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伊予ヶ岳

伊予ヶ岳

基本情報
1 山名 伊予ヶ岳(いよがたけ)
標高 337m (二等三角点)
山域 房総半島
都道府県 千葉
位置 N35.06.26/ E139.54.50 
地図 2万5千分の1地図「金東」
20万分の1地勢図「横須賀」
7 山岳区分 関東百名山
登山記録
山歩No 4540-15002
登山日 2015年2月7 日(土)
歩程 2時間30分
天候 晴のち曇り
形態 日帰り
アプローチ 館山道鋸南富山IC
パーティー 2人

2015年の1月は公私ともに多忙で結局一度も登山やハイキングに行くことができなかった。2月になって海外出張から帰ってきて、山に出かけていないことが心の重みになっていた。 2月7日は天気予報でそこそこのお出かけ日和になると伝えられていたので、意を決して千葉県の低山に出かけてみることにした。

平群天神社駐車場

 出張の疲れもあったので、朝7:30までゆっくり休んで遅いスタートとする。 9:00に車でアクアライン経由房総半島を目指す。 今日の目的地は「伊予ヶ岳(336m)」である。 ガイドブックでは2時間半の軽いハイキングなのでなまった体にはちょうどよい。 とはいうものの、 上部は険しいガレ場もあるようなので注意が必要である。 アクアラインもさほどの渋滞もなく、 途中の道の駅「富楽里とみやま」で、昼食の弁当の買出しをする。 本日の昼食は「かにかま入りかき揚げどんぶり」とたれのたっぷりついた「焼き鳥ねぎま」である。10:50に駐車場のある平群天神社に到着。 驚くべきことに境内の駐車場は既に20台以上の車が停まっていた。 水仙の季節だということでハイカーもたくさん訪れているようである。

景色のよい林道(御殿山方面)

 靴をはいて、11:06出発。すでにこの時間は下山してくる人もそこそこいる。 1日で関東百名山2つを目指す人もいるのだろうか?平群天神社の標高は65m、今日は標高差270mの登山である。 最初は、平群小学校の脇を抜けて林道を歩く。 大きく左に曲がり、登山道へと入っていく。途中、南方に景色が広がり、 御殿山の方角が見えている。 快晴というわけではないが、なかなかの里山歩き日和である。 20分も歩くと、富山との分岐に到着した。 ここの標高はおよそ200m。 道は竹林を通過してぶなの林に入っていく。 気温は12度くらいか。 上着を着ていると少し暑く感じるくらいである。

展望台より富山を眺める

11:34に展望台に到着。 ここからは南側の景色がいい。 登山道脇に東屋があるが、それよりも10mほど南の稜線に上がったところにベンチがあり、昼食をとるのに気持ちのいい場所だった。幸いベンチに誰もいなかったので、少し早めの昼食をとることにした。 買ってきた弁当とやきとりをほおばりながらノンアルコール・ビールをのどに流し込む。 まだ1時間も歩いていないのに今回はかなり軟弱登山である。 やきとりのたれが、ビニール袋の中でこぼれてしまったので、手がべたべたになったが、身が大きめの立派な鶏肉で、1本130円というのはかなりお買い得である。 食事をして、富山を眺めているといい気分になってきた。 アルコールが入っていない飲み物なのに。
 

ガレバの通過に気を使う

 後から来た4人組がガスコンロをつけたいようだったのでテーブルを明け渡して12:20出発。 ここから道は急な登りになる。 いきなりロープにつかまりながら足場を確かめて登る急な岩場となった。 先を歩く親子連れ3人が登りに苦戦している。 もたもたしている間に、下山する4人組みが登山者の通過を待っていたので、いったん切れ目で先に下山させてやることにした。 下山者も足場に気を使いながら下りているのでさほどスピードは出ない。先の親子連れの子供の方は小学生だろうか? 結構苦戦している。 ハイキングコースであるものの、頂上直下のここは結構な危険地帯である。  

南峰で万歳

 12:50に南峰に到着。 山頂では4名のグループと2名が昼食を食べていた。 山頂標識の奥は、岩場になっていて、いわゆる、覗きのような展望台だった。 少しスリルがあるが鎖につかまって歩けば難なく岩の先端まで行くことはできる。 万歳をして記念写真を撮る。 山頂からは北峰が見えて、何人かの登山者がそこを目指して歩いている姿をうかがうことができた。南峰から富山が手の届く近さに見えた。 ベンチが2つ。 決して広い山頂ではないので、あまり長居をすると他の登山者に迷惑かもしれない。 東京近郊の山でお手軽にいけるということもあるのか、登山者も北峰からの下山者もどんどんやってくる。

北峰を目指す

 北峰へはそのまま稜線を北に進む。 いったんぐっと切れ込むところは足場がすべりやすく、思わずストックを出して使ってしまった。 鞍部まで30mほどのくだりだろうか、あっさりと到着した。 ここから北峰まではこぶを二つくらい越えていく。 こぶの上からも南峰の覗き岩が見えてなかなかスリルがある。 千葉の標高337mの山としては岩峰が切り立っており、アルペンムードがただよっている。 

三角点のある北峰(バックは南峰岩峰)

 13:02 大きく登ると北峰の山頂であった。 ここから西はぐっと切れ落ちており独立峰の様相をよく見せている。 北にはさらにルートが続いていたのでそこから登る人もいるのであろう。 山頂には三角点があるだけでとりたてて山頂標識があるというわけでもなかった。 お決まりの360度展望動画を撮影する。 今日は残念ながら富士山が見えない。 しかし、鋸山はきれいにその姿を見せていたし、富山は近くてよい展望台になっている。 房総半島の先端まで見えるのはなかなかの景観である。 圧巻は伊豆大島である。 山頂に雪をかぶっているように見えたがさすがに雲の見間違いであろう。 

南峰の道標とベンチをあとにする

13:13もう一度、南峰に戻る。 先ほどと同じくらいの人数の登山者が休憩している。 顔ぶれだけがかわったというところか。 この山は登るのにもさほど時間がかからないせいか、休憩する時間も短いのかもしれない。 くだりも難路が続くので早めに出発する。 案の定、登山者とのすれ違いに時間を費やしてしまった。 登るときに15分ほどだったルートを下るのに20分かけてしまった。 東屋が見えるとほっとした。 先ほど昼食を食べたベンチで再びちょっと休憩をする。 登り始めたときはよい天気だったが、 そろそろ曇りになってきている。 明日は天気予報では雨。 天気が下り坂だから、今日は気温もそこそこ高かったのであろう。

下山(平群天神社)

 13:37にベンチを出てひたすら下山する。 ガイドブックでは富山との分岐で、 周回するルートになっていたが、20分ほど余分に車道を歩くのも面倒なのでそのまま往路をたどってしまう。 神社に到着すると自分の両サイドに停めていた車は既に出発した後だった。 やはり2-3時間ピッチで登山者が入れ替わる回転のいい山なのであろう。 14:17、 無事下山のお礼をするべく、平群天神社におまいりをする。 神社のトイレを使って、団体で下山してきた人たちに気をつけながら、再び、館山自動車道を目指す。  

帰路(道の駅富楽里とみやま)

 館山道に入る途中にはたくさんの水仙が咲いていた。 道の駅「富楽里とみやま」にも車を停めて、ハイキングをする人も多いようだ。 そこから、富山と伊予ヶ岳の両方をアタックするコースをたどっている人の記録もインターネットに出ていた。 15:00にもなっていないということもあり、 アクアラインもさほど混雑していなかった。 神奈川県にはいったところでさすがに地道が渋滞していた箇所はあったが、 さほど苦労することなく16:40に家に帰りついた。


 出張疲れはあったものの、冬の日のお気楽ハイキングを楽しむことができてよい息抜きになった。 南房総国定公園は美しい花の町である。 この伊予ヶ岳も、その急峻な山容とは裏腹に、とてもたおやかな里山のいでたちを見せていた。 1日2山を登ることはもちろんできるのだが、こんな時間に終われないのんびりとして個山への訪問もよいものだと思った。
(2015年2月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています