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鷲ヶ岳
鷲ヶ岳

基本情報
1 山名 鷲ヶ岳(わしがたけ
標高 1672m (三等三角点)
山域 飛騨高地
都道府県 岐阜
位置 N35.56.25/ E136.58.17 
地図 2万5千分の1地図「大鷲」
20万分の1地勢図「岐阜」
7 山岳区分 日本三百名山
登山記録
山歩No 3712-16009
登山日 2016年4月23 日(土)
歩程 第一日 2時間20分
天候 快晴
形態 テント泊1泊縦走
アプローチ 日高道から国道237号
パーティー 1人

 鷲ヶ岳は思い出の山である。 2012年4月、山スキーを履いて単独アタックした。 天気は良かったのだが思ったよりも林道歩きに時間を使ってしまい、残念ながら撤退することになった。今回、4年経って同じ4月、残雪がないことを確認して、盟友のA.D氏と野伏ヶ岳をトライするに合わせてその前日にアタックをかけた。

新幹線で名古屋へ

 4月23日(土)朝、5:30起床。 6:40に家を出て、7:17のこだま697号新大阪行きで名古屋へと向かう。こだま号の乗車率は40%というところだろうか? 前の晩、寝不足だったので、名古屋までずっと寝ていた。 8:38に名古屋に到着。 トイレを済ませて、4番線から東海道線の岐阜行き8:53に乗車。 9:00に清州駅に到着。 今回、一緒に行く、A.Dさんはすでに駅前に車で到着していた。 前日、自分も東京出張があったが、新幹線に乗っている途中で明日の待ち合わせのことでA.Dさんから電話がかかっていた。


高鷲から桑ヶ谷林道へ

 清州を出て、高速で一宮ICから名神を西へ走り、東海北陸自動車道に入る。 道はさほど交通量が多いわけではない。やはりゴールデンウィーク前ということだろうか? ナビの示す通りに東海北陸自動車道を北に1時間強走り、高鷲ICで降りる。 途中でコンビニにでも寄るつもりでいたが、 ICを降りてからはあまり大きな町もなくそのまま高鷲高原ホテルを目指す。 ホテルの横はゴルフ場になっており、ゴルフ場から分岐するように桑ヶ谷林道が続いている。

桑ヶ谷林道駐車場

 桑ヶ谷林道は林業用の作業道路のようなものである。走り始めて10分ほどで舗装もなくなり、あとはひたすら林道の中を標高を挙げていく。後ろから白のアクアが付いてくる。 林道の途中に少し広くなったところがあり、なぜか古いバスが放置されている。 ここにわざわざ車両を捨てに来たのだろうか? それともここまで上がってきてそこで動かなくなってしまったのだろうか?謎のバスである。 ヤマレコの記録ではこのバスの広場に車を停めている登っている人もいるが、われわれはもう少しおくの林道終点まで車を入れた。 3-4台の駐車スペースだろうか? われわれが到着したとき停まっていた車は下山した人のようで、すぎに帰って行ったので、われわれの車も後ろのアクアも仲良く駐車することができた。

 

稜線から鷲ヶ岳を見る

 駐車場に車を停めて、できるだけ荷物は置いて軽くして出発である。 11:25歩きだし、少しぬかるんだ林道を進んでいく。 昔はこの道も作業用車両の入る道だったのであろうか? 道ははっきりしているのでひたすら登っていくだけである。 歩きだして40分、傾斜が緩むと稜線の上に出た。 今日初めて鷲ヶ岳の全貌を見ることができた。 小高くなっている広場が藤原頼保の顕彰堂のあたりであろう。 

藤原頼保の顕彰堂

 12:15顕彰堂で安全祈願のお参りをして、お堂の前で昼食である。 昼飯は清州のコンビニで買ったセブンイレブンのプライベートブランドのカレーラーメンと巻きずしである。先に出発をしたアクアの単独行の方もここで昼食をとっておられた。 福井から来られたということだ。 荒島岳や経ヶ岳の話などをする。 顕彰堂のある場所は「いっぷく平」と呼ばれて1460mの標高で三角点もある。でも300名山を目指す人にとっては無雪期に車で来てしまうとここがスタート地点のようになってしまう。自分の場合は前回、ここまで来たので4年かけて2回の登山でやっと標高差650mを登頂ということになるのか。


立石林道を眺める

 12:58いっぷく平を出発。 ここから稜線に沿って進むが、すぐにひとつピークを越えると降り立ったところが林道であった。 まだここまで車で入ることさえできそうである。 100mほど林道を歩いて左手に立石キャンプ場からの林道を見ることができた。 前回は苦労しながらあの林道を裏にシールを貼ったスキーを履いて登ってきたのだと感慨にふける。 

鷲ヶ岳への登り

 13:30いよいよ鷲ヶ岳核心部の登りである。 最初は階段状に丸太が渡してあるが、丸太と丸太の間の土が雨水で流れてしまったいて帰って登りにくい。 前回積雪期にいっぷく平からこの山を眺めた時にこの稜線の登りが雪の壁のように見えた。 無雪期だとこんなふうな景色なのだと思うと不思議だった。 部分的にはロープにつかまりながら登るような急傾斜のところもある。 終盤のところで福井のアクアの単独の方が下山するのとすれちがった。 30分ほど登ると、階段がつきて急な傾斜は終了し、ゆるやかなクマザサの登り道となった。 やがて山頂の印である石の山名盤が見えた。    


鷲ヶ岳山頂

 13:44鷲ヶ岳の山頂到着。 標高1671.5mの三角点に今度こそは到達することができた。 南にあるピークのほうが高いようにも見えたが、地図上ではそのピークは1653mの標高になっているので山名盤のあるところが本物のピークであろう。 午後になって少しガスが出始めているので景色がものすごくいいという感じではないが、それでも白山や大日岳、猿ヶ馬場山など自分が登った300名山の姿を見ることができて満足であった。 来た道の方向を振り返るとホワイトピア高鷲スキー場のリフト終点の小屋が見えた。 桑ヶ谷林道のとりつきがスキー場と結構近いということが分かった。 買ったばかりのスマホホルダーを使って2人写真をセルフタイマーで撮った。 

下山・大日岳を眺めながら

 14:15下山開始。 丸太にうまく足をのせながら慎重に下る。14:40いっぷく平に戻ってくる。 鷲ヶ岳は、鷲退治の伝説の残る山だ。今からおよそ870年前、承久3(1221)年7月、天皇の命を受けた藤原頼保は、兵34人とともに美濃国の雲ヶ岳(鷲ヶ岳)で大鷲2羽を退治。また頼保は、鷲の子2羽を生け捕りにして天皇に献上したところ、鷲見の家名と鷲見郷8ヶ村を賜ったという。


満天の湯場所視察

 桑ヶ谷林道の駐車地点までゆっくり降りる。15:15に戻ってくるともうアクアの方は出発して次の山へ向かったようであった。 だれか雨具を忘れているのが駐車場に残っていた。 慎重に林道を車を走らせて、次の目的地である、石徹白へと向かう。 途中、スーパーで買い物をしようとしたが道の駅で教えてもらったスーパーにたどりつくことができず、とりあえず酒の簡易な食糧だけを確保して石徹白へ入る。 途中、ウイングヒルズ白鳥リゾートの満天の湯の場所を確認する。 



白山中居神社

石徹白に到着後は白山中居神社に訪問。 ミズバショウがきれいに咲いていた。 神社の裏手から白山への登山道が通じている。 大正10年(1921年)に福井県の県社になり、昭和33年(1958年)、石徹白村が福井県から越県編入して岐阜県郡上郡白鳥町石徹白となって岐阜県の神社となったという。 由緒正しい神社らしく荘厳な作りである。 もうひとつ、この大鳥居の前の桜が見事であった。石徹白川のほとりに車を停めてテントを張り、宴会をして翌日の野伏ヶ岳登山に備えた。



鷲ヶ岳は、2度目の挑戦であったがやっと頂上を踏むことができた。 山頂近くまで林道が通じていることで手軽に登れる山になってしまったようだが、自分の場合は4年前の積雪の時期のこの山の荘厳な姿が目に残っているがために、とりわけ思い入れのある登山となった。 岐阜の名山のひとつ、この記録も前回の記録とあわせて多くの人に見てもらいたいものである。 

(2016年5月 記)

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地図の引用画像は国土地理院発行の数値地図50000(地図画像)と数値地図50mメッシュ(標高)を利用しています。(この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。承認番号  平13総使、第301号)
登山ルートの俯瞰図は、DAN杉本氏の開発したソフトウエア「カシミール3D」にて作成しています