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飛龍山
飛龍山

基本情報
1 山名 飛龍山 (ひりゅうやま)
標高 2,077 m
山域 奥秩父
都道府県 埼玉県・山梨県
位置 N35.50.23/ E138.53.32
地図 昭文社 山と高原地図25「雲取山・両神山」
2万5千分の1地図「雲取山」
20万分の1地勢図「甲府」
7 山岳区分 関東百名山、山梨百名山
登山記録
山歩No 4720-11001
登山日 2011年2月5日(土)
-6日(日)
歩程 第一日 3時間20分
第二日 6時間00分
天候 晴れ
形態 小屋泊1泊2日
アプローチ 中央自動車上野原ICより
パーティー 2人

2月は、登山者の少ない季節である。 先月1月はどこの山にものぼらなかったので、少し足慣らしに近くの山にでかけることにした。 奥多摩は幸い厳冬期でも、きわめてつらいラッセルを強いられるほどの積雪はない。丹波村のHomepageで三条の湯の積雪状況を調べて、アイゼンは携行して関東百名山の飛龍山(通称 大洞山)を目指すことにした。 金曜の昼、三条の湯に電話をして予約を入れる。 天気予報では、月曜日からは下り坂なるも土日の間は冬の安定した天気が期待できそうである。

出発

7:00AM起床。 朝食を食べて8:19に車で家を出る。 府中街道を走って、調布ICから中央高速に乗る。 道は比較的すいている。9:35、上野原ICを出て国道に入ったセブンイレブンで昼食のおにぎりとパンを買う。 小菅を抜けて139号を少し走って、最後、丹波山村に出るくだり道を積もった雪に気をつけながらおりて10:47に道の駅たばやまに到着。 トイレをすませ着替えをしてボールペンを忘れたことに気づき、お土産やさんで買った後、11:19に歩き出し。Internetにあったとおりエネオスのスタンド前の民家に横から畑にそってあがり、サオラ峠への道標に従う。 畑を通過するときには「熊に注意!」とあったので、少しどきっとする。。

サオラ峠

 植林の杉林を抜けて12:30に山道との分岐という広場がある。 ここで少し休憩。 昼食に買ったパンとおにぎりを食べる。 12:48出発。 ジグザグをきりながら高度を上げていく。 樹林の中から、丹波の町が右手に見える。 南側に見える山は大菩薩嶺だろうか、そこそこの標高がありそうだ。 稜線に出て、今度は右岸にまくと、少し崩壊した狭い道が現れる。 ふみ跡ははっきりしているので迷うことはない。 14:22、サオラ峠到着。 中休止。持ってきたお菓子を食べる。 峠ははっきりしている銃走路の途中だが、誰ひとり登山者がいない。 


三条の湯到着

14:35出発。 今度は北に稜線と平行するように山道を下っていく。 途中、沢の水が凍っているところですてんところんでしまった。 北面に沿ったしたところではそこそ雪が残っている。 15:31、沢をまわりこんだところで休憩。不覚にも、ここで地図を落としてしまった。 幸い、くるときに道の駅丹波村でもらったガイド地図に飛龍山への概念図が描かれていた。 15:39出発。 沢を越えて最後に急なのぼりを越えると、右手に後山林道が見えた。 ちいさい谷を越えると、最後ののぼりがあり、登りきったカーブを越えると山小屋は見えた。 16:44三条小屋到着。


秘境の温泉

受付をして、管理人の木下さんに宿泊料金ひとり7500円を払う。17時からは風呂は女性の時間だが、もう先についた人はみな既に入ったからいいはずですよといっていわれたので大広間に荷物をおいて、さっそく風呂に行く。ふろのふたをのけると、結構お湯が熱かったので、かき混ぜて、ゆっくりつかる。白く浮かんでいるものは垢ではなく、湯の花らしい。 快適な風呂で疲れを落とす。 17:30にはあがって、部屋に帰って片付けをする。 大広間の泊り客は、青年と父親の親子連れの2人組みと20代前半を思われるカップルの計4人+われわれ二人。 布団をひくスペースは余裕である。布団もよく干してあるようでふっくらして暖かい。大広間以外に団体客向けに個室もあるようである。 大広間も窓からキャンプスペースが見えて快適である。 


静かな山小屋の夜

夕食18時。ストーブについたあたたかい食堂で、木下さんの鹿をうつ話などをききながら、ビールをちびちび、鹿肉などをいただく。  食事がおわってから、木下さんからいろいろお話しを聞く。 ご家族のこと、荷揚げは一回200Kg、コンベアで上げること。 生態系のバランスをとるために鹿撃ちをはじめたことなどを聞く。 19:30に部屋に戻る。消灯は20:30だったが、20時にトイレをすませてかえってきたら寒くてそのまま寝てしまった。。


2/6(日)朝 三条の湯出発

朝4:30に一回おきてトイレに行く。 そのあと、また5:50まで寝ていたら、木下さんが食事ですよとよびにきてくれた。 6:10、食堂に行く。 個室の5人の中高年はもう食べ始めていた。 こんだては生卵にのり、しゃけの切り身に白菜の味噌汁。 トイレを済ませ、そうじをして7:30に木下さんにあいさつをして出発。 飛竜へののぼりはいきなり登山道になったが、1700mくらいから、残雪があらわれたので、アイゼンをつける。 静かに歩いていると、気もめいるので、ラジオをつけて世良正則の歌や吉田拓郎のトークなどをきいてまぎらわせる。 8:28 休憩。 天気はいいが予報では下り坂だとラジオで言っている。ぐんぐんと標高をかせいできたのがわかる。 8:35出発。 

北天ノコル

 9:17アイゼン装着。標高1700mより上に行くと、もうルート上も行きが多くなる。 北天のコルに10:30に到着。ここは雲取山・三条ダルミからの主脈稜線の合流点である。 ここまでくると 雪がけっこうついている。 日焼け止めクリームを持ってこなかったことを後悔した。 おにぎりののこり1つを食べて10:40出発。山頂の南面をまわるようにして飛龍の山頂に向かう。 単独行の男性に追い越される。 今日初めて会う登山者だった。



飛龍山

そこから、しばらく上ると、道標にこちらが山頂というマークがあったので稜線をはずれてふみ跡と赤テープにそって進み、11:48、展望のない山頂に到着。 写真を撮る。山梨百名山の道標があった。   再び赤テープにしたがって進み飛龍権現で12:08昼食をとる。 新製品の、カップヌードルとどんべえの真空パックをお湯をわかしてつくる。 香港のホテルの部屋からもらってきた、インスタントのコーヒーもつくった。地図上では、そこにはげ岩という南面の展望がいいというところがあるはずだが、どこにあるかわからなかった。 あとで調べると飛龍神社よりも笠取山方面に5分ほどいったところらしい。 本当は、そこで昼食をとるべきであったが残念。 そこからの展望はまた次回のお楽しみである。12:45出発。 


前飛龍

稜線に沿って進むと、やがて南斜面になってきたので、概ね雪が融けている。 傾斜が急でいわばの通過もあるのですぐにアイゼンははずす。 前飛龍までは少し雪のついたやせた稜線をあがって13:41前飛龍の山頂で休憩。 13:50出発。前飛龍の急な傾斜を下ると、そこからはゆるやかな稜線の上の快適な登山道となる。   



熊倉山

途中、いくつか小さなピークの上り下りがあるが、一般的な縦走路をとおり、15:04熊倉山山頂到着。 ひとつピークを登りきったところで西側が開けていたのでリュックをおろしてお菓子を食べて水を飲んで休憩。 実際の熊倉山の三角点はもう少し南にいったところだった。 山頂は広くなっており休憩するには気持ちがよい。先を急ぐので15:10そそくさと出発。



サオラ峠

熊倉山を出てからは落ち葉を踏みしめてゆるい傾斜のハイキング道を降りる。 15:51、サオラ峠で最後の休憩。 地図ではここから1時間となっていたが、ここからが意外に長かった。 くる途中、弁当を食べたあたりまでおおむね1時間強。 17時になってしまったので、あと、林道の中のくだりはもう日が沈んだあとだった。 畑にでてきたときはもうとっぷり日が暮れて、国道にでたら、小雨が振り出した。 18:20に、道の駅たばやまに到着。 ココアとCCレモンを買って着替えて出発。 帰りは、411号沿いに奥多摩に出ることにした。 最後、19時45分に八王子に出て、そこから高速は渋滞していなかった。20:45に家に到着。 



雲取山にはこれまで2回、登ったことがあったが、そのときには、三条の湯に寄る機会がなかった。 テレビ東京の秘境の温泉を扱った番組でこの宿が紹介されたときに、一度は行ってみたいと思った。 お祭りから後山林道を通っていくのがもっともポピュラーでであるが、自家用車で行くにはサオラ峠越えがいいと考えた。 真冬のハイキングを選んだこともあり、とても静かな山旅を楽しむことができた。次回は、三条の湯に宿泊して、雲取山を越えてみたいと思う。 飛龍山は山梨百名山の名に恥じない孤高のたたずまいを見せていた。 展望こそあまりないが、訪れる価値のある山だといえよう。

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています。