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基本情報
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山名 |
鳴神山(なるかみやま) |
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標高 |
980m (三等三角点) |
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山域 |
足尾山地 |
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都道府県 |
群馬 |
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位置 |
N36.29.24/ E139.21.40 |
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地図 |
昭文社 山と高原地図20「赤城・皇海・筑波」
2万5千分の1地図「大間間」
20万分の1地勢図「宇都宮」 |
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山岳区分 |
関東百名山・新花の百名山・ぐんま百名山 |
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登山記録
山歩No |
4180-17002
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登山日 |
2017年1月2日(月) |
歩程 |
3時間10分 |
天候 |
快晴 |
形態 |
日帰り |
アプローチ |
東北道から北関東自動車道桐生太田IC国道50号から県道338号駒形 |
パーティー |
2人 |
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山の回数と記録に関していうならば2016年は少々不本意な年に終わった。 そこで、 2017年は気を取り直して少し冒険を復活することとしたい。 年始の手始めに関東百名山に行くのが最近恒例になっているので、正月気分の冷めやらぬ1月2日に出かけることにした。今回、新しい車の山デビューでもある。
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12年間苦楽を共にした愛車
2004年より慣れ親しんだ日産のミニバンは昨年後半より不調を来たし、ついに2016年の12月17日にその役割を終えた。 思えば、日本百名山を完全登頂できたのも、山スキーでいろいろなアタックをする楽しみを味わうこともできたのも、この車のおかげだったといってもよい。 北海道の幌尻岳にも秋田の鳥海山にもこの車で出かけた。 但馬の道の駅で仮眠して、氷ノ山に登ったのもこの車だった。 12年つきあった愛車に別れを告げて、新車を購入。 同じディーラーで購入したので今度も日産のミニバンである。
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出流原PA
朝、もちを食べて8:20に家を出る。 新しい車のナビはネットと連携しているはずなので前夜のうちに目的地を転送しておいたはずであるが、ナビはそれを受信した形跡もない。 仕方がないので今回の目的地の鳴神山の駒形登山口の緯度・経度を調べてナビに入れる。 首都高はそこそこすいている。 板橋JCTから江北JCTに行くところで突然ナビが地道を進むように指示を出したのが不気味だったが、無視して川口JCTから東北道に入る。 アウトレットの初売りがあるからだろうか、羽生SAと佐野ICの前で渋滞していた。意外と時間を費やしてしまい、 10:23に出流原PAで休憩して、そこから一気に太田桐生ICまで走る。 渡良瀬川に沿うように国道50号を北西へ。わたらせ渓谷鉄道の天王宿駅の手前で踏切を渡り山田川をさかのぼるようにして川内町へ。
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駒形登山口
コンビニで昼食の焼きそばと巻きずしを買って、川内町から堂場を経て、さらに進んだ車道の終点が駒形の集落だった。 つきあたりに駒形登山口がある。 登山口のところはダムの工事がしてあるがその手前に5台ほど駐車スペースがあった。 停められなかった車が2台ほど路肩に停めていたが、自分が到着したときはすでに11時半だったので、朝から来ていた地元の人がすでに帰ったあとだったのだろう、いい場所が開いていたので難なく駐車することができた。 靴を履き替えて、11:40出発。ゲートのところにも3台ほど群馬ナンバーの駐車車両があった。鳴神山まで2.2km、1時間10分と出ている。
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第一石門
登り始めるところに「環境保全地域」の大きな看板がある。 12:05に鳴神山登山道と書かれた黄色い標識がある。 下から1000歩、上から3500歩と記載があるので、ほぼ登り始め4分の1というところだろうか? 60年度川北小の6年生の作品とあるので、32年前12歳だった少年少女も今では44歳ということになる。 道は次第に急になってきた。12:12第一石門と呼ばれるところには、ロープがついているルートとなっている。 足元の石を注意深く越えてあがると、岩のくぼ地があったが、マムシに注意という記載があった。 このルート、比較的沢沿いをあがるルートなので、蛇にとっても湿気の多い環境のいいところということになろうか。
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中間点
12:36に中間点で休憩。 ここまでほぼ50分以上かけているので、いったい登山口の山頂まで1時間10分という標識は何なのだろうと思いつつ、まわりを見渡すと、さすがに沢を詰めて水が伏流している状態になっているので、稜線まではあとがんばってひと登りというところだろうか。 地形図を見るとここからが厳しい登りになっているようである。 12:45に水場に到着。 木製の樋を一筋の水が伝っており、そのわきに柄杓も置いてある。 前を犬を連れた登山客が歩いているのが見えた。 我々が最後だと思ったが先行者がいるようだ。
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第二石門通過後の急登
12:50第二石門を通過。 ここから沢は完全に終わり、尾根に向けて上がる急登となる。 じぐざぐを切りながら高度を稼いでいく。 レンゲショウマの育成中という緑色のネットが張ってある。 結構、シカが芽を食い散らかしてしまうようである。 あまり登山中に野生のシカに会うことは少ないが、被害が出るということはそれだけ人間と野生のシカの仁義なき戦いが繰り広げられているということだろう。 、田中澄江が、1995年(平成7年)6月に発表したエッセイ「新・花の百名山」ではこの鳴神山は「イワタバコ」で加えられているのであるが、実際には、鳴神山はナルカミスミレやカッコウソウなどの咲く山としてガイドブックに紹介されている。
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肩の広場
13:19にようやく稜線に到着。 ここは肩の広場と呼ばれている。 ルートは吾妻山・金沢峠に至る道と山頂経由椚田峠へ行くルートの三叉路になっている。休憩するにはうってつけの場所ではあるが、山頂まであと5分となっているので、そのまま山頂まで進むことにした。 その前に雷神岳神社の奥宮にはお参りをしていくことにする。 どうみてもキツネにしか見えない狛犬に、だれかが編んだのだろう、オレンジ色のマフラーと黄緑色のマフラーが巻かれていた。 狛犬さんも寒さにへこたれないようにという願いが込められているのだと感じた。
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桐生岳山頂
急な道を上がると、分岐があり桐生岳の山頂と仁田山岳の山頂とに分かれている。 仁田山岳は帰りに寄ることにして景色のよい桐生岳を目指す。 山頂直下は少し急でスリルがあったが登りきると青空のもとすばらしい景色が広がった。 13:30登頂。 1時間50分かかったが、桐生岳の祠の前で記念撮影。 ベンチがあるので、荷物を置いて、湯を沸かしてインスタントの焼きそばをつくる。 山頂からは360度の展望である。 北東に男体山がその独特な姿を見せて、その北には、雪をかぶった日光白根山が光っていた。 朝日岳や谷川岳は真っ白に雪をかぶっており、浅間山は山容はしっかり見えるのであるが少し逆光でいまひとつだった。 |
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雷神岳神社の祠
南東に目を向けると筑波山がにょっきり雲の中から屹立しているのがわかった。 天気が良い日には富士山やスカイツリーが見えるのであるが、少し冬型が緩んで暖かい一日となっている分、展望はすっきりせず、残念ながら富士山もスカイツリーに見ることはできなかった。山頂の祠は信仰の山であることをよくあらわしていた。 面白いことに、赤い鳥居には「雷神岳神社」と書かれており、その下には狐ににた狼の狛犬がいた。 狛犬はさきほど肩の広場にあった神社の前の狛犬のミニチュア版で、やはり一頭が黄緑の、一頭がオレンジ色のマフラーをしていた。
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仁田山岳より赤城山を臨む
焼きそばを食べて14:10出発。 分岐まで降りて、そこから仁田山岳を目指す。 仁田山岳は樹林の中に入っていて今ひとつ展望はなかった。 それでも祠があり、この鳴神山自体が信仰の山であることがよくわかった。 仁田山岳を出るとすぐに第一展望台という標識があり、そこからは赤城山がきれいな姿を見せていた。 さきほど桐生岳の山頂にいたときは、ちょうど、この仁田山岳が陰になって赤城山がきれいに見えなかったのであるが、ここからはすばらしい眺望を楽しむことができた。14:25第二展望台というところでも寄り道をして景色を見てみる。 あとはここからはひたすら椚田峠まで樹林の中の下りである。 木の段が整備されており歩きやすくなっている。 やはりシカの被害をさけるためであろう。 アカヤシオには幹にきれいにテープが巻かれていた。
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椚田峠
14:39椚田峠に到着。 ここから西に下ると赤柴登山口まで30分ということである。東にもルートはあり梅田コツナギ橋まで1時間10分と書かれていた。 どちらも2004年版のエアリア地図上はルートはないが地元の人たちによってそのあと整備されたのであろう。 5月にはカッコウソウが咲き乱れるということなのでアカヤシオが美しい時期に来てみたいものでもある。ルートはここで4つ辻になっているが、さらに北に進むと3時間で座間峠である。 座間峠からは草木湖に下ることができて、さらに1時間20分でわたらせ渓谷鉄道のごうと駅に下ることができる。 車なしで縦走するならばそのコースも面白いかもしれない。
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赤柴登山口
椚田峠からゆるやかに下り14:48に底地に到着。 ここから落ち葉を踏み分けながら15分ほど歩いて林道に出た。 さらに杉林の中を7分歩いて15:13に赤柴登山口に到着。 ここからは荒れた林道を歩いて20分で出発地点の駒形登山口に到着した。 いつものように、駐車場にポツンと停まっている最後の1台の車が私のものだった。 15:40出発。 帰りは桐生太田ICから北関東自動車道に乗る。 岩舟JCTから東北道と合流したとたんに渋滞が始まり、ほぼのろのろと平均時速40kmくらいで羽生SAまで進んだ。 正月の帰省からのUターンラッシュともろに重なってしまったようである。 家に帰ったら19:45と空腹を抑えてのロングドライブとなった。
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新年を飾るにふさわしい展望の山を楽しむことができた。 関東百名山というにふさわしい関東の山山を見渡す眺望に正月の一日を使った。 おそらくこの山はアカヤシオやカッコウソウが見ごろとなる5月くらいが登山者のピークになるのだろうが、 その時期は駐車スペースの確保が大変かもしれない。 実は、この山はカッコソウ、ナルカミスミレ、ヤシオツツジのような植物が有名なだけでなくハコネサンショウウオもいるという。 自然が豊富なこの山があまり有名にならないことを心のどこかで願いつつ、それでもこのホームページで鳴神山の良さを語っている自分に複雑な思いで2017年をスタートさせた。
(2017年1月 記) |
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