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千ヶ峰
千ヶ峰

基本情報
1 山名 千ヶ峰(せんがみね)
標高 1005m(二等三角点)
山域 中国山地
都道府県 兵庫
位置 N35.08.41/ E134.53.02 
地図 昭文社 山と高原地図54「氷ノ山・鉢伏・神鍋」
2万5千分の1地図「西脇」
20万分の1地勢図「姫路」
7 山岳区分 関西百名山、兵庫50山
登山記録
山歩No 5440-19037
登山日 2019年12月7日(土)
歩程 3時間50分
天候 晴れ
形態 日帰り
アプローチ 中国自動車道滝野社ICから国道
パーティー 4人

11月の最後の週は、山岳部(現在は山岳同好会に名前を変えたが)の納山会が恒例であるが今年は宿の空きの関係で12月の第1週となった。 まあカニを食べに行くのが目的のような集まりなので、忘年会シーズンである12月のほうがよいといえばそうであろう。一度、12月に京都府北部で大雪があり、山に登ることも車で行くこともかなわなくなったことがあった。 これに懲りた我々はほぼ降雪がない11月に日程を変更したという経緯がある。昨年は山岳部黒幕のK.Mさんが納山会のリーダーをやっていたので、関西府県分県ガイドに出ている三安久山に登った。 今年はK.Mさんが体調不良のため、A.Dさんがリーダーを替わってやることになったので、相談をしてA.Dさんも自分も行っていない関西百名山を選ぶことにした。 結果として選定したのは北播磨最北端の千ヶ峰である。   

横浜から夜行バス

12月6日(金)仕事を18:30に切り上げて家に帰る。 荷物はおおむね前の日までに用意しておいたので軽く夕食を食べて9:50に家を出る。 今回予約した夜行バスはナイトライナーという富士交通が運行するものである。 3列シートで携帯の電源もありひとりひとりカーテンで仕切られているのでプライバシーがあって比較的快適である。 横浜駅を出たあとしばし16号を走り横浜町田ICから東名に乗る。 途中、1時半くらいに駿河湾沼津のPAで休憩。 また、岡崎で3:30ごろに休憩をした。ジュースの空き缶とつまみがはいったごみ袋をどちらかのPAで捨てた。 

大阪駅へ

12月7日(土)バスは定刻通り6:00に奈良で停車。 そして大阪梅田には7:15に到着した。 バスを下車しようと靴をはいて荷物を片付けるがスマートフォンがない。 困った。 乗務員は早く降りてくれとせかすので、自分の携帯番号を伝えてコールしてもらうが、座席の回りでコール音はない。 仕方がないので、荷物をもってバスを下車する。 かっぱ横丁のすぐ北東に高速バスのプールがありそこに停車しているようなので、JR大阪駅を目指して南へ歩いていく。 大阪駅からJR環状線に乗り集合場所である福島駅の前に行く。


中国自動車道

7:40、今回一緒に行く3名、 ADさん・KDさん・KKさんが現れた。 今回もADさんのマイカーに出動願った。 山岳部の納山会はだいたい10名くらいの参加があって車2-3台というのが常であった。 今回は自分を含めてたったの4人ということなので、いつもよりだいぶ寂しい。 K.Dさんは、車の到着が少し遅れると私のスマホに電話をしたということだったが、着信音はなっているものの誰も応答しないということだった。 スマホははたしてだれかに拾われているのだろうか?

三谷登山口駐車場

8:15に社PAに到着。 トイレと朝食のために休憩をする。 朝から名物の大もりカレーをいただく。車は滝野社ICで降りて西脇方面へ国道175号線を上がっていく。 県道427号に分かれてさらに20分ほど進むと加美区三谷の集落にはいる。目印はキャニオン・マウンテン・キャンプという施設でここはバーベキューをしたりキャンプをしたりするところのようだ。 12月に入って明らかにシーズンオフだと思われるが、バンガローに泊り客がいる様子だった。 このキャニオン・マウンテン・キャンプがある公園(ハーモニーパークというようだが)を過ぎるとすぐに広い駐車場と登山者用の公衆トイレが見えた。 目的地の三谷登山口である。 


登りだしの登山届ポスト

10:05トイレと支度を済ませていざ出発進行である。 千ヶ峰三谷コースと書いた大きな道路標識に従い林道を上がっていく。 「多可の天空を歩くと書かれた」サザンカの木の下に登山届の提出箱があった。 登山届の提出ポストのように見えたのだが、よく見ると、「登山記帳・応急衣料品ボックス」と書かれている。 「この中の医薬品は無料です。 使用された方はご面倒ですが補充のために下記にご一報ください。」とあり役場の電話番号が記載してある。 たいそう親切な町である。

 

三谷大滝

登山道は三谷大滝へと続く観光遊歩道のようなところもある。 渓流は水面を落ち葉が覆っておりなかなか風情がある。 雌滝は、ナメ滝のように岩の上を水がこぼれる景色だったが、雄滝は落差3mほどあった。 雌滝のほうが小さく見えたが、これは連続すると落差40mあって雄滝より長いようである。滝つぼに降りて上を見上げて写真を撮ることができるが、いわゆる観光滝のように専用の湯歩道がついているわけではないので登山道から外れて下るときは自己責任である。  


登山道の紅葉

10:32登山道の回りを見ると紅葉がきれいな場所がある。 先週、新潟の山に行ったときは紅葉はふもとでも終わってしまっており、一面銀世界だったが、同じ日本でこれだけ季節の流れに差があるから、日本のあちこちを旅すると楽しい。 雪で真っ白な世界を見た翌週に紅葉を見るというのは逆を経験する人は多いかもしれないが貴重な経験をさせてもらったようだ。 11:18、岩座神道との分岐である。 ここで少し休憩。 A.Dさんに携帯電話を借りて、サービスエリアのインフォメーション・サービスに電話をして携帯が届いていないか調べてもらうが、現在まだ届けられていませんということ。 この段階で自分の番号にも電話をしてみるが、すでに電源が切れているようで呼び出し音もならなかった。 岩座神登山口から山頂に登るコースも時間はほぼ同じようであるが、ただ、こちらは駐車場がないので登ってくる人は少ないようだ。


稜線からの東の景観

 11:38、山頂まであと20分の標識が現れる。 ここまでくると右手の樹林の中にはうっすらと白い雪が残っているのが見て取れるようになった。 ちょうどこのあたりで朝早かった下山者とすれ違う。 やがて樹林を抜けて急傾斜の道が続くようになる。 見晴らしもよくなって、先のほうに市原峠コースからの岩の展望台が見て取れる。


千ヶ峰山頂

 12:00ちょうどに山頂到着。 広い山頂にはベンチが6つほどあり、それぞれ2-3名ずつの登山客が昼食を楽しんでいた。 1005mの山頂からは縦走路沿いに笠形山が見えた。 2009年より毎年10月に千ヶ峰から高坂峠を経て笠形山まで縦走する「多可町仙人ハイク」が行われる。 約8時間の過酷な行程なので、トレーニングをしていない人には厳しいかもしれない。 
 

山頂からの笠形山

 昼食にコンビニのおにぎり(塾生さばとたっぷりから揚げマヨネーズ)をほおばるが、K.Dさんが、豚汁の用意をしてくれていたので、EPIでテルモスの湯を沸かして温かいものでほっと一息をつく。 千ヶ峰からの展望は北西にそびえる氷ノ山こそやはり雪雲の影響で山頂部がガスっていたが、 扇ノ山や鉢伏山はよく見えた。段ヶ峰の姿もそれとわかった。 目を東に転じると長老ヶ岳が見えた。 遠く海の向こうに見えてそびているのが位置的に白山だと思えた。 ガイドブックには天候が良ければ見えると書いてあるのできっとそうだと信じることにした。

下山

13:04下山開始。 すすきの中を来た道を下っていく。 14:12雄滝と雌滝の間の道標に到着した。 来るときはこの道標にまったく気が付かなかった。 14:25「多可の天空を行く」と書いた登山口に到着した。 自分たちの車以外はほとんどなくなっていた。 ここから県道427号、そして国道176号、いわゆる丹波路を通って丹後大宮・峰山を通って網野を経て琴引浜にある今夜の宿の民宿を目指す。途中でスーパーにしがきで買い物をしようと考えていたが、どうしてもわからず。結局、コンビニで寝酒を買いだす。 コンビニに停車している間にもう一度、バス会社に電話するが、携帯電話の発見の連絡はなかった。  

民宿「尾江」

17:20、琴引浜の民宿「尾江」に到着。 昨年来たときにはなかった、大きな「カニ」の看板が玄関に出ていた。 おかみさんが説明してくれたが、ひかりTVの「逃亡料理人ワタナベ」という池内博之さんが主演のドラマの舞台にこの民宿が使われたということである。 風呂からあがって18時から、カニの宴会、 4人で日本酒を10本以上頼んでしまった。 9時前にお開きにして部屋にあがってきたが、夜行バスの疲れもあって、23:00すぎまで宴会をしていたものの自分は間は結構船をこいでいたようである。 

 千ヶ峰という山は標高が1000mだからその名前た着いたのだと思っていた。 実際は古文書には、「仙ヶ峯」としるされているところもあり、この山で雨乞いをすると、千石、万石の恵みの雨が降るといわれている。 また一説では近くの千の山、たくさんの山の中で一番優秀な峯だから、千ヶ峯と名づけられたともいわれている。 この日我々が登ったときは決して快晴ではなかったが、それでも展望はすこぶる良く、素晴らしい山だという印象を確かに持った。 
(2019年12月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています