石裂山
基本情報
1
山名
石裂山(おざくやま)
2
標高
879m
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山域
足尾山地
4
都道府県
栃木
5
位置
N36.35.50/ E139.34.53
6
地図
2万5千分の1地図「古峰原」
20万分の1地勢図「宇都宮」
7
山岳区分
関東百名山
登山記録
山歩No
4360
-22014
登山日
2022年5月3日(火)
歩程
4時間10分
天候
晴
形態
日帰り
アプローチ
東北自動車道鹿沼ICから県道240号
パーティー
3人
動画URL
https://youtu.be/h3YNxVPvMOU
2022年5月2日(火)久しぶりに関西地方からSKS山岳同行会のH.H氏が出張のついでに関東地方の山に合流するということになった。 コロナ感染症拡大で日本国内の移動が制限されていたために、山岳同好会の活動は久しぶりである。 R.Mさんが日本百名山の男体山にまだ登っていないということで、5月4日(木)の登山は男体山ということで決まった。 その前日は都内からの移動もあるので、数時間で下山して翌日の男体山の登山口に入れるところにしようと探した。 最初、筑波山や加波山という案もあったが、参加メンバーが変わって栃木県の山にしようということで、自分もまだ登っていない関東百名山の石裂山を提案した。結構、鉄はしごや鎖場もある気の抜けない登山となる。
東北自動車道で鹿沼へ
5月3日(水)朝5:20に最寄り駅でH.H氏を車で拾って、その足で都内へ。 R.M氏をご自宅の近くで拾い、東北道から栃木の宇都宮方面を目指そうとする。 しかしながら、そう簡単には計画は運ばなかった。 やはりGWの三連休の初日ということで東北道は渋滞。 川口JCTにつくまでに事故渋滞で首都高で1時間近くかかる予定だとナビがアナウンスした。 仕方なく、う回路でさいたま市内から行くルートを通るがこちらも渋滞。 途中コンビニで昼食を買って東北道に乗った時はもう7:30を回っていた。 ところどころ渋滞しながらも、10:00過ぎに鹿沼ICで高速を降りる。 目指すは加蘇山神社である
加蘇山神社参拝所
10:30、加蘇山神社の参拝所駐車場に到着。 なんとか計画どおりのスタート時刻に間に合った。 参拝所の前に駐車させてもらう。10台くらい駐車可能だろうか? 祝日ということもあり、駐車車両はほぼいっぱいであった。 トイレもここで利用可。 実際はこれより先の林道沿いにさらに10台ほど登山者用に駐車できる場所がある。 こちらも結構車両は多かった。人気の山のようである。
加蘇山神社の下社
10:49 加蘇山神社の下社に到着。 登山コースの案内板がある。 91年3月から92年6月までに5件の転落事故があり、うち3件は死亡事故だったので本格的登山およびロッククライミング等の経験のない人は入山しないでくださいと看板に記載がある。 石段を上がって参拝をする。 ここから先ほど神社の前から歩いた道と合流、登山道へと入っていく。 新緑がきれいである。 道ははっきりしており、ゆるやかな傾斜を上がっていく。 やがて右手に竜ヶ滝というきれいな滝が見える。段差は7mくらいだろうかそこそこ水量も多かった。 坂をあがったところに竜ヶ滝を見るための東屋が設置されていた。 「山を汚す登山者はサルより頭の毛が三本? 空き缶・ゴミ・良心は持ち帰ろうね」と看板に書かれていた。
千本かつら
竜ヶ滝を過ぎると千本かつらがある。 これは栃木県の名木100選に選ばれている。 さらに進むと、鎖が現れた。 まだまだ急斜面ではないが、これから先の険しい道が予想される。中の宮まで0.3km、奥宮まで0.4kmの標識が現れた。
中ノ宮
中の宮到着。 東屋がある。ここで休憩。H.Hさんのお嬢さんが差し入れに我々にもたけのこの山をくれたのでそれをいただく。 12:04奥宮へ向けて出発。 中の宮を出るとすぐに急な鎖場が現れる。 ヘルメットを装着してゆっくりと壁を登っていく。 上であとから来る2人の撮影をした。 登りきって一安心と思いきや。 今度は奥の宮へとづづく長い鉄はしごが眼前に現れた。奥ノ宮へはいったん登山道から離れてこれを上らないといけない。
奥ノ宮
奥宮へは、はしごをあがって洞窟のようになっているところにあった。 上部から水が垂れてまるで防空壕のような場所である。 よくこんなところに本尊を祭る場所を発見したものだと感心するような険しい場所であった。 奥ノ宮からの下りルートは迷うところ。 同行者は急傾斜のルートを下る人ともとの梯子段を降りる人に分かれた。登山道まで戻ってからは尾根にとりつくようにして進む。
痩せた尾根道
奥ノ宮を出発してからすぐに痩せた尾根の急登が始まる。 木の根をつかむようにして登っていく。 あまりに険しい登りなので途中でルートを間違えているのではないかと確認してみるが、ここ以外に踏み跡らしきものは見つからない。 少し登ると鉄の階段が現れた。 さらにそこを越えたところにもルートを補修して鉄のはしごが取り付けられている。 どうも、この山は90年代初めに遭難事故が相次いだことから自治体が相当お金もかけて登山道を整備したようである。 こんなところまでどうやって鉄骨を運んだんだろうと不思議になるくらいりっぱな橋が架かっていた。
東剣ノ峰
稜線にでたところでそろそろ昼食の時間であるが、東剣ノ峰まで頑張って登ることにした。東剣ノ峰は樹林におおわれていて、あまり展望のいい場所ではなかったが3人が座って昼食をとるスペースはあった。 自分はコンビニで買ったプロテインとおにぎりを食べる。ここからの展望は西に峰が見えるだけである。 最初、そのピークが石裂山山頂だと思っていたが実際はそこは西剣ノ峰だということがあとでわかった。
長いはしご段
13:30出発。 東剣ノ峰を出てすぐにかなり急な鉄はしごの下りが現れた。 はしごはしっかりしており三点支持で確実に下りれば問題はないのだが、高所恐怖症の人はちょっと厳しいだろうなと思うところであった。 下りきったところから今度はまた石につかまりながら登っていく。 登りきったところが西剣ノ峰であった。
西剣ノ峰
西剣ノ峰は道標があり第一展望台はこちらという標識があった。 標識のある方向に進んでみると北側の展望が見えた。 雪をかぶった那須連峰とその先に磐梯山と思われる形の山が見えた。 さすが栃木県まで来ると東北の山が見えるのである。 西剣ノ峰の山頂部まで戻ると進む方向に石裂山が見えた。 今度は本当の石裂山の山頂である。 西側が切れ落ちており断崖絶壁となっていた。 13:40再び長い梯子段を下って下りる。
粟野への分岐
おりきった場所が粟野賀蘇山神社への下山口との分岐であったが、そちらに進む登山道はロープが張ってあり入れないようにしてあった。 札があって「無理しないこと」と記載されている。 かつてはこの賀蘇山神社からのルートも登られていたようだが、石避山の断崖を通過することになり。 登山口を間違えて粟野賀蘇山神社から登った登山者が転落するという事故があって以来、通行できないようにしているようである。 この鞍部から石裂山まで最後の登りである。 いったん、月山へ進む縦走路と分かれて5分ほど行くと山頂標識が見えた。
石裂山山頂
14:03 石裂山 標高879mの山頂に到着。 山頂から北側に翌日に登る男体山の姿、その隣に女峰山の姿を見ることができた。 やはり栃木の山ということで日光の山がきれいに見える。 360度の展望というわけにはいかなかったが山頂を楽しむことができた。 登頂を祝って万歳三唱する。 喜び方が昭和な我々である。 GopRoの三脚を立てて、記念撮影をする。 しばし山頂を楽しんで14:10出発。
月山山頂
そこから稜線をたどって月山へ。 結構のぼりはきつかった。 それもそのはず、月山のほうが標高が高い。 14:30、標高890mの月山山頂に到着。 こちらからも日光白根や男体山の景観を眺めることができた。山頂には昔は休憩舎があったようである。材木の残骸と思われるものがあった。 鉄製の吸い殻入れが置いてあったのが印象的であった。 14:40月山山頂出発。
まるで上ノ廊下
帰りは、往路の東剣ノ峰に比べたら比較的優しいコースであった。 それでも途中2か所ほど鎖を伝わって下りる急傾斜のところがあった。 黒部上の廊下のような沢沿いを渡るコースも経て15:32分岐まで戻ってきた。 ここからは緩やかな坂を下りて加蘇山神社の下社を経由して駐車場まで帰った。 17時までに宿舎である中禅寺湖畔まで来てくれと言われていたので結構時間的にはぎりぎりである。 帰りは参拝もそこそこに荷物を車に積み込んで出発した。
中善寺湖ログキャビン
日光自動車道路を経由して、いろは坂を登り、中禅寺湖に到着したのが17:30、菖蒲ヶ浜キャンプ場の予約してあったバンガローにチェックインして、酒を買い出しに行く。 スーパーで食べるものを買い込んで戻って大宴会。 夜22時には寝ようといって、飲みすぎたもののそれくらいの時間には寝たはずである。
石裂山は関東百名山の中でも難易度の高い山であるという印象は持った。我々は石裂山から月山へ至るのコースをたどったが、逆コースはかなりしんどそうである。 東剣ノ峰からの下りにあの急傾斜を通過するのは正直お勧めしない。YAMAPなどでの皆さんの記録もやはり我々と同じである。十分に気を付けて行っていただきたいと願うのみである。 山はタフであったがやはり山岳会の仲間と登る山はやはり楽しいものである。
(2022年7月記)
地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号 平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています