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日留賀岳
日留賀岳

基本情報
1 山名 日留賀岳(ひるがたけ)
標高 1849m (二等三角点)
山域 男鹿山地
都道府県 栃木
位置 N37.02.19/ E139.47.34 
地図 昭文社 山と高原地図43「白山・荒島岳」
2万5千分の1地図「日留賀岳」
20万分の1地勢図「日光」
7 山岳区分 関東三百名山
登山記録
山歩No 4420-18014
登山日 2018年4月22日(日)
歩程 7時間20分
天候 快晴
形態 前日発1泊
アプローチ 東北自動車道西那須野塩原ICから国道400号
パーティー 1人

 関東百名山は65座登った。 ちょうど1/3を残すところまで来たので、記念すべき66座目は関東でも比較的標高が高めで、かつ日の長い時期しか行けそうにないところを狙うこととした。 今回の日留賀岳は栃木百名山のひとつで展望も素晴らしい山であるようだ。新緑の美しい時期になったので山を楽しむことにしたい。 まだヒノキの花粉が飛んでいるのでマスクをつけて登るかどうかまようところだ。

東北自動車道から道の駅湯の香しおばら

 4月21日(土)昼間いろいろと用事を片付けて、結局出かけるのは夕食を食べてからとなる。 20時に家を出て首都高経由で東北自動車道へ。 いつものように夜になると北行きもすっかり交通量が減って渋滞というものとは縁遠くなる。 途中の羽生PAで休んだあと、西那須野塩原ICまで一気に進む。 22時に西那須野塩原ICを下りて通称「湯の香ライン」と呼ばれる国道400号線をそのまま西に進む。 千本松牧場のあたりも真っ暗で果たしてコンビニでビールを買えるだろうかと不安になるが郵便局のある三叉路のところにセブンイレブンがあり、そこでビールとつまみを買う。 23時近いというのに結構お客さんもいた。 道の駅湯の香しおばらに到着したのは夜23時。ひとり宴会をして車の後部座席で寝る。 同じように、車中泊の人がたくさんいる感じである。

登山口小山邸

 6:50登山口である小山さんのお宅の前に到着。 農機具を入れた倉庫の横に車を停めさせていただく。 宇都宮ナンバーの車が1台停まっている。小山さんの家の前で登山者名簿に名前を書いて記念の手ぬぐいを購入。 自分で箱にお金を入れる仕組みである。 7:15出発。

鉄塔で林道と合流

お宅の横から登り始める。 最初は鬱蒼とした杉林である。鳥居をくぐって祠にお参りをする。 日留賀岳も信仰の山である。 7:35日留賀岳神社の改築寄進碑から少し登りがきつくなる。7:53鉄塔に到着。 ここまで林道が通っているのでここから先しばらくは林道歩きである。地図で見ると林道は善知鳥沢林道から分かれてくるようであるが、入り口にゲートがあるので一般車は通行できないようである。

 

林道終点ここから登山道

8:20、林道の終点に到着。 ここから南に踏みあとがあり、目指す日留賀岳を展望することができる。 登山道はこの踏みあとをたどるのではなく、 林を縫うように平坦についた道を北西に進む。 前衛峰である比津羅山(1201m)方面へあがって行っていると思われる踏みあともある。 おそらく、ここには三角点もあるので、そのメインテナンスに上がる人がいるということだろう。 



1200mぶな林

 登山道はやや下り気味に平坦地まで続くが、そこからは薄い樹林を北に上がっていくことになる。道はやがて尾根上を歩く。 ブナ林の中を次第に傾斜が急になってくる。標高1200mでいったん休憩。 おにぎりを食べて腹ごしらえをする。 

1450m残雪出現

 9:49、標高1450mのところで残雪が現れた。 この日留賀岳は5月の第一週に日留賀岳神社の神主さんが来て、開山式が行われる。 したがって、残雪が消えて登山シーズンになるのは5月からということであるが、逆に山頂直下の雪の回廊を歩きたくて3月・4月に登ってくる人も多いようである。10時に樹林の中から、初めて日留賀岳の山頂を眺めることができた。 やはり上のほうは雪が残っている。
 


ルート・ファインディング

残雪を踏み越えて歩くところではさすがに、ルートがわかりにくいが、今日、先に歩いている人がいるようで、そのトレースを追っていけばあまり問題はなかった。 林は濃くなって次第に深山の様子となってくる。 クマよけの鈴を鳴らしながら進む。 ところどころ動物のフンと思しきものも落ちてはいるがまだクマのそれは発見していない。



1514mピークに2つの鳥居あり

 10:12、尾根の突き当りに上がりきる。 道が平坦になり、標高1514mのピークを少しすぎると、二つの鳥居が現れた。 日留賀神社の鳥居あとである。 正面の樹林の向こう側には、日留賀岳の姿がはっきりと見えてきた。ここから先は稜線に沿って北東に進む。

南東に高原山を見る稜線歩き

 ルートは比較的なだらかになっては来たが、それでもまだ標高差で350mほど上げなければ山頂には到着しない。道は稜線伝いではなく、少し北側のトラバースルートをたどるが、幸いほとんど積雪はない。 10:41、展望が開けた稜線上で振り返ると南東に高原山が見えた。 


雪の回廊を見て進む

 ちょうど、下山してきた単独の方とすれ違う。 上に雪がありますかと聞いてみたら、ほとんど融けてしまって歩くのに不都合はないとのこと。11:00、一海霊神と彫りこまれた一里塚がある。 明治10年の日付である。ここからルートは急な登りとなってくる。 正面に雪の回廊が見えているがなるほどずいぶんと融けてしまって夏道がしっかりと出てきている。

日留賀岳山頂

 11:38、ずいぶんと急な登りが続く。 木の根につかまるようにして標高を上げていくところがある。 少し東側が切り立って右が雪の斜面となっているところをトラバースするところでは緊張する。そこを渡り切ると次第に山頂の雰囲気のあるところが見える。 最後に少し平坦な稜線を歩き11:49に日留賀岳山頂1848.9mに到着。


男鹿岳と塩那道路

 山頂からの360度の展望は素晴らしいものである。 南には高原山と、そこから右手南南西の方面には日光白根山・男体山・女峰山がその雄大な姿を見せている。 西に目を転じると真っ白に染まった上越国境の山々が見えた。 これらの手前には荒海山や七ヶ岳もそれと分かる。北東には火山特有の赤茶けた山肌を見せる那須連峰が見えた。 北に見える鹿又岳から男鹿山にかけての道は、山の中腹を塩那道路のあとが一筋ついている。


記念撮影・手ぬぐいとともに

 山頂ではゆっくり湯を沸かし、どん兵衛のうどんを食べて1時間休憩した。山頂で、小山さんのお宅で買った手ぬぐいを広げて記念撮影をする。 山頂には石灯籠と山祇崇讃碑・天皇御即位記念という大きな記名碑があった。 自分と同じ姓の人がいたが遠い親戚だろうか?
 

雪の回廊を下る

 12:52下山開始。 ルートは雪の回廊だったところを進むが、南面なので完全に融けてしまって夏道となっている。 14:09、鳥居あとのところまでくる。 ラジオを聴きながら歩いていたが、東京で最高気温28度、前橋では30度の真夏日だという。 4月だというのに6月並みの陽気で山を歩いていても暑いくらいである。 


下山・手入れされた庭

 登りが4時間、下りが3時間のコースなので、かなり足はくたびれてきた。 15:48林道歩きから鉄塔のところまでたどり着く。 16:14に小山さんのお宅に到着。先行者の車はもうすでになく、庭に植えられたチューリップがきれいな花をつけて陰った太陽の下輝いていた。帰りは、途中昨晩仮眠した道の駅で休憩。 自販機でサイダーを買って、ゴミを捨てる。東北道はやはり渋滞はしたが、ほぼ予定通り20:45に自宅に帰り着くことができた。



 日留賀岳は素晴らしい山である。 この展望は北関東随一ともいえるのではないだろうか。麓の農家の小山さんのご厚意で車を停めさせていただき感謝しています。栃木百名山を歩いてホームページを更新しておられる方の情報が今回は約に立った。自分のホームページもどなたかの目に触れて山の参考になっているのだろうか。 検索履歴で見ると「猿ヶ馬場山」 など夏道ルートのない山や「鹿岳」などルートが上級な山のページを結構見ていただいているようだ。 今回初めて山頂から男鹿岳の姿を見たが、今度はこの山にも登ってみたいと感じた。 
(2018年4月記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています