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蓬莱山
蓬莱山

基本情報
1 山名 蓬莱山(ほうらいさん)
標高 1,174m (一等三角点本点)
山域 比良山地
都道府県 滋賀
位置 N35.12.34/ E135.53.08 
地図 昭文社 山と高原地図45「比良山系・武奈ヶ岳」
2万5千分の1地図「比良山」
20万分の1地勢図「京都・大阪」
7 山岳区分 日本三百名山・関西百名山
登山記録
山歩No 3810-14012
登山日 2014年4月12 日(土)
歩程 2時間10分
天候
形態 前夜発日帰り
アプローチ JR湖西線志賀駅--琵琶湖バレーロープウエイ
パーティー 4人

 蓬莱山は比良山地の名峰である。 かつてこの山に登ったことがあるのだが下から歩いて登ったわけではない。 琵琶湖バレイスキー場に2度来た。 一度目は3月の上旬だった。 二度目は1月の下旬だった。2度目の時は相当に雪が降り積もって帰りに凍結した雪道でタイヤが滑ってひやひやしたのを覚えている。 この季節はもうスキー場も閉鎖になっているのでその心配はない。

朝の京都駅

 4月11日(金) 仕事が終わると帰り道で夕食をとってからいったん家に帰り、22:36阪急バスの夜行バスに乗車。 最初は大阪まで行くつもりであったので切符はそこまで買ってあったのだが、大阪から車を出してくれる仲間が急に不参加となったので、別の友人と京都駅で合流して湖西線の電車に乗って志賀駅まで行くことになった。 バスは京都に5時前に付いてしまったので正直早すぎて時間を持て余した。 吉野家で朝食を摂った後、スマホのバッテリーが不足していたので充電できるところを探す。 朝7:45に京都駅の湖西線ホームでT.Nさんと待ち合わせ。 電車で志賀駅へ向かう。

JR志賀駅

 8:32に志賀駅に到着。 この駅は20年前に琵琶湖バレイ・スキー場に来た時と全くたたずまいが変わっていない。 唯一駅の西口にちょっとこぎれいなパンやさんが開店したことだけが違いだろうか? 奈良から車でA.Dさんがご夫婦で参加。 ここで待ち合わせ。 このご夫妻とは前世紀から一緒に比良に登っている。 駅前の志賀町観光案内を見て、昔よく山岳部で納会に利用していた今でも民宿が営業しているのを知って嬉しくなる。

琵琶湖バレイロープウエイ

  A.Dさんの車に載せてもらい総勢4名で駅を後にする。 ぐねぐねと曲がった道を上がると、琵琶湖バレーのロープウエイ乗り場の駐車場に到着した。 桜が満開で見事である。 スキー場がシーズンの営業を終了して、また夏の観光シーズンになる前はお客さんが少なくなるからだろうか。 お花見期間ということで特別往復1000円でロープウエイが乗れるようになっていた。 上のスキー場で水が汲めるということを確認して、いざロープウエイに乗車。 総勢200名も乗車できる高速ロープウエイは一気に高度を上げていく。 琵琶湖の眺望が見事、眼下の林にはところどころ、タムシバが白い可憐な花を咲かせているのが見える。 

打見山山頂駅

 およそ10分で山頂駅に到着。 体操をして出発。 レストランの横から外に出るとそこはもう打見山の山頂エリアで正面には目指す蓬莱山がどっしりとした山容を見せていた。 スキー場だということもあり、ところどころ雪が残っているが歩くのにさほど支障はなさそうだ。ゆっくりと鞍部へと下っていく。 右手の谷にはスキー場のリフトがあるが、もちろんもうシーズンの営業を終了しているのえ乗り物をはずしている。 土木作業の方が今シーズンの営業で傷んだ場所を補修する工事をしているので邪魔にならないように横を通っていく。 あまりハイカーがいるような様子はない。 

蓬莱山山頂から比叡山を見る

  山頂到着10:08。古い地図には、山の神休憩所という小屋のマークがついていたが、実際には何もなかった。 リフトの山頂駅がありそこから南に20mほどのところに三角点標識と祠があるだけである。昼食にするのは少しまだ早い。蓬莱山から北に小女郎峠まできれいな縦走コースが繋がっているので歩いてみることにした。10:20出発。 近隣のハイカーだろうか?歩いてこちらに向かってくる数名のグループが見える。山頂直下は少し急な下り。やがてなだらかな稜線になって南には壮大な琵琶湖の眺めと和邇浜の海水浴場へ突き出た岬が見える。 縦走路の先にははるか南に比叡山が続いている。

小女郎池

 南の小女郎池まで行ってみた。小女郎峠から徒歩5分。10:52到着。 小さな沼は、窪地に入った雪が解けてできた池塘のようであった。その意味では秋にかけてどんどん小さくなって行くものなのかもしれない。石の集まった平坦なところで自分の持ってきたかまぼこをほおばる。八ヶ岳に行ったときの青年小屋に泊まった思い出話などをしていると思わず30分も休憩してしまったことに気付く。11:27出発。  

蓬莱山山頂集合写真

 小女郎峠まで戻り、再び蓬莱山の山頂を目指す。 11:56山頂につくとさすがに午後になったせいであろうか観光客がハイキングがてらに来ている姿が目についた。 山頂では涼やかな風が吹いていたが決して寒いということはなかった。 あとで聞いたら山頂での気温は12度だったそうだ。山頂にはトイレがないので、笹平のレストハウスまで下りることにした。もともとの下山口である金ピラ峠へのルートを見つけようとしたが、少しわかりにくいところに道標があった。 やはりロープウエイがあるということで登山道を使う人は少ないのであろうか。 12:11笹平 そこでベンチに腰掛けて昼食。 EPIで湯を沸かしてうどんを食べるのと合わせて持ってきたおでんも皆でつつくことにした。 

フリークライミング挑戦

 13:07昼食を食べ終わって再び打見山に向かってまたゲレンデの中を登っていく。途中、フリークライミングのウォールがあったのでよじ登ってみようとしたが、体が硬いのと自分の体重が重いのでなかなか思うようにいかない。 こんなところで滑ってけがをしては仕方ないので、早々にギブアップして打見山のロープウエイ山頂駅へ。 下りのロープウエイにはバスツアーで来たと思われる団体客がいて、一度ではロープウエイに乗り切れなかった。 10分毎に運転しているということなので焦ることもなく13:40のロープウエイに乗って駐車場へ戻る。 駐車場では桜の木の下でござを敷いて花見をしている家族連れもいた。

海津大崎へシャトルバスに乗って

 時間も早いので風呂に入るのもやめて、このまま琵琶湖に面した桜の名所である「海津大崎」まで行ってみることにした国道161号線の志賀バイパスに乗ると近江高島まではあっという間についた。 問題はここから再び国道に入る道が混雑していたので、もしかして海津大崎からの渋滞がここまで続いているのかといぶかってしまった。近江今津を過ぎてからは湖水浴場を右手に見ながら北へ進むのだがここからは本当に渋滞に引っかかってしまった。 海津大崎まであと5㎞というところまできたがとても動きそうにないので、マキノの駅前に車を止めてシャトルバスで海津大崎に行く方針に変更。 

琵琶湖にかかる桜と夕陽

 バスに乗ったのが16時だったので、向こうを出る最終バスの16:30には間に合わない。 帰りは覚悟して歩いて帰ってこねばならないが聞くと30分くらいの道のりだという。 なんだ、やまやにとってはそんな距離は大したことはない。 悠然と片道200円のバス料金を払って海津大崎に行く。 渋滞している車の横をシャトルバスは優先で進むのでありがたい。 海津大崎につくと、さすがに滋賀県を代表する場所でかつ日本のさくら100選にも入っている場所だけのことはある。 すごい人の群れである。 観光バスも入ってきている。 2日前に満開宣言しただけあって桜は見頃である。 琵琶湖の湖水に浮かぶ桜の影はこの上なく美しい。

敦賀でいただく新鮮な魚介類

 桜見物が終わっててくてくと歩いてマキノの駅に戻る。 今回の蓬莱山行きをともにした3人のメンバーとはそこでお別れ。 彼らと再会を約束して自分は次の目標である敦賀へと向かう。 滋賀県のマキノ町と福井県の敦賀市は25㎞ほどしか離れていない。ただし、湖西線の列車を40分待つことになった。 日没を迎えて気温が下がってきたが寒くてたまらないというほどではない。電車に乗って滋賀県の最北端の駅である近江塩津で乗り換えて北陸本線で敦賀に入った。 今夜の宿は蓬莱山の上から予約した駅前のビジネスホテルである。せっかく北陸まで足を延ばしたのだからうまいものを食べようと思い、敦賀食べ歩きガイドで調べた創作居酒屋「てんてん」に入る。焼酎と刺身に気合の入った店長とのトーク、さらにオコゼのから揚げがドライバになり純米酒は2本飲んでしまった。千鳥足になりながら気比神社の横を散歩してホテルに帰った。

 蓬莱山は日本三百名山であると同時に関西百名山である。 どちらとしてもすでに訪れたことの山としていたが、今回こうして残雪でないシーズンに歩くのは考えてみれば初めてのような気がする。比良の山はなんとなく、鈴鹿や六甲に続く自分のふるさとの山のような思いがある。 山岳部で毎年納会を比良山地近辺でやっていたせいもあるだろう。 もう一つは眺望かもしれない。 鈴鹿も六甲もそうであるが切り立った山からすぐ眼下に海が見える。 蓬莱山は眼下に見えているのは湖なのだが、この景色の共通点が、懐かしさを思い起こさせるのかもしれない。
(2014年4月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています