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基本情報
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山名 |
経ヶ岳(きょうがたけ) |
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標高 |
1625m (二等三角点) |
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山域 |
加越山地 |
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都道府県 |
福井県 |
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位置 |
N36.02.47/ E136.37.18 |
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地図 |
昭文社 山と高原地図43「白山・荒島岳」
2万5千分の1地図「越前勝山」
20万分の1地勢図「金沢」 |
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山岳区分 |
日本三百名山 |
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登山記録
山歩No |
3690-14019
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登山日 |
2014年5月17 日(土) |
歩程 |
4時間30分 |
天候 |
晴 |
形態 |
日帰り |
アプローチ |
JR北陸本線福井駅よりレンタカー六呂師高原 |
パーティー |
1人 |
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日本三百名山を狙うようになって、経ヶ岳という山が2つあることを知った。 一つは伊那の西側にある長野県の中央アルプスの経ヶ岳こちらは二百名山に入っている。もうひとつの経ヶ岳(きょうがたけ)は、福井県勝山市と大野市の境にある標高1,625
mの山である。もともとこの山は福井や越前勝山からのアプローチになると思われたので、どこか近畿方面・湖北の山に行った帰りにでも立ち寄ろうと漠然と考えていた。 しかしながら、5月の中旬、残雪期の最後を狙って笈ヶ岳にアタックすることを決めたとき、アプローチが福井からレンタカーとなったので、思い切って笈ヶ岳前泊の前に頑張って登ろうと思いついた。 |
特急しらさぎ
5月17日(土)朝5:20起床。天気予報では幸いこの週末は中部地方より西は好天に恵まれるとある。 前週は急速に気温が上がったが、いったん西高東低になって北海道では前夜季節外れの雪も降ったようだ。 幸い気温が低めであれば山での雪崩の危険も減少する。始発電車に乗って、静岡から新幹線で名古屋乗り換え米原へ。特急しらさぎに乗り換えておよそ1時間で福井に到着。 9:15下車。 この駅に降り立つのはいったい何年振りだろうか?
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六呂師高原から経ヶ岳を眺める
西口からタクシーで少し郊外のレンタカーの店舗へ。 タクシー代がかかるが、その分レンタカーが格安料金となっているのでありがたい。 今回初めてこのレンタカー会社を使わせてもらうが、24時間返却可能だというので選んだ。 レンタカーの受付とカラオケ店が一緒になっている。 なるほど、それで24時間営業が可能なのだ。 レンタカーは日産のノート。燃費がいいので助かる。 まだ6000㎞くらいしか走っていないほぼ新車だった。 福井を出てナビに従い越前大野へ入っていく。
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奥越高原青少年自然の家
越前大野の市街地を抜けて、六呂師高原スキー場を目指す。 経ヶ岳の登山口は福井県立奥越高原青少年自然の家の横からスタートするのが正規の保月山コースのルートであるが、一方、広域林道法恩寺線が尾根を横切るように走っているので、その展望台脇の駐車場に車を停めて歩き出す短縮コースもマイカー登山では利用されている。 往復1時間半程度の短縮ができるので相当に有効だといえるだろう。 最初、青少年自然の家まで車で行く。 何かの行事があるようで係りの人が駐車場に停める案内をしていたが、登山者であることを伝えて広域林道法恩寺線の入り口を聞いてみる。 林道の入り口はここまで上がってくる途中からいったん沢を渡るようにしてついているとのことなので、引き返して林道に入る。 林道とはいえ、カーブミラーもあるし、全線舗装されている。 途中の沢沿いなどは、少し落石があったりという状況ではあったが、普通の車で問題なく入れそうだ。
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経ヶ岳登山口
11:30に銚子ヶ口の展望台に到着。 ここから荒島岳が手に取るように見える。 駐車場にはすでに5台ほどの車が停まっていた。 自分が着いてすぐもう一台大阪ナンバーの登山者の車も入ってきた。 経ヶ岳の登山口はこの駐車場から2-3分勝山市側に歩いたところにある。 大きな標識があるので見落とすことはなく、ここから保月尾根に取り付く。20分ほど歩くと「アダムとイブ」と名前のついた2本の木が仲良く寄り添って立っている広場に出る。道はブナの樹林の中を程よい傾斜で登っていく。
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保月山
12:28に保月山の山頂に到着。 下山してきた人が一人休憩して食事をとっている。 自分もここで持ってきたいなりずしを食べることにした。この小ピークは北にこれから登る経ヶ岳の頂を眺めることができ、さらに東には、荒島岳の勇姿を見ることができる一服ポイントである。 保月山を出ると少し下りになり、痩せた尾根筋を歩くコースが始まった。 そろそろ朝から登り始めている人たちが下山する時間なのですれ違いをする。腹ごしらえを終えて12:41出発。
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難所の通過
岩場の横を通過する木製のハシゴを登る。ルートは歩きやすく整備されている。 このあたりは木の根の間を抜けながら登る急斜面が多くなってきた。 13:15に杓子岳に到着する。 ここには三角点がある。 これから登る経ヶ岳までのルートを一望することができた。 すでにここから先は森林限界より上にあるようでほとんど高い木がない。 さすがは豪雪地帯の山である。 夏場に歩くと少し暑いかもしれない。水を飲んで3分だけ休憩して出発。
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中岳手前の残雪
杓子岳からゆったりとした尾根沿いの道を少しアップダウンすると残雪地帯が現れた。雪渓というほどではなくまったくアイゼンは不要である。 13:30中岳に到着する。ここから見る経ヶ岳の姿は見事である。 中岳の山頂に標識は特にない。 ところどころに登山道を整備するための資材が置かれていたが、この山頂にも同じように杭が束ねられてデポされていた。 ルートはひたすらクマザサの中につけられている。
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切窓から池ノ大沢湿原を見る
中岳からは一気に80mほど標高を落として下る。 切窓と呼ばれる鞍部までくる手前に少し急な赤土の下り斜面があった。 ここも安全のために捕まることのできるトラロープが取り付けられている。 鞍部まで来ると平らな池ノ大沢の湿原が見えた。 湿原は雪で覆われて、さながら静かなテントサイトのようにも思えた。 唐谷コースへの分岐となっているらしいが分岐の標識は見当たらなかった。 |
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経ヶ岳直登
経ヶ岳へののぼりは、標高差230mの急な登り道となる。急なところにはトラロープがつけられているが部分的に滑りやすいところもある。 クマザサに捕まるようにして14:15に経ヶ岳山頂に到着。 二等三角点は標識から80m北に行ったところにあるということだったがあえてクマザサをかき分けて入っていくことはしなかった。 その先は法恩寺山や赤兎山からの縦走コースが続いているはずであるが、あまり人が歩いている気配はないようだった。ここから赤兎山までクマザサの稜線が続いており、その先には頭に雲をかぶった白山が見えた。南側には荒島岳とその奥に平家岳が見えた。
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山頂にて
登り始めたときは快晴だったが、今は少し風が出て雲もどんよりとしてきた。山頂でレーズンビスケットを食べて、14:45に下山開始。山頂から切窓までは急な下りであるので慎重に降りる。 切窓からトラロープに捕まりながら赤土の滑りやすい斜面を登る。 ルート上に雪は2-3箇所あるだけだった。 やはり今年は融雪が早いのであろうか? 翌日狙う笈ヶ岳は、残雪がないと登攀できない山なので少し心配になる。
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眺めの良い下山ルート
中岳の上でセルフタイマーを使って経ヶ岳をバックに写真を撮る。 確か自分より後ろに、大阪ナンバーの車で乗り付けていたご夫婦が歩いていたはずであるが、もはや誰の人影も見えなかった。 時間が遅いのでこのご夫婦も山頂まで行かずに下山したものと思われる。 経ヶ岳の山頂からの景色が360度雄大であっただけに残念なことである。 保月山までは樹林もないので帰りのルートは見晴らしがよく迷う心配もない。16:21保月山を経てアダムとイブの樹林を抜けていく。夕方の涼しい風が吹き付けてきてとても気持ちがよい。 花粉症がつらい自分にとって5月になって杉花粉が落ち着いての登山はシーズンとして一番あっているかもしれない。 16:54に登山口に到着。 もはや駐車場には自分の車しかなかった。
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新中宮温泉センター
17:05に車を出発させて林道法恩寺線を今度は勝山方面へ向かって走る。 こちらも全域舗装がされており悪路ではない。スキージャム勝山を経て有料の法恩寺道路に入る。 とは言っても料金所がなかったので有料なのかどうかよくわからなかったが。 ここから157号線を経て金沢方面へ。 約1時間半走って19時に中宮温泉に到着。 本当は途中で買い出しをしたかったがスーパーもコンビニも1件もなかった。新中宮温泉センターで風呂につかり、地元の人に笈ヶ岳の情報を聞く。 5月3日には90名もの登山者があったそうだ。 風呂からあがって今夜の宿である白山自然観察センター中宮館へ移動。 翌日に備えて21:15就寝。
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笈ヶ岳に自動車で行くアプローチの途中にある300名山として、今回急きょこの経ヶ岳に登ることにしたわけであるが、登っていてこの山がとてもアルペン的な景観を持っていることに驚いた。 2012年の秋に北海道のニセイカウシュッペ山に登った時に樹林のない山頂までひたすら視界の開けた山というものを知ったが、この経ヶ岳もそれに通じるところがあった。 素晴らしい景色に恵まれた山である。
(2014年5月 記) |
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