 |
 |
基本情報
1 |
山名 |
金糞岳(かなくそたけ) |
2 |
標高 |
1317m (四等三角点) |
3 |
山域 |
伊吹山地 |
4 |
都道府県 |
岐阜・滋賀 |
5 |
位置 |
N35.33.00/ E136.20.13 |
6 |
地図 |
昭文社 山と高原地図「」
2万5千分の1地図「近江川合」
20万分の1地勢図「岐阜」 |
7 |
山岳区分 |
関西百名山 |
|
|
登山記録
山歩No |
5040-14024
|
登山日 |
2014年6月1日(日) |
歩程 |
2時間30分 |
天候 |
快晴 |
形態 |
日帰り |
アプローチ |
JR北陸線 長浜駅より近江鉄道バス高山 |
パーティー |
1人 |
|
 |
|
 |
|
|
金糞岳は関西百名山の中でも最北部に位置する山のひとつである。岐阜県との県境に位置しており伊吹山地の中でも2番目の標高を誇っている。 以前より琵琶湖方面の比良山系への山岳部行事があれば帰りに立ち寄ろうと思っていた場所である。 6月例会山行がマキノ高原の赤坂山になったことから、余呉湖の民宿に宿泊して翌日レンタカーを借りてアタックすることにした。 |
高山キャンプ場---鳥越林道入り口
朝、余呉湖に昇る朝日で目が覚める。 5:30. 昨夜は夜行バスの疲れで眠ってしまった。 7:00に朝食を食べておかみさんに送ってもらって長浜へ。 船で竹生島見物をしたあとに、11:40にコンビニで昼食を買って、レンタカーを借り出す。 駅レンタカーをナビの設定したとおり高山キャンプ場に向かって走らせる。道は途中から鳥越林道という標識が現れて少し細くなってきたが高山キャンプ場まで到着。 ここからは一般車通行止めの標識がある。ゲートのポールのようなものもあるが、あえて自家用車を排除しているわけではない。 あくまで、危険箇所もあるので自己責任で通行しなさいということだろう。 1台バイクに乗った青年が林道に入っていく。
|
 |
鳥越林道
道は東俣谷川に沿って登っていく。麓から峠までは標高差約800m。それを10.6km程で登る。 途中、峠の鞍部が見えるが、そこから直接谷を詰めずに、一旦ひとつ尾根を乗越して高度を稼いでいく。路面は全面舗装してあり走りやすい。 ところどころ落石があるところもあったが仕方がないだろう。
|
 |
登山口
途中、小森口と連状口で登山ルートがある。さらに20分ほどで、鳥越峠に到着。 林道の開通を記念する標識がある。 峠からは滋賀県方面の眺めがよい。 岐阜県側に少し下ったところに最短ルートの登山口があった。運悪く7台ほど駐車できるスペースがいっぱいである。ただ、そのうちの1台はすでに下山してきたあとだったので少し待っていると駐車場を出て行った。 車の中でコンビニで買ったとりそぼろ弁当を食べて、13:07に歩き出し。
|
 |
金糞岳山頂
最初はよく整備された登山道を進む。すぐに小朝の頭登山口を越えてきたルートと合流する。 歩き始めて30分で「後20分」の標識に出る。ただし、この「あと20分」の標識は上から赤く塗りつぶされて字が消されて、「あと30分」に書き直されていた。 ルートは次第に高度を上げていく。 切り立った溝のような階段状態のところもある。 次第に高度を上げてゆき、振り返ると、遠くに鳥越林道がぐねぐねと曲がって広瀬の集落のほうに降りていくのが見える。さらに高度を上げて1200mを越えると、北側に奥美濃の山が見えるようになってきた。今日はいい天気だ。だんだんと高みに近づいているようでどこまでいってもまだ高いというのが続いていささか疲れて気たころ山頂標識が見えた。 14:00到着。 腹の具合が悪かったのか腹痛を抑えて登ったので山頂標識の前でうずくまってしばらく動けなかった。山頂にはお店だろうか高花屋さんという人が寄贈した石の標識が埋められていた。 持って上がるのはさぞ大変だったことだろう。
|
 |
伊吹山遠望
山頂には誰もいなかった。 広い山頂で気持ちのよい潅木の原っぱのようだった。1317mの高さの向こうの空はとても青い。 せっかくここまで来たのだから三角点のある白倉岳を目指そうという気になる。白倉岳まではいったん下るがそのあとはなだらかな稜線に見えた。 南には伊吹山が見えた。 PM2.5のせいで視界が悪いのかそれほどすばらしい眺めではなかったのだが、それでも伊吹山がひときわ高くぬきんでいていることはわかった。
|
 |
白倉岳を目指す
14:10、白倉岳を目指して出発。 新緑が目に優しい。登山道は強烈なブッシュだと登山ガイドには記載されていたが、決してそのようなことはなかった。 まだこの時期、笹がさほど生い茂っていないからであろう。 鞍部までの下りはさほど急傾斜ではなかったが、白倉岳へののぼりは結構骨が折れた。 途中、トラロープにつかまりながら、石をよじ登るようにして進む場所がある。ひとたび急な場所を抜けると小高い台地に出た。 そこが白倉岳かと思ったが、残念、もう少し高い稜線がなだらかな尾根伝いに続いたいた。 帰りの時間を気にしながらも折角ここまで来たのだから進むことにする。
|
 |
白倉岳山頂
14:32、稜線を緩やかに登り切って平になった白倉岳の山頂に到着。 山頂はだだっぴろく、三角点が目立つ位置に埋め込まれていた。気持ちのよい山頂でこんなところでお昼を食べたら楽しいだろうななどと思った。 もちろん14時を過ぎて、山頂には誰も登山客はいない。 いつものようにたった一人の登山である。 とりあえず三脚を使ってセルフタイマーで写真を撮影。 振り返ってみる金糞岳の姿はりりしく見えたので、これをホームページの山のカバー写真に使おうと決める。 14:35出発。
|
 |
白倉峠
鞍部から南に降りる踏みあとがあるがこれが東俣谷川コースとの分岐であろう。 この東俣谷川コースは高山キャンプ場 - 関西電力作業道(東俣谷左岸) - 深谷 - 白倉峠 - 金糞岳というルートをだどり急峻な難ルートであったが、発電用のダム建設に伴い立入禁止となった。と書かれている。 ただ、面白いことにWEBを見るとバリエーションとしてあえて沢コースを上がる人もいるようだ。 高山キャンプ場からは尾根コースが一般的なのであろうが、それすらもこのように山頂の近くまで林道が通じてしまうと登山者の数が減るのだろうか。そんな軟弱な歩き方の典型が私なのであるが。
|
 |
再び金糞岳頂上
再び金糞岳の山頂へ。金糞岳の山頂は笹に覆われているが、2本だけ木があるのが遠くからもよく見える。 山頂直下が笹を分けて進む道。 15:04に山頂到着。笹が茂っているのであまり展望はない。 わずかに北側が開けていて、蕎麦粒山や能郷白山が見える。 山頂を出て5分ほどで展望の良い台地に出る。 鳥越峠を通る鳥越林道はグネグネと曲り山肌を縫うように進んでいる。
|
 |
下山---駐車場のレンタカー
金糞岳とはずいぶん不名誉な山の名前であるが、Wikipediaによると草野川東俣谷に古い鉱山跡があり、周辺には製鉄遺跡があったため鉱石を溶精する際に生じる金屎(かなくそ)が、山名の由来であるとする説がある。民話の『竹生島の話』で伊吹山に首を切られて、伊吹山より低い山になったと伝えられている。そうこうしているうちに道はなだらかになり、15:33駐車場が見えた。 最初、停まっている車は自分の車だけだと思っていたが、他に2台駐車車両があった。 山にはまったく登山者の姿は見えなかったので、高山まで下山して相棒の車でここに停めている車を回収にくるのであろう。
|
 |
15:33下山。 予定より少し時間をオーバーしたが、何とか白倉岳まで行くことができた。 今日はこのあと、19時にレンタカーを返却するのだが、最後に小谷山へ寄ってみようと考えた。 登山として山頂をアタックするよりも目的は戦国時代の面影を探るためである。金糞岳は滋賀県の高峰であるが、普通の登山者と行動時間が少しずれたために静かな山旅となった。
(2014年6月 記) |
|