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鹿岳
鹿岳

基本情報
1 山名 鹿岳(かなだけ)
標高 1,015m 
山域 西上州
都道府県 群馬
位置 N36.12.23/ E138.43.28 
地図 昭文社 山と高原地図21「西上州」
2万5千分の1地図「荒船山」
20万分の1地勢図「長野」
7 山岳区分 関東百名山
登山記録
山歩No 4130-15014
登山日 2015年6月28 日(日)
歩程 3時間30分
天候
形態 日帰り
アプローチ 上信越道下仁田IC
パーティー 2人

 さて、梅雨の季節になると日が長くて行動しやすいのだが、どうしても雨季ということで天気が悪く山に行かなくなってしまう。 最近では月2回の登山ペースは完全に崩れて、月に1回行くのがやっとである。 6月もこのままではどこも行かずに終わるのかなと思っていたら、6月28日の月の最後の日曜日だけはそこそこ天気がよいという予報になっていた。 そこで金曜日は飲み会があったものの、意を決してん土曜日にコース選定を行い、日曜日の登山にそなえることにした。 さて、どこに行くかという中で関東百名山が手薄なのが西上州の山群だというのに気がついた。 周回コースを狙うことのできる鹿岳を標的に、すでに登ったことのある方のネットでの登山記録を読みあさる。妙義山をはじめとして、西上州は岩峰の山が多く、少し不安である。

上信越道より妙義山を見る

 6月28日(日)幸い朝起きて空を見ると絶好の登山日和になっていた。 朝はゆっくり起きて8:30に家を出る。 環八はそろそろ混雑が始まっていたが、 1時間ほどで練馬ICに到着。 10:14、行く手に妙義山も見えてきてテンションが上がる。 甘楽PAでトイレ休憩を済ませた他はそのまま走って、下仁田ICで降りる。 道の駅下仁田の前を通る。 ここの裏は見事なあじさい園になっている。そういえば去年のいまごろもここへ来た。 この道の駅下仁田に車を停めて、大桁山を周遊する関東ふれあいの道にチャレンジしたのであった。

下高原の登山口に駐車

 10:40に、大久保の集落を過ぎて右手に四つ叉山の登山口を見る。2段に分かれた南牧ハーブガーデンの跡地が10台程度停められる登山者用の駐車場になっており途中にあったがさらにそれより先に進む。さらに車道を奥に進むと下高原の登山口に到着。ここの前には駐車禁止と書いてあったので 小橋を渡って道路が2つにわかれるところに数台車停められそうな場所を探して停める。 傾斜地になっているので石を置いてしっかり輪停めをする。 11:10出発。 7/5投票の群馬県知事選挙のポスターが貼ってあった。

鹿岳登山口

5分ほど来た車道を歩いて戻り、登山口へ。 一軒家の間を通って鹿岳の登山道は続いている。一軒家にはちゃんと表札も掛かっているので、お住まいなのであろう。 家に前には「クマ出没注意」の垂れ幕がかかっていた。 登山道は植樹した杉の林の中をまっすぐ進んでいく。 傾斜はさほどではないので、ゆっくりとしたペースで登っていく。 11:44北東に進んでいた路は沢につきあたる。 ここがヤブ沢というところだろうか。 ルートはそこから北に方向を変えていく。 沢はやがて涸沢になり倒木のころがる沢から左岸を徐々に高度を上げていく。 
 

ヤブ沢からの登り

 登山道は、決して間違うことはないがかといって奥多摩や秩父のように多くの人が歩いているしっかりとしたものでもない。 事実、今日も駐車場に車が一台も停まっていなかったし歩いている登山者もいない。 ジグザグにルートを切って確実に標高を上げていく。 標高850mを越えたあたりで傾斜がきつくなってきた。 しかし樹林の先に青空が見える。 鹿岳のコルまではもう少しだろう。 

鹿岳のコル

12:41に鹿岳のコルに到着。 コルといいながらも峠というよりはやせた稜線にとりついたというイメージである。 二の岳と一の岳の分岐の道標がある。 ここからわれわれは一の岳を目指す。3mほどの木の梯子をあがると、そこから先は両手・両足で急傾斜の中に足場を探していくルートとなった。やせた岩稜ではあるが、ルートの両側にはしっかり木がついているので、木の幹につかまっていけば転落する危険は少ない。 

一の岳山頂

 登りきって西にまいたところが広くなっていた。12:51に鹿岳一の岳に到着。北西へと張り出した岩から西の展望が広がっている。 岩の先端には摩利支天と書かれた石が据え付けられていた。 石は奥が団塊になっているので高所恐怖症に人はあまり前に行かないほうがいいだろう。 写真撮影に気を取られて落下するのを防ぐためか、鹿岳山頂の標識も、少し南側にはいった広い所にあった。 北を見るとテーブルマウンテンの荒船山の水平になった山頂が見えている。 南にはこれから登る二の岳がすっくと山頂をそそり立たせているのが見えた。 

二の岳への登りの鎖場

 13:05に一の岳の山頂を出発して二の岳を目指す。さきほどの鹿岳のコルまで慎重に下る。 このような急傾斜の道は登りよりも下りのほうが神経を使う。 13:18にコルまで降り切る。 ここからは稜線伝いなのではあるが、決して広いルートではなく本当に岩場についた細道というような感じだ。 すぐに四つ叉山との分岐があり、そこを過ぎていよいよ二の岳への登りだ。 高さ5mほどの階段が現れた。 これを登りきると今度は急な岩の下を巻いていく。鎖がついているので慎重に足場を見つつ上がっていく。 気の抜けない箇所の連続である。

二の岳山頂展望岩

 階段状の岩を登りきったところが二の岳の山頂であった。 13:33到着。 鹿岳山頂1015m南牧村の標識がある。 山頂は北側には展望が開けていたが、南側の展望がないので、そこから南への踏み跡をたどって、展望岩まで行ってみることにする。 地図では3分ほどの道であるが、3人くらいしか座れないらしいので、食事を作るのはその手前のすこし開けたところでとることにした。 EPIをつけて湯を沸かす。 昼食はいつものとおり日清のカップヌードルである。

山頂より見る浅間山

 南側の岩場は、標高こそ少し下がってしまうが、本当に飛び出た突起物というようなスリルのある展望台であった。 四つ叉山から見たときに二の岳の左側にこぶのように見えるがまさしくそのとおりの小槍という感じのピークである。 岩の上に立ってみると浅間山の姿がきれい見えた。 さらに北東には妙義山の特徴ある岩峰の姿もよく確認できる。 西には御座山、南には帳付山と上州の名山が360度の展望で見ることができた。 浅間山は1カ月ほど前小規模な噴火があり警戒規制のレベルがあがったが、見ると山頂からは噴煙のようなものが見えていた。

振り返った一の岳の岩峰

 南東の方向にはさきほど登った一の岳が見える。 こうしてみると、二の岳と一の岳に標高差があることもわかるが、一方で一の岳がとてつもなく尖った岩の峰だということが分かる。 樹林が付いているからさほど恐怖感がなかったが、まるで槍が岳の穂を登っていたような感覚だ。秋にはこの山も紅葉を見るためのそこそこの登山者が来るようだが、すれちがいなどでくれぐれも事故のないように気をつけてもらいたい。 

二の岳山頂での写真

 さて、もう一度、二の岳の山頂に戻ってみた。 北東側に藤岡・前橋方面の街がよく見える。 驚くことに、空気が澄んでいるのか東のほうに赤城山はもちろん、筑波山まで見ることができた。小さな三角点の標識にタッチ。 こちらの山頂は10人くらいは休憩できるだろう。 他の登山者が誰もいなかったので三脚を出して、セルフタイマーで写真を撮影する。 今日は本格的な三脚を持ってきているのでいつものような見上げる目線ではない。 14:23に山頂を出発。 木々岩峠高原の標識に従い、西へ進む。 山頂を出てすぐぬ急な下り。 振り返ると、展望台の大岩が見えた。 かなり急で滑りやすい下りのルートをロープを伝いながら降りていく。

三の岳から見る二の岳展望岩

 降り切ったところが鞍部になっていたが、そこからさらに、登りとなった。 地図を見ると「ヤセ岩稜、三の岳との地元呼称あり」との記載がある。 ルートはあまり踏まれているという感じがしないが赤い手ぷがところどころあるので、それをたどって進んでいく。 40分ほどくだったところで、小ピークを乗り越えて下りになったが、それまであった踏み跡が急にうすくなってしまった。 おかしいと思い、ピークまで戻ると、そこまで北西に進んでいたルートが急に90度回転して、南西に向かって続いていた。 ここが高原下降点といわれるところのようだ。 しかし標識はまったくなく、ルートファインディングの技術の求められるところである。 

木々岩峠への伐採林

危うく道を間違えるところであった。15:19、山頂を出てから約1時間、ここから下降に入る。コースタイムでは40分で木々岩峠分岐ということになっているが実際には、もっと時間がかかったように思った。16:02に伐採林の開けた林道が見えた。 ブルドーザーの通った道までおりて、再び稜線上をたどる。 もはや赤いテープは見えなかったが踏み跡をたどって進む。 

下山---道の駅しもにたでの斜面一面のあじさい

16:27に林道に出る。 ここからてくてくと樹林の中を歩いていくとやがて舗装された道路に出た。 ここから20分歩いて木々岩峠の登山口であった。 民家の方とすれちがった。 今日、車から降りて初めて会う人だった。 川のせせらぎを聞きながらアジサイの花の写真を撮って、下高原のバス停に出る。16:50 自分の車を停めた場所はそこから徒歩5分のところであった。 帰りは、道の駅「しもにた」で土産にこんにゃくを買い、崖に咲く一面のアジサイの写真を撮って、暮れゆく渋滞の関越道をいつものように家路をたどった。


今年、関東百名山はまだ1つ2月に千葉の伊予ヶ岳に登ったきりであった。 そろそろ年中ばで、もうひとつくらい登りたいと思っていたところであった。 西上州の山は岩の峰が多く、険しい山が多いが、梅雨の中の晴天のチャンスによい景色を見ることができて満足であった。
(2015年7月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています