春の海ひねもすのたりのたりかな」の句を詠んだ場所である。午前9時、確かにベンチに座ると須磨浦の眺めが見事である。 思わず、座ってビールを飲んでしまう。 縦走路先を急ぐ旅であるが。ゆっくりと春のうららかな日差しに話もはずむ。 

鉄拐山

 9:21鉄拐山に到着。標高237m。 ここからの眺めは素晴らしい。三等三角点がある。 源平の戦いの舞台のひとつである一ノ谷の戦いにおいて、源義経が奇襲攻撃「鵯越の逆落とし」で駆け下った断崖絶壁の坂は、鉄拐山の東南斜面であるとされている。東に三ノ宮のタワーや六甲アイランドもよく見える。 9:27山頂を出発して、再び縦走路を少し下っていく。


おらが茶屋展望台より

 やがてルートは車道に出ておらが茶屋の展望台に続く。1960年代から70年代にかけて、高倉台団地が造成され、団地内に張り出すような形で残った山が「おらが山」と呼ばれるようになったという。その「おらが山」の頂上にあるのが「おらが茶屋」で鉄筋コンクリート造2階建てで、1階はトイレと自販機コーナー、2階は喫茶軽食のお店になっている。 屋上が展望台になっているのが上がって景色を眺めてみる。 おらが茶屋は基本、土日祝日の営業のみで、昔はうどん屋だったが今はカフェになっているという。 


高倉台団地から栂尾山へ登る

 茶屋を過ぎて、少し進むと高倉山の山頂標識。 昭和55年の標識で当時の神戸市長の宮崎さんの名前が彫ってある。高倉山からは急な階段となり、そこから高倉台団地まで降りていく。 階段を下りきると橋があり、バス通りの上を横断していくことになった。 橋を渡ると団地でAeonまである。昼食の弁当もここで買えばよかったのかと少し後悔する。 商店街をすぎるといよいよ栂尾山への急な登りである。10:19栂尾山頂。山頂には三角点があり、展望やぐらが組んである。

横尾山山頂

 稜線伝いに少し歩いて10:43、関西百名山の一つである横尾山の山頂に到着。ここで相棒のH.H氏にシャッターを押してもらい、ホームページ用の写真を撮影する。 展望は360度というわけにはいかないが、西側には自分たちが歩いてきたルートを眺め渡すことができる。10:54、いよいよ鎖場が現れた。 ここからが須磨アルプスの急峻なルートの始まりとなる。足元に注意しながら進むこととする。 H.H氏は前回、家族で来た事があるらしいが、お子さんが足場の悪いところを歩くのをためらったために家族で横尾山には登頂できなかったらしい。


馬の背

 馬の背と呼ばれるところでは分岐になっており、振り返るとアルペンチックな横尾山の写真を撮影することができた。 横尾山から次のピークである東山を登る途中にベンチがあったので、そこで昼食をとることにした。 BGMに中島みゆきの夏土産を聞きながらサンドイッチをほおばる。 今日は暑くもなく寒くもなく絶好のハイキング日和である。 東山から少し道を巻いて、再び住宅地へと入っていく。 六甲全山縦走路もまったく人家の中を通るコースとなり、 高速道路の敷地をトンネルで渡ることになる。 

高取神社から神戸市中心部をを眺める

 公園の裏手から高取山への登山コースとなる。 単調な登り道が非常につらい。 眠気に耐えるのが大変である。 山頂までくると荒熊神社の展望台があった。 ここからの眺めも素晴らしい。 高取山の三角点313mはここにあるようだ。赤い鳥居をくぐって、さらに320mの高取山の山頂までくる。 裏手には高取神社があり猿田彦を祭ってある社がある。 山頂では蝶の観察をしている方がいた。 


菊水山山頂から歩いてきた縦走路を振り返る

 神社の参道を歩いて再び住宅地の中へ入る。ペットボトルのお茶をほぼ飲み干してしまっていたので、自販機で水を購入。 鵯越駅の横を通り、 菊水山を目指す。 15:16. 次第に日差しも傾いてきた。  取水施設の横の門を抜けて菊水山への登り道。 菊水山は昔登ったはずなのだがこの道を通った記憶がない。 よくよく調べてみたら、かつては鵯越駅の次に菊水山駅というのがあったようだ。 2005年に休止され、2018年3月に廃駅になったらしい。 駅から菊水山方面などへハイキングコースがあるが停車列車が少なく、行楽期の休日に停車列車から多くのハイカーが下車したが2004年の1日あたりの乗車人員は8人だったという。

鈴蘭台駅

 急な階段を上り、菊水カントリークラブを眼下に見ながら進むと、菊水山の山頂に到着した。 16:40。 ここから先に進むかどうか迷ったがどう考えても新神戸まで着くころには19時を回ってしまうので本日の行動は菊水山で終了とすることにした。山頂展望台からは、菊水カントリークラブの奥に、須磨浦山上遊園からはるか歩いてきた縦走路が見えた。下山は鈴蘭台の駅に車道を中心に下り、ゲートで着替えて駅までの路地を歩き、 18:03、鈴蘭台の駅から神戸電鉄の新開地行きに乗車。 三ノ宮駅前の居酒屋でビールを飲んで帰った。 


 六甲全山縦走コースの西半分を歩くはずであったがそれすら全部歩き切ることができなかった。 ただ、1992年に菊水山駅から宝塚まで37㎞を歩いているので、今回の16㎞の徒歩コースとあわせて、六甲全山53kmを歩き通したことになる。 全山歩き切るのに26年の歳月を費やした。神戸市民ではなくなってしまったが、久しぶりに帰ってきて思い出に残る登山をすることができた。 三ノ宮の駅も自分の記憶にあったものと少し違ったが、月日が流れて自分も年をとったということであろう。
   
(2018年6月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています