 |
 |
基本情報
1 |
山名 |
雪彦山(せっぴこさん) |
2 |
標高 |
950m 鉾立山 (二等三角点) |
3 |
山域 |
中国山地 |
4 |
都道府県 |
兵庫 |
5 |
位置 |
N35.04.00/ E134.39.00 |
6 |
地図 |
昭文社 山と高原地図54「氷ノ山・鉢伏・神鍋」
2万5千分の1地図「山崎」
20万分の1地勢図「姫路」 |
7 |
山岳区分 |
関西百名山 |
|
|
登山記録
山歩No |
5470-18037
|
登山日 |
2018年11月23日(金) |
歩程 |
4時間05分 |
天候 |
晴れのち曇り
|
形態 |
日帰り |
アプローチ |
JR山陽本線姫路駅から神姫グリーンバス鹿ヶ壺 |
パーティー |
1人 |
|
 |
|
 |
|
|
今回の雪彦山登山は最初から登る山が決まっていたものではなかった。 ほぼ前日まで登る山を決めきれていなかった。 2018年11月24日から25日まで1泊で、山岳部恒例の納山会が行われることになり、今回は宍粟市北部の三久安山が24日の登山地であった。 山岳部の仲間たちは23日(金)が出勤のため、祝日で仕事のない自分だけは先に関西に入ってどこか関西百名山を登ろうと決めていたが、あいにく大阪や阪神間のホテルがどこも空室がなかった。 三連休ということもあり京都に紅葉見物に来る人や、ユニバーサルスタジオに来る観光客で繁盛しているのだろう。 そこで泊まる宿を大阪で集合した山岳部の仲間たちが三久安山へ行く途中で拾いやすい山崎町のビジネスホテルにした。笠形山や千種山も登る山の候補として検討したがどうしてもバス便などアプローチの面で制約がある。 姫路から鹿ヶ壺への午前の1便の神姫グリーンバス、 帰りは鹿ヶ壺から山崎まで1日1便のバスでぎりぎりの行動時間で雪彦山のピストン登山ができそうだったのでそれを計画した。
|
早朝の新横浜駅
11月22日は会社を19時過ぎにでた。 できるだけ早く帰って翌日の山の準備をしたかった。 20:40に自宅について夕食にパスタを食べる。 23時までパッキングを準備して前の日にリュックに入れるとメモをしておいた綿棒やひげそりなどをしまう。 23時に就寝。
11月23日(金)天気予報では西高東低の気圧配置となり、日本海側では雪が降ったり雨が降ったりという天気のようである。 兵庫県は日本海にも瀬戸内海にも面しているので、神戸では降水確率が10%であるのに、同じ兵庫県でも豊岡は80%。
朝4:15に目覚ましをかけて、5:04の始発電車に乗る。 新横浜の駅で改札が5:30に開くのを待って、一斉に6:00のひかり493号に乗車する。 自由席には5:40くらいに乗車できたので駅のホームで長らく待つこともなかった。
|
 |
姫路駅
結局、新横浜で乗車した人で自由席は一杯になってしまい、小田原から乗る人はもう立ち席となった。 名古屋でも意外に人はおりなかった。 、名古屋を出て関ケ原あたりを走っているときにきれいな虹が出ており、車窓から写真を撮影する。 伊吹山はもう山頂付近は白くなっていた。 やはりこのあたりは豪雪地帯である。京都で少し下車する人がいる。 やはり紅葉の季節の三連休ということだろう。 京都を出ると大山崎・高槻あたりはかつて通勤で見慣れた景色である。 新大阪で下車し結構な人数の乗客が下りた。途中駅混雑により5分遅れて9:01に姫路に到着。トイレに行ったあとに新横浜までの指定席をとろうとするがどれも満席。 仕方なく、昼食のおにぎりをコンビニで買って9:30のグリーンステーション鹿ヶ壷行のバスに乗車する。 |
 |
鹿ヶ壺
バスが終点に到着したのは10:36。登山届はキャンプ場の管理棟の小石に挟んで、すぐに出発。 結局、10分ほどの遅れで登山開始。 最初に鹿の壷を見ながら、階段を上がる。一番最初は尻の壷、それから駒ノ立洞という淵があった。 一番大きな鹿の壷は階段を上がった最後だった。 上がり切ったところで一度林道と交差する。階段を上がりきって林道に出る手前に、2014年の大河ドラマ「軍師官兵衛」で主演の岡田准一さんがロケで使った場所があった。「オープニングでは、岡田さん扮する官兵衛のCG衛追うと複雑な木々が織り成す幻想的な風景により一層神秘的で感動を誘うシーンとなりました。」と記載があるようだが、実際はCGを駆使していてどの滝であったかわからないという説もある。
|
 |
千畳平
鹿ヶ壺の見学を終えて それから登山道を上がっていく。千畳平まで1.3km 40分という標識がある。 登山口から50分ほど上がって、千畳平まであと少しという表示が出た。 千畳平は、芝の平原で、キャンプ場として整備されているような場所だった。 登山道はこの平原を少し巻くようにして車道を進む。 やがて谷筋の登山道と分岐する道標が現れた。 谷筋の道は倒木があり少し荒れていたが、くぐってゆけば進ことができた。 ルートはやがて、険しいのぼり道となったが登りついたところが大天井岳との分岐であった。 大天井岳に行くとタイムアップとなるので、このまま雪彦山の山頂を目指す。
|
 |
展望のない雪彦山頂上
稜線上を少しやせた尾根伝いにあがると樹林があり登り切ったところが雪彦山だった。雪彦山の山頂では3人の方が休んでいた。 登り始めたときは天気もよかったが、山頂ではうす曇りが出ており少し寒い。 自分にとってのゴールはこの雪彦山の山頂ではなく最高峰の鉾立山を目指す。鉾立山まではピークを3つほど超えていく。 基本は稜線沿いに気持ちのよいルートを進む。最後に3つめのだらだらとした上り坂を上がりきると広くなった鉾立山山頂に到着した。12:44に標高950mの鉾立山山頂到着。 ここも3人の方が休憩していた。
|
 |
鉾立山山頂
鉾立山は雪彦山よりも展望がある。 山座同定のための写真が看板に貼ってあった。北に、氷ノ山山頂の方向だったが雪雲に覆われており見えなかった。 東には笠形山・千ヶ峰方面が見えることになっている。 千ヶ峰は距離が近いこともあり、おそらくあれだろうという山を特定することができた。 鉾立山のピークが標高950mなので千ヶ峰のほうが少し高いということになる。 標高が1005mだから千ヶ峰というのだろうか、などと考えた。 山頂でおにぎりをほおばって15分だけ休憩する。 何しろ本日は、たった一本だけのグリーンステーション鹿ヶ壺から山崎行きのバスに乗らなければならない。おにぎりを食べているときに粉雪がちらちら舞い始めていた。 先を急ぐ旅なので360度パノラマ動画を撮影して、下山の途に就く
|
 |
千畳の滝
12:59出発。下りは、来た道を引き返す。 15分歩くと雪彦山の山頂に到着した。 13:25に大天井岳とグリーンステーション鹿ヶ壺との分岐。杉林の樹林の中をピンク色のテープを目印に下りていく。 13:46に車道との分岐に到着。 千畳平まではもう目と鼻の先である。 千畳平まではワンボックスの車が入ってきていた。なるほどここまで車で入ることができるのだ。 犬を連れて散歩している人もいた。 もう下界の延長のようなものである。 13:49に千畳平から振り返って雪彦山の姿をカメラに収める。 樹林の中の整備された階段をおりて、千畳の滝を見る。 高さ20mで冬場に近くなっていることもあり水量は少なかった。 そこから三ヶ谷の滝を経由してグリーンステーション鹿ヶ壺に下りるルートを選んだつもりだが、三ヶ谷の滝を往復するのに15分以上タイムロスがあることがわかり、バスの時間が厳しいので断念することにした。
|
 |
鹿ヶ壺山荘
14:20キャンプ場の横の向橋の前に出てきた。3張ほどテントが張られており親子連れがバーベキューをしていた。 この季節だがたくましいものだと感心した。 キャンプ場の受付で提出しておいた登山届を回収する。 無事に下山できてなによりである。 14:45のバスまで時間があったので鹿ヶ壺山荘に立ち寄る。 受付のご主人と少しお話しをする。 紅葉は2週間ほど前が一番きれいだったそうだ。 まあ、下界の宍粟市が今モミジ祭りの最中なので、山の中はすでに終わっているのはさもありなんというところである。 14:45に山崎まで神姫グリーンバスに乗る。集落のベンチに人がたくさん座っているように見えたがよく見るとかかしであった。 ここはかかしの里としても有名なようである。
|
 |
山崎の町 ハイカラ通りの造り酒屋
終点のバス停、山崎まで行く。 ターミナルになっていてバスの発着のための待合室がある。 高速バスも・ハイカラ通りフェスタ宍粟山崎にある古き良き時代を伝える数々の『町家』見物。 決して大きな町ではないがお洒落な雑貨や日本酒の酒蔵「山陽盃酒造」もあり、なかなか素晴らしい。 酒造の前では利き酒「播州一献」をいただく。 山廃純米がおすすめのようだが残念ながら品切れとのことだった。ハイカラ通りをぬけるとガレージに「よい町プロジェクト」と書かれた看板がある。 |
 |
最上山もみじ祭りの出店
宍粟市は2005年に、宍粟郡の4町(山崎町、一宮町、波賀町、千種町)が合併して誕生した新しい市で人口は県内41自治体中第25位ながら、面積は豊岡市に次ぎ県内第2位だという。 従い、ここは宍粟市といいながら山崎町と考えたほうがよいだろう。 最初に今回泊まるビジネスホテルを予約したときにはJRの駅のない町なのでどんなに不便なところだろうかと思っていがどうしてどうしてイオンショッピングセンターもある大きな町である。ハイカラ通りではワンコイン出店が出ていたので暖かいコロッケを買って、モミジ祭りの会場である最上山公園へと向かう。最上山公園の駐車場ではこれまた出店がでていた。 播州名物の「たこばん」を食べながら缶ビール一本飲む。 トイレをすませていよいよ最上山のもみじの見物である。
|
 |
素晴らしい紅葉
もう16時を過ぎて少し日が陰りだしていたがそれでもまだまだ見ごろのモミジは輝いていた。この最上山はそれ自体が標高338mの山で、約3000本以上のモミジ・世界のカエデもあり、紅葉のシーズンには山全体が紅く染まり、美しい景色を楽しむことができる。池のほとりから宍粟50名山の一つである「笹の丸」これは地元では「戸倉山」とも呼ばれる山だが、標高512mある山である。 そこまで行くと時間もかかるので多くの人は紅葉の美しい最上山までだそうだが、そこは遊歩道も完備されており、上を見上げれれば紅く染まった木々、下には落ち葉のじゅうたん、見渡す限り紅い世界が広がってちょうど見ごろでたくさんの人が集まっていた。
|
 |
山崎の町を一望 書写山を眺める
中腹の休憩所までゆき、そこから見晴台を経由した散歩。 史跡「尼が鼻」と呼ばれる見晴らし台では北東には先ほど登ってきた雪彦山が、南東には書写山が見えた。 17時に最上山を下りる。 ちょうど寺の鐘が鳴ったなんともいわず風情がある。 山崎町は江戸時代には山崎藩として1万石の城下町が栄えたそうだから、なるほど武家屋敷のあとが残っているのもうなずける。てくてくと歩いて市役所の前を進み、揖保川を渡って今日の宿である「日新会館」へ。 揖保川沿いにはしゃれた豚串の店があったりして空腹を改めて思い知らされる。
|
 |
いろり夢茶屋
決して大きなビジネスホテルではないが、設備はしっかりしており、ヒノキ風呂にはいれたのは気持ちがよかった、屋外にサウナもある。 すっきり汗を流して、19時から食事処の「いろり夢茶屋」で予約しておいた炉端焼きの夕食。 兵庫牛やししゃもを自分で炭火焼でいただく。 日本酒の播州一献をいただいてすっかりご機嫌になり、しめのざるそばではおなかもいっぱいになるとともに早朝4時から起きている睡魔が襲ってきた。 部屋に戻ってテレビを見ているうちに電気をつけたまま寝てしまった。 |
 |
雪彦山といえばいつも表である山之内登山口から見る展望岩・出雲岩と大天井岳がシンボルのようであるが、今回の登山ではその荘厳な岩山の姿はお目にかかることがなかった。 沢からあがる静かな山もまた雪彦山の別の姿であろう。 鹿ヶ壺は紅葉の時期だからこそそこそこマイカーが入っていたが、シーズンオフに入ると静かな山の中になるのだろうまた、今回初めて紅葉の名所として最上山を見物した。 山崎町という宍粟市の小さな町を訪れてそこでの文化と自然に触れたのも旅の楽しみとなった。 また、来年の今頃に播州一献を飲んでみたいものである。
(2018年12月 記) |
|