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鶴見岳
鶴見岳

基本情報
1 山名 鶴見岳(つるみだけ)
標高 1375m(三等三角点)
山域 九重連峰周辺
都道府県 大分
位置 N33.17.12/ E131.25.47 
地図 昭文社 山と高原地図58「阿蘇・九重・由布岳
2万5千分の1地図「別府西部」
20万分の1地勢図「大分/別府」
7 山岳区分 日本三百名山
登山記録
山歩No 3960-19032
登山日 2019年10月13日(日)
歩程 7時間40分
天候 快晴
形態 日帰り
アプローチ 日豊本線別府駅より亀の井バス旗の台
パーティー 3人

 2019年10月12日(土)過去にない最強台風19号が東日本を襲った日に、たった一便だけ飛んだ羽田ー大分便で秋の九州遠征にやってきた。 今年の目的は、鶴見岳ー由布岳の縦走である。 奈良から北A.Dさん、福岡からきたS.Yさんと合流して別府の鉄輪温泉に宿をとったわれわれ3名は鉄輪料理と地元の焼酎「鉄輪」に舌鼓を売って別府の温泉宿で寝た。

別府鉄輪温泉

 当初の計画では10月13日(日)の朝にA.Dさんが夜行のフェリーで別府にやってきて合流する予定であったが、12日の台風の影響でA.Dさんは前日から大分に入ってきた。 そこで、われわれは13日の朝から行動できることになったので、予定を繰り上げて朝6:30にタクシーに宿に来てもらった。この日は気持ちのよい快晴で昨日登った両子山で感じたような強風はまったくない。 朝、部屋で荷物を片付けているときに通過した台風が関東地方・東北地方に大変な被害をもたらしていったようで川の決壊などで多くの方が避難を余儀なくされているというニュースを見た。

タクシーで旗の台登山口へ

 タクシーは大分自動車道を南に走り、やまなみハイウエイに入る。 ロープウエイの山麓駅を過ぎて5分ほどで旗の台のバス停についた。 ここで下してもらう。 茶店は閉まっていたが、ご主人が出てきて登山口を教えてくれた。 6:53鶴見岳一気登山道から登りだし。 歩き出して5分ほどで「K地点 海抜550m ゴールまであと3.3㎞1時間50分」という道標が現れた。

鶴見岳一気登山道

 鶴見岳一気登山道は海抜0mのスパビーチから標高1375mの鶴見岳山頂まで全く自動車道を通らない日本唯一のコースである。 2019年4月14日にも大会が開かれて男性の優勝者のタイムは1時間15分18秒となっている。 この驚異的な時間はいったい何なのだろう。 こういう大会があるおかげで道標が整備されており、おそらくAから始まってZが終点なのであろう。 27区間に分けられた目安がレースの参加者にとってペース配分になるのであろう。 7:03砂防ダムに手前を巻いていく。 そこを超えると眼下に別府の町の景色が広がった。 7:14に地点M 海抜650mのところに到着。N地点も抜けて7:28に鳥居と「火男火売神社を経由して鶴見岳へ」という分岐に到着した。 マイカー登山をする人はどうもここまで来て、ここから登山道に入るようである。


火男火売神社

 神社の社はりっぱなつくりで安全登山の祈願をしてゆく。 その少し先にご霊水というところがあってこんこんと水がわいていた。 この一気登山道は水場がこの先ないのでしっかり給水していく必要がある。 神社から登山道に入るところに金属製の小さな登山届提出ポストがあった。 7:49、P地点海抜800mである。 ここから1時間15分という記載がある。 8:03一度林道を横切ってここから鶴見岳への登山道を進んでいく。 鶴見岳レクリエーションの森という立て札がったので、近所の小中学校から森林を見るために遠足に来たりするのであろうか。


南平台との分岐

 8:09にR地点、海抜900mを通過。 ゴールまであと1時間である。 8:18に南平台との分岐をすぎる。南平台は鶴見岳の展望台としては良さそうなロケーションであるが、あまりそこに入る道は人に歩かれてはいないようである。 8:27、T地点である。 ようやく海抜1000mまで登ってきた。
8:57 W地点 1150m、 9:12 海抜1200mのX地点に到達した。このあと当たり前に、Y地点があって、最後に山頂がZ地点になっているのかと思い込んでいたが、実はちがった。 このアルファベットの道標をみたのはこのX地点が最後だった。

 

野生のシカ

 8:31野生のシカに遭遇する。 相手はこちらに人がいるのを気づいているようであるがあまりおじる様子もなく平然としていた。 ちなみに由布岳近隣には自然動物はシカ以外にもジネズミ・ヤマネ・クマタカなどもいるようである。8:48にV地点海抜1100mを通過。 もう少しである。  9:25、ロープウエイ山頂駅との分岐に到着。 ロープウエイは17:30が最終ですと書いてある。駐車場も18時に閉まるようなので、マイカーで登山に来ている人は大変である。 9:38、行く手にふもとのゴルフ場、さらにその先には九重の山々が見えた。 もうまもなく鶴見岳の山頂であろう。ちょうどそのときに、後ろからトレランスタイルの人が我々を追い越していった。 ものすごいスピードである。

恵比寿天

 9:45に行く手が開けた。 山頂手前の台地である。 恵比寿天の銅像があった。 鶴見岳は神々が宿るという信仰の山のようである。 ロープウエイのパンフレットにも山頂七福神めぐりの案内がある。 1番の福禄寿から 2番大国天、3番布袋天、4番寿老人、ときてそのあとに5番恵比寿天が来るとある。 われわれは一気登山道を通ってきたからど真ん中にいきなり出てしまったようである。山頂直下には夫婦岩という岩もあった。 登山道の脇を通るようにして岩に触れていく。 

 

鶴見岳山頂

最後に手すりのあるスロープを進んでいくと鶴見岳山頂1375mの標識があった。 パラボラアンテナっをバックに写真を撮る。 ロープウエイの鶴見岳展望台とは違ってここには売店も何もないので山という感じがする。 たまたまであるがわれわれ3人が山頂を訪れたときも他の登山客はいなかった。 旅行ガイドを見ると鶴見岳ロープウエイの乗客が1年のうち最も多いのは10月のようなので台風の影響でもしかしたら客足も鈍っているのかもしれない。山頂からは眼下の別府湾に入ってくるフェリーサンフラワーがよく見えた。  


鶴見岳ー由布岳縦走路

10:00、鶴見岳の山頂を出発する。 目指すは、由布岳の東登山口である。 由布岳の東登山口は鶴見岳の西登山口でもある。 パラボラアンテナの南側を通って縦走路が走っているのであるがまず入口からわかりにくかった。 この鶴見岳は、一気登山道を登る人は多いのだろうが、そこから由布岳まで縦走する人はさほど多くないようである。 ふみあとは決してはっきりしているとは言えなかった。 

馬の背

10:26行く手に内山と進む由布岳の姿が見える。10:31に馬の背到着。 内山への登山道は崩壊が激しいらしく通行止めになっていた。 大分県の規制情報にも「馬ノ背から船底までの縦走路ルート(旧ルート)は、崩壊がさらに進んでおり大変危険です。滑落のおそれがあるため絶対に行かないでください。」と書かれている。 熊本大地震から3年。 たくさんの登山道が影響を受けている。 

西ノ窪

10:42、西ノ窪に到着。 内山に行くためにはここから北にあがるう回路をとらないといけないようである。 ここからは約1時間の下り。 ルートは途中、沢を横切るところなどは不明瞭なところがある。 やはり、地震の影響で道が崩落したところなどがあるのだろう。 ピンク色のテープが張ってあるところを頼りに進む。 
 

由布岳東登山口

11:39、雨量計の横を通り、由布岳東登山口への林道に到着。 大分自動車道の由布岳PAがスマートインターになっているので、この由布岳東登山口はマイカーでダイレクトにたどりつける絶好のロケーションである。駐車場はないのだが路肩に数台の車が停まっていた。我々はその手前の広いスペースで腰を下ろして昼食とする。 持ってきたおにぎりをほおばる。 A.D氏が重いといいながらリュックを開けるとなんと、昨晩買った瑞鷹酒蔵 鉄輪(かんなわ)麦焼酎が瓶ごとでてきた。 A.D氏が重いというので仕方がない少し軽くしてあげようとコップで2-3口いただく。行く先の由布岳を望み、また振り返って鶴見岳を再び見る。

鶴見岳は標高1375mの山であるのでそこそこの高さがある。 市民に愛される地元の山というのは日本ではいくつもあるが、この鶴見岳もそんな山なのであろう。 東京の高尾山、神戸の六甲山、京都の愛宕山、仙台の泉ヶ岳、札幌の藻岩山、別府にとって鶴見岳がそんな山たと感じた。 この旅が、別府と由布院という2つの温泉を結ぶ縦走の旅だったのでなおのこと、この鶴見岳の魅力がひときわ光った。 

(2019年11月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています