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吾妻耶山
吾妻耶山

基本情報
1 山名 吾妻耶山(あづまやさん)
標高 1,341m (三等三角点1322.7m)
山域 三国山脈
都道府県 群馬県
位置 N36.44.47/ E138.55.38 
地図 昭文社 山と高原地図16「谷川岳・苗場山・武尊山」
2万5千分の1地図「猿ヶ京」
20万分の1地勢図「高田」
7 山岳区分 関東百名山
登山記録
山歩No 4240-15025
登山日 2015年10月25 日(日)
歩程 4時間30分
天候
形態 日帰り
アプローチ 関越道月夜野IC国道17号月夜野猿ヶ京温泉線
パーティー 2人

 2015年の山シーズンも次第に終盤に入ってきた。 ソフトバンクとヤクルトの日本シリーズの第一戦も終了し、季節は次第に冬へと向かい始めている。 2015年10月25日の未明に関東地方では今年はじめて「木枯らし1号」が吹いた。

駒寄PAから見る榛名山

 朝5:00に起きて、まだ強い風が残る中、夜明けとともに車を一路北へと飛ばす。日曜日の朝の環八はそろそろ紅葉を見に行くような行楽客以外はあまり車が走っていなく、それでも練馬IC手前の谷原交差点ではそろそろ混雑が始まっていた。目立った渋滞もなく上信越道との分岐を過ぎて駒寄PAで休憩。 ここまで来ると群馬の山がきれいに見える。 正面には榛名山がいつものように見えた。 以前、友人のK.Iさんと苗場山に登ったが、そのときもこの駒寄PAで榛名山を見た。 

大峰沼登山口

 月夜野ICを降りて国道17号いわゆる三国街道を北に進む。 ここのどんずまりは法師温泉である。 途中から月夜野カントリークラブへと続く林道月夜野猿ヶ京温泉線へと入る。林道を標識で右手に折れると町営見晴荘である。道はここから舗装のない林道となる。 さらに200mほど進むと、大峰沼登山口の駐車場があった。 群馬県山岳連盟主催の県民登山大会が開かれており、駐車場はすでに満車だった。 トイレの脇に邪魔にならないように車を停めて、こっそりと出発。9:15

大峰沼キャンプ場

 歩きだしは、簡易舗装のされたキャンプ場への歩道を歩く。 途中で古沼との分岐がある。 帰りに寄ることにする。 県民登山大会のみなさんはもっと出発が早かったようで、もう歩いている人はだれもいない。遊歩道にヒルが生息していますご注意くださいと書かれた札がある。 さすがにこの時期にはいないだろうが。 事務局らしき2名の男性とすれちがった。すれちがってしばらく進むと、古沼との分岐が現れた。 ここは帰りに立ち寄ることにしよう。 簡易舗装の道はやがて未舗装の林道となり、そこを歩いていく。9:45、行く手に沼が現れた。 大峰沼である。 
 

大峰沼の紅葉

 沼のまわりの木は紅葉まっさかりである。 沼のほとりは、キャンプ場になっておりヒュッテの建物。 自炊場があるが、今は営業していない。 沼には周回15分ほどの散歩コースもあるようだが、こちらも帰りに立ち寄ることにした。 ベンチに座って少し休憩。 9:50出発。 少し歩くと、吾妻耶山に直接登るルートと、大峰山を経由するルートに分かれる道標が現れた。 われわれの隊は、大峰山を経由するコースにルートをとる。 しばらくはじぐざぐの登り道である。 日のあたっているところはナナカマドがいい色あいに赤くなっている。
 

大峰山山頂

 10:30、大峰山のパラボラアンテナが見えた。 ここにNHKの地上波放送の中継基地がある。パラボラアンテナのほうには寄らずに、展望台へと向かう。 展望台は鉄でできた2階だての構造物であった。 登ってみたが実際にはまわりの樹林が邪魔をしてあまりはっきりと山山を見渡すことはできない。 ただ、紅葉は確かにきれいである。稜線に沿って5分ほど進んだところに標高1254.5mの大峰山山頂があった。 三角点がある。 まわりには木があるので、さほど景色はない。 それでも、記念に写真を1枚撮影する。


吾妻耶山への稜線歩き

 10:43山頂を出発。 赤谷越峠に向けて出発する。 すぐに鞍部に降りる下り道となる。 次第に風が強くなってきて、さらに、粉雪が舞い始めた。 正面には、吾妻耶山が見えてきた。 峠までの下りは思ったより長く1時間ほどかかる。 吾妻耶山は正面に見えるのだが道は山頂よりも西側から巻いていくようなコースになっている。 正面には山頂から少し降りたところに小屋のようなものが見える。 あとでわかったことだが、これはノルン・スキー場の高速リフトの終点だったようである。 ルートは木の根と岩の間を縫っていくようで少しわかりにくいところもあった。 
 

赤谷越峠

 11:16赤谷越峠に到着。 峠に降りる直前はちょっと切り立ったところだった。 すごい風が吹いている。 風速8m以上あるのではないだろうか。 帽子を飛ばされないように気をつける。 峠から、吾妻耶山の山頂を目指して登る。 次第に傾斜を上げていくのがわかる。 稜線の東側に入ったところではほとんど風もなく快適に歩くことができる。 11:42に仏岩コースとの分岐に到着。 このあたりは少し平らな台地になっている。1322mの三角点があるはずなのだが、探したが場所が分からなかった。 
  

谷川岳方面展望

 左手に切り立ったがけを見ながら進むとやがて石の灯篭がある山頂が見えてきた。 11:50、標高1341mの山頂に到着した。 山頂では登山者がひとり休憩をしていた。 県民大会の団体さんたちはすでに下山を始めていたのであろう。姿は見えなかった。 山頂には吾妻耶山展望台からの眺めと書かれた写真の札があった。 天気がよければ白毛門や朝日岳、谷川岳や仙ノ倉が見えるようだ。 この山は谷川岳の前衛峰として展望の山となっているので、それが売り物のはずだが、残念ながら谷川岳方面はすっかりと雪雲におおわれていた。

吾妻耶山山頂

 山頂にあとからやってきたご夫婦は、あまりの強い風に、バンダナを飛ばされてしまい、藪の中に拾いにいっていた。 気をつけなければいけない。私も白毛門に登った時にリュックを落としてしまい、回収するのに急な崖を降りて怖い思いをしたこともある。 山頂は宗教色の強い山らしく石灯籠がおいてある。 いったいどうやって担ぎあげたんだろうというのは確かに気になった。 沼田城主が1662年に神社を作ったらしい。 三社からなる立派な神社だったらしい。 12:00になりここで昼食にしようかと思っていたが、あまりに風が強いので、これではEPIに火をつけてもお湯がわかないだろうと思い、昼食は下山途中の風のないところでとることにして記念写真だけを撮る。
  

稜線を渡る虹

 下山するときに少し雪雲が晴れた。 上州武尊山の方面に向かって日が射して山並を越えてきれいな虹が見えた。 素敵な景色だった。 天気予報ではほとんど降水確率10%くらいで晴れの予報だったが、冬型になると新潟と群馬で全く違う天気になるのは常なので、この上越国境に近い山では普段雨上がりでなければ見られない虹が晴れの日に見ることができるのだと納得した。 12:10下山開始。 最初は来るとき通った大峰山経由で行くことも考えたが、風が強いので、大峰山を経由しない、東側を通るスキー場コースに変更する。ここは三社に参る参道だったらしく、途中に鳥居もあるという。 


ノルン・スキー場

 樹林の中の道ながら、途中、紅葉がきれいな場所もあり、なかなか快適なコースである。 さきほど山頂にいた単独の登山者といったりきたりになりながら、足元を気をつけながらくだっていく。 行く手に大峰山のパラボラアンテナが見えるので方向感はつかみやすい。 12:45にノルン・スキー場のリフトの最上部に出た。 高速リフトのようで大きな支柱がある。 リフト降車監視所に鍵がかかっていなかったので、そこで休憩。 昼食を使わせてもらう。 ラーメンと一緒に食べるおにぎりとサンドイッチが冷えた体を癒してくれる。


スキー場から見る上州武尊山

 スキー場のゲレンデの横をそのまま下っていく。ススキが生い茂り気持ちのいい散歩道だ。 はるか先には、赤城山の姿も見える。上州武尊山の山頂はさすがに標高が2000mを越えているからか、雪雲の中に隠れている。 スキー場終点からはいわゆる林道になる。 車の轍もあるのでスキー場の整備車両なども入ってくるのであろう。貯水池の脇をとおり 14:00に鳥居平に到着、一本鳥居がある。ここからさらに下ると10分ほどで、今朝大峰沼から歩いてきた分岐に出た。


大峰沼周遊コース

 大峰沼で湖畔一周散歩をする。 14:21であるが、もう少し太陽が陰り始めているようで山では冬籠りが近いのを示してくれる。 湖畔の周遊道は基本は策のない山道であるが、ところどころルートの悪いところには木道が敷設されており歩きやすくなっている。 14:34に、大沼越コースとの分岐が現れた。 このコースをたどって大峰山に登ると、沼を一周するようなルートで大峰山の稜線にたどりつくことになり、本当のパノラマルートだということになる。


古沼から帰路へ

 沼を出て帰路につく。 帰りに県指定天然記念物モリアオガエル生息地の古沼に寄ってみる。 大峰沼と比べると小さな沼である。 うっそうとしているがなるほどここなら静かでモリアオガエルもゆっくり繁殖できるであろう。 15:10に駐車場に到着。 今度も自分の車しか停まっていなかった。 県民登山大会に参加のみなさんはさっさと終了して帰路についたようである。 着替えて車を15:30に出発させる。 往路と同じように、上毛高原駅の前を通り、月夜野ICから関越道に乗る。 さすがに紅葉のピークシーズンということもあり渋滞、 家に帰りついたら20時だった。



秋の素敵な1日ハイキングとなった。 徐々に日が短くなるが、関東百名山の中にはさほどハードな山登りでないところもあるので紅葉を楽しみながらドライブがてらに行くことができるところは多いようだ。かつて、夏の暑い一日に大汗をかきながら登った谷川岳・白毛門・上州武尊などの山山を雪雲の下に展望するというのも乙なものである。 これで関東百名山は61座。 さきは長いが体調を整え、少しずつ登ることとしよう。

(2015年10月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています