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桟敷ヶ岳
桟敷ヶ岳

基本情報
1 山名 桟敷ヶ岳 (さじきがたけ)
標高 896 m
山域 京都北山
都道府県 京都府
位置 N35.09.33/ E135.43.02
地図 昭文社 山と高原地図49「京都北山」
2万5千分の1地図「周山」
20万分の1地勢図「京都および大阪」
7 山岳区分 関西百名山
登山記録
山歩No 5240-11004
登山日 2011年3月19日(土)
歩程 5時間20分
天候 晴れ
形態 日帰り
アプローチ 叡山電鉄出町柳駅より京都バス雲ヶ畑岩屋橋下車
パーティー 2人

3月東北・関東大震災のあと、会社の指示でオフィスをしばらく閉鎖することになった。 疎開の意味で久しぶりに大阪に帰省した。最近は、関西の山と縁が遠くなっていたが、いい機会なので、以前から検討していた京都北山ハイキングにでかけることにした。 本当は三連休で行楽シーズンとなるはずだが、今年は震災のあとも気温が低く、被災地では厳しい冬の寒さが続いた。 京都でも、暖かい日は19日の土曜日が一日だけとなるようなので、その日に出かけることにした。

出発

5:40起床。 今日は天気予報で4月の気温になるといっていたの楽しみである。 前日に、バスの時刻を調べて8:10の出町柳発に乗らないといけないので朝食はとらずに6:35に家を出る。 6:40にJR放出の駅について、東西線で京橋へ。 駅の構内にあるJR西日本が経営するコンビニで朝食を買う。 6:56に京橋駅到着。7:03京阪電車の特急に乗車、車内で、サンドイッチとウインナーロールを食べて少しうとうとする。天気は曇りで本当にはれてくるのか心配になる。 7:55に出町柳の駅についてトイレに寄ったあと、少しバス停を探すのに戸惑ったが、結局叡山電鉄の駅前まで川沿いを歩いて、8:10雲ヶ畑岩屋橋行バスに乗車する。

岩屋橋

 同じように、登山にいくと思われる年配男性の二人組は、アイゼンをもってスパッツまでつけていたので、その装備の違いに少し不安になる。終点の岩屋橋まで乗っていったのは自分たち以外に東京から来たと思われるカップルの4人だけだった。 結構不思議なたたずまいの岩屋橋で9:05降りて、道標にしたがって沢づたいの車道を歩きかけるが、方向が違いそうなので、ふたたび、料理旅館洛雲荘まで戻り、そこから、岩屋不動のほうへと橋をわたって進む。 右手に惟喬神社の社を見て、岩屋谷を車道に沿って上がっていく。


岩屋不動

やがて右手に樹林の中に、桟敷ヶ岳という道標を見る。 こちらは、ハイキングコースとなっている。 こちらは薬師峠を経由しないルートとの分岐のようだ。 そこを突っ切ってさらに車道を進むと、650年役の行者が草創したという古刹の志明院がある。 ここがいわゆる岩屋不動だ。 最初は寺の中を通って山道が続くのかと思いきや、桟敷ヶ岳へののぼり道は、寺の手前の坂を上がってゆくのだと寺の奥さんに聞かされて、そちら側に回る。 やがて山道になるが、深雪がしっかりとついている。 


薬師峠

林の中で、右にあがっていく谷に赤いテープがついていたので、そちら側がルートだということがわかり、ゆっくりその赤テープにしたがってあがってゆく。 10:18薬師峠到着。もうここでは携帯は電波が届かない。 水を飲んで10:25出発。稜線伝いの道なので、傾斜はさほどではない。 途中、岩茸山へ直登するルートと東側をまいていくルートとに分かれたが、後者をたどる。 結果的にこちらは、かなり雪が吹きたまっており、ひざまでうまるところがある。 後ろから、登山者の方が一人ついてきた。 スパッツはもちろん、わかんもザックにくくりつけている。 岩茸山まで5分の分岐が見えたので、その山頂までがんばって上がって休憩することにする。  


岩茸山

11:36、やぶをこぎわけて岩茸山の山頂に到着。 休憩。 行動食にビスコを食べる。 桟敷ヶ岳は北北西の方向に見える。 まだ少し風が強いが山頂は木々もあるので風はさほど感じられない。 11:45出発。 来たルートをおりずに北東にあるふみ跡にしたがって樹林の中を下る。 やがて鞍部まで降りて、そこからは林道に沿って上る。 林道の突き当たりには電波塔があるが、登山道は、電波塔の東側を巻いている。 そこからは赤いテープに沿って進むがはなはだわかりにくい。 踏み跡がひとつあるが、さきほど追い越していった単独行の方のものだろう。 わかりにくいのでいろいろ探している形跡がある。 テープの目印に沿って進むと、右側が開けて魚谷山のほうが見えるようになった。 都ながめの岩というのがあるようだが、ガイドブックによれば、今は登山道のよこを通っていないらしい。


桟敷ヶ岳山頂

 最後にゆるやかになった尾根を乗り越えると、送電線の鉄塔があった。 そこは樹林がないため、雪が飛んでいた。 12:50桟敷ヶ岳山頂到着。 山頂にはだれもいなかった。 先ほどの登山者の足跡は北西のナベクロ峠のほうに続いている。 リュックをおろして記念写真。 サングラスを忘れたので目がいたいので、樹林の影に入って、EPIをつけて昼食のしたくをする。 やきとりの缶詰をあけて、のどごし生の500ml缶をあけて乾杯。  うーん、うまい。 さきほどまで冷たかった風もやんで、午後に入って天気予報のとおり、気温が上がってきた。 ゆっくりと湯をわかしてカップラーメンをつくる。 コンビニのおにぎり(ますの寿司)もうまい。 

縦走断念

 桟敷ヶ岳の展望は、樹林の中なので、北東斜面が開けているが360度というわけにはいかない。 それでも、昔、悲運の惟喬(これたか)親王が都をしのんで眺めるため山頂に桟敷(さじき)を作って相撲見物したととされるだけあって広くて気持ちのいい山頂である。 ゆっくり昼食をとっていると、さきほど抜かしていった単独の方がやってきて、ナベクロ峠におりようとしたが残雪が多く、道がわからないから引き換えしたほうがいいとのこと。 聞くと、地元に人で、ここは何度も登っているとのこと。 であれば、われわれはなおさらルートファインディングに苦労することだろう。 無理をせず、来た道を引き返すことにした。


岩屋山

12:35桟敷ヶ岳山頂出発。 さきほどの人が、山頂に帽子を忘れていたので拾い上げていく。 途中で、同じ一人の年配男性とすれちがい、さきほどの人と同じ山岳会だということなので、帽子はその人にあずけることにした。  来るときはしっかり雪がついていた登山道も気温があがったせいで、ずいぶんと雪が解けて歩きやすくなっている。 15:26薬師峠到着。 時間も早いので、三角点のある岩屋山(649m)に上ってみることにする。15:31出発。 桟敷ヶ岳の姿が見えるといいなと期待しつつ15分上って、15:48岩屋山山頂。 残念ながら、景色はなかった。 16:06下山開始。 16:16再び薬師峠を経て、樹林の中を沢沿いに下りていく。 今度は先の人の踏み跡があるので迷うこともない。 


下山

16:45岩屋不動。 再び、車道をくだり、惟喬神社に無事下山のお礼におまいりをして、17:06に岩屋橋まで到着。 7人くらいの中高年の山岳会の方たちが、畑嘉(はたか)という料理屋の前で焚き火にあたっていた バスは18:20出発なのでまだまだある。 料理屋で缶ビールを300円で売ってもらって、のどをうるおす。7人組さんはもっと早くから下りてきていたので、もう日本酒の熱燗まで飲んでだいぶできあがっている。 携帯が入らないので公衆電話で家に電話をして、バス時刻まで、まわり散策して過ごす。 18時に、音楽を流しながら京都バスが入ってきた。 最終のこのバスは、出町柳駅まで行かない。 高野車庫どまりだ。18:20に出発して19:08に高野車庫についた。 そこから川沿いに出町柳の駅まで歩いて、再び京阪に乗車。 19:37の快速急行に乗って帰る。   





京都北山というのは、手がるに幽山の魅力が楽しめる。雪の中の山を楽しむこともできたのはよかったが、サングラスやスパッツという装備も持たなかったのは失敗だった。 今回は縦走を断念せざるを得なかったが、ぜひ、季節のいい時期にまた来てみたいものである。

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています