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基本情報
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山名 |
上州笠ヶ岳(じょうしゅうかさがたけ) |
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標高 |
2058m(二等三角点) |
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山域 |
越後山地 |
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都道府県 |
群馬 |
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位置 |
N36.52.24/ E139.09.12 |
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地図 |
昭文社 山と高原地図14「尾瀬・燧ケ岳・至仏山・会津駒ケ岳」
2万5千分の1地図「至仏山」
20万分の1地勢図「日光」 |
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山岳区分 |
関東百名山 |
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登山記録
山歩No |
4250-19028
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登山日 |
2019年8月31日(土) |
歩程 |
6時間15分 |
天候 |
晴れ |
形態 |
前日発日帰り |
アプローチ |
関越自動車道沼田ICから国道120号県道401号尾瀬戸倉 |
パーティー |
5人 |
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2019年8月の夏山はお盆の時期を外し、また日本アルプスも外し、静かな尾瀬の山旅を計画した。 7月に山岳同好会の関東支部メンバーで相談をしたときに、R.M氏がまだ尾瀬の至仏山に行っていないということだったのでここを目的地として計画することにした。 どうせなら、隣の関東百名山の笠ヶ岳も狙いましょう、ということで、山ノ鼻の小屋宿泊で尾瀬の名峰2座を回るコースとなった。
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関越自動車道
今回は5人という山岳同好会としてはにぎやかな登山となりそうである。 みな31日の土曜日と1日の日曜日は休みであるが、金曜日も有給取得奨励日だという人が多かったのと、1日の日曜日に下山する時刻が遅いと関西からくる人が帰る時間が遅くなることもあったので、自分も午後は仕事を休むことにした。 今回自分の車に皆を乗せていくので、15:30に新横浜駅に集合とした。 都内に住むA.Kさんが途中で忘れ物を取りに帰って集合時間に間に合わなくなりそうだと連絡があったので、4人で出発。 途中の高井戸でA.Kさんを拾うこととする。
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沼田健康ランド
月末だということもあり環状八号線はそこそこ渋滞していたが、助手席に乗ったR.MさんがA.Kさんとうまく連絡を取り、A.Kさんを無事にピックアップすることができた。今日は沼田で宿泊である。途中空模様はあまりよくなかったが、明日は降水確率が30%ということだったので何とか山には行けるのではないかと希望を持つ。 以前、沼田健康ランドで風呂に入ってから山に行ったことがある。 調べてみたらこの沼田健康ランドは宴会も宿泊もできるということだったので、宿泊施設として使うことにした。 19時に沼田に到着してコンビニで翌日の朝食のおにぎりを買って、風呂に入る。 風呂の中にプールまであるのでひと泳ぎして20時から宴会。 22時にには終了しようという約束にしていたがカラオケに興じてしまい、やはり宴会部長のH.Hさんの一声によって22時半まで延長となってしまった。 部屋に帰ってから自分は寝てしまったが、H.HさんとR.Mさんはまだ1時間くらいは飲んでいたようであった。
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尾瀬戸倉
翌朝4時起床。 5時出発。 尾瀬戸倉から鳩待峠に行く6:15のバスに何とか乗りたかったので5時には出たかったがやはり宴会疲れの人もいるようで5:20出発となった。 それでも早朝の道はすいているので、沼田市街から日本ロマンチック街道と言われる国道120号線を走る。 吹き割りの滝を過ぎて県道401号を片品村方面に入っていく。 尾瀬戸倉のスキー場へは5:40に余裕で到着した。 鳩待峠へのマイクロバスの発着点となる場所は第二駐車場であるが、駐車率は30%くらいなのでピーク時と比べて少ないといえるのだろう。 マイクロバスの時刻は4:40の始発の次は6:15となっていたが実際には人数がまとまると順時出してくれるようでわれわれも6:00過ぎには乗車して鳩待峠には6:30に到着した。
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鳩待峠
鳩待峠はバスの駐車場から歩いて2-3分でビジターセンターと併設の無料休憩所に行くことができる。 隣は鳩待山荘である。朝食を食べて準備をする。 別のバスも到着したようで、数人の登山客が上がってくるがどちらかというと我々のゆく至仏山の方角よりも、山ノ鼻に下っていくハイカーのほうが多いようである。7:15に出発。 鳩待峠のポストに登山計画書を入れて、至仏山への登りを上がる。 登山者の数を調べるためのカウンターもつけてある。
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尾瀬ヶ原遠望
7:44、鳩待峠から1㎞の標識が現れる。 ここから至仏山までは3.5㎞になっている。 傾斜は次第に急になり木道の階段を上がっていく。 8:15行く手に目指す笠ヶ岳が見えた。 ピラミダルで見事な山容である。 幸い天気も回復して朝日がさしてきた。 8:29尾瀬ヶ原が一望できるところに到着。 大きな岩があって腰をおろすにはぴったりである。 ちょうど下山してくる3人組の方とすれ違う。 そろそろ暑くなってきたので上着を脱ぐのだといっていた。 ここまでは稜線歩きで至仏の山頂ではかなり風が吹いていて寒いらしい。 尾瀬ヶ原は正面の燧ヶ岳がガスの中であったが、湿原は広がりが見えている。 9:00にオヤマ沢(標高1980m)に到着。 ここには水場があるのだが、「飲み水には適しておりません」という注意書きが書いてある。 まあ、鳩待峠を出ていくらも水を消費していないので敢えて汲んでいく必要もないのだが。
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オヤマ沢田代湿原
9:12オヤマ沢田代の湿原に到着。 木道の脇の湿原にはワタスゲの白い花が咲いており、その先に明日登る至仏山の姿がそびえており、いい景色である。湿原は標高2000mを超えるところにあるのだがこのあたりが豪雪地帯であることを表すように、水をたたえていた。9:35に悪沢岳との分岐。 ここから至仏山に行く道と、笠ヶ岳に行く道とが分かれる。 北の空はガスも晴れて至仏山の向こう側に越後駒ケ岳や平ヶ岳が見え始めていた。 日本百名山を目指すR.Mさんは笠ヶ岳よりも先に、天気の安定しているうちに至仏山に行きたいようであったが、明日との行動のバランスも考えて、笠ヶ岳へ行くことを選択、ルートを西にとる。
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笠ヶ岳へのルート
笠ヶ岳は、あとで登って素晴らしい山とわかるのだが、この稜線を歩いていくときに近づいていく姿のすばらしさは見ても見事な山だといえる。 稜線歩きが北アルプスを彷彿させるような森林限界を越えたルートだった。 このルートは植生保護のために6月下旬まで通行が制限されるらしい。とはいうもののわれわれは8月のこの夏山時期でも全く人に会わない静かな山旅になるのだった。 10:20ルート上に倒木がある。 稜線の道ははっきりしているのだが2-3日前からの雨でかなりぬかるんでいた。 さらに、倒木ということで少し通過に苦労させられた。
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小笠から見る至仏山
10:38小笠に到着。 ここは山頂を通らずに山頂の南側を通過していくことになる。道標があり道ははっきりしている。 小笠から振り返ると、至仏山が雄々しい姿を見せていた。 至仏山は、燧ヶ岳と比較して尾瀬ヶ原で対峙してそのなだらかな山容から女性的なイメージでとらえられるのだが、こちらの西面から見るとどうしてどうしてまるで南アルプスの主稜線のような男性的な険しさを見せてくれた。 尾瀬の山の普段見えていないところを見た気がした。
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笠ヶ岳山頂へ
小笠からコースタイムは25分と地図にはある。 実際にはかなり湯の川温泉側に山腹を通って片藤沼に近づいてから山頂までの稜線を登り返していく。 最後の山頂までの登りは岩場を縫ってあがるような急登だった。 しかし、そろそろおなかもすいてきた我々にとっては昼食の楽しみもあり、残り50mの登りはあまり苦にならなかった。 はたして11:31、たどりついた山頂には驚くほどの素晴らしい展望が待っていた。
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笠ヶ岳山頂
笠ヶ岳山頂標識の向こう側には至仏山はもちろんのこと燧岳も北の平ヶ岳も越後駒ケ岳も手に取るように見えた。 南には片藤沼と蛍池の湿原が光っているのが見えた。 EPIを3機稼働させて、湯をわかしてラーメンをつくって食べる。 縦走してきた360度展望の山頂で他の登山者もなく食べるラーメンは絶品だった。
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稜線を戻る
12:40出発。 ここからの下りには意外と時間を費やして小笠についたのが13:29だった。 また倒木の上を渡ったりして悪沢岳に到着が14:25.分岐までたどり着いたのが14:38だった。 ここから鳩待峠までは小屋に到着する時間が思ったよりも遅くなるなと気にしながらの早歩きだった。 折から満腹になっていて林道歩きなどはすこぶる眠かった。 鳩待峠まであと1㎞という標識がでたときにあと500mの間違いではないかと思ったが、考えてみれば来るときも通った標識なので信じるしかないのだろう。
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再び鳩待峠
鳩待峠に降りてきたら15:50。 トイレ休憩をして、自販機で買ったビールを1本ごくごくと飲み干す。小屋に到着が17時くらいになりますと伝えようとしたがお話し中で通信できなかった。 あとで、自分の携帯に小屋から着信があったので到着が遅いので心配になって小屋側も連絡をくれたのであろう。 16:10鳩待峠から山ノ鼻に向けて下り始める。 結構多くの登山客が登ってくるのとすれ違った。 17:20の最終バスに乗る人もいるだろうが、鳩待山荘宿泊の方も多いのかもしれない。 先ほどの笠ヶ岳への縦走路で誰ともすれ違わないのとはうってかわった都会の雑踏の感じだった。 16:57ビジターセンター前通過。 17時ちょうどに今夜の宿である至仏山荘に到着。
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至仏山荘
至仏山荘では個室を割り当ててもらい、風呂もある快適な山小屋であった。 早速夕食を食べて生ビールで乾杯。 夕食と風呂のあとは向かいのバーに行って生ビールをまた1杯飲んで部屋に帰ってからまた飲むというアルコールづけの夜だった。 9時消灯なのでいったん電気を消してそしてまた電気をつけてしばらくR.Mさんと飲んでいた。
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笠ヶ岳(上州)を実は下山してくるまで日本三百名山のひとつだと思っていた。 実はそれは自分の思い違いで、日本三百名山の笠ヶ岳は長野県の志賀高原近くにあるもので、自分も2013年3月にスキーツアーで登っているのだった。 山頂でラーメンを食べながらR.Mさんが「おかしいな山と高原地図に三百名山って記載がないんですけど」と言ったので気になって帰ってから調べたら、そのとおり三百名山ではなかった。 しかし、関東百名山の一つであったので今回、遠慮なく記載するスペースがあった。 それにしても、こんなに素晴らしい展望の山が日本三百名山に入らないものまた不思議だと改めて感じた。
(2019年9月 記) |
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