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御前山
御前山

基本情報
1 山名 御前山(ごぜんやま)
標高 1,405m
山域 奥多摩
都道府県 東京都
位置 N35.46.12/ E139.04.50 
地図 昭文社 山と高原地図23「奥多摩」
2万5千分の1地図「奥多摩湖」
20万分の1地勢図「東京」
7 山岳区分 関東百名山、花の百名山
登山記録
山歩No 4790-12027
登山日 2012年7月15 日(日)
歩程 4時間30分
天候 晴れ
形態 日帰り
アプローチ JR青梅線奥多摩駅より西東京バス小菅・奥多摩湖行き水根下車
パーティー 2人

海の日の三連休というのは、ここ数年、ちょっと足を伸ばした山に行くというのが恒例になっていた。 昨年2011年は南木曽岳・奥三界岳・小秀山という長野・岐阜県境の名山をキャンプ方式で回った。 その前年の2010年は日本百名山で最後に残った南アルプスの山、光岳から聖岳までの縦走をした。ところが今年2012年はどうもこの三連休天気が悪い予報である。 九州では豪雨により土砂災害など大きな被害をもたらしている。当初、南アルプス等も検討したが、結局、中止して自宅にいることにした。 しかし、14日(土)は雨という予報がはずれて登山には支障のないいい天気となった。 折角3日前に買った登山靴(SCARPA TRIOLET PRO GTX)も足に慣らしたいので、近所の奥多摩・御前山にトライすることにした。

国道16号-横田基地

 7月15日(日)朝5:00に起床。前の晩は気温が高かったのでクーラーを入れたまま眠った。 この時期、どうしても眠りが浅くなるのだろう。朝5時に目覚ましがなる前に目が覚めた。荷物を車に積み込み、5:50に家を出発。調布ICから中央高速に乗るが、既に、八王子ICとの間で9kmの渋滞の表示が出ていた。のろのろ運転で八王子ICを下りる。 この先も相模湖ICを先頭に20kmの渋滞とのこと、三連休の中日でも結構車で出かける人が多いようだ。ここから16号と411号の国道を乗りついで奥多摩方面へ行く。 途中、16号で横田基地の脇を走ったときは、道路わきの標識が「減速せよ」ではなく「Reduce Speed Ahead」と英語で書かれていた。 

水根駐車場

  都道5号に入ったら箱根ヶ崎のところに好日山荘の瑞穂支店があった。 車で来るには便利なところ。 ちなみにここは電車の駅で八高線の箱根ヶ崎が最寄り駅であるが、駅から歩いて25分かかるそうだ。 都道5号線(青梅街道)はやがて青梅の町を通り411号と合流して青梅線に沿って走っていく。 日向和田・沢井といったかつて電車で山に来た懐かしい駅の前を通りすぎ8:30に奥多摩駅を通過。 このまま、奥多摩湖に向かって進んでいく。 途中、サイクリングを楽しむ人が多いようで、追い越す時に気を使う。 8:40、水根の駐車場に到着。 100台停められる駐車場はおよそ半分くらいが埋まっていた。トイレは水洗できれい。 ただ、電灯がないので夜は真っ暗か。

登山口-奥多摩湖

  ここで登山靴に履き替えて9:05出発。 道路を渡り、歩道を上がるとすぐ上が奥多摩湖の公園になっていた。なるほど、ここに「水と緑のふれあい館」があって、小河内ダムの紹介をしているパネルがある。いやゆる湖のほとりの園地になっているわけだ。 比較的朝の早い時間であるが、散歩をする人や子供連れの姿も見られた。 ここからダムの堰堤を渡って南側の対岸へ。ここからいこいの道12kmが散策コースになっているわけだが、 クマの目撃情報があり通行止めに、その後、土砂崩れがあり今年また通行止めになった。 入り口近くにダムのセメントを運搬する容器が飾ってあり、その上展望広場から御前山への登山道は始まる。入り口に「クマが生息しています」と注意を促す立て札があった。  

大ブナ尾根 急登

  登り出すときに、4人組の中高年女性のグループと、2人組の山ガールと一緒になった。 彼らはちょうど我々の出発時に湖に到着した、奥多摩湖から来るバスに乗ってきたようだ。登りだしてすぐ、4人組が「くるみの実が落ちている。」といって拾っていたので一緒になって拾う。 ちょうど5つほどGetした。 (あとで知ったことだが、この胡桃を中から出すには結構骨が折れるようだ。)登山道はそこから尾根に沿って次第に急になっていく。 ところどころトラ・ロープに掴まりながら滑らないように登っていく部分もある。 まわりの木々は主に杉の植林であるが、間隔をあけて植林されているので、登りながら右手には、奥多摩湖の姿をよく見下ろすことができる。10:15尾根のトップに近いところで休憩。 そこで水を飲み、10:20出発。 

サス沢山

 息もきらずにさらに15分ほど登るとサス沢山(940m)に到着。10:36三角点があるはずだがどこかよくわからなかった。 山頂というよりは、広場である。 テレビモニターの施設がある。もう少しがんばろうとここでは休憩せずに進む。やがてルートは傾斜が緩やかになり、植林の中を進むようになる。 右手に伐採した木材を運ぶケーブルの架線もあらわれた。 10:53に標高1011mの地点に到着。 ここはサス沢山を登りきった大ブナ尾根の平坦部分だ。 水を飲んで少し一息つく。4人組はここでもうお昼ご飯休憩にしている。  11:01出発。いったん平坦な道を進み、さらにひと登りすると稜線の上と思われるところに出た。 そこから惣岳山までは厳しい登り。 さすがの山ガールも途中で休憩しているのでゆっくりと抜かしていった。 我々よりも健脚なご夫婦は、あっという間に見えなくなった。 

惣岳山山頂

  右側の沢筋は開けているが落ちないように注意して進まなければならない。次第に傾斜がゆるくなって 、東京都と書かれた道標が見えるとそこが惣岳山(1341m)の山頂。 11:51到着。御前山まではまだあるが、ここで昼食を摂ることにした。ベンチが山頂をとりかこむように4つほどおいてあり、最も平坦そうなベンチに腰をかけて、下においたEPIに火をつけてお湯を800CC沸かす。 気温が高いので、たいした時間もかからずにお湯がわいた。UFOと赤いきつねにたっぷりお湯を入れて昼食。 朝食のおにぎりがひとつ残っていたのでそれも湯がわく間にほおばる。 小河内峠からも単独行の人が上がってきた。 

御前山山頂

  12:33片付けて出発。 そこからいったん20mほど下った鞍部に、シダクラ尾根から東の尾根に入り栃寄森の家を経て境橋に下山するコースとの分岐があった。 こちらに下りている人もいる様子だった。 このあたりは水が多いのか、登山道もぬかるんでいて買ったばかりの靴が汚れる場面だったので気をつけて進んだ。 途中、三頭山が見えるところがあり、写真を撮った。およそ15分ほどの登って最後にしだの群生を掻き分けると御前山の山頂だった。 広い山頂は8つほどベンチがあったが昼食休憩の人たちで混雑していた。 交代で山頂標識の前で写真を撮る。裏のカタクリの群生のところへもいってみた。 隣のベンチで山ガールたちが食事をしていた。 360度動画も一応撮影したが、決して展望のある山頂ではなかった。結構、樹林が多い茂っていたがかろうじて六ツ石山の山頂は見えた。三角点にタッチする。 

御前山避難小屋

 13:04に山頂を出発。 帰りは御前山避難小屋経由・奥多摩体験の森を経て栃寄沢沿いに境橋に下りるコースだ。 7-8分下ると道は湯久保尾根と鋸山に行くルートと栃寄沢へのルートとの分岐になった。 後者を進むとすぐに、御前山避難小屋。 この小屋は結構新しく、アルミサッシの戸のついた近代的なものだった。 小屋にすえつけられた日記をぱらぱらとめくってみたが、結構平日や冬場に泊まりに来ている人もいるようだった。 13:18避難小屋出発。 途中で面白い形のきのこの写真を撮り、湧き水の広場で水を汲む。 13:51栃の木広場を経由してそこから登山道を進む。 14:24にいったん舗装道路に出たが、ルートは登山道の標識に従ってまだ続いている。 

栃寄沢コース

  14:36に栃寄森の家との分岐になる。 ここで数組の登山者にあったが、我々は、沢沿いの涼しいコースと伝って降りる。 ただ、このコースは雨のあとは結構石が滑るので初級者にはお勧めできない。 結構うっそうとした林の中を進むので涼しかったのはよかった。 途中、木の橋が濁流で流された仮設の道を岩につかまりながら通ったりして15:21にやっと栃寄から来る車道にでて長い沢沿いの下りが終わった。 気温の高い中を汗をふきつつ境橋に向かって下りる。 途中、沢の手前の落石防止ネットにところには二頭のサルがいて、こちらに向かって挑発するかのように見下していた。 15:44、橋に到着。 残念ながら奥多摩湖に行くバスは16:36までない。 橋の上の歩道に腰をおろして水を飲み、空を眺めながらバスが来るのを待った。 橋の下は見事な渓谷が見えた。正面はハンノキ尾根の向こうにそろそろ梅雨明けしそうな青空が見えた。 天気予報では山沿いでは午後ににわか雨があるかもれしれないといわれたが幸い雨にあたることはなかった。  

境橋-バスに乗車し駐車場へ

 バスは定刻より4分ほど遅れてやってきた。 これに乗って(水根まで片道260円)、16:55駐車場にもどる。 やはり駐車場の車の多くは登山客だったようで、すでに8割がたは出て行った後だった。 ただ、駐車場の前の水根のバス停の奥多摩方面へは六ツ石山から下りてきた登山者だろうか20人ほどが行列をなしていた。 着替えてトイレをすませて17:05に車を出発させる。 途中、軍畑が混雑していたので青梅街道を経て吉野街道に入るがこちらも少し渋滞していた。 日の出ICから圏央道に乗り、中央道に入って高井戸まで行く。途中調布のあたりで10kmほど渋滞していたが、そこそこに流れていたのでさほど気にならなかった。 ほぼ予定したとおり20時に家に到着した。


 御前山に登ったことで、奥多摩三山をすべて登ったことになる。 ただ、考えてみると、最初に大岳山に登ったのが1979年5月、次に三頭山に登ったのは2007年9月、今回の御前山が2012年7月なので、3つを登るのに33年を費やしたことになる。 高校生から山を始めたので、奥多摩がホームグランドのように考えていたが、意外や途中でずいぶんと別の山域に年月を使っていたことになる。 奥多摩のよく踏まれた関東ローム層の黒土の道は、なぜか踏みしめると懐かしさがこみあげてきた。 今月下旬の中央アルプス・8月の北アルプスと今年の夏山に備えて新たに購入したイタリア製の登山靴のデビューにふさわしい夏の一日となった。 今度は4月にカタクリの花の季節に訪れてみたい。

(2012年7月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています